表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第四章 胡椒の行商?とジラソーレとの旅
64/570

5話 出航から10日と恋愛考察

 出発してから10日、いま、僕達は激しい嵐に襲われている。


 朝、起きるとハイダウェイ号がグラングラン揺れていた。外を見てみると、大きな波と激しい雨が結界に弾かれていた。凄い雨だな、結界の形が良く分かる。


「完全に嵐に巻き込まれてますね。嵐が通り過ぎるまで何も出来ません、船酔いもしそうですし。今日は寝て過ごしますか?」


「えっ? ちょっと、ワタルさん、そんなにのんびりしていて大丈夫なんですか?」


「えっ? ああ、アレシアさん、大丈夫ですよ。船が沈む事はありません。流されてもマップがありますから、直ぐに元の場所まで戻れますよ」


「ワタルさんも落ち着いてますし、大丈夫そうですが、沈まない理由を聞いてもいい?」


「ええ、僕の召喚した船には不壊、不沈という特性が付いているんです。ですからこの船は沈みませんし、壊れません。揺れが酷いので大変ですが、それ以外は大丈夫です」


「そ、そうなんですか、さすがユニークスキル、理不尽な能力ですね」


「ええ、とても助かってます。ですので皆さん、安心してのんびりしていてください。揺れますけど」


「ええ、分かったわ」


「うふふ、ご主人様、私、この嵐の中でルト号を操船してみたいわ」


「いや、さすがに駄目ですよ。いくら沈まないって言っても、わざわざ嵐の中で操船する必要もないでしょ」


 イネス、本気で言ってるな、許可したらこの荒れた海を全速力で突っ走りそうだ。なんか台風の時に、はしゃいでいる小学生みたいな顔をしている。アレシアさんも残念そうな顔をしないでください。


「面白そうなのに残念ね」


「諦めてください」


「分かったわ」


 みんなに今の状況を説明して、嵐が通り過ぎるまでのんびりする事にした。船酔い防止の為に、ベッドに寝っ転がり、この航海の事を考えてみる。


 今の所、この航海は成功してるよね。ジラソーレのメンバーとも結構仲良くなったと思うし、でもラッキースケベが1度も起こらないのは納得いかないな。


 異世界に来ても主人公体質にはなれなかったか……ジラソーレも向こうからではなくて、僕が何とか縁を切らさないように頑張ってる状況だし。主人公体質なら、自然とハーレムが出来るはずなのにな。


 でもお風呂で一緒になっても嫌がられないし、嫌われてはいないと思うんだけど……やっぱり男として認識されていない気がする。


 デザートで女性陣の心はガッチリつかんだと思う。この前はアイスクリームを作った。切っ掛けはカーラさんだったな。


「ねえ、ワタルさん、他にも美味しいデザート作れる?」


「デザートですか? ……上手くいくか分かりませんがいくつかは知っています。作ってみますか?」


「うん」


「作ってみますけど、失敗しても怒らないでくださいね」


「うん、でも出来るだけ頑張って欲しい」


 カーラさんって本当に第一印象と違うよね。物凄く可愛い人だと思うんだけど、だんだんと食べ物に関する要求がストレートになってるのが怖い。


「あはははは、頑張ります」


 うーん、作れそうなのは、アイスクリームかな、生クリームと砂糖、卵を出して、カーラさんとキッチンに向かう。


「あら、ワタルさん、カーラも、何か作るんですか?」


「ええ、デザートにアイスクリームを作ってみようかと」


「アイスクリームですか? 私もお手伝いさせて頂いてもいいですか?」


「クラレッタさんには浄化をお願いするつもりでしたので、とても助かります」


「ふふ、頑張ります」


「では、まずは、卵を割って、卵黄と卵白に分けて、両方とも浄化をお願いします」


「はい」


「えーっと、カーラさんは卵白を角が立つまで掻き混ぜてください。大変ですが頑張ってくださいね。疲れたらクラレッタさんと交代してください」


「うん、頑張る」


「こっちも、生クリーム、卵黄、砂糖を入れて、角が立つまで掻き混ぜます」


 頑張ったがカーラさんより先に力尽きてしまった、クラレッタさんすいません。


「2つとも角が立つまで掻き混ぜたら、2つを合わせて、潰さないように優しく混ぜ合わせます。後は容器に入れて冷凍庫に、固まれば完成です」


「掻き混ぜるのが大変ですけど、ずいぶん簡単なんですね」


「私にも出来る、嬉しい」


「そうですね、一番オーソドックスな物ですから。果物を混ぜたり、色々な味をつけると、バランスとか分量とか色々難しいらしいですよ?」


「そうなんですか、色々試してみたいですね、カーラ、その時も手伝ってくれる?」


「頑張る」


 食後に出したら、女性陣に大好評だったな。みんな沢山おかわりしてくれて、全部なくなってしまった。次の日もアイスクリームを頼まれて、ひたすら掻き混ぜた。


 プリンとアイスクリームを生クリームで飾り付けて、周りに果物を添えて出したら、女性陣が狂喜していた……正直怖かったです。


 喜ばそうと思っても、無理はしない方がいいと学んだな。でも少しでも良く思われようと頑張っちゃうんだよな。なんとか特別な日だけの豪華デザートと言う事で納得してもらって、助かったけど。


 食事も、ミルク布教の為に、カルボナーラやグラタンも作ってみた。女性陣は違和感なくミルクを使った料理が食べられるようになったと思う。


 グラタンはオーブンが無いので、イネスに炎魔法であぶってもらった。2度ほど失敗して丸焦げになってしまったが、コツをつかんだのか、今ではチーズに焦げ目が軽くついた、最高の焼き加減で仕上げてくれる。


 暇な時間も増えたのでジラソーレのメンバーにも操船を教えてみた。みんな楽しんでくれたが、アレシアさんとマリーナさんが、イネスの同類になってしまった。



 今では時間が出来ると、フライングブリッジに3人で集まり。魔物の襲撃をキャイキャイ言いながら待っている。フェリシアも許可があれば喜んで参加してるので、結局は同類なのか?


 最近、彼女達は海竜が襲ってくれば良いのに。などと物騒な事を言い始めたので、操船を教えた事を後悔している。ストレス溜まっているのかな?


 魔物の襲撃で4人がさんざん魔物を引っ張りまわした後に、魔物は全員の総攻撃で惨殺される。シーサーペントは白金貨の価値があるのに、総攻撃でボロボロになってしまった。


 さすがに勿体ないので、価値のある魔物はきちんと、素材の取れる倒し方をするように要請した。この船に乗っていると、本当に魔物に同情する事が多い。


 まあ、僕が相手をしたら、何年かかっても倒せないような魔物に同情するのもおかしな話だけど。遊び厭きて捨てられた、おもちゃを見るような、妙な悲しみを感じてしまう。


 ジラソーレのメンバーもこの航海で結構レベルが上がったらしく大喜びしている。活動範囲内の陸地の魔物では、なかなかレベルがあがらなくなっていたそうだ。


 彼女達のレベルが幾つなのか、興味はあるが……知ったら知ったで、怖くなりそうなので聞くのはやめておいた。


 彼女達もすっかり船に慣れて、僕の事も男だと意識しなくなって来たのか。露出が多めの格好でソファーに座っている事がある。


 眼福なんだけど、男として見られてないのが悲しい。誘ってるの? って聞いてみたいけど、まったくそんな気配すらないので、傷つくだけなので聞いてない。


 でも、露出が多めの時に魔物が襲ってくると嬉しい。船の揺れとリンクするように揺れるお胸様、そのまま戦闘になると、ぷるんぷるん、たぷんたぷん、で最高です。


 揺れる胸を見ていて思うのが。これは僕個人の意見なんだが、ラノベで知識チートを使って、ブラジャーを開発する男主人公が許せない。


 女主人公なら納得出来るが、男主人公がなんでブラジャーを作るんだ。っと声を大にして言いたい。だって揺れるお胸様が見たいよね? ぽちっとなってる先端部分はロマンだよね?


 胸の形が悪くなる、垂れる、揺れて痛そう、っとか理由はあるかもしれないが、そこは魔法的な何かで解決して欲しい、だって異世界なんだから。


 まあ、知識チートは素晴らしいし、僕もやりたいけど、ブラジャーだけは納得がいかない。いかん変な方向に熱くなったな……


 クラレッタさんの魔法教室は順調だ。リムがホーリースピアを覚えた後に、クラレッタさんが試しに、生活魔法を教えてみたところ、あっさりと習得した。


 ホーリースピアを覚えたリムは単独でマーマンが倒せるようになった……早く新しい弓を手に入れないと立場が……


 でもリムはホーリースピアよりも、お手伝いが出来る生活魔法が気に入ったのか、コップが空になったら水を足し、食器を洗う時にも水を出してくれる。水道から出て来る水より、リムが魔法で出した水の方が、汚れがよく落ちる気がする。かわいい。


 羨ましいのが、シャワーやお風呂から出て来た女性陣の肩に乗り、微風を吹かせている事だ。女性陣もリムを可愛がってくれて、リム大人気だ。


 お胸の上にポヨンと乗っているリムを見ると羨ましくてしょうがない。僕が異世界に来て、一番羨ましく思うのはリムだ。まあ、リムはかわいらし過ぎるから、しょうがないけど。 


 リムの活躍は魔法だけに留まらず、リバーシでフェリシアに雪辱を果たした。イネスとアレシアさんがフェリシアが負けた事を喜んでいた。


 最近思うのは、僕はジラソーレのメンバーに対して、チャンスはあるんだろうか? 高嶺の花なのは分かってるんだけど、一緒に船内で生活しているんだから、わずかな可能性ぐらいあって欲しい。


 考えてみよう。


 アレシアさんはどうだろう? ジラソーレのリーダーだから、よく話をするし、仲は悪くないと思う。でも、リーダーとしての話と、操船に関してと、逃走ゲームにハマってからは、よく操船中に交代しに来てくれるな。


 うん、アレシアさんには、まったく男としては意識されてない。友達って感じがする。


 ドロテアさんはどうだろう? この人もよく話はするな、でも話している事は……基本リムの事だな。


 後はドロテアさんもテイムスキルが欲しいらしくて、テイムスキルが取れるまでに、どんなことをしたのか? どうしたらテイムスキルを取れそうなのか話し合っている。


 結論……ドロテアさんは、リム友だな。


 マリーナさんはどうだろう? 元々あまりしゃべるタイプじゃないらしく、興味がある時だけ話す感じなのかな? マリーナさんもリムが好きらしく、リムの事をよく話しているな。


 嫌われてはいないと思うんだけど、もっと仲良くならないとな、恋愛以前な感じだね。  


 イルマさんはどうだろう? よく話すし、仲もいいと思う。僕がエッチな目線を向けてしまっても、怒らず。逆にその妖艶な雰囲気を増して、チョットだけサービスショットを見せてくれる。下僕にしてくださいって土下座したくなるな。


 なんか自分の考えが恥ずかしいが、妖艶な大人の女性に憧れる思春期の少年と、その少年をからかいながら楽しんでる大人な女って感じかな? ……二十歳だけど。


 カーラさんはどうだろう? かなり仲はいいと思う。よく話すし、相手からのスキンシップもある。普通に考えれば、望みがありそうなんだけど……どう考えても頼んだら美味しい物をくれる人って思われてる気がする。


 カーラさん、キラキラとした視線を向けてくれるが、恋愛とかではなく。美味しい物持ってるかな? 美味しい物作ってくれないかな? って視線だと思う。


 クラレッタさんはどうだろう? クラレッタさんとも、かなり仲が良いと思う。毎日よく話すし、一緒にキッチンに立って料理もする。美味しい物の話や昼食、夕食の献立についての話をよくするな。


 結論……料理友達? なんか想像だけど、仲のいい主婦友達みたいな会話をしている気がする。


 全員との関係を考えてみたけど、恋愛に発展しそうな要素が無いな。そもそも、僕がどうのこうの以前にあの人達が恋愛の話とか、男の話をしているのを聞いた事すらない。


 従業員さんの時も、あんまり理解してなかったし……もしかして恋愛とか考えた事も無いんじゃなかろうか……まさかね。


 とりあえず、何か劇的な変化が訪れないと、男としてすら認識されそうにないな。

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ブラについて熱く語っている人も多いので、ちょっとした豆知識に。 お胸は、背筋とクーパー靱帯によって支えられます、靱帯は歳と共に伸びます。(長く穿いたパンツのゴムを連想してください) アスリート系な人は…
[一言] デカい乳はブラジャーがあってもぶるんぶるん揺れるんやで
[気になる点] ブラジャーに関しては文化的なものや技術面の事もあったりするし、物語の中ではどっちでもいいとも思うけど、 女性の事を考えてではなく自分の好みの関係で作ろうとせず、魔法で何とかしろとか物語…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ