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□味わう


 桂枝雀 の新作 落語、「ねこ」

 松本清張「左の腕」朗読


 を、続けて聴きながら


 **


 小説、を味わう、ということについて、私は、この作品の朗読を聴き、初めて深くきづき始めたような感覚すらする。それは、桂枝雀 の新作 落語、「ねこ」を聴いたときとは、感覚が違う。それは、落語と小説の朗読の違いだ、と断定するように上から押さえつけられれば、言葉もなく黙ってしまうようなそのような言葉にならない小さな違いのような感覚に過ぎない。


 ……けれど、それは、私にとっては、鳥肌がそこびえのように浮き上がるように、感覚が大きなもののように思う。違う。視点が。語りと朗読の違いとかそのようなものじゃない。それは、丁寧に重ねる、ということの違いなような気もした。


 視点を読むというのは、重ねるというのに似ている。ただただ情景を描写しているのに、登場人物の心理的な動きが少しずつ少しずつ重なって重なって、大きなものになっていく、心情描写がそこにあるわけではないのに。


 ただただ、会話と情景描写、登場人物が濃く重なり情景と対話が重なっていくうちに、大きく大きくなっていく。それは、小説を味わうということなのだと、この、松本清張「左の腕」朗読を聴き、初めて感覚で理解したように思う。


 ……ただただ、底冷えがするように寒い



 --これが、小説を感覚で味わう、ということ……


 あまりにも唐突で、言葉にならない



 心が動いて、感覚がふるえている



 言葉にできるようになるにはもう少し先になる


 けれど、いつかこの感覚を言葉で説明できるようになり、


 そうしていつか


 いつか、


 このような味わえる


 味わえる


 小説を書けるようになりたい

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