CASE.4 やる事はまずチートの確認
さぁ、ステータス回ですよ〜
……サブタイトル通り、チートです(笑)
視界が闇に包まれたかと思うと、それも一瞬だった。
「……おぉ」
次に目を開けた時には、目の前には若草色に煌めく草原が広がっていた。
周囲をざっくりと見回してみると、周りに人の気配や建物がある訳でもなく、所々に木がある程度。
「……っと、そう言えば貰ったな」
歩き出そうとすると、神様から貰った大きめの袋に躓きそうになる。口元を縛っている紐を持ち、肩に掛けて持って歩く事にしよう。
「取り敢えず、こういう時はあの木の所まで行って状況を確認かな」
日陰になっている木の下まで歩いて行くと、そこに荷物を下ろして腰を下ろした。
やる事と言えば、まずは異世界のお決まり、ステータスの確認から。神様と勉強した時に、だいたいのお決まりの言葉は教えて貰っている。
「えっと、”ステータス”……違うのか。なら”ステータスオープン”……おっ?」
どうやらステータスオープンが正解だったらしく、目の前に一枚の紙が現れた。
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<基本情報>
名前:岬山生澄
種族:人間
性別:男
年齢:18
Lv:1
EXP:0/20
<ステータス>
HP:10000/10000
MP:10000/10000
STR:999+
DEF:999+
AGI:999+
INT:999+
MIN:999+
LUK:999+
<スキル>
集中
<特性・称号>
・進行性骨化性線維異形成症(改) ・パーキンソン病(改)
・突発性難聴(改) ・魚鱗癬(改)
・網膜色素変性症(改) ・下垂体前葉機能低下症(改)
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「……これは」
カンストした能力値に俺が患っていた六つの難病、それを見た俺は言葉を失ってしまっていた。
神様が失敗した、と言う訳では無さそうだ。現に俺は何の問題も無く行動出来ている訳だし、何よりこれらの難病の後に(改)とついている。恐らく神様がいじった結果を示しているんだろう。
と、そんな事を考えながら難病の一つの”進行性骨化性線維異形成症”を見つめていると、またもう一枚紙が手元に出現する。
・進行性骨化性線維異形成症(改),
説明:元は身体の筋肉や腱、靭帯が骨組織に変化する難病だが、神によって改造された。
意識を集中させた体の部位を、意識を集中させている間だけ超硬化する。硬度は自身のDEFに依存する。
「なるほど……ってカンストしてる俺がこの能力使ったら凄い事になるんじゃ……」
規格外の能力を持ってしまった事に驚きながらも、他の五つの病名も見つめてみる。多分こうする事で他の能力の説明も見れるんじゃないか?
実際、俺の予想は当たっていた。ただ、一度に見れるのは一つだけらしく、手前に見ていた説明の紙は新しいのが出ると同時に消えていた。
・パーキンソン病(改),
説明:元は手の震え、動作や歩行の困難などの運動障害を引き起こす難病だが、神によって改造された。
自身の全ステータスに極大な補正、レベルアップ時のステータス上昇に大幅補正、レベル上限10000まで解放、体術・武術系スキルの習得効率が大幅に上昇する。
・突発性難聴(改),
説明:突然に原因不明な内耳性の感音性難聴が発生する難病だが、神によって改造された。
周囲の音を事細かに聞き分ける事が可能になる。また、特定条件下では異界の声を聞く事も可能になる。
・魚鱗癬(改),
説明:皮膚の表面が固くなり剥がれ落ちる難病だが、神によって改造された。
自己治癒能力が大幅に向上され、回復系のスキルの威力・習得効率が大幅に上昇する。
・網膜色素変性症(改),
説明:網膜の視細胞が退行変性していき、失明その他視覚的障害に陥る難病だが、神によって改造された。
視力に補正がかかり、意識を外に集中させることで半径100メートル以内の空間情報を認識可能になる。
・下垂体前葉機能低下症(改),
説明:体内の分泌液の欠如により様々な症状を引き起こす難病で、自身の場合甲状腺ホルモンの欠如による記憶力・集中力の低下が起きていたが、神によって改造された。
スキル取得が超早熟になり、思考速度が上昇、スキル『集中』を取得する。
「……有り得ない位にチートだよな。これで俺、人間なの?」
思わず苦笑いが出てしまう俺は、最後にスキル『集中』を確認する事にした。
・集中,
説明:発動すると一定時間、周囲の体感速度が激減する。時間は自身のLvに依存し、一度使用すると疲労が蓄積する為、3時間経過するまで再使用出来ない。(現在の使用時間:15秒)
「お、おぉ……チートなのに何だかチートな感じがしない……」
感覚が麻痺してきて更に顔が引き攣ってしまう。
そう言えば、ステータスを閉じるのはどうするのだろう。ステータスオープンと逆だとしたら……
「"ステータスクローズ"」
そう呟くと、勘が見事に的中していたらしく手元のステータス紙と『集中』の説明紙が手の中から消え去る。
「よし、じゃあ次はこれの中かな」
次に、俺は神様から貰った大きい袋の中を確認し始めた。
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