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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第四章 胡椒の行商?とジラソーレとの旅
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10話 テイムスキルと首都バルレッタ

 ガタゴト走る馬車の中で振動に耐えながら、リムの様子を見る。


 リムは振動も苦にならないのか、楽しそうに馬車の中でポヨンポヨン飛び跳ねながら、ドロテアさんと、マリーナさんに遊んでもらっている。可愛い。


 ポヨンと跳ねてマリーナさんに飛び付く。またポヨンと跳ねてドロテアさんに飛び付く。なんかドロテアさんとマリーナさんがキャッチボールしているように見えるな。


 途中で休憩を挟みながら、日没まで馬車で走り続ける。ベルガモとバルレッタを結ぶ道なので馬車で1日の所に広場か村があるそうで、今日は広場らしい。


 広場の奥まった場所で、焚火を作り、食糧庫船から出来合いのご飯を取り出し夕食にする。


「ふふ、ワタルさんのスキルって本当に凄いわよね。馬車の中も快適になったし、野営でも美味しいご飯が食べられて嬉しいわ」


「あはは、僕もかなり助けられてます」


「ワタルさん、デザートが欲しいな、ダメ?」


「良いですよ。プリンとアイス、どっちが良いですか?」


「うーん、今日はアイスにする」


 カーラさんにアイスを渡し、他のメンバーにもプリンとアイス、食べたい方を配る。食事を済ませ、紅茶を飲みながら見張りの順番を決める。ちなみに僕は戦えないので、見張りは免除だそうだ。


「あ、寝るのは小屋船があるので、それで寝ましょうか」


「小屋船ですか?」


「はい、今から召喚しますね」


 小屋船を馬車の陰で奥まった場所に3艘召喚する。


「これが小屋船なの? なんか可愛い船ね」


「そうですか? 可愛いのか僕には分かりませんが、結構快適なんですよ」


「中を見ても良い?」


「ええ、あっ、アレシアさん、入るのに僕の許可がいるのでちょっと待ってください」


「許可がいるの?」


「はい、僕の召喚した船は、入るのに許可がいるんです。話してませんでしたか?」


「ええ、初めて聞いたわ。今までもそうだったの?」


「はい、そうでしたけど……ああ、船の出入りは一緒に居たので、許可を出してましたね。出るのは自由なんですが、再び中に入るには、再度許可が必要なんです」


「へーそうだったの。許可の無い状態で試してみてもいい? 危ないかしら?」


「いえ、危険は無いと思いますよ。魔物が襲って来た時に弾いていた結界が有りますよね。あれなんで攻撃力はありません」


「じゃあ試してみるわ」


「どうぞ」


 アレシアさんが恐る恐る小屋船に手を近づける。……何も見えないから、変な感じだな。


「へー凄いわ、見えないんだけど、さわれないわ。ドラゴンブレスも弾き返す結界がこの小屋に張られているのね……なんかどうなのかしら?」


 まあ、言いたい事は分からないでもない。ただの木造の小屋に、有り得ない性能の結界が付いてるんだからね、しかも1つはボロボロだし。


「まあ、そんな感じなんです。中を見てみますか」


「あっ、そうだったわね。お願いします」


 乗船許可を出してアレシアさんを中に入れる。


「カンテラに、小さなテーブルと棚、コンロと茶器まで付いてるのね。ワタルさんの言う通り快適そうね、凄いわ」


「ええ、僕のお気に入りなんです。寝るだけなら十分ですしね」


 他の女性陣にも中を見せて、使う事が決定した。


 見張りは免除だが、他の人の見張りの交代時に小屋船に入るために許可を出さないといけないので、起こされる。地味にきついな。


 ん……朝か、なんか所々起きたのであんまり寝た気がしないな。イネスとフェリシアは見張りでいないし、寂しい。


 外にでて小屋船を送還する。イネスとフェリシアが居る所に行くと、クラレッタさんだけ起きて来ていた。


「おはようございます」


「「「おはようございます」」」


「朝食の準備をしますね」


「はい、お願いします。私は皆を起こしてきますね」


 食糧庫船から朝食を出して、起きて来た皆と朝食を取る。小屋船を送還して、馬車の中にゴムボートを召喚、縛り付ける。


「では出発しましょうか」


「「「「「「「「はい」」」」」」」」


 昨日と同じメンバーで馬車に乗り込み出発する。馬車の振動にも少しは慣れて雑談位は出来るようになった。明日の夕方には着く予定だし何とかなりそうだ。


 馬車の中では、リムと遊んだり。ドロテアさん、マリーナさんとスライムについて熱く語り合ったり。イネスとフェリシアと首都で買う、新装備の計画を立てたりと、結構充実した時間を過ごした。


 昼食を終え、暫く経った頃、マリーナさんが話しかけて来た。


「ねえ、ワタルさん、なんだかリムちゃんの気持ちが分かるような気がするんだけど……」


「マリーナもなの? 私もリムちゃんの言いたい事が分かるの」


「もしかしてお2人ともテイムスキルが取れてるんじゃないんですか?」


 はっとした表情で視線を斜め下に向ける2人。ステータスを確認しているんだろう。でも二人とも同時期にテイムスキルを習得するなんてあるのか?


「テイムスキルがあるわ」


「私もあるわ」


「おー、おめでとうございます」


「「ありがとう」」


 いきなりの騒ぎに、イネスとフェリシアが御者台から顔をのぞかせる。2人がテイムスキルを習得した事を報告して、また喜び合う。


 ひとしきり騒いだ後、なんでテイムスキルが取れたのか考察する。


「うーん、イネスもフェリシアもお2人より、リムと一緒に居るんですが、テイムスキルは習得できていませんでした。2人ともリムをとても可愛がってくれてるんですが」


「イネス、フェリシアと私達の違いは……私もマリーナもスライム自体が好きで、森でもスライムと遊んでいた事かしら?」


「種族自体が好きな事も条件になるのかもしれませんね。後は同時期に習得した事から、接した時間も関係ありそうですね」


「そうね、私とマリーナはスライムと遊ぶ時は殆ど一緒に居たわね。リムちゃんと遊ぶ時も一緒だし、時間も関係ありそうね」


「まあ、今は考えられるのはこの位ですかね。それでお2人はスライムをテイムするんですか?」


「ええ、もちろん、テイムするわ」


「私も」


「でも、問題はどんなスライムをテイムするかなのよ。普通のスライムでもいいんだけど。私達は冒険者だから危険な場所にも連れて行かないと駄目なのよね」


「あー、せめて身を守る力が必要なんですね」


「そうなのよ、一緒に戦う可能性も高いから、リムちゃんみたいに魔法が使えるスライムをテイムしたいわね」


「私は風魔法か闇魔法が使えるスライムがテイム出来たら嬉しい」


「確かに皆さんAランクの冒険者ですからね。危険な場所にも行きますし、特技があった方が良いですね」


「ええ、マリーナは斥候スキルがあるから、風と闇どちらも役に立ちそうよね。私は前衛だから肩から魔法を放って貰いたいわ、火魔法がいいかしら?」


「そういう事なら、冒険者ギルドで情報を貰って、会いに行くのが一番ですね。リムを見つけた島には他に魔法が使えるスライムは居ませんでしたか?」


「私はリムちゃん以外は見た事ないわね」


「私も、冒険者ギルドで情報を貰う方が確実だと思う」


「そうですね、でも楽しみですね。リムにも友達が出来ますね」


『ともだち?』


「そうだよ、ドロテアさんとマリーナさんが、テイムスキルを覚えたから、リムのお友達が増えるかもしれないんだ。楽しみだね」


『たのしみ』


「ふふ、リムちゃんが楽しみって言ったわね。言葉が分かると嬉しいわね」


「私も分かった」


 どんなスライムをテイムするかで、盛り上がってる間に休憩時間になった。ドロテアさん、マリーナさんが他のメンバーにテイムスキルを覚えた事を報告している。


 歓声があがり、僕達もまじってもう一度みんなでおめでとうと騒ぐ。キャイキャイ騒ぎながらも、大聖堂に行った後に、冒険者ギルドでスライムの情報を貰ってテイムに行こうと話し合う。


 ひとしきり考えをまとめて、また夜に相談する事にして出発する。馬車の中では、ドロテアさん、マリーナさんがリムに話しかけて、返事が返ってくることに喜んでいる。


 日が暮れる前に、村にたどり着き宿に入る。小さな村なのに、宿が大きく立派なので気になって尋ねてみると、首都と港町を結ぶ村なので泊まる人が多いからだそうだ。


 泊まる人が多いわりに、泊まっても滞在はしないで、首都かベルガモに直ぐに旅立つので、村は小さいままらしい。複雑だよね。


 夕食を食べて、部屋に集まって予定を考える。


「明日の夕方には首都につくわ。1泊して皆で大聖堂に行って、次の日からクラレッタは別行動で大聖堂に。私達はワタルさんの護衛兼観光の予定なんだけど。スライムの情報収集と、近場だったらテイムしに行きたいわね」


「僕達は、装備の買い替えと胡椒の販売、後は観光ですね。1ヶ月程度の滞在なら問題ありません」


「それなら時間は十分取れるかしら? 後は情報を集めてからにしましょうか」


 軽く雑談をして部屋に戻る。馬車で疲れていたので、軽くイチャイチャして眠りについた。


 翌朝、イネス、フェリシアとの朝の日課を済まして食堂に向かう。ジラソーレのメンバーと挨拶をして朝食を済ませて出発する。


 特に何事も無く平穏に進んでいく馬車の旅に疑問を覚える……モンスターや盗賊の襲撃は無いのかな?


 別に襲われたい訳じゃないんだけど、文明が発達している訳でもなく、モンスターが居る世界で、一度も襲われないのは普通なんだろうか?


「ドロテアさん、ここまで一度も襲撃とか無かったんですが、普通の事ですか?」


「それは、場所によります。ここのように首都と港町を結ぶ重要な道は、魔物や盗賊の討伐が盛んなので殆ど出て来ませんね。辺境や領主が悪政をおこなう場所では魔物も盗賊も頻繁に出ます」


「そうなんですか、ありがとうございます」

 

 重要な道で治安も守られてるんだな……異世界なんだし、旅に出たら襲われるもんだと思ってたよ。海だと魔物に頻繁に襲撃されるから、陸路もそうだと思ってたし。


 この会話でフラグが立つ事も無く、普通に首都バルレッタに着いた。ギルドカードを見せて、門を通り抜ける。


 奥に巨大な建物が見える。お城かと思ったら、あれが大聖堂らしい。まあこの国で1番偉い教皇様が住んでいるそうなので、お城でも間違いはなさそうだ。クラレッタさんがキラキラした目で見つめている。美人だよねー。


「ふー、無事に着きましたね。このまま商業ギルドに向かって馬車の返却と、宿の紹介をしてもらうので構いませんか?」


「ええ、それでいいわ。お仕事の話はしなくてもいいの?」


「ええ、この時間は人が多そうですから、時間がある時にゆっくり話を聞きに来ます。アレシアさん達も、冒険者ギルドに行った方がいいですよね?」


「私達は、明日でいいわ」


「そうですか、では、行きますね」


 商業ギルドに着いて、馬車を返却して問題が無いと証明する札を貰い、受付カウンターに向かう。この時間に首都に到着する人達が多いせいだろうか? やっぱり人が多い。手早く済ませるか。暫く並ぶと綺麗な人族のお姉さんが受付をしてくれた。


「すいません、ベルガモから来ました。馬車の返却手続きと、中級以上の食事が美味しい宿をご紹介願えますか?」


「かしこまりました。馬車に問題は無く、期限内に返却されていますね。保証金の4金貨をお返し致します。宿は……ソレーヌの宿屋が、中級では少しお高めですが、料理が美味しいと評判です。よろしければ地図をお付けしますが、どうなさいますか?」


「お願いします」


 地図を貰い商業ギルドを出て宿に向かう。


「いらっしゃいませ、本日はお泊りですか?」


「ええ、4人部屋を3部屋お願いできますか?」


「かしこまりました。1泊、お食事、お湯付きで1部屋5銀貨になりますが、よろしいですか?」


 アレシアさんに確認すると良いそうなので、とりあえず10日分支払う……日本円で50万って……頭がおかしくなりそうな値段だな。4人部屋だからか? 人数がいるのなら値段も上がるか。


 アレシアさん達は1金貨支払ってるし……宿代が100万とか、しかも中級の宿屋なのに……日本でも連泊する人はその位支払ってたのかな? お金持ちは凄いな。


 部屋に案内されて、少し休んでから食堂に向かう。ジラソーレのメンバーはもう全員揃っていた。


「お待たせしました」 


「私達も今来たところよ、さっそく注文しましょう」


 店員さんにお勧めを聞いてみるとトマトを使った料理と、ワインがこの国のお勧めだそうだ。なんか宗教、ワイン、トマト……イタリアって感じ? でもトマトって元はイタリアじゃなかったような?


 お勧めを頼んでみると、おっ、トマトソースがあるんだな。バジルもあるんだ、嬉しいな買って帰ろう。

料理自体はパスタの、牛肉と玉葱、トマトを赤ワインで長時間煮込んだ、イタリアのラグーソースに似た物を掛けたパスタが絶品だった。


 素材が似てると料理も似るのか? イタリア料理っぽくて好きだな。だからこそ、この宿でもチーズが使われていない事が残念でならない。


 何でチーズがあるのに保存食で固定されてるのか? もしかして、料理チートのチャンス? でもピザは教えたしなー、ドリアは米が無いし。


 ……グラタンとかか? あとラザニアも食べたい。なんかあまり思いつかないな……あっ、ワインもあるしチーズフォンデュが食べたいな。なんかオシャレなイメージがあるし楽しそうだ。今度やってみよう。


 取り合えず、この宿のコックさんに、チーズを使った料理を開発してもらおう。楽しみだな。


 部屋に戻り、お湯で体を拭く。


「うーん、やっぱりお風呂かシャワーに入りたいね」


「私も入りたいわ。ご主人様、どうにかならない?」


「うーん、人目の無い所なら、お風呂船を召喚すれば入れるかもね。さすがに宿の中ではダメだけど」


「お湯がこぼれるから、さすがに迷惑よね」


「そうだよね、まあ良い場所が見つかればお風呂に入ろうか」


「そうね」


 暫くリムと遊んで、イネス、フェリシアとイチャイチャして眠りにつく。


 目が覚めて朝の日課をしっかりと熟し、身支度を整え、食堂に向かう。


 ジラソーレのメンバーと挨拶をして、朝食を食べながら今日の予定を話し合う。


 ……クラレッタさん、キラキラしてるな。もう大聖堂に行けるのが嬉しくてしょうがないんだろう。とりあえず大聖堂に行ってお祈りをして、商業ギルドと冒険者ギルドに行って、観光かな?


 創造神様にしっかりお祈りしに行こう。

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― 新着の感想 ―
トマトソースとバジルはピザ作ったチーズ村で普通に出てくるので若干違和感が
[気になる点] >1泊、お食事、お湯付きで1部屋5銀貨 4人部屋だから部屋換算なのか。 一人一泊1万2千5百円だったら日本でも中級~高級の間くらいかな。
[一言] 定期的に馬糞の処理がされてるとはいえ 現代人だと肺をヤラれる可能性が高い気がする…。 馬糞回収用の樽を担いだスカベンジャーみたいな人は歩いてないんかな?
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