生命誕生を願って
外来を学ぶ研修の一貫として、割り振られた先は「不妊治療」を診察を主とする不妊外来でした。
不妊といっても原因は様々なのです。
そもそも「不妊症」とは?
避妊をしないで性生活を継続的にしているにもかかわらず、1年間妊娠が成立しない状態を指します。
不妊症の原因は、女性側に問題がある場合、男性側に問題がある場合、もしくは両方にある場合などの不妊の原因を特定できることがある反面、はっきりした原因が特定できないケースもあるようです。
【女性の主な不妊の原因】
卵子の老化
卵管の異常
排卵障害
子宮の異常
頸管粘液の異常
免疫の異常
【男性不妊の主な原因】
造精機能障害
性機能障害
精路閉塞障害
また、喫煙や加齢も不妊に関係しています。
よつ葉の研修ノートより。
守秘義務があるためご理解くださいますようお願い致します。
『不妊治療とあるケース』
結婚生活10年、奥様と旦那様は同じ年齢。高齢とはまだほど遠い年代。ご夫婦で検査を受け結果は、旦那様の精子の数も運動能力も正常値。
ということで、不妊症の治療としては「タイミング法」「人工受精」「体外受精」などの生殖補助医療を順を追って治療を進めていくことを提案。
※ タイミング法 ⇒ 妊娠しやすい時期を見計らったうえで性交渉をする方法。
※ 人工授精 ⇒ 排卵日に精子を人工的に子宮内や卵管内に入れてあげる方法です
※ 体外受精 ⇒ 正しくは胚移植法といって、卵を一度体から取り出して、男性から採取した精子とシャーレの中で受精させてあげ、発育が始まったのを確認してから、子宮内に戻してあげる方法
人工受精、体外受精では男女それぞれに相当な覚悟と協力がないといけません。女性は事前に注射で卵を発育させてあげたり、排卵を起こすための注射を打ったり・・・などの処置が必要になってきますので、苦痛や痛みなどを伴います。
男性は、病棟でご自身で精子を採取してもらわなくてはいけません。
そして治療を進めていく上で、最も負担となる不妊治療の費用について。不妊治療で保険の適用となる治療はタイミング法です。その他の人工授精や高度生殖医療(生殖補助医療)は保険適用外となっています。
タイミング法…数千円~1万円台
人工授精…2万円から3万円
体外受精胚移植…最低30万~40万円(顕微授精や胚盤胞培養、胚凍結が加わると50~60万円以上)
同じ治療法であったとしても、施設により金額は異なるようです。事前にご確認をしてくださいね。
研修の症例として与えられた診療カルテは、7年の不妊治療をされ気力体力経済的な理由でお子様を断念されておられました。
この研修で、新たな課題というか生命の尊さを学んだように思います。これからの看護に活かしていけたらいいと思いました。
貴重な体験をさせていただきました。この研修に参加をするように声をかけてくださった看護部長に感謝をしています。




