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日々  作者: 笹十三
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夢殺人事件

幻想のような、物語のような、美しい毎日が送れたらいいのにね。幻想は、物語は、そんな憧れを抱かせるけれど、そんな日々はやってこない。夢を見せた責任をとってよ。


夢は不可能で出来ている。だから夢は夢によって殺された。

ガラスの破片を握りしめて、そのふちで指先を切るように、僕は夢の破片で血に濡れた。


金色に染まる夜空の天蓋は、僕にだけわかるように崩れだした。


すべてが終わった空の下、僕はしかたなく歩き出した。

なにかを呟いたり、誰かに声をかけたくなったけれど、全ての言葉が無力に思えた。


なにかを失った分だけ、なにかを得られたならそれでいいと言うけれど、それは言い訳。


なにも生み出さなくていいって、優しい比喩に負けそうになるけれど、その裏にはなにかを生み出さなくてはいけないって言葉が存在していることを、僕は知っている。


夢殺人事件。犯人はわからない。僕のなかの幻想が死んだ日。


すべてが不明のまま、花は枯れる。

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