表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
十八章
436/576

20話 後悔させなければならない

 神々を招待してのシャトー号での創造神様捕獲計画。場所の提供を終えた僕は、後は無関係ということで美食神様と森の女神様とお部屋デートを堪能していた。一緒に食事をしネイチャー系番組を観て喜ぶ森の女神様を堪能する幸せな時間。あとは膝枕で耳かきを、というところで僕は絶望の淵に立たされる。




「では、作戦通りにお願いします」


「「「はっ!」」」


 僕のお願いにブリッジに集まってもらった神々が速やかに散らばっていく。


 なぜだかわからないが、神々も非常に協力的で、会議がスムーズに進行したのはかなり助かった。若干怯えられていた気がしないでもないが、神様が僕に怯えるなんてありえないから、気のせいだろう。


 創造神様を仕留めると誓った後、僕は光の神様、戦神様、魔神様に協力を仰ぎ、様々な確認をおこなった。


 そうして作り上げた作戦。


 この作戦が成功すれば、神界にも下界にも迷惑が掛からず、そして少しでも創造神様を分からせ、そして僕に掛かる忌々しい祝福という名の呪いを解くことができるだろう。


 ただ、すべてが僕に都合が良い作戦は無理だった。


 思った以上に僕達と創造神様には力の開きがあり、運に頼りチートを活用しても成功率は半々。


 その上、僕も身を切る覚悟が必要だし、創造神様にも大ダメージをとはいかない。


 それでも、僕は覚悟を決めた。僕の幸せのためにリスクを負うことを。


 創造神様に窮鼠猫を噛むという言葉の意味を教えてやる。




 ブリッジの中にも聞こえる爆音と悲鳴と罵声を聞きながら、じっと吉報を待つ。


 作戦の第一段階。


 ここが成功しなければどうにもならないのだが、ここが成功するかどうかが創造神様の気分次第なところが辛い。


 だが飽き性な創造神様のことを考えると、十分に勝算がある。同じ場所にジッとしていられないのは創造神様の弱点だ。


「創造神が船内に入った! 現在十五階!」


 バン! と大きな音をたてて扉が開き、名前も知らない男性神が吉報を告げる。


「了解です。攻撃を強め、創造神様を下に追いやってください。ただし、創造神様は人や神の嫌がることが大好きな性格です。下に追い詰めようとしていることは絶対に覚られないように」


「了解!」


 走り去る神様を見送り、思考に没頭する。


 広い空間を自由に使える船外では格上の創造神様は捕まえられない。だからなんとしても船内に入ってもらわなければならなかった。


 創造神様がそれを理解していないわけがないのだが、まあ、中に入った方が面白そうとかいう理由で中に入ったんだろう。


 弱者は選べないが、強者は選べる。自分に不利な戦場でさえも。


 その余裕には少しイラっとするが、僕達に有利に働いているのは間違いない。作戦成功の暁には神々と共に盛大に創造神様を煽ってやる。


 とりあえず第一段階は成功。創造神様の性格上、簡単に外に出ることはないだろう。


 負けず嫌いだから、自分から中に入ったのに追いかけられて外に出るのは負けた気分になるはずだ。


 自分達で戦況をコントロールするのではなく、創造神様の気分が作戦の要なのが情けないが、残念なことにこれが精いっぱい。


 作戦立案の時に神々に話を聞いたのだが、創造神様は戦闘系の神々の総攻撃を真正面から力で食い破ってくるらしい。チートにも程がある。


 ふぅ、言いたいことは多々あるが、作戦は第二段階に移行した。


 罠に適した場所は九階から十四階の船体最後部。客室が並ぶ階層だ。


 現在十五階なので、十四階から九階の間に船体最後部に誘導しなければならない。


「光の神様……成功しますかね?」


 抑えきれず、隣に居る光の神様に不安を漏らす。


 創造神様の性格をよく知る光の神様には、今回の作戦にも多大な協力をしていただいた。


 作戦の第一段階でも、創造神様を飽きさせて船内に入れるために、ある程度単調な攻撃をくりかえすようアドバイスをくれたのも光の神様だ。


 作戦第二段階の創造神様の誘導でもアドバイスを頂いている。


 創造神様が嫌がるメンバー。からかって遊ぶお気に入りのメンバーを選別し、創造神様が向かう方向をコントロールしようとしている。


 確実ではないが、少しは創造神様の動きを誘導できているはず。これが九階から十四階の間に上手くハマれば、罠に掛けることも不可能ではない。そう理解していても、不安は抑えきれない。


 なんせ創造神様を逃がしてしまえば、これからの三年弱が地獄に変わる。


「ふふ。心配しなくても大丈夫ですよ。航さんが一生懸命に考えた作戦ですし、私から見ても創造神様の性格を上手く活かした作戦だと思います。安心して……ああ、そうでした、今の航さんには触れられないのでしたね」


 僕を安心させるためか、光の神様の手が僕の頭を撫でようとして結界に阻まれる。


 光の神様に触ってもらえるチャンスを逃した悲しみと共に、創造神様への憎しみが湧き上がる。


 そうだった。僕は不安がっている暇なんてなかったんだ。失敗を不安がるのではなく、無理矢理にでも成功させて創造神様にケジメを取らせる。それだけだ。


 でなければ光の神様は無論のこと、その背後に控えている美食神様と森の女神様にも触れられない。


 イネスやフェリシアとあんなことやこんなこともできないし、アレシアさん達と進展があったりラッキースケベが降臨したりした時にも、その幸運を活かせない。


 うん、やる気がでてきた。


「報告! 創造神が十四階に降りた! 配置も間に合い、誘導も可能。おそらく十三階が決戦の場になる!」


 気合が入ったと同時に先程の男性神が吉報を携えブリッジに飛び込んできた。もしかしたら伝令系の神様なのかもしれない。


「了解! 創造神様に覚られないようにくれぐれも注意を! 僕も出ますので、作戦通りお願いします!」


「了解!」


 男性神を見送り、僕も移動しようと席を立つ。


「航さん、頑張ってくださいね」


「すべてが終わったらちゃんと耳かきをしてあげるから頑張りなさい」


「ふふ。私も応援しています。頑張ってくださいね」


「はい! 必ず創造神様からケジメを取ってきます!」


 光の神様、美食神様、森の女神様から応援をもらい、気合十分で出発する。


 目指すは十三階最後部。そこが創造神様の最後の地だ。



 十三階最後部に到着し、配置につく。すべてはタイミング。創造神様に気づかれてしまうと無理矢理にでも罠から逃げ出されかねない。


 バクバクと激しく脈打つ心臓を抑え、創造神様がやってくるその時を待つ。


 しばらく待機していると上の階から激しい爆音と、すべてを苛立たせる創造神様の笑い声が聞こえてきた。どうやらかなり楽しんでいるらしい。


 だがそれもこれまでだ。


「創造神が抜けたのは左だ!」


 大声で創造神様の進路が伝えられる。これは創造神様に対しても罠の可能性を疑わせる行為だが、僕達にとっては勝利の合図でもある。


 このタイミングで僕は船長権限で全ての扉を封鎖。


 九階から十四階の最後部には通路が三つあり、扉の封鎖以降にその三本を押さえると袋小路になる。


 問題はその三本を押さえる方法。通路自体の封鎖は可能だが数が足りない。


 すでにシャトー号、キャッスル号の二隻の豪華客船に加え、地の龍の島に女性陣の拠点としてハイダウェイ号が召喚されているから、使えるのは残り二枠。三本の通路は封鎖しきれない。


 特に右側の階段を使われると、そちら側には中央と右サイドに通路があり不利になる。


 だから戦女神達で右側の階段を固めた。


 光の神様のアドバイスで、創造神様も怒れる女神様を苦手としていることを知っていたからこその罠。


 そのことに少しだけ共感を覚えたが、創造神様はいざとなったら女神でも平等にぶちのめすと知り、左側の階段には創造神様が好んでおちょくる男性神で固める。


 罠としてあからさま過ぎないかと心配になり光の神様に尋ねると、創造神様だからこそこの罠にかかると断言された。


 自分の力を理解し、罠などすべて食い破れると確信しているから、わざわざ楽しくない女神達を相手にせずに罠である左側に吸い寄せられるらしい。


 ある意味単純なその思考に創造神様として大丈夫なのか心配になったが、元々創造神様のすべてが心配なのだから無意味な心配だと思い直す。


 とりあえず誘導には成功した。


 最後部の左側の通路は逆Tの字になっている。その三方向の中で右側の通路に向かう通路をスワンボートで塞ぐ。


 このために通路ギリギリで高さも補えるスワンボートを購入した。正直、スワンボートを買うことはないと思っていたので、予想外の購入と活用だ。


 T字の左側は扉になっているので封鎖は完了。あとは創造神様が奥に入り込めばT字の根元を塞いですべての封印が完了。


 最後にじわじわと攻撃しながらスワンボートを袋小路のどん詰まりまで押し込めば、一枠だけで創造神様を封印できる。


 それでも創造神様ならなんとかできなくもないらしいが、下界で世界のルールに縛られ、狭い場所で神々の攻撃に常に晒されながら、船召喚というチートに干渉するのは無理がある。


 つまりこちらからの攻撃を切らさなければ勝利ということだ。


 さて、創造神様を封じ込める最後のスワンボート、それを召喚しやすい位置に移動しよう。少し大回りになるが、作戦成功を思えば面倒でも何でもない。


 ふふ、僕が敵に回ると考えていなかった創造神様のミスに、上手くつけこむことができた。


 光の神様曰く、創造神様は正面から敵に回ると微塵も考えていないとのこと。


 僕のビビリ癖と長い物に巻かれる性格も知っているし、そもそも人間が創造神に戦いを挑むなどあり得ないと思っている。


 それはある意味では間違っていない。


 人間が普通の神に挑む時点で英雄レベルの伝説になるし、ましてや挑むのが僕ともなれば、僕自身でさえありえないと可能性を排除するだろう。


 普通なら泣き寝入りしていた。


 ただ、ここは僕のホームであることと、奪われたのが欲望であることが僕の憎悪を引きずりだした。


 僕の譲れない部分に手を出したこと、創造神様には後悔してもらわなければいけない。


「大変です! 創造神が嫌な予感がすると通路の奥に進むのを拒否。その場にとどまり、神々に徹底抗戦の構えです」


 伝令の役割を担っているらしい男性神が、悪い知らせを届ける。


 畜生、創造神様は勘までチートなのか?


 どうする、このままだと神々をぶちのめして罠から脱出されてしまう。考えろ、ここで逃したら地獄確定だぞ! 


読んでくださってありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
これあれですね、シティー•◯ンターで獠がもっこりが出来なくなってストイックになった感じですねw
[良い点] ワタルがこの世界で初めて一番頭使って作戦考えてそう 欲望パワー強すぎる
[一言] 主人公も神も俗物だからこそ起きるくだらない理由の争い いいぞもっとや(
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ