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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第四章 胡椒の行商?とジラソーレとの旅
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18話 チーズフォンデュとワイン

 朝の日課を済ませ、身支度を整え食堂に向かい、ジラソーレと朝食を取る。


「ワタルさん、ちょっといいですか?」


「あ、ジーノさん、いいですよ、なんですか?」


「ワタルさんから教えてもらったラザニア、大好評なんですが……手間が掛かり過ぎて大変なんです。なにか簡単でラザニアを超える料理を教えてくれませんか?」


「いきなりですね、そんなに大変なんですか?」


「ええ、昼以降は常にホワイトソースと、ミートソースを作って重ねています」


「あはは、そうなんですか、なら少し考えてみますね」


「よろしくお願いします」


 うーん簡単で美味しいのか……チーズフォンデュでいいか、食べたいし昼食前に作ってもらおう。


「みなさん、昼食前にジーノさんに新しい料理を作ってもらおうと思うんですがどうですか?」


 皆、食べるそうだ、クラレッタさんは作る所から見たいそうで、カーラさんも見学するそうだ。


「昼以降に用事が無い人は、白ワインが合うそうなので試してみるといいですよ」


「うふふ、私も飲んでいいのかしら?」


「うん、今日は出かけないから、イネスもフェリシアも飲んでいいよ」


「うふふ、楽しみだわ、ありがとう、ご主人様」


「ご主人様、ありがとうございます」


「いつも守って貰ってるし気にしなくて良いよ、後でワインを渡すね」


 朝食を終えてジーノさんに会いに行く。


「ジーノさん、手間が掛からなくて簡単な料理を、思い出しました。ゆっくり食べる料理なので、お客さんが長居するかもしれませんが構いませんか?」


「ええ、とりあえず。全員がラザニアの状況を打開したいので、お願いします」


「では、昼前に作りに来ます。昼を此処で食べれば、興味を持った人が頼むと思いますし」


「ありがとうございます」


 特にやる事も無いので、部屋に戻る。うーん、よく考えたらもうこの国でやる事無いな。もう一回ぐらいなら胡椒を売っても平気かな? リムをモニュモニュしながら考える。


 でもギルドマスターに顔を覚えられてるし、ここでは胡椒を売るの止めておいた方がいいか。他に売る場所があるのにリスクを取る必要も無いな。


「イネス、フェリシア、何かやりたい事はある?」


「急にどうしたんですか?」


「龍の鱗を献上するまで、やる事が無いなーっと思って。何か無い?」


「そうね、観光位しか思いつかないわ」


「私もですね、献上までの時間が決まったら、時間内に戻って来られる大きな街に、胡椒を売りに行っても良いかもしれませんね」


「結局、献上する日時が決まるまでは動きにくいよね」


「そうね、献上が終わったらどうするのかしら? 南方都市に戻るの? それとも別の国に行くの?」


「あーそうだね、ダークエルフの村も気になるけど、まだ時間の余裕が有るし。そう言えばフェリシア、ダークエルフの移住ってどうしたら良いの? まだ一度も旅でダークエルフに、会った事が無いんだけど」


「そうですね、村の場所を調べるのも問題がありますし、出会った時に相談するので良いと思います」


「あー、確かに隠れているダークエルフを、調べて探し出すのも問題だよね」


「ジラソーレの方達の都合もありますし、話し合った方が良いかもしれませんね」


「そうだね、ジラソーレのお部屋に行ってみようか」


『りむ、ふうちゃんあそぶ』


「リムもふうちゃんと遊びたいんだ、一緒に行こうね」


「あらワタルさんどうしたの?」


「龍の鱗の献上が終わったら、どうするのか話し合っておきたくて、お時間よろしいですか?」


「ああ、そうね、皆いるから丁度いいわ。話し合いましょう」


 部屋に入るとリムがポヨンと腕から飛び出し、ふうちゃんの所に跳ねて行く。可愛いけど、ちょっと寂しい。


「ワタルさん?」


「ああ、すみません。みなさんは龍の鱗の献上が終わったらどうしますか? 南方都市に戻っても良いですし、別の国に行くのでも良いのですが」


 そこからが長かった、みんなが行きたい所ややりたい事をドンドンリクエストしていく。いつの間にかイネスとフェリシアも、輪の中に入っていて、女8人で楽しそうに旅行計画を立てている。


 僕が入り込む隙がまったく無い……異世界でも女性は旅行計画とか好きなんだな。寂しいのでリムとふうちゃんに遊んでもらう。


 結局、昼食を作る時間まで全く話に入れなかった。まあ入れたとしても、あの熱量の中で発言は怖くて出来なかったろうし、リムとふうちゃんと遊べて良かったと思おう。


「まだ決まりそうにないですが、昼食を作る時間が来ましたので、次の機会までにどうしたいのか、ある程度まとめておいてくださいね」


「「「「「「「「はーい」」」」」」」」


 おう、とってもいい返事だな。


 イネス、フェリシア、カーラさん、クラレッタさんと厨房に向かう……リムはふうちゃんと遊ぶそうだ……寂しい。


「ジーノさん、今からで大丈夫ですか?」


「あっ、ワタルさん、大丈夫ですよ、お願いします」


「ではまず、鶏肉、ジャガイモ、キノコ、ブロッコリー、ニンジン等の食材を一口大に切って茹でてください。後はパンをあぶって一口大に切っておきます。チーズにあう食材なら、だいたい美味しく食べられますので、色々試してみてください」


「「「「はい」」」」


「次に、チーズを細かく刻んで、片栗粉を塗しておきます。そして鍋にワインを入れて、沸騰させてアルコールを飛ばします。そこにミルクと塩を入れて温めます、此処まではいいですか?」


 問題無いそうだ。カーラさんも嬉しそうに返事してるけど、分かってるのかは疑問だ。 


「僕は此処に、乾燥させたニンニクを粉末にした物を入れるのが好きです。鍋を火から下ろして、刻んだチーズを入れて、かき混ぜながら余熱で溶かします。これで完成です」


「意外と簡単なんですね」


「ええ、具材も大量に切って茹でておけば、直ぐに出せますしね。あっ、温めておく七輪が無いですね……別の小鍋に灰と炭を2つ入れて、この上にチーズの鍋をおいておけば、いつでも温かいままで食べられます。これで、一口大に切った具材を盛り付けて、チーズに付けながら食べます」


 チーズを別の鍋に少し移して味見をする。


「へー、この具材に串を突き刺してチーズに付けるんですか? ん、美味しいですね、パンにコクがあるチーズがよく絡んで、あっ、このキノコも美味しい。色々楽しめて美味しくて面白いですね」


「ええ、色んな具材を試してください」


「カーラさんそんな目で見ないでください。もう完成したんですから直ぐに食べられますよ、皆さんを呼んできてください」


「うん」


 食堂のテーブルに下に炭を入れた小鍋を2つ置き、その上に小鍋を置いて、鍋から完成したチーズを小鍋に移す。後は具材を盛り付けたお皿を運べば準備完了だな。


「変わった料理ね、ワタルさん、どうやって食べるの?」


「みなさんが集まったら説明しますからちょっと待ってください。アレシアさんもワインを用意したんですね」


「うふふ、いいでしょ、久しぶりのお酒だから、奮発したの。ドロテアもイルマもマリーナも買ってたわよ」


「みんなでそんなにワインを買って来てるんですか? 昼食ですよ?」


「いいじゃない、今日はお休みにしたし、昨日まで頑張ったんだから」


「あはは、大変でしたからね。でも飲み過ぎないでくださいね」


「分かってるわ、みんな集まったし説明してね」


「はい、と言っても簡単なんですよ。食べたい具材を串で刺して、小鍋のチーズを付けて食べるだけです。楽しんでくださいね」


「では、いただきます」


「「「「「「「「いただきます」」」」」」」」


「あっ、美味しいわ、ワタルさん」


「うふふ、ワインに合うわ」


 みんな気に入ってくれたみたいで、好きな具材をチーズに付けて、ワインと一緒に楽しんでいる。イネスとフェリシアにもワインを渡したからな、結構なワインが集まってる……大丈夫か?


『りむ、たべられない』


「ああ、ごめんねリム、直ぐにチーズをつけてあげるね」


 リムにチーズをつけた具材を食べさせてあげる……至福だ。


「おいしい?」


『おいしい』


「そっかー良かったね」


 ふうちゃんを見てみると、マリーナさんが、楽しそうにチーズフォンデュを、ふうちゃんに食べさせている。お酒も入っているからか、色っぽいな。


 色っぽいと言えば、イルマさん。お酒の影響で頬がほんのり赤くなって、色っぽさ倍増だ。……周りの昼食に来たお客さんが女性陣に釘付けだ。


「あれ? クラレッタさんはお酒を飲まないんですか?」


「ええ、午後から大聖堂に行こうかと思っているので、お酒は止めておきます」


「さすがに、神官がお酒に酔って大聖堂に行くのは問題ですね」


「ふふ、そうですね。でもチーズフォンデュ、美味しいですから、次の機会には飲みたいです」


「そうですね、それに次は夜にした方が良いでしょうね」


「みんなこのまま夜まで飲むかもしれませんね」


「あはははは、まあ偶にはいいのかもしれませんね」


 楽しそうに食べながら飲んでいる光景が効いたのか、チラホラとチーズフォンデュを頼むお客さんが増えている。同じようにワインを呑んでいる奥様っぽい人達もいる……大丈夫なのか?


 食べ終わったクラレッタさんが大聖堂に行き、他のメンバーはまだ飲んでいる……本当に夜まで飲んだりしないよね?


 チーズが無くなっておかわりした時には夜までコースかと思ったが、3時頃にお酒が無くなったのを機会に何とか部屋に戻した。


 まあ、まだ飲むと言っていたので、部屋でも飲んでるかもしれないな……イネスとフェリシアも帰って来ないし。


 自分の部屋でリムと避難してきたふうちゃんと遊ぶ。リムの方がレベルが高いからか、お兄ちゃんっぽい行動を取ってるように見える。


 ドロテアさんがスライムをテイムしたら、もっとかわいい光景が見られるだろう。楽しみだ。


 夕方になって、今日の夕食はどうなるのか悩んでいたら、ノックされた。出てみるとクラレッタさんだ。


「クラレッタさん、戻られたんですね、どうかされましたか?」


「はい、あの、部屋でみんなが潰れてるんですが、イネスさんとフェリシアさんはどうしましょうか?」 


「あっ、すいません。戻って来ないなって思ってたんですが、潰れてましたか。直ぐに引き取りに行きます」


 部屋に入ると、お酒を持ったまま寝ているアレシアさんに、なぜか抱き合っているドロテアさんとマリーナさん。潰れてても色っぽく椅子に座っているイルマさん……凄いな。カーラさんはベッドでちゃんと寝ている……意外だ。


 イネスとフェリシアは……これはどうなんだ? フェリシアのお尻を枕にイネスが寝ている。これはこれでありかな……


「ワタルさん、どうかしましたか?」


「いえ、皆さん見事に潰れているなっと思いまして」


「女性の寝姿をまじまじと見るのはマナー違反ですよ」


「失礼しました、では連れて行きますね」


 イネスを抱き上げまずは部屋に運ぶ、次はフェリシアだ。2人をベッドで寝かしつけて。クラレッタさんを夕食に誘う。


「そうですね、みんな起きて来ませんし、ご一緒させて頂きますね。ちょうど話したい事も有りますし」


 食堂に向かい、普通の食事を頼む、さすがに夜もチーズは辛いからな。お勧めを頼もうとしたらチーズフォンデュだった。2連ちゃんはきつい。


「それで、お話ってなんですか?」


「ええ、洞窟に行く前に大聖堂の孤児院の司祭様に、マヨネーズの作り方をお教えしたんです。それで今日行ってみたら、子供達もしっかりマヨネーズが作れるようになってたんです」


「きつい作業なのに子供達も凄いですね」


「ええ、交代を頻繁にして、頑張って作ってました。それで、マヨネーズを本当に売ってもいいのかの確認をしたいそうです」


「ん? 構いませんよ。教会全体で広めてください」


「そうなんです、教会の偉い方もマヨネーズを気に入って、教会全体で広めたいと仰っています。大きな利益を生む事になります。前に言ってたように報酬を教会と孤児院に寄付で良いんでしょうか?」


「ああ、そうでしたね。はい、順調に稼げてますから、全部寄付で構いません」


 もったいない気もするけど、今更やっぱりお金ちょうだいって言うのも恥ずかしい。クラレッタさんの好感度優先だ。


「ありがとうございます」


「気にしないでください」


 リムとふうちゃんは人数が少なくて、お裾分け行脚が出来なくて不満みたいだ。


 夕食を終えてお湯を貰って部屋に戻る。体を拭いて寝るか。イチャイチャが出来ないのはさみしいな。お休みなさい。

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。



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― 新着の感想 ―
ラザニアと違って明らかにチーズフォンデュは依頼なわけだけど、なんで無報酬なんだ?料理人ならレシピがどれだけ価値あるか正しく理解してるはずでしょうに。 マヨネーズの利権もそう。正式な書類手続きや商業の神…
[一言] コミック版の読者で続きが気になって読みに来たけど・・・うーん 漫画版4巻前後からって事でこの辺りを読んでるけど確かに他のコメントにもあるように主人公が召使&美人なら誰でも良いみたいになってて…
[一言] リム一人に護衛任せて、奴隷二人が飲んで潰れるって…ちょっと酷過ぎない?
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