3話 夢のお風呂と創造神様への感謝
「皆さん、お風呂の説明をしますので、甚平に着替えて来て貰えますか?」
「お風呂なのに着替えるの?」
「ええ、アレシアさん、あれはお風呂用に作った服ですから」
「そういえばお風呂に関係してるって言ってたわね。じゃあ甚平以外は身につけない方が良いのかしら?」
「そうですね、濡れる事になりますし止めておいた方が良いですね。この甚平はお風呂用に作った湯着ですから」
「分かったわ。みんな着替えるわよ」
よし、僕達も着替えに行こう。部屋に戻り甚平に着替える。
「お待たせ、あら、ワタルさん、なんか妙に甚平が似合うのね。私達って、なんだか違和感があるのよね」
やっぱりあれか? 足の長さなのか? アレシアさんが言った通り、ジラソーレは微妙に甚平が似合ってない……特にクラレッタさんのお胸の盛り上がりは凄いな。でも良かった、なんでワタルさんも着替えてるの? とか言われなくて。
「うーん、やっぱり、僕の故郷で作られた服ですから、そこら辺が関係あるかもしれませんね」
「ああ、見た事無い服だと思ってたんだけど、この国の服じゃないのね。そういえばワタルさんの故郷は何処なの?」
「故郷ですか? 遠い島国ですので、皆さんは知らないと思いますよ。ではお風呂の所に行きましょうか」
故郷とか口に出したら駄目だな、説明に困る。話を変えてお風呂に向かう。
「では説明します。見て分かる通りに外に設置されているお風呂です。まあ体を洗う為に入ると言うより、みんなで入ってお湯を楽しむ感じのお風呂ですね。楽しむ為に色々な機能が付いています」
そう言って、お風呂に入り操作盤に手を触れる。
「このお風呂に付いている色々な機能は、この操作盤で動かす事が出来ます」
「操作盤ですか?」
「はい、まず動かしてみますね」
ボタンを押すと、いたるところから空気の泡が噴出して、水面がポコポコと波打つ。
「なにこれ? ワタルさん、平気なの?」
「平気ですよ、アレシアさん。ただ沢山の穴から空気が出てきているだけですから。手を入れてみれば感触が分かりますよ。皆さんも試してみてください」
「わ、わかったわ……」
アレシアさん達が、恐る恐るお湯に手を入れる。やっぱりお湯がブクブクしてたら怖いよね。僕も知らなかったらかなり怖いと思うし。
「本当ね、なんだかくすぐったいけど気持ちが良いわ。この中に入ると全身がこんな感じになるのね……」
口々に感想を言い合う。否定的な意見は無いな。
「あら、リムちゃんも入ってるのね」
えっ? いつの間に? まあ問題は無いんだけど……さっきまでドロテアさんに抱っこされてたのに、素早いな。
「リム、気持ち良い?」
『りむ、きもちいい』
「ふふ、リムはお風呂好きだよね」
『うん、わたるいっしょ』
「そうだね、一緒だね」
リムは所々で僕の心を打ち抜いてくる。メロメロになっちゃうよね。
「今は泡が少ない状態です。まだ泡が多く出来ますよ、試してみますね」
「あっ、ちょっと待って、この状態で入ってみたいんだけどいい?」
「構いませんよ、僕は出ましょうか?」
本当は出たくないけど、言っておかないと……
「構わないわ、みんなで楽しむお風呂なんでしょ。その為の湯着なんだし」
おお、湯着を作って良かった。こんなに上手くいくとは。でも、一緒にお風呂に入りたいが為に此処まで準備する僕はどうなんだ? ただの変態ではないと……思いたい。もてない男の涙ぐましい努力だよね……
「じゃあ、違いを分かって欲しいので一度、空気を止めますね」
「ええ、じゃあ入るわね。あら、真ん中が深くなってるのね。楽な体勢で入れて嬉しいわ。それに大きなお風呂は気持ちが良いわ」
「ですよね。では空気を出しますね」
「分かったわ」
再び泡を出すとアレシアさんが「んっ」とちょっと色っぽい声を出した……ドキドキする。
「アレシアさん、どうですか?」
「不思議な感覚だけど、私は好きだわ。空気を多くしてもらってもいい?」
「はい」
空気量を増やすと、アレシアさんは目を閉じてお湯に深く浸かっている。満喫してるね。
「アレシア、どう?」
「ドロテア、凄く気持ちが良いわよ」
「ワタルさん、私も入っていいかしら?」
「うふふ、私も入りたいわ」
「ええ、ドロテアさん、イルマさん、他の皆さんも自由に入ってください」
ドロテアさんとイルマさんもお風呂に入ってきた。夢みたいだ。ハイダウェイ号……買って良かった。
「ふふ、確かにちょっとくすぐったいんだけど気持ち良いわね。ドロテアは平気かしら?」
「ええ、平気です。とても気持ち良いです」
うん、ドロテアさんもイルマさんも気持ちよさそうだ。でもドロテアさん、いつのまにかリムを抱っこしている。ブレないな。
「では、次は空気だけでなくて、お湯も一緒に出るようにしますね」
「えっ? お湯が出るの?」
「ええ、気持ちが良いですよ。最初は弱いのにしますが、良いですか?」
「ええ、分かったわ。お願いします」
ドロテアさんもイルマさんも良いそうなので、ボタンを押す。
「ふあー、なにこれ、背中、腰、足に泡とお湯が当たってる、良いわねこれ」
「良かったです。強さはどうしますか?」
「ドロテアとイルマがいいなら強くして欲しいかな。2人はどう?」
「私は強くしてもいいよ。イルマは?」
「私も良いわよ」
「私も入る」
「私も入るわ」
「わ、私も入ります」
おお、様子を見ていた残りのジラソーレメンバーが入って来た。ちょっと狭くなって両サイドのクラレッタさんと、マリーナさんと触れ合って幸せです。
「ふわー気持ちが良いですねー」
「うん、このお風呂、好き」
「不思議な感覚だけど、気持いいのね」
クラレッタさん、カーラさん、マリーナさんも大丈夫みたいだな。
「じゃあ、もう一段強くしますけど、良いですか?」
みんな良いそうなので強くする。「ふー」とか「あー」とか微妙に色っぽい声が聞こえて来る。ドキドキが止まらない。
「最後に、このお風呂、色んな色の光が点けられるんですが、点けても良いですか?」
「光? 私は構わないけど。みんなは?」
良いそうなので、光を点ける。今回は青色にしよう。
「綺麗ねー」
「ええ、とても綺麗だわ」
青いライトが点いて、薄暗い湯船のお湯に、色が付いたように青く染まる。綺麗だけどそれより僕は、青い光の中に浮かび上がる、クラレッタさんのGカップに目が釘付けだ。お湯でぺったりと布が引っ付き、泡と水流で揺れている……創造神様、ありがとうございます。
(ご主人様、視線が露骨だわ)
(えっ? ああ、ありがとうイネス)
いきなりの光景に思わず夢中になってしまった。クラレッタさんは青い光に夢中っぽい……セーフだったか? 見逃してくれただけかな?
「ふー、後は別の光とか泡、水流の強弱で楽しみます。あまり長く入っているとのぼせるので、横のソファーで休憩しながら冷たい物を飲んで、またお風呂に入ったりします」
「ワタルさん、とっても楽しいわ。ありがとう」
「僕も皆さんと一緒にいるの楽しいので、気にしないでください。ふー、僕は休憩します。ジュースを全員分出しますね」
「ありがとうございます」
「ご主人様、お手伝いします」
「休憩しながらだから大丈夫だよ。イネスとフェリシアもお風呂に入ってて、皆さん構いませんか?」
「ええ、もちろんよ」
青く光るお風呂に8人の美女が見える。今日は最高の結果を得た気がする。さて本当なら冷たいビールを飲みたいんだけど、まあ、ジュースも美味しいよね。
船召喚で食糧庫船を呼び出し、ジュースを取り出しゴクゴクと一気飲みする。
「ぷはー、最高です」
「美味しそうね。ワタルさん私にも貰えるかしら」
ざばっとお湯から上がりアレシアさんが近づいて来た。薄暗いけど、湯着がぴっちりと肌にまとわりついたシルエットにドキドキする。
「今から配りますから、お風呂に入ったままで構いませんよ」
「いいの、私も休憩したいから」
皆にジュースを配り、ソファーで休憩する。
「ワタルさん、とっても贅沢な時間ね」
「そうですね、アレシアさん。今度はあのドームの下のグリルで、バーベキューをしたり、ゲームをしたりしながら1日お風呂を楽しみましょうか」
「ふふ、それは今よりも、もっと贅沢な時間になるわね」
「そうですね、楽しみです」
雑談しながら思い思いにお風呂に浸かったり、休憩したりを繰り返す。
「そろそろ今日は上がりましょうか、試して頂きたいゲームがもう一つあるんですがどうですか?」
「そうね、ゲームも気になるし上がりましょうか」
お風呂を上がり、軽く水気を落として、部屋に戻る。船内の明かりの下での彼女達の姿は忘れられません。
「じゃあ、着替えたらリビングに集まればいいかしら?」
「はい」
それぞれ部屋に戻り着替えに行ったので、僕達も部屋に戻る。
「ご主人様、楽しかった?」
「ええ、とても」
「うふふ、良かったわね」
「でもご主人様、イルマさんは完全にご主人様の視線に気が付いてましたよ」
「そうだよね、そして完全に遊ばれたよね」
「そうでしたね。ご主人様、挙動不審になってましたから……」
「だって、イルマさんが胸元を着崩したり、僕の隣でお湯に浸かる時、妙に色っぽい声を出したりするんだもん。気になるよね」
あの妖艶さは反則だよ。抵抗も出来ずに見ちゃうよ。
「ご主人様、そろそろリビングに行った方がいいわよ」
「あっ、そうだね。行こうか」
「「はい」」
リムを頭の上に乗せてジェンガを持ってリビングに向かうと、寝間着のジラソーレが勢揃いしていた。ありがとうございます。
クラレッタさんは、ジラソーレNO1のお胸様が寝間着を持ち上げて、これでもかと主張していた。異世界最高です、創造神様、なんで船召喚? とか言ってすいません、感謝しています。
「お待たせしました」
「そんなに待っていないから大丈夫よ」
「ありがとうございます。じゃあさっそくゲームの説明をしますね。と言っても単純なんですけどね」
ジェンガの説明を簡単に済ませさっそくゲームを開始する。湯上りの巨乳美人に囲まれて、ジェンガとリバーシを楽しみ、夢のような一夜を過ごした……特にジェンガは倒れる時に騒ぐ美女達の巨乳がプルンプルンで最高でした。
「もう遅いですしそろそろ寝ますか」
「そうね、ワタルさん、明日は何時頃出発するの? 移動はルト号だったかしら、ここに乗って来た船でするのよね」
「はい、6時に朝食を取って、それから準備して出発でいいと思いますが、どうです?」
「そうね、じゃあ6時に食堂に集まる様にするわ。朝食の準備は私達がしましょうか?」
「いえ、朝は、船召喚で出来合いの物を出す方が楽ですから、僕が担当します」
「確かにそうね、お願いします」
「はい、では、僕達はそろそろ寝ますね、おやすみなさい」
「あっ、ワタルさんリムちゃんと一緒に寝たいのだけど、今日でもいい?」
「ああ、そうでしたねドロテアさん、リムに聞いてみますね」
「お願いします」
「リム、ドロテアさんが一緒に寝たいんだって、リムは一緒でいいかな?」
『りむ、どろてあ、いっしょ』
「一緒で良いんだね。ドロテアさん良いそうなので、リムの事お願いします」
「はい、リムちゃん一緒ね」
ドロテアさんは、リムを優しく抱き上げ撫でながら部屋に入って行った。リムはドロテアさんとイルマさんと寝るのか、素直に羨ましいな。
ジラソーレの部屋割りは、特に決める事無く、1、1、2、2、に別れ、順番に1人部屋を使うそうだ。
軽くイチャイチャして眠るつもりだったが、刺激が強い1日だったので、しっかりたっぷりイチャイチャしてしまった。おやすみなさい。
誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。
読んで頂いてありがとうございます。