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異世界イルストラシオン  作者: 黒糖猫
5/10

№4 冒険者ギルドに来て、早々…

今回、少しズレてしまった投稿日を修繕する為、早めに更新をしました。

 鑑定を終えた僕は、祭壇から降りて、そのままヴァースが居る別室へ向かう。

 僕のステータスに表示されている、この"???"と書かれているところ…

 祭壇から降りてから、ずっと考えていても、何も解決しない…かと言って、下手に聞く事も出来ない。

 それは、僕がこの世界の住人では無いからだ。

 此処の常識も非常識も、何も区別が付かない状態。

 だからこそ、無闇に行動すれば、面倒事が増えるのが目に見えてる。

 其れに…せっかく仲良くなったヴァースには、余り迷惑を掛けたくないと、言うのが僕の本音だ。

 只でさえ、"イルストラシオン"だっけ?…彼らのせいで、悪目立ちする可能性もある。

 ソレもコレも…神託なんか使って、盛大に発表した誰かさんのせいだ!

 あの人、大事おおごとにするのが好きそうだもんな…全く。

 僕は、そう思いながら溜息を吐いていると、ヴァースが居る別室に到着していた。

 扉を開くと其処には、両腕を組みながらソファーに腰掛けるヴァースの姿があった。




「ヨォ、随分早かったな! もう終わったのか?」


「…うん」




 まぁ、細かい事を考えても仕方ない。

 今は、僕に出来る事を、只今やるだけだ。




「じゃー、そろそろ行くか!」


「うん、そうだね!」




 こうして僕は、無事にステータス鑑定を終え、僕達は教会を後にする。

 次は冒険者登録をする為、冒険者ギルドへ向かった。





             ◇◇◇





 現在…僕達一向は、次の目的地である、冒険者ギルドに到着した所だった。

 建物の大きさは、凡そビル2〜3階ぐらいは、あると思われる。

 間近で見ると、周囲の建物とは違った雰囲気を、醸し出している。

 コレが冒険者ギルド…入り口から物凄い気迫を感じる。

 流石に小心者には、入り難いな。

 熱気に近いオーラが、ギルド内に充満している気がする。

 うん…コレ、中に入らなきゃ駄目なのかな?

 僕は思わず息を飲むと、横に居たヴァースが「その内、直ぐに慣れるから心配要らないよ」と、笑い掛けてくれた。

 どうやら僕の様子を見て、彼なりに気に掛けてくれたのだ。

 確かに、僕が思っていた以上の迫力に、若干…顔を引きずっていたかも知れない。

 しかしながら、そこまで僕の事を案じてくれるなんて、やっぱりヴァースは良い人だ!

 それにしても何故、此処まで絵に描いた様な善人が、周囲に認められ無いのだろうか?

 そういえば…この前ヴァースが、僕に会う前は、周りから”無愛想だ”とか、言われていたんだっけ?

 やっぱり僕には、想像も付かない。

 他の冒険者って…見る目が無いとか?




「ほんじゃ…行くぞ!」




 彼がそう言うと、さっさとギルドの中に入ってしまう。




「うん…って、あっちょっと! 置いて行かないでよ!」




 僕はそう言いながら、慌ててヴァースの後を追う様に中に入る。

 すると、僕の目の前に広がったのは、肌黒い太マッチョのおっさん達による、腕相撲対決だった。

 両者一歩も引かず、頭に血が上っているのか? 額には太い血管が見える。

 互いにオラオラと叫び合っていて、周囲の観客達も盛り上がっている様子だ。

 ううっ…暑苦しいよ。

 そんな光景に、少し目が眩んでいると、向こうの方から「お~い!こっちだ!」と、ヴァースの声が聞こえて来る。

 僕は直様、声が聞こえて来る方向へ、向かって行った。 




「ごめん…待って居た?」


「いや、そんな事は無いよ。只…登録の方は、もう少し待って貰えないか?」


「え?…どうして?」


「実は…お前と会うちょっと前に、魔物を狩っていて、これから魔物の素材を、先に売っちまおうと思ってな。ほんの少しだけ、時間が掛かりそうなんだよ」


「成る程…それなら仕方が無いね」


「悪いな…終わったら直ぐ戻るから、そこら辺で待っててくれ!」


「うん、分かったよ」




 ヴァースはそう言うと、すぐさま行ってしまった。

 僕はと言うと…暫くの間、近くに在った掲示板の依頼書を眺めていた。

 僕が唯一保有していたスキル『言語翻訳』のお陰で、この世界での読み書き…そして言葉は、全てが翻訳してくれる。

 いや~コレは、かなり便利ですね。

 本当…持っていて良かった!

 僕の目から見ると、書かれている文字全てが、自動的に日本語へと変換される。

 そして僕は、依頼書を見る事に夢中になっていたみたいで、周りを良く見ていないせいで、誰かと打つかってしまう。

 それが、まさか最悪なケースに変貌するとは、つい知らず。




「あ!ごめんなさ…」


「オイオイ! 何所見て歩いてんだーテメェ…あぁ!」


「!」




 その瞬間…僕は、運悪くガラの悪い冒険者に、絡まれる羽目になった。




「オイ…聞いているか?クソガキ!」


「あっ…あの~」




 わーーーーーーーーーーーー!

 怖い…怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!

 そんなに顔をドアップして、ガンを飛ばさないで~~~!

 貴方は、何所ぞのヤンキーですか!

 …いや、この迫力ならば或いは、ヤクザやマフィアの幹部とかのレベル?

 そして何気に、茶髪リーゼントの先っちょが、グイグイと頭に刺さってくるし………

 ヤバイ…ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!

 もう…勘弁してほしいのですが。

 涙目に成りながら、そう思っていると………




「おーい兄貴!どうかしやしたか?」


「しやしたか?」



 うおぉぉぉぉぉぉぉぉい!

 此処に来て、二名も追加されたー!

 然も、二人してアフロヘア。




「このクソガキ!この俺様・・になめた態度をしやがってな」


「「な~~に~~!」」




 その時、弟分であろう二人の表情が、まるで般若の様に変わった。

 如何やら、ご立腹の様子だ。

 ………………って

 いや…いやいやいやいや!

 何故?

 何故そうなる!?

 全然なめてませんが!

 僕が何時!そんな態度を?

 只…単に、打つかってしまっただけじゃんか!

 何で、そんないちゃもん付けられる訳!?

 ちょっと、可笑しくない?

 可笑しいよね…ソレ!




「オイオイ、ゴラー!」


「ゴラー!!」


「俺らの兄貴をナメ掛けるとは、良い度胸じゃねぇか…オラっ!」


「良い度胸じゃねぇか…オラっ!!」




 壁越しに背を付け、周りを囲まれてしまい、逃げ場を失う。

 ダブルアフロの言葉の猛攻を受けた続けた。

 何だろう?この状況は… 

 僕は今、再びリーゼント+アフロ×2にオラオラと揉まれている。

 そして…周囲から人が集まるも、関わり合いにならんとばかりに、目を逸らされる。

 …えーと。

 何コレ…一体、何のプレイなの?

 威嚇のつもりなのか?

 3人から発する、熱気が顔面に…そして身体から伝わって来て、物凄く暑苦し!

 そして、男ならではの体臭。

 …と言うか、汗臭い!

 うう…誰か、ヘルプ!

 僕は少し涙目になりながら、壁越しに縮こまっていた…

 その時、三人組の中心に居た…つまり、兄貴さんの肩に乗せる、一人の男の手が見えた。




「………………おいっ!」




 絡んで来た三人組の背後から、腹の底から響いている様な、低い声が聞こえる。

 僕は…その声に聞き覚えがあった。




「「「…アァっ!!」」」




 三人組は、振り返る際に声を上げる。

 それも、額に怒りマークの様に見える、太い血管を浮かべて。

 



「何だ〜?テメーっ!」




 そう言う…兄貴分の男が、背後に居た男にガンを飛ばすが…その男には、全く通用していない様子だった。

 そして、その男の顔から、少しの笑みを浮かべていたが、目の方は…全く笑って無かった。




「少しばかし、俺も混ぜて貰おうか」




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