表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第一章 手漕ぎボートの上手な活用方法!!
8/564

5話 魔力と次の目標

 朝か……


 スッキリした目覚めだ。周りの冒険者も何人か起きだしているみたいだし、ちょうどいい時間帯のようだ。井戸に向かい洗濯物を取り込み、身支度を済ませて宿を出る。


 おっ、もう屋台が出ているんだな。せっかくだし朝食を買って狩りにいくか。今の時間帯ぐらいに起きれば人も少ないし屋台も出ている。便利かも、早起きは三文の得だね。


 朝食を買い南西の草原に出発する。そういえば生活魔法の練習もしたいな。魔力を認識できれば、ほとんどの人が使えるんだよね。


 自分の体の中の今まで感じたことがない感覚を探してみる。……まったく分からないな。歩きながらでは無理なのかもしれない。


 草原に着くまで諦めずに頑張ってみたが、魔力を認識できない。ギルドで聞いてみるかな? でも、みんなも使えるみたいだし、聞いたら悪目立ちしそうだな。今日、寝る前にゆっくり練習して駄目だったらギルドで聞いてみよう。草原に着いたし今は狩りに集中だ。


 狩りにはかなり慣れてきたな。角兎を2羽しとめて血抜きをしていると、冒険者のパーティーが歩いてきた。


「おはようございます」


 緊張するが、挨拶をしてみる。


「おはよう、角兎を狩ってんのか?」


「はい、皆さんは森に行かれるんですか?」


「おう、そうなんだが、おまえ何の装備もしてねえじゃねえか。角兎でも舐めてっと死ぬぞ?」


「今日、初心者セットを買おうと思ってるんですが、少しお金が足りなくて、あははは……」


 笑ってごまかしてみる。受付のお姉さんが言った通り、何の装備もしてないのはありえないみたいだな。


「まあ、無理なく角兎は狩れるみたいだが、怪我したりゴブリンが出たらすぐに逃げろよ。街の外なんだ、何があるかわかんねえからな」


「はい、ありがとうございます」


「じゃあな、気をつけろよ」


 はじめて冒険者の人と会話してしまった。やさしい人達で心配してくれたみたいだ。しかし強そうな人達だったな。あの森に行くのは新人卒業〜中堅くらいなんだから、あの人達も新人卒業〜中堅……俺が冒険者でやっていくの無理そうだ。まあ、今はお金もないし、他にできる事もないから角兎を狩るか。


 角兎発見→船召喚→殴打→血抜き→船送還、無心に延々と繰り返す。


「お腹がすいた。今、何羽くらい狩ってるんだろう?」


 昼をだいぶ過ぎた頃、飽きたので角兎を数えてみる。……34羽……目標達成してる。意外と早く目標達成したな。しかし角兎を狩ってる人が、他にいない。結構稼げると思うんだが、何でいないんだろう。ギルドで確認してみるか。


 あれ……34羽の角兎が袋に入りきらない。どうしよう? 袋を担いで草原に生えている草の蔓で、角兎をまとめて縛る。不格好だが何とか持てるようになった。恥ずかしいから早くギルドにいこう。


「すいません、角兎34羽お願いします」


 道行く人に笑われながら、なんとかギルドにたどり着く。恥ずかしいのでクエストボードのチェックもせずに、買い取りカウンターに直行した。


「おおっ、大量だね、角兎を沢山持ち込んでもらえて助かってるよ」


「角兎って人気がないんですか? 結構稼げてるんですが」


「そうなんだよね。新人さんはだいたいパーティーを組んでるから、人数が増えるとどうしても効率が落ちちゃうんだ。剣や槍だと大きな傷がついて、買い取り価格が最低の5銅貨になるのも人気がない原因だね。その点、君の倒し方は撲殺だよね。血抜き以外の傷もないから、少し高めで買い取れるから、稼ぎも結構いいんだと思うよ」


「確かに、木の棒で倒しています。新人の方達のパーティーは、ゴブリンからですか?」


「ゴブリンはすぐに発見できるし、右耳と魔石を持ってくればいいだけなんだ。数も稼げて手間も少ないから、角兎より人気なんだよね」


「なるほど、まあ僕はソロですしゴブリンは無理そうなので、暫くは角兎で稼ぎます。よろしくお願いしますね」


「ははは、助かるよ。よし、1羽8銅貨で34羽だね、全部で2銀貨72銅貨だよ」


「お願いします」


 買い取りが終わって残高が全部で336銅貨か、初心者セットは十分買えるな。さっそく買いにいこう。


 ***


「いらっしゃいませ、初心者セットでよろしいですか?」


「はい、初心者セットをお願いします」


 おー、昨日の可愛い店員さんだ。覚えていてくれて少し嬉しい。


「こちらで、装備されていきますか?」


「はい、お願いします。これ1銀貨です」


 装備してみると少し動きにくいが、ちゃんとした冒険者になれた気がして嬉しくなる。


「お似合いですよー、武器はどうされてますか?」


 武器? 考えてなかったな。普段は解体ナイフを持ってるだけだし、剣くらい持ってた方がいいのかな? でも、剣なんか使えないんだよな。


「武器は今のところ棍棒のような物を使っています」


「おー、いいチョイスされてますねー。武器をお持ちでないように見えたので、お聞きしただけですので、お気になさらずです」


「棍棒はいいチョイスなんですか?」


「そうですね、距離も取れますし叩いても突いてもダメージを与えられます。新人の方は剣を選ぶ方が多いですが、剣って意外と難しいんですよねー」


「剣ってカッコいいですもんね」


 剣とこん棒……俺も余裕があったら、剣を選ぶ。


「はい、だから人気があるんですよ」


「ありがとうございました」


 さて、装備は手に入ったから次は……お腹が空いたけど、宿の夕食まで我慢しよう。スキルを調べる予定だったな。資料室に行くか。


「資料見させてもらってもいいですか?」


「いいよ、昨日もきてたよね? 注意点は変わらないからよろしくね」


「はい」


 さて、スキルの本は……スキルの基本、これだけみたいだな。サクッと読むか。


 ……スキルは生まれた時から持っている物と、その後に修行して手に入れる物があるのか。生まれ持ったスキルはレベルが上がりやすいらしい。


 生まれ持ったスキルがある人は、10人に1人くらいで、その中で役立つスキルが手に入る人は少ないらしい。


 狙って必要なスキルを手に入れるには、剣術なら剣の修行をしていると手に入る。剣術スキルが手に入ると剣術に関して能力が上乗せされる、スキルレベルが上がる程に上乗せ幅が大きくなる。


 オールを使ってると何かスキルが身につくんだろうか? オールスキルとか? 棍棒スキルか槍スキルの可能性もあるな。


 ユニークスキルは分かってない事が多いらしい。持っている人が希少なうえに、ユニークスキル保持者は持っている事を隠すらしく情報が極端に少ないらしい。


 ユニークスキルは強力な力を持っており。国を興したり、英雄、賢者、魔王、と呼ばれる人を生み出した半面、どのように使うのかすら不明なユニークスキルもあり、玉石混淆となっている。


 ユニークスキルには、レベルが有るものと無いものがあり、レベルアップの条件も特殊な物が多く、育て方が見つからずに一生を終える事も珍しくない。


 うーんユニークスキル2つはかなり目立ちそうだよね。言語理解はレベルも無いし使い方も分かる。船召喚は、使い方は分かるな。レベルは上がってないから、レベルアップの条件はまだ分からないけど、まだ使用回数も少ないし保留かな。


「ありがとうございました」


 お礼を言って資料室を出る。今日の予定も順調に熟したし、宿に戻って色々と考えるか。


 ***


「今日も1泊お願いします。夕食付で」


「あいよ、15銅貨ね」


「はい」


 ふー、大部屋だがこの部屋に帰ってくると、落ち着くようになってしまった。食事まではまだ時間があるな、生活魔法の練習でもするか。


 リラックスして座禅のような体勢をとってみる。ゆっくりと呼吸をしながら、体の中に今まで感じた事がない力を探ってみる。


 うーん、よく分からないな。このやり方でいいんだろうか? 明日ギルドで聞いてみるかな、怪しく思われそうだけど、無意味な時間を過ごすのも辛い。


 明日は装備も整ったし依頼も受けてみたいから、聞くだけ聞いてみよう。少しぐらい怪しまれてもいざとなったら逃げだせばいい。でも、言い訳くらい考えておこう。


 夕食を食べて井戸で体を拭き、洗濯を済ませて部屋に戻る。


 今後はどうするかなー、まずは依頼を受けてみたいから、朝一でギルドのクエストボードの確認をして、そのついでに魔力の事を軽く聞いてみる……怪しまれたら即撤退。


 他には……残高が226銅貨か、最低限の必要な物は手に入れたよね。なら、個室の宿屋に移動するか、もしくは船召喚でゴムボートを買うかだろうな。


 安いゴムボートを買って、宿も移動ってのもできるけど、どうせなら少しいいゴムボートがほしい。いいゴムボートなら、考えてる事を実現できる可能性がある。


 それに、戦いと水面に浮かべる事を考えると、このビッグ フィッシング ゴム ボートがほしい。値段は2銀貨40銅貨と少し高いが、他の大型ゴムボートに比べると安い。これが2つほしい。


 1つは戦闘用で、もう1つは、ボートに合わせて木造の小さな小屋を作ってもらい、ビッグ フィッシング ゴム ボートに設置すれば、いつでも呼び出せる簡易な休憩所が作れる。冒険者だから野営する事もあるだろうし、早めに手に入れたい。


 ボートの外枠に合わせた木造の小屋なら、そんなに費用がかからないはずだ……たぶん。まあ、木造小屋船の計画は少し先になるだろう。資金を貯めながら、作ってもらえる店を探すのが効率がよさそうだ。


 自分の中でビッグ フィッシング ゴム ボートを2つ買うことはほぼ確定している。あとはこの大部屋で木造小屋船が作れるまで節約して頑張るか、もしくは個室に移ってのんびりお金をためるか……。


 決めた、大部屋で我慢だ! 個室に移っても寝に帰るだけだし、慣れていない異世界なんだ。必要だと思うものは早めに手に入れておくべきだ。明日は依頼を受けてみたいし、ステータスチェックしてもう寝よう。



 名前  豊海 航 とようみ わたる

 年齢  20

 職業  船長 

 レベル 6


 体力  200

 魔力  18

 力   22 

 知力  32

 器用  28

 運   15


 スキル 言語理解   (ユニーク)

     船召喚レベル1(ユニーク)


 34羽も倒したのにレベルが1しかあがってない。角兎だと経験値的なものが入り辛くなっているのかもしれない。……もう寝るか、おやすみなさい。


 残高2銀貨21銅貨

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ