同期のプライベートでの顔
障害について苦手な方は、次回からお楽しみください。
ロッカーが近くの同期の看護師さんのプライベートでの話をきいて考えさせられた。
お兄さんは知的障害があるとのことです。普段はご両親が面倒を見ていらっしゃるそうです。
その子が社会人になりとある日、実家に帰ったときにお母様にお兄様の事で言われたことでイライラしたことを話してくれた。
「貴女が看護師になってくれてホッとしたわ」
そう言われ疑問に思った彼女は聞き返したそうです。
「看護師になったからって別に何かが変わる訳じゃないでしょ?」
「お兄ちゃんのお世話に役立つでしょ?」
「え? お兄ちゃんの事は心配要らないって言ってたでしょ!」
「私達がお世話できなくなったらどうするの? お兄ちゃん一人じゃ生きていかれないでしょ? 妹で看護師なんだから、それくらい簡単でしょ」
知的障害の兄を何も思わないのかと言えば、そうではないと思う。でも両親の後を引き継ぎ、兄の世話をするという事は自分の一生を兄の介助で終わらせたくないと言う。
「何年か先に必ず訪れる両親の介護。それは仕方ないと思う。でも兄の介助(世話)を押し付けるような言い方をしないで欲しい」
そう語ってくれた。両親の気持ち、そして同期の看護師さんの気持ち。どちらの意見も間違いではないと思いますが難しい問題ですよね。その同期の子が両親に提案をしたそうです
「家の中だけの世界しか知らないのは良くない。障害の人達が集まるグループホームなどの施設を視野に入れるべき時じゃないの!」
「急にそんなとこに連れていったらかわいそうじゃない」
「それを言うなら、私はかわいそうじゃないの? いきなり兄を押し付けられて仕事もままならずどうやって生活するの!」
「・・・・」
ご両親は、お兄様の事しか考えに及ばなかったようです。同期の子の生活やプライベートなど全く考えず自分が面倒をみられなくなったら、妹である同期の看護師の子に託せばいいと思っていると言うのが現実に親世代は考えがちなのでしょう。
兄弟が数人いて支え合うのではなく、一人に覆い被さるような介助(お世話)は、どちらもが疲れきってしまう傾向になるので、色々な支援の方法があると思うので、みんなが納得できる道が拓けるように祈るばかりです。