表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第四章 胡椒の行商?とジラソーレとの旅
67/589

8話 初商談と思った以上の高値

「んちゅ、ご主人様、起きて。ジラソーレの方達と朝食の時間よ」


「ん……ああ、ありがとう、イネス」


「ちゅ、おはようございます」


「フェリシア、おはよう」


 ふぁー、そうだった、朝食の約束をしてたな。身支度を整えて食堂に行くと、ジラソーレのメンバーがもう集まっていた。


「みなさん、おはようございます」


「「「「「「おはようございます」」」」」」


 今日の予定を簡単に確認しながら朝食を取る。最近のリムは自分の食事が終わると、僕達やジラソーレから、少しずつ食事を分けて貰う為に、テーブルの上を行ったり来たりするようになった。可愛い。


 ジラソーレのメンバーには申し訳ないが、もっちもっち移動して、食事を分けて貰ってプルプル喜んでいるリムがとても可愛い。


 食べるのが大好きなカーラさんも、リムの為に食事を少し残して、リムに分け与えてくれる。カーラさん、その優しさ、感動を覚えるぐらいに嬉しいです。


 ジラソーレのメンバーでも、ドロテアさん、マリーナさんはスライム好き仲間なので分かる。だけどアレシアさん、イルマさん、カーラさん、クラレッタさん、全員が優しく微笑みながら、リムにご飯を分け与えてくれる光景は、食堂の他のお客さん達も釘付けにするぐらい良い光景だった。


 ちなみにご飯が足りないのなら、おかわりを注文するよ、っと言ったら『いらない』っと言われた。どうやらみんなの所を回ってご飯を分けて貰うのが楽しいらしい。


 朝食を済ませて、商業ギルドで荷車を借りて、船に向かう。船の中で胡椒船を召喚して、とりあえず1艘分を荷車に積み込む。


「ワタルさんって、結構慎重なのね。もっと適当なイメージを持っていたわ」


「はは、アレシアさん、慎重ではなくて臆病なんですよ。だから無駄かもしれないこんな手間も、スキルがバレた時の面倒事を想像すると、怖いので一応やっておこうと思うんです」


「なるほどね、そこまでして隠す秘密を話してくれたのね。信頼してもらえて嬉しいわ」


 思ってもみない所で好感度が上がった気がするな。ジラソーレのメンバーが、全員凄い巨乳美女だから、欲望に負けて話した事は、墓場まで持って行こう。


「い、いえ。アレシアさん達にはお世話になってますし、何度もお仕事をご一緒しましたからね。信頼出来る方達だと分かっていたので、問題ありませんよ」


「ふふ、ありがとう、嬉しいわ」


「では、フィリッポ商会に向かいますね」


「ええ」


 地図に従い、荷車を引きながらフィリッポ商会に到着する。……今更だけど緊張する。アポも取らないで、早朝から訪問ってありなのか? 躊躇っていると店から出て来た中年の男性が、声を掛けてきた。


「おはようございます。当商会に何か御用ですか?」


「あっ、おはようございます。私はラティーナ王国から来ました、ワタルと申します。こちらの商会が、食料品を扱われているとお聞きしましたので、商品を見て頂けたらと思い、やってまいりました。お時間を頂けますか?」


「おお、それは嬉しいですな。是非とも拝見したい。ここではなんですので店内にどうぞ」


 なんか上手い事いったのか? 焦って喋ってる間に、店内に案内してもらえるようになったけど……


 荷車を店内に置かせてもらい、胡椒を一袋だけもって、後に続く。部屋に通されて、お茶が出される。きちんとした応対をされて、逆に緊張が増す。


「申し遅れました。この商会の商会長のフィリッポと申します。どうぞお見知り置きください」


 おうふ、商会長なのね。Fランク商人にそんな丁寧な態度取らないで欲しい、帰りたくなってくる。


「こちらこそ、どうぞよろしくお願い致します」


「早速ですが、商品の方を拝見しても宜しいですかな?」


「は、はい、こちらになります」


 胡椒の袋を商会長の前に置く。


「これは……胡椒ですか、希少な物を、味を見させて頂いても宜しいですかな?」


「はい、お確かめください」


「失礼します。ほう、これは素晴らしい。ふくよかな香りに、嫌みの無い辛味、実に良い胡椒ですな」


「ありがとうございます」


「持ってこられた、荷車の荷物すべてが胡椒ですか?」


「はい、すべて胡椒です。味を確かめてくださっても結構ですので、ご確認ください」


「では、失礼します」


 荷車の前に場所を移し、フィリッポさんが袋を一つ一つを真剣に確認する。なんかテストを目の前で採点されているような……緊張する。


「すべての胡椒が一級品です。ワタルさんは素晴らしい目をお持ちのようですな。鮮度の悪い胡椒でも貴重品なのですが、これ程の量を、すべて一級品でそろえるなど、フィリッポ商会に来てくださって、ありがとうございます」


 素晴らしい目とか持ってないんです。ただ産地からチートで時間を止めて運んできただけなんです。心が痛くなるので、それ以上褒めないでください。


「いえ、ご満足頂けた様で大変嬉しいです」


 応接室に戻り商談を再開する。


「さて、値段の相談をさせて頂きたいのですが、この荷車の全てを卸して頂けると考えて構いませんか?」


「はい」


「では、いか程で卸して頂けますかな?」


 えっ、僕が値段を言うの? 一級品とか今聞いて知ったばかりなのに? 幾らぐらい上乗せすればいいの? 分かんないよ……もう、あれだ、ぶっちゃけよう。僕には商談とか無理だ、値段を付けて貰って、それが3白金貨60金貨以上だったら卸そう。


「その事で、ご相談があるのですが。私は商談の経験が無く、この胡椒もある程度の値段の目安しか持っておりません。フィリッポ商会長に値段を付けて頂いて、その値段が私の目安より上なら卸します。如何ですか?」


「ふむ、一発勝負という事ですか? 私は構いませんが。ワタルさん、商談は商人の腕の見せ所、弱みを見せるのは良くありませんよ」


 商業ギルドカードを持っているだけで、商人の勉強なんて、したこと無いんです。冒険者よりは商人の方がマシかなって思っただけなんです。ごめんなさい。


「ありがとうございます。肝に銘じておきます」


「とは言え、貴重な胡椒で、その上一級品ですからね。確実に手に入れる為に、私も高値を付けなければなりません。交渉に慣れていないのならば、良い方法ですな」


「ありがとうございます」


 フィリッポさんが真剣な顔して考えている。


「ワタルさん、お聞きしたいのですが、胡椒はここにある物で全部ですか?」


「いえ、首都でも胡椒を卸そうと思っていますから、まだ胡椒を持ってます」


「そうですか、ちなみに追加で当商会に胡椒を卸して頂く事は可能ですか?」


 胡椒は沢山あるんだから卸す事は出来るが、目立つのを避ける為に売り歩いてるんだから、大量に卸しては意味が無い。でも1商会に荷車1台分だと、495回も商談をしないといけない……それは面倒だな。


 あと荷車、3台分ぐらいなら問題無いのか? いや、もう1台分増やして、全部で5台分ぐらい言ってみるか。王都でも5台分卸すと言っておけば、半分手に入れたと思って納得してくれそうだし。


「そうですね、首都でも商売をしてみたいので……追加で荷車4台分の胡椒なら構いませんが」


「それ程の量の胡椒をお持ちでしたか、品質の方は先ほど見せて頂いた物と変わらないのですか?」


「ええ、まったく一緒とは言えませんが、変わらない品質だと思います」


「そうですか、わかりました。荷車1台分の胡椒で4白金貨50金貨で如何でしょう? この値段でよろしければ、残り4台分の胡椒も確認の後、卸して頂きたいのですが」


 おうふ、強気で4白金貨位いけるか? と思ってたけど、更に50金貨増えちゃったよ。


「はい、それで構いません、ありがとうございます」


「では、残りの4台分の胡椒も確認させて頂けますか?」


「分かりました。船に戻って運んで来ますので、荷車を3台お貸し願えますか?」


 運んできた胡椒を下ろし、女性陣とフィリッポさんが出してくれた従業員3人と、荷車を引いて船に戻る。胡椒船を召喚して、荷車4台分の胡椒を積み込んでフィリッポ商会に戻る。


フィリッポさんが真剣に胡椒を確認しているのを眺めながら、代金の事を考える。フィリッポさんに払えるだけ白金貨で払ってもらって、残りは商業ギルドに入れて貰えばいいよね。出来るだけ白金貨が現物で欲しいし。


 ついでに此処の商業ギルドでも30白金貨下ろしておこう。街ごとに白金貨を下ろして行けば、そんなに目立たず、白金貨が集められそうだ。


「ワタルさん、確認が終わりました。すべて一級品で間違いないですね。22白金貨50金貨、お支払方法はどうなさいます?」


「私としては、無理のない範囲で現金で頂いて。残りをギルドカードに入金して頂けると助かります」


「分かりました。本日ご用意出来る現金は10白金貨が限界です。残りの12白金貨50金貨はギルド口座に入金で構いませんか?」


「ええ、大丈夫です。ありがとうございます」


 10白金貨もあるのか……10億って普通に店に置いてあるのか?


「すみません、お聞きしても良いですか?」


「なんですか?」


「10白金貨は大金ですよね。直ぐに用意出来る物なのですか?」


「だいたいの商店にはある程度の現金は用意してありますよ。加入しているとはいえ、商業ギルドに知られたくない資金の流れ、付き合いなど、どの商会も持っていますからね」


 えっ? いま、なんか怖い話をされてない?


「え、えっと、それは、ほのかに後ろ暗い感じの話ですか?」


「いえいえ、後ろ暗い事はありません。特別に優遇しているお客様、知られたくない貴重な仕入れのルート、現金での取引は意外と多いんですよ」


「そ、そうなんですか、勉強になりました。ではそろそろ失礼します。本日はありがとうございました」


「いえいえ、また良い商品がありましたら、どうぞ当商会をよろしくお願いします」


「はい、その時はよろしくお願いします」


 後ろ暗い事じゃないって言ってるけどなんか怖いな。


 商談を済ませ店を後にする。荷車を返却ついでに30白金貨下ろせるように頼もう。


「ワタルさんってお金持ちね。羨ましいわ」


「何を言ってるんですか、イルマさんも相当稼いでいますよね? あの島のジラソーレの皆さんの稼ぎ。想像しただけで羨ましかったんですよ?」


「そうだったかしら?」


「二人とも、路上で話す内容じゃないですよ」


「確かにそうですね、ありがとうございます、ドロテアさん」


「いいんですよ、イルマが原因ですし」


 僕とドロテアさんがイルマさんを見るが、妖艶な微笑みのまま表情が変わらない。あっ、ドロテアさんがため息をついて諦めた。イルマさんハートも強いな。  

 

 商業ギルドに着いて荷車を返却して中に入る。キツネミミのお姉さんが居なかったので、ネコミミのお姉さんの所に並ぶ。


 ちょっとホッとしたな、キツネミミのお姉さんに、事務的に手続きされると、なんかへこむし。


「こんにちは、お金を下ろしたいのですが、30白金貨だとどの位で下ろせますか?」


「少々お待ち下さい、確認してまいります」


「お願いします」


「……お待たせいたしました30白金貨でしたら、直ぐにご用意できますが、どうなさいますか?」


「え? あっ、はい、お願いします。ですが他の商業ギルドでは数日時間がかかったのですが。ここでは即日で下ろせるんですね」


「普段は此方でも数日お時間を頂いております。先日大きな取引がまとまりましたので。現金に余裕が有るタイミングでのお引き出しとなりましたので、直ぐにご用意出来ました」


 うーん、このお姉さんも、語尾に「にゃ」が付かないな……この異世界では語尾に「にゃ」は幻なのか?


「そうだったんですか、ありがとうございます」


「ふう、数日時間がかかると思っていたのですが。ベルガモでやりたい事が、今日で全部終わってしまいました。どうしましょうか?」


「そうね、今日は出発出来ないんだし、観光して夜に考えましょうか」


「分かりました、それなら自由行動にしますか?」


「うーん、ワタルさんが大金を持ってるのが気になるわ。一度船に戻ってから自由行動がいいんじゃないかしら?」


「ああ、そうですね。助かりますアレシアさん」


資金 手持ち26金貨78銀貨32銅貨 ギルド口座49白金貨0金貨 貯金船66白金貨 胡椒船490艘

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
あれ?凄まじい金額になっている胡椒貿易を何度もこなしているのに未だに商業のランクがF?
[良い点] 素人な主人公が色気出して無理な商談をしない所。ストレスフリーでいい
[一言] >運んできた胡椒を卸し、女性陣とフィリッポさんが出してくれた従業員3人と、荷車を引いて船に戻る。胡椒船を召喚して、荷車4台分の胡椒を積み込んでフィリッポ商会に戻る。 どっちにも捉えられるけ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ