表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第四章 胡椒の行商?とジラソーレとの旅
68/570

9話 ベルガモでの1日とバルレッタへ出発

 船に戻り貯金船に40白金貨置いて送還する。全部で66白金貨か、首都でも30白金貨下ろせれば96白金貨になる。フェリーの誘惑が強くなるな。


「ねえ、ワタルさん、秘密なら別に答えなくてもいいのだけど。そんな大金をなんで現金で持っているの?ギルドカードに入れておいた方が便利よ?」


「うーん、まあ、殆ど話しているので秘密にしてもしょうがないですね。僕の船召喚のスキルは、現金で購入した船じゃないと召喚できないんですよ。だから次の船を買う為に、今のうちから現金を用意してるんです。秘密ですよ」


 女性陣全員が頷いてくれた。


「ルト号でもハイダウェイ号でも十分凄いと思うんだけど、まだ船を買うの? どんな船を買うのかしら? 買ったら私達ものせてくれる?」


 あれ? どうなんだろう? 豪華客船や、フェリーを買って、ジラソーレのメンバーを乗せての船旅……物凄く楽しそうだ。


 でも、さすがに豪華客船やフェリーを見たら、異常過ぎるとか思われるよね。異世界の物も溢れてるんだから異世界人ってバレるし……ユニークスキルは話したけど、異世界人って事まで話して大丈夫なのか?


 映画やアニメを見たら、さすがに異世界人って事を隠すのは無理だろうし……どうしよう?


 でも豪華客船のプールサイドで、イネスとフェリシア、ジラソーレのメンバーの水着姿を堪能しながらお酒を飲む……夢だよね。


「あの、ワタルさん、駄目だったらいいのよ。無理しないでね……駄目ね聞こえてないわ、どうしたらいいのかしら?」


「大丈夫よ、ご主人様は、あなた達を乗せてからの事を考えてると思うわ」


「ええ、特に問題は無いと思いますよ、アレシアさん」


「そうなのかしら?」


 スケートリンクで巨乳美人のお姉さん達と遊ぶ未来。美味しい食べ物を一緒に食べて喜ぶ未来……


 異世界に来て、こんな光景が見られる可能性を、自分から捨てるなんてありえない。駄目だったら引き籠ればいいんだ。なら水着が見れる選択をするべきだろう。


「ええ、もちろんですよ、アレシアさん。少し驚く事があるかもしれませんが、楽しい船旅が送れる船ですので、楽しみにしていてください」


「そ、そう。ありがとう、楽しみにしているわ」


「ワタルさん、その船を買ったらもっと美味しい物が食べられるようになる?」


「ええ、沢山食べられるようになりますよ。カーラさんも楽しみにしていてくださいね」


「うん、たのしみ」


 勢いで選択しちゃった、でもあの眩しい笑顔のカーラさんを見れたんだ、間違っていないはずだ。


「じゃあ、この後は自由行動ですね。イネスとフェリシアとリムは行きたい所はある?」


「私は特に行きたい所はないわね、ご主人様に任せるわ」


「そうですね、私も特にないです」


『わかんない』


「じゃあ、僕達は市場やお店を見に行こうか。あっ僕は弓を買わないといけないし、先に武器屋に行こう」 

「「はい」」


「ついでにイネスとフェリシアの装備を良い物に買い替えよう」


「ワタルさん、武器の買い替えなら首都に行ってから買った方が良いわよ」


「そうなんですか?」


「ええ、やっぱり良い物は、国の中心に集まるわ。後はダンジョンか生産地ね」


「そういう事なら、武器屋は首都で行く事にして、予定通り市場に行こう」


「「はい」」


「ワタルさん市場ならご一緒してもいいですか?」


「私も行く」


「いいですよ、クラレッタさん、カーラさん、ご一緒しましょう」


 市場を見て回る、うーん港町だからか? 南方都市と変わらない品揃えっぽい。なんか面白い物はないのか。


「皆さん、パレルモの名物って何か知ってますか?」


「「「「知りません」」」」


「うーん、南方都市とあんまり変わりませんよね? お土産はどうしよう」


「あのーワタルさん、お土産もここで探すより、首都で探す方が良いと思いますよ」


「あー、そうですね。今日は美味しそうな食べ物を探しましょうか」


「美味しい物食べたい」


『りむも』


「あはは、色々食べてみましょう」


 市場や屋台を回り、気になった物を片っ端から食べてみる。味付けはちょっと違うな、使ってるハーブが違う。


 一通り市場を巡り、宿に戻る。


「楽しかったですが、そこまで珍しい物は見つかりませんでしたね」


 目新しい物は無かったけど、4人の美女とお買い物、楽しくない訳ないよね。周りの視線は怖かったけど。


「そうですね、美味しい物もありましたが、あまり南方都市と変わりませんでしたね」


「首都に期待する」


「そうですね。首都でも食べ物屋巡りをしましょうか」


「たのしみ」


『りむも』


「リムも楽しみなんだ。今日みたいに沢山食べようね」


『たべる』


 暫くするとアレシアさん達が帰って来た。


「ワタルさん戻ってたのね、夕食はどうするの?」


「僕は市場で食べましたので、今日はもう止めておきます。イネス、フェリシアはどう?」


「私もいらないわ」


「私も大丈夫です」


「そう、カーラとクラレッタはどうする?」


「私はいいです」


「食べる」


 カーラさん、食べるんだ……何となくそんな気がしてた。


『りむも』


「えっ? リムも食べるの? 市場で沢山食べたでしょ? まだ食べれる?」


『たべれる』


「リムちゃん、夕食をたべるんですか?」


「ええ、食べるそうです」


「そうですか、ワタルさん達は夕食を食べないんですよね? 私がリムちゃんを連れて行ってもいいですか?」


「ちょっと、聞いてみますね」


「はい」


「リム、ドロテアさんが、一緒にご飯を食べに連れて行ってくれるって。一緒に行ってくる?」


『どろてあ、いっしょ』


「一緒に行くそうです、ドロテアさん、お願いしてもいいですか?」


「はい、リムちゃん、こっちにおいで」


 僕の腕の中から、手を広げたドロテアさんのお胸様に飛び込むリム。可愛いけど羨ましいな。


「あっ、ワタルさん、食事が終わったら、お願いがあるの。部屋で待ってて貰える?」


「分かりましたアレシアさん。お待ちしてます」


 なんだろう?


 部屋に戻って、イネス、フェリシア、クラレッタさんと雑談しているとアレシアさん達が戻って来た。


 飛びついて来たリムを受け止める。癒される。


「リム、ご飯は美味しかった?」


『おいしかった、うれしい』


「ドロテアさん、リムが嬉しいそうです。ありがとうございました」


「いいんですよ、私もとっても楽しかったんですから」


「ありがとうございます」


「ワタルさん、お願いなんだけど、シャワーを使わせて欲しいの、いいかしら?」


「ええ、もちろんですよ。直ぐに行きますか?」


 女性陣は全員シャワーを浴びるそうなので、みんなで船に向かう。


「ありがとうワタルさん。でも1日シャワーを浴びないだけで、落ち着かなくなっちゃたわ。知ってしまうと探索中が辛いわね」


 ん? 考えてみたらそうだよね。毎日、お風呂や、シャワーを使用してたら、無くなると辛い。……良い物を沢山使って貰って、僕(船召喚)から離れられなくなれば……行けるか? ハーレム!


「私もよ。ワタルさんに責任を取ってもらわないとね」


 イルマさんも来た、喜んで責任を取りたいんだけど。ここで話に乗ったら大惨事な未来しか見えない。


「ねえ、ワタルさん」


 イルマさんが被せてきた、逃がす気は無いみたいだ。無難な回答をしないと、言質を取られたら弄繰り回される。


「あはははは、そうですか? そんなに気に入って貰えたのなら嬉しいです。責任を取った事になるのか分かりませんが、シャワーを使いたい時は言ってください。使用出来る時ならいつでも大丈夫ですから」


「ありがとう、ワタルさん」


「嬉しいわ」


 やり過ごせたか? イルマさんは突然、含みを持たせた質問をしてくるから危険だな。しかも色っぽい声音と妖艶な雰囲気で聞かれるから、フラフラと痛い事を言いそうになる。


 ルト号に到着して順番にシャワーを浴びる。


「ふー、スッキリしたわ。シャワーってやっぱり気持ちがいいわ」


 ゴクゴクと差し出したリンゴジュースを飲みながら言う、アレシアさんの笑顔、最高です。


 ジラソーレが、自由に過ごしながら、流れるようにシャワーを浴びていく。


 色っぽい湯上り姿を堪能しながら、サロンで今後の予定を話し合う。


「ワタルさんのこの街での予定は、全部終わったのよね?」


「はい、終わりました」


「なら、もう明日出発するか、宿を取った分だけこの街でのんびりするか、どっちかかしら? 何か要望がある人はいる?」


 イネスとフェリシアに聞いてみると、何もないそうだ。


「アレシアさん、僕達はどっちでもいいので、皆さんに合わせます」


「分かったわ。こちらも特にやりたい事も無いみたい。今までも休日みたいなものだったし、明日、出発出来るなら出発しましょうか」


「分かりました。でしたら帰りに商業ギルドに寄って、馬車を2台借りられたら出発しましょう」


「ええ、それじゃあ行きましょうか」


 商業ギルドに寄って、聞いてみると、馬車2台を問題無く借りられるそうなので予約と費用を先払いして、明日の朝、出発に決まった。


 宿に戻って、女将さんに訳を話すと、1泊分の宿代を返却してくれた。久々の陸路の旅になるな……陸路で旅した事ってあったか? ……ああ、南方都市に向かう時、川に着くまで陸路で移動したな。


 明日の早朝に出発が決まったので、もう部屋に戻って休むことになった。おやすみなさい。


 朝か、目が覚めてじっくり朝の日課をする。毎日でも飽きない物なのですね。美人は3日で飽きると聞いた事があるけど、全然飽きないよ。まあ最後まで出来てないからかもだけど。


 さて今日からバルレッタに出発だな。身支度を整え食堂に向かう。すでに集まっていたジラソーレと挨拶をして、朝食を取る。


「では、僕達は船で出航して、送還してから、門の前で待っています。馬車はお願い出来ますか?」


「ええ、分かったわ。ワタルさん達の方が時間がかかりそうだから、少し遅れて宿をでるわね」


「ええ、よろしくお願いします。では、出発しますね」


「ええ、気を付けてね」


 船に戻り、係留所で1日早く出航する事を告げると、ここでも1日分の料金を返却してくれた。返却してくれるのなら、多めに払っておくのもいいかもな。先に確認してからじゃないと駄目か。


 出航して、人目の無い所まで船を走らせる。陸地に寄せて降りてから送還する。


「ふう、後は待ち合わせの西門に向かうだけだね。意外と遠くまで来ちゃったし、戻るのに時間が掛かりそうだから、急ごう」


「「はい」」


 30分程歩いて西門に着くと、ジラソーレがすでに待っていた。


「みなさん、お待たせしました」


「ふふ、そんなに待ってはいないわ、それで馬車に分かれて乗るんだけど、ドロテアとマリーナがリムちゃんと一緒が良いみたいなの。そちらに乗せて貰っていいかしら?」


「はい、構いませんよ。では、出発しましょう」


 手早く2台の馬車に分乗して出発する。


 イネスも御者が出来るそうなので、こちらの馬車はイネス、ドロテアさん、マリーナさんの3人で御者を交代する事になった。フェリシアもこの機会に、御者の勉強をするそうだ。


 ガタガタと揺れる馬車に、最初の5分で挫けそうになる……お尻が痛い。


「ワタルさん、辛そうだけど、大丈夫?」


「馬車は、初めてなんですが、予想以上にきついです。ドロテアさんは平気なんですか?」


「ええ、何度か乗ると慣れますよ」


「そっ、そうですか」


 こんな時こそ知識チートだ! ……板バネとか懸架式馬車だっけ? 板バネは何処に差し込めばいいのか分かんない。懸架式は……吊り下げればいいだけなのか?


 まずい、ふんわり、知っているだけで、まるで役に立たない……機会があったら相談しよう。まずはお尻の痛さを何とかしないと。


 幸い商業ギルドの馬車で、荷物を積み込むために椅子等はついてなくて床は平だ。船召喚で何とかしよう。


「すいません、ドロテアさん、馬車を止めるように言ってもらえますか? ちょっと試したい事があるので」


「分かりました」


 馬車を止めて貰い、外に出る。後ろを走っていたアレシアさん達も、馬車を寄せて、外に出て来た。


「ワタルさん、どうしたんですか?」


「すみません、アレシアさん、初めての馬車で振動が思った以上だったので、ちょっと何とかしようかと」


「なんとかですか?」


「ええ、見ていてください」


 馬車の荷物を降ろしてもらい、平のスペースに座る場所が付いているゴムボートを購入、召喚する。ズレない様に馬車に縛り付けて完成だ。


 座ってみると空気を入れた椅子なので柔らかい。これなら、揺れはともかくお尻のダメージは軽減されるはずだ。


「ワタルさん、良いわね。本当に凄いスキルね。私達の馬車にもお願い出来る?」


「ええ、もちろんです」


 アレシアさん達の馬車にもゴムボートを設置して、再び出発する。


「ワタルさん、この船はいいですね。柔らかいですし、座る所もついています。とっても楽です」


「ええ、これなら僕でもなんとか耐えられそうです」


 バルレッタ到着まであと3日……なんとか耐えられそうだ。

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しむんなら仲良い人も一緒のほうが楽しいからね。 秘密も大事だけどそうしたら豪華客船に3人だけの寂しい光景しかないからね。
[気になる点] ホーバークラフトは民生用も有るのにね。 フロリダとかアマゾンとかで使ってるぞ!因みにエリザベス女王様は香港にプライベートホーバークラフトを持っていてジャッキー・チェンが映画に使わせて貰…
[気になる点] 馬車にのせたゴムボートは外観偽装してないけど大丈夫なのかな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ