24話 とても幸せな一日
創造神様との争いはついに決着が付き、無事に創造神様は真っ当な創造神様になるための第一歩を踏み出すことになった。それは嬉しいのだけど、意外と僕が活躍してしまったから創造神様の報復がちょっと怖い。世界との契約が絶大な効果を発揮することを期待したい。
「で、では、今日一日、よろしくお願いいたします」
僕は眼前の三人の女神様に深々と頭を下げる。
事の始まりはつい先ほど、光の女神様に報酬を頂こうと教会でお祈りをしたことで始まる。
神界に呼ばれて創造神様に嫌味を言われたら嫌だなー、でも、報酬は絶対に欲しいから仕方がないといった心持だったのだが、僕は神界に呼ばれることもなく光の神様、美食神様、森の女神様が降臨。
どうしたことかと首をひねっていると、光の神様は報酬を払いに、美食神様と森の女神様も約束を果たしに降臨してくださったとのこと。
いきなりのフィーバータイムに、僕は全力でのおもてなしを誓い、深々と頭を下げたという訳だ。
ちょっとだけ、心の準備をさせてほしかったという気持ちもないではないが、まあ、僕もサプライズは好きだし、女神様相手にもっと気を遣えというのも傲慢だろう。なんてったって女神様だからな。
でも、これだけは言わなければいけない。
「あ、あの、光の女神様……」
「なんですか、航さん」
「その……まぶし過ぎるので、光を弱めていただけませんか?」
なんというか、光の女神様が太陽レベルで発光しているから、目がシパシパしてしまう。
「? ……ああ失礼しました。これで大丈夫ですか?」
おお、ようやく光の女神様の姿がハッキリと見えた。
もしこのまま発光したままなら、マイクロビキニ姿が見えなくて無意味になってしまうところだった。
「はい、ありがとうございます」
「ふふ。人間の目には辛いですよね。神界でも光の神の発光は話題になっています」
「そうね。創造神様がしおれていくほどに光の神の輝きが増すって話題ね」
森の女神様と美食神様がクスクスと笑いながら教えてくれる。
「もう! 私は別に創造神様の力を吸い取ったりはしていませんよ!」
光の神様が不満気に反論するが、どうやら神界ではおかしな噂が流れているようだ。
「あのー。創造神様はそんなにしおれているんですか?」
神界に強制連行されてまだ二日程度だよね?
「……はい。創造神様は規則正しい生活が肌に合わないようで、苦戦していますね。ですが、そのおかげで神界の運営は万全です。とても助かっています」
光の神様、めっちゃ笑顔。
「えーっと、創造神様には少し申し訳ありませんが、光の神様の助けになれたのであれば良かったです」
これまでの苦労が偲ばれるよ。というか、世界のトップが規則正しい生活が苦手な時点で、苦労しないわけがないよな。
創造神様、どれだけ仕事をさぼっていたんだろう?
「ええ、ええ、本当にありがとうございます」
光の神様が両手で僕の手を握り、素晴らしい笑顔でお礼を言ってくれる。先程とは別の意味でとてもまぶしい。
「光の神。航さんが困っていますからそのくらいに」
森の女神様がテンションが高い光の神様を抑えてくれる。僕としても光の神様の急接近は望むところなのだけど、女神様方は美貌が極まっているから心構えの時間をもらえないとキョドってしまう。
「あら、失礼しました。そういえば、いつまでもここで話している訳にもいきませんね。さっそくお風呂に入りますか?」
「え? あ、どうしましょう?」
光の神様が積極的なのは嬉しいが、展開が早すぎてついていけない。
「今日一日の時間があるのだから、もう少しゆっくりしたら? 私は先に食事がしたいわ」
どうしたものかと思っていると、美食神様がフォローしてくれた。助かります。
「で、では、まずは食事にしましょうか。何が食べたいですか?」
おもてなしをしている間に、お風呂と耳かきを全力で楽しめる精神状態を作り上げよう。
***
「……これは……少し恥ずかしいですね」
目の前に女神様が居る。あっ、いや、本当に女神様だったな。
ふむ。黒の際どいマイクロビキニを着た女神様か。今更だけど、とんでもなく罰当たりなことをしている気がしてきた。
僕は神様に何をさせているのだろう?
「ありがとうございます」
なんだか訳が分からなくなったので、お礼を言って真剣に拝む。
マジで最高です。
上は豊かな母性の先端部分程度しか隠せない面積で、下はもう少し小さければ食い込んでしまいそうな面積しかない。
後ろ姿はまだ見ることができていないが、間違いなくアルファベットのTの字を表しているだろう。
真っ白な肌に黒の水着。
テンプレートではあるが、テンプレートになるほどの素晴らしさが確かに感じられる。
しかも、そのある意味では下品な水着を、女神様が着用しているというシチュエーションがヤバい。鼻血が出そうなくらいにヤバい。
イネスとフェリシアにも様々な衣装を着てもらった。二人とも素晴らしい美女だから無論、最高に似合っていて最高に興奮した。
でも、その二人にはない神様というアドバンテージ、それは思った以上に大きい気がする。
おそらく、ちょっとした悪戯をコッソリと実行する、そんな楽しさが加味されているのだろう。
欲を言えば美食神様と森の女神様にもマイクロビキニで並んでいただきたかったが……うん、まあ、実現しなくて良かったな。たぶん、興奮しすぎて倒れていた。
「あの、航さん。祈られるのは慣れてはいますが、この状況では少し困ります」
「困った顔の光の神様も素敵です!」
あっ、バカみたいに本音をぶちまけてしまった。
「……とりあえずお風呂に入りましょうか」
聞かなかったことにしてくれる光の神様はとても優しいと思う。
軽く掛け湯をしてジェットバスに入る。ふむ、プカリと浮く二つのお山に魅了されそうだが、さすがにガン見は失礼だろう。今更かもしれないけど。
「ふぅ。相変わらず気持ちがいいですね。このお湯はダークエルフの島の温泉ですよね?」
「はい。僕も気に入っているので、あの島に行くたびにストックしています」
まあ、僕というよりも僕達、他の女性陣も気に入ってくれているから、全力でストックしているんだけどね。
湯上りの美女は何度見ても飽きないもん。
「ふふ。その恩恵にあずかれる私達は幸運ですね」
「いえいえ。光の神様の為でしたら、毎日でも用意いたします。あっ、ビールはいかがですか?」
光の神様お気に入りの金色のビールをクーラーボックスから取り出す。
お風呂でお酒は良くないが、神様がそんなことでどうにかなるとは思えないし、ちょっとくらい酔っ払って頂いた方が、ラッキースケベの可能性も上がる。
「あら、ありがとうございます」
上機嫌で缶ビールを受け取る光の神様。沢山飲んでください。
***
最高でした。
水着がズレて少しだけ見えたピンク色のなにかとか、お湯で温まって少し赤みを帯びた白い桃状ななにかとか、端的に言って最高でした。
洗ってもらう時ももちろん最高だったが、洗う時も素晴らしく最高でした。ギリギリまでせめてメッって言われたけど、それすらも最高でした。
なんだか最高しか言っていない気がするが、最高だったのだから仕方がない。
そして最高な時間はまだまだ続く。
「はーい。航さんと光の神よね。入っていいわよ」
目の前のドアをノックすると、美食神様の許可が出たので中に入る。
「あら、二人ともホカホカですね」
森の女神様が顔を赤らめている僕達を見て微笑まし気に告げるが、僕の顔の赤みの七割は興奮で、光の神様の顔の赤みの半分以上はお酒の影響だと思う。
「美食神様も森の女神様も光の女神様も良くお似合いです」
僕と光の神様がお風呂に入っている間に、美食神様と森の女神様も別の部屋でお風呂に入っていた。
その結果、目の前に湯上りの浴衣美人が三人。
わざわざフェリーから浴衣を確保してきて、土下座せんばかりにお願いしたのだが、それだけの価値はあった。
ただ単純に浴衣姿の女神様に耳かきをしてもらいたいという浅はかな考えだったが、予想以上にナイスな判断だった。
凹凸の激しい人に和服は似合わないと聞いたことがあるが、浴衣は違うな。
たしかにミスマッチではある。
だが、グラマラスな肢体を納めきれずに広がってしまっている胸元、帯のおかげでハッキリと認識できる細い腰とその下の豊かな臀部。
とてつもなくエロい。
こんなに幸せで許されるのかと思うくらいにエロい。エロエロだ。
「航さん。さすがにその顔は露骨すぎますよ」
光の神様に注意されてしまった。内心が顔に出てしまっていたようだ。少し落ち着かなければとんでもない醜態を晒しそうなので、ひとまずお茶でも飲んで落ち着こう。
「さて、じゃあそろそろ始めましょうか。航、こっちに来なさい」
お茶を飲んで雑談をしていると、美食神様が太ももをポンポンと叩いて僕を呼び寄せた。いよいよ耳かきタイムが始まるようだ。
今までも何度かその至福を味わってはきたが、今回はそれに浴衣がプラスされるのでドキドキが増している。
失礼しますと断わり、美食神様の太ももに顔を乗せる。本来なら美食神様のお腹の方に顔を向けたいのだが、さすがにそれは遠慮している。
顔に浴衣の布の感触と、その奥にある美食神様の太ももの弾力と熱が伝わってくる。そしてお風呂上がりの美食神様の匂いも……。
「じゃあ始めるわね」
「は、はい、お願いします」
返事をしながら限界まで横目で上を見ると、美食神様の豊かな母性が近づいてくる。
母性が豊かな方は耳かきでその母性が邪魔になり、手元が見づらくなるらしい。でも、僕にとってはそれが幸せ。
美食神様の手が優しく僕の耳に触れ、そっと引っ張られて耳の穴が広がる。
そして差し込まれる耳かきの棒。
たったそれだけのことなのに、ゾクゾクとした感覚が体中を駆け巡る。自分でやるとそれほどでもないのに、人からやってもらうと耳かきってなんでこんなに気持ちが良いのだろう?
コリコリと優しく耳道を擦られ、時折、ふっと美食神様の吐息が耳に吹きかけられる。
「航さんが凄くだらしがない顔をしていますね」
「うふふ。耳かきの時はいつもあの様子ですよ」
光の神様と森の女神様がなにやら話しているが、耳かきが気持ちよすぎて意味までは理解できない。
あふっ! こんなに幸せを味わって、僕は大丈夫なのだろうか。あっ、反対側の耳は森の女神様にやってもらうんだったな。大丈夫じゃないかもしれない。
読んでくださってありがとうございます。




