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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第四章 胡椒の行商?とジラソーレとの旅
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23話 閑話 ハイダウェイとバーべキュー

 嵐を乗り越えて数日、長い船旅の気分転換も兼ねて、ハイダウェイ号でバーベキューをする事にした。


 事の起こりは昨日の夜、アレシアさんの会話から始まった。


「ワタルさん、今のハイダウェイ号は本当の姿じゃないのよね? どんなふうに変わっているの?」


「そうですね、内部は変わっていないのですが……外から見える部分は中型船に見えるように変えたので、どこをどう変えたのかは言葉では難しいですね。明日の昼間にでも船偽装を解除して召喚しましょうか?」


「いいの? こんなに大きな船なんだから手間が掛かるんでしょ?」


「いえ、イメージするだけなので手間は掛かりませんよ。ついでに明日は休みにして、初めてこの船のお風呂に入った時に言ったバーベキューでもしますか?」


 上手い事言えたよね。前からみんなでバーベキューをしながら、ジャグジーに入ったりサンデッキでのんびりしたりしたかったんだけど、動機が不純だから言い出し辛かったんだ。


「お休み? この船旅自体が快適で毎日がお休みな気もするんだけど、バーベキューはいいわね」


 周りで聞いていた他の女性陣も興味を持ったみたいで集まって来た。


「ワタルさん、美味しい物食べられる?」


「カーラさんの好みかは分かりませんが、串に刺したお肉や、新鮮な魚介を炭火で焼くだけなんですけど、美味しいと思いますよ」


「うーん、野営の時みたいなの?」


「野営ですか? 僕は普通の野営をした事が無いので分からないですが、しっかり下拵えもするので違うと思いますよ」


「楽しみ」


「カーラが言ってるのは、探索中に狩った動物のお肉に塩を振って焚火で焼くだけですね。ワタルさん下拵えをするならお手伝いさせてください」


「焚火で焼くんですか、それはそれで美味しそうですね。クラレッタさん、お手伝いと言っても、肉や野菜を串に刺して、下味をつける位ですが構いませんか?」


「はい、お願いします」


「でもワタルさん、1日お休みにするんですか? お休みなのは全然構わないんですが、バーベキューならお昼で終わりそうですが」


「ああ、ドロテアさんの言う通り、バーベキューだけならお休みにする必要は無いんですが、どうせなら、サンデッキでのんびりしながら、お風呂に入ったり、ゲームをしたり、お酒を飲んだりと1日のんびりするのも良いかと思いまして」


「楽しそうね。でもお酒って、私達は買ってないからワタルさん達のでしょ? 悪いわよ」


「問題無いですよアレシアさん。エールの樽と南の大陸で買い占めたお酒が沢山あるんです。飲みきれないですから」


「それって、商品なんじゃないの?」


「いえ、売ろうと思えば売れるかもしれませんが、胡椒を売るだけで十分ですし。内乱が起こりそうだったので名物のお酒を買い占めただけですね。ですから御馳走させてください」


「うーん、じゃあ、ご馳走になるだけなのは心苦しいから、お酒の代金だけでも払わせてくれないかしら?」


「そうですか? 僕はただで構わないのですが……遠慮して楽しめないのも問題ですし、後で精算しましょうか」


「ええ、ありがとう、ワタルさん」


「いえいえ、お金をもらうのにお礼を言われるのは違う気がしますね」


「ふふ、そうかもね、でもありがとう」


 よし! お酒が入ればハプニングも起きやすい。なんか楽しい事が起これば良いな。おもにラッキースケベとか。


「はは、それで、明日はそんな感じの休みにしますか?」


「そうね、楽しそうだし、明日は休みにしましょうか」


「楽しみね」


「ええ、では、僕は下拵えをしてきますね」


 イネス、フェリシア、クラレッタさん、カーラさんを連れてキッチンに向かう。


「下拵えと言っても簡単なんです。まずはこの鉄串にお肉を2口分位の大きさに切って玉葱と交互に刺してください。もう一つは鶏肉とネギを同じように交互に鉄串に刺してください。良いですか?」


「「「「はい」」」」


 うーん、味付けをどうするか……単純に塩胡椒だな。次に、唐辛子を効かせた辛いので、ピリ辛と激辛、あとはガッツリニンニクが効いたのも食べたいな。


「クラレッタさん、ニンニクがたっぷりなのとか、唐辛子が効いた辛いのとか、皆さん平気ですかね?」


「そうですね、ニンニクは皆食べるので、平気ですね。辛いのは……どうでしょう? 聞いて来ますね」


「あ、すみません」


「いえ、直ぐですから」


 クラレッタさんが聞いて来てくれたところによると、あんまり辛いのを食べた事は無いみたいだ。そうなると、激辛はやり過ぎになりそうだな、ピリ辛と中辛位でやってみるか。


 貝は焼くだけだし、魚とエビの下拵えか、余っても送還すれば問題無いんだし出来るだけやっておくか。あっ、野菜も切っておかないと。


 4人に手伝って貰い下拵えを終わらせる。後は……お酒か、エールは冷蔵庫で冷やせるだけ冷やして、蒸留酒はそのままだと危険な事になりそうだから、氷とジュースで割ろう。氷を作っておかないと……うん、これで大丈夫だろう。


「ふー、皆さんありがとうございました」


「ワタルさん沢山作りましたね」


「ええ、1日分ですからね、足りないのは悲しいですし、余れば送還するので無駄にはなりませんしね」


「そうですね、食料が腐らない、その能力だけでも、凄く羨ましいです」


「まあ、便利ですからね。僕も凄く助かってます」


「私達も美味しいご飯を食べさせて貰えるので、助かってますね」


「あはは、そうかもですね」


「はい」


「じゃあ、そろそろ休みましょうか、明日が楽しみですね」


「「「「はい」」」」


 今日はゆっくり休もう。おやすみなさい。


 朝か、日課のキスで目を覚まし、気合を入れる。バーベキュー頑張るぞ。元気いっぱいで食堂に向かう。


「みなさん、おはようございます」


「おはよう、ワタルさん。凄く元気ね」


「ええ、ちょっと気合が入ってます。バーベキュー楽しみですね」


「ふふそうね。私も楽しみよ」


「ですよね」


 みんなニコニコしてるし、天気も良い、楽しい1日になると良いな。朝食を済ませてバーベキューの準備をする。


 みんなに手伝ってもらい、テーブルと椅子をサンデッキに出して、下のデッキにあるビーチチェアも持ってくる。


 リムがビーチチェアを気に入り、斜めの背もたれ部分から転がり落ちるのを繰り返している。ふうちゃんも参加して一緒に転がりだした。大変素晴らしい光景だと思います。


 備え付けのグリルだけでは足りないので、島で使っていた、鍋に灰を入れて炭を入れた、簡易七輪も2つだしておく。


 うーん、後は何かあるか? お酒は始める前でいいし、開始までやる事は無いな。時間が余りまくってるな、はしゃぎ過ぎてるし、落ち着こう。


「ふー、皆さん準備はだいたい終わりました。昼少し前位からバーベキューを始めましょうか」


「結構時間があるわね、ワタルさん、少し早めに始めるのはどうかしら?」


「あー、そうですね。アレシアさん、10時位から開始でどうですか?」


「そうね、その位でお願いします。楽しみねワタルさん」


「ええ」


「今日はお酒も飲むんだし、バーベキューが始まるまで、私達は軽く訓練してくるわ」


「あっ、はい」


 休日でも訓練はするんだな……訓練しても休日になるのか? この船旅でも毎日訓練は必ずしていたし、Aランクパーティーならそういうものだと思おう。


「僕達も訓練をしておきますか?」


「そうですね、今のうちに体を動かしておくのは良いと思います」


「じゃあ、時間までそれぞれ訓練するって事で」


「「はい」」


 一通りギルドで習った基礎を復習する。結構訓練だけは続けているんだけど、基礎だけなうえに実戦を経験してないので、高レベルになっても戦える気がしない。まあ、機会があればオークぐらいには挑戦してみたい。


「ご主人様、そろそろ時間よ」


「ふー、分かった、ありがとう」


 うーん、お酒を出して、取り合えず焼き始めるか。炭火をイネスに熾してもらう。炎魔法で一瞬だ、後は串に刺した肉と魚介を網の上に置いていく。肉が焼ける音って良いよね。


 ジラソーレも集まって来たし、肉ももう直ぐ焼きあがる。そろそろ始めるか。


「じゃあ、そろそろ始めましょう。ここにあるお肉と魚介を、好きに焼いて、好きなお酒を飲むだけですね。何か無くなったら追加で出すので言ってください。今焼いているのは大体が食べごろです」


「いい匂いね。ワタルさん、いただきます」


 頂きますの後に思い思いに好きな物を選び食べ始める。僕はニンニクガッツリの肉串だ、1番遠火の所で焼いたが、すりおろしたニンニクが軽く焦げているが問題無い。アツアツの肉串にかぶりつきエールで流し込む……美味いな。


「あつ、おいしいわね」


「これは、辛いわ」


「ニンニクが凄い」


 思い思いに感想を言い合いながら食べる、評判は悪くない、中辛がチョット敬遠されているが、マリーナさんは好きみたいだ。


「そうだ、みなさん、この樽には南の大陸の蒸留酒が入ってます。きついお酒ですのでジュースで割って飲んで下さいね」


「ワタルさん、分量はどの位が良いのかしら?」


「人それぞれですが、初めはジュースにお酒を少しずつ入れて、好きな濃さを探してみると良いですよ」


「分かったわ、さっそく頂いてみるわね」


 アレシアさんが少しずつオレンジジュースに蒸留酒を足していく。何度か味見をして好きな濃さを見つけたみたいだ……結構入れてたな。


「ご主人様、焼くのを交代します」


「そう、でも適当でいいからね。食べたい物は自分で焼けば良いんだから」


「「はい」」


 イネスとフェリシアに焼き台の前を譲り、好きな物を食べる。牡蠣……美味しいんだけど醤油が欲しい。


「リムはどれが好き?」


『んー、りむ、おにく』


「お肉の中ではどれかな?」


『これ』


「そっかー、リムはピリ辛が好きなんだね」


『すき』


 ワイワイ楽しみながら肉や魚介を食べて軽くお酒を飲む。そろそろお風呂に入ろう。イネス、フェリシアと部屋に戻り湯着に着替えて、掛かり湯をしてから、エール片手にお風呂に浸かる。


 うーん、ジャグジーなんだから、エールよりシャンパンってイメージなんだけど、まあ、しょうがないか。実際にシャンパンとか飲んだ事無いし。スイッチを押して水流と空気の泡を出し、お酒を飲みながらまったりする。


 まったり考えてみると、急にお金が手に入った成金って感じの行動をしてるな……まあいいか、思いもしない大金が手に入って浮かれているのは同じだ。今を楽しもう。


「あら、ワタルさん、もうお風呂に入ってるのね」


「ええ、イルマさんもどうですか? ちょっと贅沢な気分ですよ」


「うーん、そうね、私も入るわ。着替えて来るわね」


「ご主人様、良かったわね。作戦成功よ」


 ……完全に僕の欲望がイネスに見抜かれてる。


「イネス、そんなに分かりやすいかな?」


「とても分かりやすいわね。でも付き合ってくれるんだから良いんじゃない?」


 ……そうだよね、付き合ってくれるんだからいいよね。


 それからは、思い思いに食べて飲んで、お湯に浸かり、テーブルでゲームをしたりと、丸1日のお休みを堪能した。


 ワタルのバーベキューで嬉しかった事BEST3。


 第1位

 バーベキュー後半で、お酒とお風呂で酔いが回った女性陣が、一気にお風呂になだれ込んできて、とても幸せな状態になった事。


 第2位

 何度もお風呂に入るので、濡れた湯着のままで過ごすようになった女性陣を、脳裏に刻み込めた事。


 第3位  

 リムに食事を取ってあげていると、肩に登って来てスリスリ、プニプニされた事。

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ・ハイダウェイの外装を見せる話はどこへ? ・嵐の数日後って、この前の嵐?  それともまた嵐にあった?  この前のなら、ふうちゃん居ないですよね?
[一言] フェリーにすき焼きは無いんかな? すき焼きうどんはありそうwww
[気になる点] 出だしの振りが完結しないのはなぜ?下に引用するけど、この話はどこに続くのだろうか? ” 事の起こりは昨日の夜、アレシアさんの会話から始まった。 「ワタルさん、今のハイダウェイ号は本…
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