2話 自販機コーナーとユー〇ォ―キャッチャー
「ワタルさん、ワタルさん、どうしたの?」
「あっ、えっ? いえ、皆さんが凄くお綺麗だったので……あっ、えーっと」
やばい、衝撃でとんでもない事言ってしまった、何処のキザ男だ……
「あら、いきなりね、少し恥ずかしいわ」
「うふふ、ワタルさんもそんな事が言えるのね」
「でも、凄くお肌も髪もスベスベになりました。褒められると嬉しいですね」
は、話を変えないと。
「みなさん、お風呂上りには、ビールなんですよ」
買って来たビールを女性陣に配る。プルトップの開け方を教えて、目の前でグイグイビールを飲む。
お風呂上りには牛乳とかコーヒー牛乳、フルーツ牛乳の意見もあるだろうが……酔った方が何かが起こりそうなのでビールに決めた。
「ぷはー、最高です。お風呂上りの乾いた喉に、ビール。皆さんも試してみてください」
「ぷはー、美味しいわね。ビール? エールに近いけど、冷たくてしゅわしゅわで美味しいわ、ありがとう、ワタルさん」
「そうですよね、アレシアさん」
それを見た他の女性陣も一気にビールを呷っていく……みんな気に入ったみたいだ。これでお風呂上りは、浴衣でビールが定着すれば、嬉しいな。
「ふーー、では少し休んでから、船内の案内をしますね」
「ええ、お願いします。でもビールが美味しいから、もう少し休ませてね」
「ええ」
休憩をしながら、お風呂の感想を言い合う女性陣を眺める、皆喜んでるな。浴衣姿も良いし、フォートレス号を買って良かったな。
「ご主人様、リンスインシャンプーとボディソープって凄いわね。とてもスッキリしたわ」
「喜んでもらえたのなら良かった」
(うふふ、今夜はゆっくりイチャイチャしましょうね)
(はい)
今夜は映画を見たり、スロットをしようと思ってたけど、予定変更だな。漲って来た。
「では、そろそろ、行きますか?」
「ええ、お願いします」
「この階はだいたい見たので、上の階に行きますね」
巨乳浴衣美人を引き連れて歩く。でも後ろにいるから見えないんだよね……胸の谷間が見たい。
「ここは自販機コーナーですね。色々な自販機が集まっています。これはジュース、これはビール、これは酎ハイ、これはワンカップ。これは絵のような食事が出てきます。カップ麺は分かりますよね? それでこれはアイスですね」
うわ、自販機コーナーの本棚に漫画がある。飛び付きたいが……我慢だ。読み始めたら止まらなくなりそうだ。
「この投入口に書いてある値段の銅貨を入れて、欲しい商品のボタンを押すと、この取り出し口に商品が出てきます。夕食はレストランで食べるので、昼食は此処の自販機で済ませましょうか」
「楽しそうね」
「まずは、食事なので、この3台とカップ麺から食べたい物を選んで買ってみてください、温めるのに少し時間が掛かります」
食事の自販機には、チャーシューおにぎりと唐揚げ、やきおにぎり、ホットドック、たこ焼き、フライドポテトと唐揚げ、枝豆、たい焼き、ジャンバラヤ、ナポリタン、チャーハン、マーボードン、やわらかカツサンド、キーマカレー、甘辛豚焼肉丼、ハンバーガーセット、など結構充実している。
イネスとフェリシアに、当面のお小遣いとして3銀貨ずつ渡しておく。
「うふふ、ありがとう、ご主人様」
「ご主人様、ありがとうございます」
「いえいえ、自販機で使う為には、あそこの両替機を使ってね」
なんと両替機も異世界仕様になっていて、白金貨まで対応している……白金貨はどうなんだろう?
「ワタルさん、このおにぎりって何なのかしら?」
……そうだった、ここら辺にはお米が無いんだった。お米ってどう説明すればいいんだろう?
「えーっと、僕が住んでた所の、主食です。味の方は食べてみないと、分かってもらえないですね」
「ふふ、そうね、色々挑戦してみるわ」
「そうですね、みんなで違うのを買って、味見しあうのも良いかもしれませんね」
「ああ、そうね、みんな、試してみましょう」
それぞれが違うのを買って、味見をしてから、本格的に選ぶそうだ。僕も選ぼうと思って自販機を見ると疑問が確信に変わる。
全部、値上がりしてるな。おそらくフェリー内の値段プラス十円単位のお金が無いから、切り上げになってるな……まあしょうがないか、異世界の物が買えるんだ、この位の値上がり、むしろ安い方だよね。
「あっ、ドロテアさん、ちょっと待ってください」
「? どうしたんですか、ワタルさん」
「ドロテアさんが買おうとしたのだけ、デザートなんです」
「……魚の形をしているわよ?」
「ええ、まあ、僕も理由はしりませんが、甘い物なので試すなら食後に買った方が良いですよ。ちなみに僕は大好きです」
「ふふ、食後に試してみるわね」
そう言って別のメニューを選んだ。僕もリムに食べたい物を聞きながら、チャーシューおにぎりと唐揚げ、ど〇兵衛のキツネうどんを選んだ。リムはキーマカレーが良いそうだ。
女性陣に容器の開け方を教えて、みんなでシェアしている。僕は久しぶりの、ど〇兵衛とチャーシューおにぎりを掻き込みたかったので別行動だ。
ズルズルとうどんをすすり、おにぎりを頬張り、スープで流し込む……最高だ。チープだけど、1人暮らしで慣れた懐かしい味だ。無我夢中でうどんとおにぎりを掻き込む。
「ご主人様、さすがにそんなに音を出すのはマナー違反ですよ」
「ん? ああ、フェリシア、そうだね。でも、このスープに入った麺を食べる時は、音を出して食べるのがマナーなんだ。その方が美味しいしね」
うわーみんな超懐疑的な目で見てる。
「本当なんですよ、勢いよくすする事で、スープも一緒に口に入って美味しくなるんです。皆さんも試してみたらわかります……」
視線が痛い。
するとカーラさんがフォークでズルズルとカップ麺をすすった。
「おいしい」
カーラさん、まじで女神様、みんなの懐疑的な視線がゆるんだ。それから女性陣も食事を再開した。シェアしながら、気に入った料理は、自分用に新しく買い足して食べている。
……あれ? みんなビール飲んでる? あっ、酎ハイも、ワンカップまで……
「あのー皆さん、お昼ですから、お酒は控えめに」
「うふふ、ごめんなさい、ワタルさんに飲ませてもらったビールが美味しかったものだから」
「それは、嬉しいんですが、夕食はバイキングですから。お酒は夕食の後、ゆっくり楽しむのが良いと思いますよ」
「バイキングってなんですか?」
「良い質問です、クラレッタさん。なんと、バイキングはですね色んな料理がたくさん並んでいて、食べ放題なんです。夕食の時間帯にレストランから出るまで、ひたすら食べていいんですよ」
おお、カーラさんとクラレッタさんの手がピタリと止まった。
「どんなに食べても値段は変わらないんですか?」
「ええ、値段は変わらないので、食べれば食べる程得をします。バイキングに挑む前には、体調を整えておくものなんです」
「おいしいの?」
「ええ、色々な料理、好き嫌いはあるかもしれませんが、満足のいく料理が出てきますよ。ちなみにアレシアさんが好きなエビフライも食べ放題ですよ?」
「それは楽しみね、飲むのは止めておきましょう。みんなもそれでいいかしら?」
「「「「「「「はい」」」」」」」」
アレシアさんは、さすがにリーダーなんだな、みんなをしっかりまとめている。イネスとフェリシアも従っているのが気になるんだが……2人とも、僕の奴隷だって事は忘れないでね……
「では、食べ終わったら続きを案内しますね」
皆が食べ終わるまで少し待って、案内の続きをする。
「では行きますね、と言っても残りはそんなに無いのですが」
「ふふ、船の案内でこんなに歩くとは思わなかったわ。それでもまだ案内する場所があるのが凄いわ」
「はは、広いですよね。奥に行くと、レストランです。夕食は此処で食べますよ。この自販機で券を買います。ちなみにこのレストランは朝、昼、晩、全部バイキングですので、気が向いたら試してみてください。
朝、昼、晩どれか2つを選択すると、銅貨数枚得しますね。もちろん毎回ここで食べる必要も無いので、自販機や僕の食糧庫船に入ってる料理も利用してくださいね」
「えーっと2枚セットで買うと少しお得なのね」
「ええ、アレシアさんの言う通りですね」
まあ、Aランク冒険者のジラソーレにとっては銅貨数枚なんか誤差みたいなもんだろうね。
「では次はデッキに出ますね」
「うわー、凄いです。風が強いですが、とても広いです」
「本当に広いですね。ワタルさん、訓練の時に此処を利用させて貰って良いですか?」
「ええ、構いませんよ。デッキはいくつかあるので、好きな所を使ってください。でもドロテアさん、打ち合いなんかは、制限に引っ掛かりますから止めておいてくださいね」
「分かりました」
「大雑把ですが、大体の施設の説明は終わりました。夕食は午後6時です。遅れないようにお願いしますね。部屋を決めた後は自由行動にしますか?」
「ええ、そうしましょうか。みんな部屋を決めましょう」
やはりみんなは、慣れている洋室にしたようだ。なんとか機会を作って和室にも慣れて欲しいな。浴衣美人と和室っていいよね?
カーラさんとクラレッタさんは、1人が寂しいとの事で一緒の部屋だそうだ。
「ワタルさん自由行動の時、もう一度お風呂に入らせて貰っても良いかしら?」
「ええ、構いませんよ」
「ワタルさん、ぬいぐるみが欲しいんです。ご一緒して頂けませんか?」
「ユー〇ォーキャッチャーですね。僕も上手とは言えませんが、お手伝いしますよ」
「ありがとうございます」
ゲームコーナーに移動し、ユー〇ォーキャッチャーに挑む。
「クラレッタさんは、どのぬいぐるみが欲しいんですか?」
「どれも可愛いので……出来れば全種類欲しいです」
「……お金が相当掛かりますよ? それに、ここでもそうなるか分かりませんが、ユー○ォーキャッチャーの中身は定期的に入れ替わります。ハマってしまったら、部屋がぬいぐるみだらけに、なんて事もあるんですよ?」
「本望です」
本望なら仕方が無いのか?
「では、基本的な事からですが。取りやすい物、ぬいぐるみの重心、引っ掛かりやすい場所、クレーンがそこまで届くのかを考えて狙いましょう」
三点掛けとか、なんか色々テクニックがあるらしいけど、僕はユー○ォーキャッチャーを殆どやった事が無いんです。当たり前の事しか言えません。ごめんなさい、クラレッタさん。
「はい、それならこれはどうでしょうか?」
「えーっと、横のぬいぐるみが邪魔して、アームが奥まで入らなそうですね……それならこっちのぬいぐるみの首元を狙った方が、取れそうですよ」
「そうですか、分かりました。やってみます」
何度かの失敗を乗り越え、ついにクレーンがぬいぐるみを持ち上げる……全員が息を殺して見守る。ゆっくりとクレーンの穴にぬいぐるみを運んでいく。
「きゃー、取れました、取れましたよ、ワタルさん」
「良かったですね、クラレッタさん」
ユー○ォーキャッチャーがこんなに素晴らしい物だったとは、クラレッタさんが真剣にクレーンの位置やぬいぐるみの場所を確認する度に胸元が……ぬいぐるみを取った時の喜びのジャンプ、最高でした。
「コツを掴みました。カーラ、奥行きの位置確認、お願いしますね」
「うん」
結局、クラレッタさんは全種類をゲットするまで諦めなかった……両替機に走った時点で止めたけど、止まらなかった。ぬいぐるみの入れ替えが無い事を願おう。
いや、駄目だ、ぬいぐるみの入れ替えがないと、この光景が見れなくなる……偶に入れ替えがある事を願おう。
ダブって取ったぬいぐるみと合わせて、12個のぬいぐるみを抱えて、クラレッタさんが、ニコニコ顔で聞いて来た。
「ワタルさん、ぬいぐるみの入れ替えっていつあるんですか?」
「すみませんが、分からないです。何分よく分かってないスキルの事なので」
「そうですか、待つしかないんですね。ワタルさんは他のも見た事あるんですよね? どんなぬいぐるみがありましたか?」
「えっ? そうですね、確か……大きな熊のぬいぐるみとか、色んな種類の動物、人形、物、ぬいぐるみで作れるものは、大概あった気がしますね」
「ふふ、そうなんですか。入れ替えが頻繁にあれば、お部屋をぬいぐるみでいっぱいに出来ますね」
「凄いお金が掛かりそうですから、やめた方が良いですよ」
なんかクラレッタさんが日本にいたら、部屋とか車の中にぬいぐるみが溢れそうだな。
「大丈夫ですよ、これでもAランクの冒険者なんです。これ位なんでもないですよ」
「そ、そうですか」
「ふふ、そうなんです。ワタルさん、お手伝い頂いて、ありがとうございました」
お部屋にぬいぐるみを並べてきますっと言って、クラレッタさんはカーラさんと共に戻って行った……
「ご主人様、大丈夫なんでしょうか?」
「フェリシアはどう思う?」
「金額的には大丈夫なんでしょうが、あのハマり具合が危険な気がします」
「同意見なんだけど、対処方法が分からないんだよね」
「見守るしかないわね」
「イネスの言う通りだね」
「はい」
「僕達も夕食まで部屋で休もうか」
「「はい」」
誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。
読んで頂いてありがとうございます。
参考にしたフェリーには自販機コーナーが無いのですが。私が自販機コーナーが好きなので、フェリーに設置しました、違和感がある方もいらっしゃるかもしれませんが、お許しください。
なお自販機メニューのチャーシューおにぎりは、現在別の物と変わっているのですが、これも私が好きだったので登場させました。後お酒の販売も23時以降も売っているように変更しています。
少し商品も足しているので、色々違和感があるかもしれませんがよろしくお願いします。




