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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第三章 胡椒貿易とダークエルフの島
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8話 お料理教室と移住の準備

 お食事会の後に思う存分イチャイチャして、夕食を取りに食堂に向かうと、クラレッタさんに話しかけられた。さっそくタルタルソースの作り方が知りたいらしい、食後にお料理教室だね。


「ワタルさんよろしくお願いします。カーラもマヨネーズなら手伝えそうだから覚えたいと言ってくれまして、構いませんか?」


「はい、もちろんですよ、こちらもイネスとフェリシアも覚えたいそうなので、よろしくお願いします」


「はい」


「では、さっそくはじめますか。クラレッタさん卵を割って卵黄を取り出して、浄化を掛けて貰えますか?」


「はい」


 クラレッタさんが浄化を掛けているのを見てると、頭の上でリムがポンポン飛び跳ねながら意思を伝えて来た。


『……りむも…できる……』


「ん? なんだいリム? なにができるのかな?」


『……あれ…する……』


「ん? もしかしてリムも浄化出来るって言いたいの?」


『……ん……』


「そっかー凄いねリム、見せてくれるかな?」


『……みせる……』


「すみませんクラレッタさん、リムが浄化を試してみたいそうなので、卵黄を少し貸してもらえますか?」


「まあ、リムちゃんがですか? ……ああ、そういえばリムちゃんはホーリースライムでしたね、もちろん構いませんよ」


「はい、リム、この卵黄に浄化を掛けてくれるかな? 無理はしちゃ駄目だよ」


『……ん……』


 リムがプルプルしていると体の光が強くなって来た。その光が卵黄に降り注ぐと光が卵黄を包み込んだ。


「クラレッタさん、今のって浄化出来てましたか?」


「ええ、浄化の光が卵黄を包み込んでました、成功してますね。リムちゃん凄いです」


「おおーリムは凄いねー初めてで魔法に成功したね」


 リムを撫で繰り回しながら褒めまくる。


『……りむ…できた……?』


「うん、出来ました。リムは凄いねー」


『……えらい……?』


「とっても偉いよー」


 僕とイネスとフェリシア、クラレッタさん、カーラさんでリムを褒めまくる。リムもプルプルと嬉しそうだ。


「えー、タルタルソース作りを再開したいと思います。お時間取らせてしまって申し訳ありませんでした」


「いえ、リムちゃんが頑張ったんですもの、当然ですよ」


「ありがとうございます、クラレッタさん。では、浄化を掛けた卵黄に、塩、胡椒、レモン汁を入れてよくかき混ぜてください」


「はい」


「よくかき混ぜたら、油を一匙加えてまたよく掻き混ぜます。この工程を何度も繰り返して、角が立つようになればマヨネーズの完成です。このままでも十分に美味しい調味料です、サラダにピッタリですね」


「このまま、サラダにかけるんですか?」


「ええ、大抵の野菜にマヨネーズは合うので試してみてください」


「分かりました。試してみますね」


「あとは出来たマヨネーズとゆで卵を潰しながら混ぜ合わせて、刻んだ玉ねぎを入れます。塩、胡椒で味を調えればタルタルソースの完成です。本当は酸味のある酢漬けの野菜を細かく刻んで入れると、もっと美味しくなります」


「ふー混ぜるのがちょっと大変ですが、工程自体は難しくないんですね」


「私にも出来た」


「ええ、でもマヨネーズは酢や油の種類、分量等で色々とアレンジが効くんです、自分好みのマヨネーズを作るのも楽しいですよ」


「そうですね、作り方がシンプルだからこそ材料で味が変わりそうですね、研究してみます」


「ええ、そうしてみてください。ん? カーラさんタルタルソースが食べたいんですか?」


「うん」


「そうですか、食べられるのなら、これで簡単な物を作りましょうか?」


「食べる」


 なんかカーラさん慣れて来るとドンドン言葉が短くなってるな。仲良くなれた証なのか?


「もうカーラ、夕食を食べたばかりなのに」


「まあ、作ると言っても簡単なんですけど、ゆで卵とマヨネーズを潰して混ぜ合わせるだけなので、タルタルソースに潰したゆで卵を入れて混ぜ合わせれば大体同じですね。これをあぶったパンで挟めば卵サンドの出来上がりです。単純ですが美味しいんですよ」


「クラレッタさんも一つぐらいなら食べられますか?」


「あっ、はい頂きます」


「美味しい、私、卵サンド好き」


「まあ、本当に美味しいですね、私も好きです」


「私も好きです」


「うふふ、いいわね」


「気に入ってもらえたのなら良かったです、そろそろ片付けして部屋に戻りましょうか」


「「「「はい」」」」



……………


 ジラソーレの人達とのお食事会から5日、ダークエルフの村に出発する。南の大陸に行くかはまだ未定だけど、一応商業ギルドで頼んでおいた30白金貨とスパイダーシルク7白金貨分は受け取ってきた。


 スパイダーシルクは5白金貨分ぐらいしか集まらないと言っていたのに、カミーユさんが頑張ってくれたみたいだ。またお土産買ってこないとね。


 沖に出てから自動操縦でダークエルフの村を目指す。これで明日の朝には到着する予定だ。


「明日には到着するけど、その後はどんな動きになるかな?」


「ダークエルフの村の決定しだいだけど、移住の準備を手伝う事になるんじゃないかしら? ねえフェリシア、移住は皆したいのよね?」


「ええ、新しい移住先に不安を覚える人も居るでしょうが、今の村では限界だと分かっているので移住を選択すると思います」


「35人か、どうやって連れて行こうか? この船に定員15名なんだけど、スキルで転覆しないから子供も合わせれば30人位のれるとは思うんだ。


 それにロープで和船を曳いて行けば、全員を一度で運べるけど皆きつい思いしそうだし、無理をしないで何度かに分けて連れて行くのがいいかな?」


「分けて連れて行くのがいいと思います。さすがにルト号で30人はきついと思います」


「うん、そうだよね、あとは家屋を解体して運んだ方がいいね。向こうで木を切っても乾燥させる時間が掛かるし」


「そうして頂ければ助かります」


「ああそれと船の偽装と能力はどこまで見せていいのかな? ダークエルフの人達は島に行けば他との交流は無くなるんだから、隠さなくても問題無さそうだけど」


「いえ、ご主人様の能力は出来るだけ隠した方がいいと思います。偶然流れ着いた船が村を襲い奴隷にする確率もゼロではないのです。隠せるだけ隠した方がいいと思います」


「そうね、少しの手間で僅かでもリスクが抑えられるのであれば抑えるべきね」


「分かったよ、じゃあ、船偽装はやっておくとして、村に渡すテントなんかも出しておこうか」


「「はい」」


「まあ、それぐらいかな? あとは臨機応変に対応します」


 訓練をしてお風呂でイチャイチャして、夕食を食べてイチャイチャして眠る。船だと周りを気にしないでいいから楽しい。お休みなさい。


 朝か……ボーっとしていると日課の朝のキスをされる……よし、今日も1日頑張ろう。


 もう到着しているのか。外にでて周りを見ると森が見える、朝食を食べて船偽装をするか。


「2人とも、偽装はこんな感じなら問題ないかな?」


「ええ、少し違和感が残るけど、この位で問題無いと思うわ」


「村の人達は、殆ど魔導船に乗った事はないと思いますので、問題ないと思います」


「なら、そろそろ出発しようか」


「「はい」」


 2時間ほどの森を歩き、出て来たゴブリンはイネスとフェリシアがサックリ撃退する。何の問題もなくダークエルフの村に着いた。


「止まれ、……おおあんたらか、話は聞いているよ、中に入ってくれ」


「はい、ありがとうございます」


 村の中に入り、村長の家に向かう。門番の1人が先ぶれに村長の家に走っていく。門番の人達も嫌な顔をしなかったし、移住の事は問題無さそうだな。


「ようこそいらっしゃいました」


「おはようございます」


 村長が出迎えてくれて、さっそく中に通される。お茶を飲みながら話し合いの結果を尋ねる。


「村長さん、話し合いの結論は出ましたか?」


「はい、1人を除いて他全員が移住に賛成しております」


「そうですか、そのお1人との話し合いが終われば、移住の方向でよろしいですか?」


「いえ、その1人も理屈の通らぬ事を感情論で喚き散らしているだけですので、無理やり連れて行った後に教育をしなおします。ですので移住をお願いしたいのです」


「そうなのですか? 私は構いませんが、そのお1人の反対理由をお聞きしてもいいですか?」


「いえ、単なる我が儘で、同じダークエルフとしても恥ずかしい話なので、聞かないで頂けると助かります」


「はあ、分かりました。では移住決定という事で進めますね」


 なんだろう、凄く気になるけど、本気で聞いて欲しくなさそうだから諦めるか。面倒事にならないといいけど。


「よろしくお願いします」


「まず私達が出来る事なのですが、この村の方を2回に分けて島にお連れします。村人のテントと半年分の小麦、野菜の種、日持ちする野菜、干し肉、開拓の為の道具はある程度準備出来ています。


 不足した物や必要になったものがあれば、言ってもらえれば出来る限りお届けします。ここまではよろしいですか?」


「あ、はい十分です、手厚いご支援感謝いたします」


「いえ、フェリシアとの約束の範囲内ですのでお気になさらず。それでこの村の家財道具も運んだ方が向こうでの生活もしやすいと思います。


 先に島に移住する人達は島での生活の為の準備が出来る人達、次に移住する人達は、家財道具を解体して運べるようにしてまとめる人達と分けて欲しいです」


「それでは、この村の家屋も運んで頂けるんですか?」


「ええ、何往復かすれば運べますから。残った人達だけでの解体も大変でしょうから、テントを幾つかお渡ししますから、移住が始まるまでに解体を進めておくのもいいかもしれませんね。それでいつ頃出発出来るか皆さんと話を詰めておいてもらえますか?」


「はい、わかりました。決まるまでこの村にご滞在なさいますか? 殆どの者達は移住の準備を進めているのでそこまで時間は掛からないと思いますが」


「うーん、どうしましょうか? 今日は一泊させてもらって、明日からは島に運べるものを運んでおいた方がいいかと思いますが」


「そうね、私達にこの村で出来る事はあまり無いでしょうし、ある程度の荷物を先に島に運んだ方がいいと思うわ」


「私もそう思います、荷物は沢山ありますから、先に運んでおいた方がはやく行動出来るので助かります」


「では、急で申し訳ありませんが、先に島に運んでおきたい物があったら明日の朝、船まで運んでもらえますか? それで5日後には戻ってきますので、移住に関する決め事をある程度まとめておいてください」


「はい、午後から会議を開きますので、その時に通達しておきます」


「わかりました、では今のうちにテントを渡しておきますね。大型テント1つに中型テント1つ。小型テントを3つ渡しておきます」


「はい、ありがとうございます」


 話し合いも終わり、フェリシアはお母さんの手伝いに。僕たちは色々忙しそうなので部屋に籠っていた。


 翌朝、門に行くと大きな荷物を背負った5人のダークエルフが待っていた。たった一晩しかなかったのに結構な荷物が集まったんだな。


「おはようございます、あなた達が船へ荷物を運んで下さるんですね。よろしくお願いします」


「「「「「おはようございます」」」」」


「あの、村長人手がいるのは分かっているのですが、私達の中の2人は先に島に連れて行ってもらう事は可能でしょうか?」


「ゴブリンもいるそうですし、少数なら撃退して荷物を守る事も可能です。移住の準備を島で少しでも進めておけば本隊が着いた時に行動しやすいと思うのですが」


「ふむ……いかがでしょうか? 2人を先に連れて行ってもらう事は可能ですか?」


「そうですね、向こうでの荷物の警護を考えていませんでしたので助かりますが、私達が島を離れたら最低でも5日間は2人で頑張らないといけませんし、村の準備が遅れれば、10日以上かかるかもしれませんが大丈夫ですか?」


「はい、私達は狩りも可能ですし、危険な時も逃げる事は可能だと思います。10日以上でも生き抜くことは可能です」


「分かりました、村長さんがよろしければお連れしますが、どうでしょうか?」


「はい、お願いしたいと思います。バルナバ、ブルーノ、お前達が連れて行って貰いなさい」


「「はい」」


 村を出て、船まで荷物を運びバルナバとブルーノを連れて出航する。2人は船の中を楽しそうに見回り、後方デッキに落ち着いたようだ。途中で何度か海の魔物に襲われ2人は青い顔をしていたが、無理なく撃退できる事を知って安心していた。


 2日後、無事島に到着した。


「ワタルさんここは素晴らしい島ですね、こんな所に住めるなんて夢のようです」


「ええ、こんなに大きな島だとは思いませんでした。自然も豊かで、本当に素晴らしい島です」


「バルナバ、ブルーノ落ち着きなさい、少し休んだら荷物運びですからね」


「「はい」」


「一番最初の拠点はあの丘の上が一番だと考えています。落ち着かないのなら確認してきなさい」


「「はい」」


「申し訳ありませんご主人様、2人とも浮かれているようで」


「あはは、これから住む島だししょうがないよ。さて荷物を降ろして、あの2人にはきついけど丘まで運んでもらいましょう」


「「はい」」


 船から買って来た荷物をドンドン運び出す。途中で戻ってきた2人は荷物を見て浮かれ気分が吹き飛んだようだ。船からの荷物を運び出し終えると、丘に大型テントを張りそこまで皆で荷物を運ぶ。


「ふー、やっと終わった。荷車も必要だったね」


「そうですね、丘までの荷運びを考えていませんでした。あの2人がいて助かりましたね」


「うふふ、そうね、でもその2人はあそこで倒れてるわよ?」


「酷使し過ぎたね。夕食まで休ませておきましょう」


 夕食を取った後、船に戻り明日の朝には出航する事を告げる。2人はここで荷物番をしながら生活環境を整えていくそうだ。きつそうだがやる気に満ち溢れている、この島が相当気に入ったようだ。


 船に戻りシャワーを浴びてイチャイチャして眠りにつく。

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

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