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CASE.7 いざ街へ

※訂正

ステータス表記の経験値欄ですが、EXEでは無く正しくはEXPです。

申し訳ありませんでしたm(_ _)m


……EXEって何だよ、プログラミングの勉強中かよ(°Д°)笑











──────戦闘、いや”狩り”の開始から恐らく数分が経過した。




「……ふぅ、これで全部かな」




 足元に落ちていた石の欠片の様な物を拾い上げ、大袋の中に放り込んでいく。


 俺が何をしているかと言うと、倒したゴブリンの所に落ちていたドロップアイテムを拾い集めている所である。

 一蹴りで倒せると分かってからの戦いは、呆気なく終わってしまった。逃げ惑うゴブリン達を追いかけ、一体ずつ蹴り倒していくだけの簡単な作業は、その後が問題だった。




「やっぱ蹴り倒すんじゃなくて、気絶させるか何かしてバラけるのを防ぐべきだったな……」




 そう、調子に乗って全部を蹴り倒した余りに、ドロップアイテムの回収に時間が掛かってしまったのだ。ゴブリンを倒すだけなら一分程度だったのだが、無駄に時間が掛かった原因はこれの所為である。




「しかし……やっぱりドロップ率があるんだな」




 ゴブリンが落とすアイテムとしては今みたいな石の欠片の様な物だったり、奴らの使っていた小剣だったりと色々あったが、中には何も落とさない奴もいた。落ちるアイテムはランダムなのだろうし、確率も十割では無いのだろう。




「っと、そう言えば経験値って手に入ったのかな?

──────”ステータスオープン”」




───────────────────────




<基本情報>


名前:岬山(みさきやま)生澄(いすみ)

種族:人間

性別:男

年齢:18

Lv:2

EXP:0/40


<ステータス>


HP:11000/11000

MP:11000/11000

STR:999+

DEF:999+

AGI:999+

INT:999+

MIN:999+

LUK:999+


<スキル>

集中、体術Lv0


<特性・称号>

・進行性骨化性線維異形成症(改) ・パーキンソン病(改)

・突発性難聴(改) ・魚鱗癬(改)

・網膜色素変性症(改) ・下垂体前葉機能低下症(改)




───────────────────────





「おお、レベルが上がってる……体術?」




 ゴブリン一体の経験値は2らしく、計十体倒したので丁度レベルアップしたのだろう。相変わらずHP、MP以外はカンスト表記のままなので、上昇したのかさえ分からない。

 それよりも目を引いたのが、スキル欄に新たに表れていた”体術”の項目。名前から想像は付くが、念の為見ておく事にした。




・体術,

説明:素手での戦闘技術が向上し、習得効率に補正がかかる。スキルのレベルは体術の練度に依存し、レベルが高い程高度な技術を会得しやすくなる。(現在のレベル:0)




「……つまり、素手で戦闘を行えば行う程このスキルのレベルが上がるのか」




 手元の説明紙を軽く眺めてそう呟いた俺は、ステータスを閉じると一旦地面に置いていた荷物を持ち、舗装された地面の方へと歩いていく。




(……多分だけど、ゴブリンを素手で倒すなんて馬鹿げた芸当が出来るのはチート能力のお陰で、これは余り見せない方が良いのかもな。今変に目立つと、後の行動に支障が出るだろうし)




 早急に街に行って身分を確立するべき、そう考えると少し早歩きになってしまう。




「街に行ったら、まず宿の確保かな……あぁ、服も買わなきゃならないし、装備も買わないとな」




 衣食住の揃っていない現状ではあるが、街に着きさえすれば食は確保出来るだろう。だから優先すべきは住、つまりは宿泊先である。


 暫く草原地帯を横断していると、遠くに何か壁らしきモノがチラついているのが見えた。




「あれが、街なのか……?」




 そう言えば、神様に『異世界の街は中世ヨーロッパの構造を取る事が多く、それに加えて街全体を城壁で囲う事がある』と習ったっけ。だとしたら、アレはコンクリートか何かなのか?




「……あ、人が居る」




 さらに近付いていくと、灰色の壁にある門の前に人らしき者が立っているのが見えた。それだけでなく、その前に数人並んでいるのも見える。


 寄っていくと、門の前に立っている人が門番らしく、鉄製のヘルムやメイル、膝当てなどを身に着け、鞘に入れた剣を腰に下げていた。その前に人が並んでいるという事は、恐らく街に入る手続きか何かしているのだろう。




(俺も並んでおこうかな)




 前に並んでいる人を観察していると、門番と軽いやり取りをした後に門を開けて貰っていた。その時に何か見せていたようにも見えたけど、俺に見せる様な物は持ってない。

 と、いつの間にか俺の前の人が門の向こうへと消えていっていた。次は俺の番だ。




「次は……黒髪とは珍しいな、何処から来たんだ?」




 おっと、いきなりピンチだ。出身なんて、日本以外に答え知らないんだけど。

 分からないからと言って素直にそう告げる訳にもいかなければ、答えない訳にもいかない。そこで、俺は少しカマを掛ける事にした。




「ははっ、何処だと思いますか?」


「はっ、ほざけ。その黒髪に北の道から来た事を考えれば、サスティア大陸から来たんだろ?」


「…………」




 なるほど、どうやら俺みたいな黒髪はサスティア大陸と言う場所に多く住んでいるらしい。しかも今来た道を逆に進めばそこに辿り着けるという副次情報まで手に入った。




「……いや、もしかしてキリネの出身か? いや、それにしてはやはり見た目がな……」


「サスティア大陸出身で合ってますよ」


「お、やっぱそうだったか。まだまだ俺の見る目も悪くないって事だな」




 そう言って門番は豪快に笑っていた。普通なら怪訝な態度になりそうな会話だが、この人が良い意味でおじさんだったのだろう、深く追及される事は無かった。




「はは……っと、悪い悪い。それで、何か身分を証明するものか令状か持ってるか?」


「いえ……何も持ってないです」


「そっか、なら通行料として鉄貨五枚貰う事になってるんだが、あるか?」


「えっと……丁度は無いんで銅貨でいいですか?」


「おう、それでいいぞ」




 身分証明が無くても入れる事に安心した俺は大袋から貨幣の入った小袋を取り出し、その中から銅貨を一枚取り出す。赤銅色のコインは一枚しかなかったので、迷う事無く取り出せた。




「はい、これでいいですか?」


「ん、確かに。じゃあこれがお釣りな」




 そう言って門番は俺に手を開かせ、その上に黒銀色のコインを五枚乗せて来た。それを小袋に仕舞い、大袋に入れて肩に掛けると、その間に門を開けていてくれた。




「ほれ、通っていいぞ」


「ありがとうございます」


「あぁ、一応忠告だが、街を出るのには金は要らないが、街に再び入る時も金は必要になる。だから先に身分を証明出来る何かを用意する事だ」


「あ、ありがとうございます……」




 何故だか一瞬だけ、その門番が巨人か何かに見えてしまった。それだけ、門番の言葉には重みがあった。

 威圧を感じた俺は退散するかのように、そそくさと門の中へと入っていくのだった。




「…………」







この門番……何かある!!



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