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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第一章 手漕ぎボートの上手な活用方法!!
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1話 ステータスの確認とチート?

 メッセージを読み終わり、なんだか納得がいかない気持ちを抱えながら、改めてステータスを確認する。


 名前  豊海 航 とようみ わたる

 年齢  20

 種族  人間

 職業  船長 

 レベル 1


 体力  100

 魔力  8

 力   12 

 知力  22

 器用  18

 運   15


 スキル 言語理解    (ユニーク)

     船召喚レベル1 (ユニーク)


「船の事なんか全然知らないのに、なんで職業が船長なんだろう。船召喚をもらったからか? それに、このステータス、これって強くないよね? 魔力8って……魔力があるって事は魔法もあるんだろうけど、8で魔法が使えるのか疑問だ」


 異世界にきて魔法が使えないのは痛い。少しは魔力があるから、絶対に魔法が使えないって事はなさそうだし、なんとかなれば嬉しいな。


「メッセージを読んでもチートあげますとか書いてなかったな。魔物っぽいのもいるし、このステータスで人が居る所まで辿り着けるのか?」


 ブツブツつぶやきながらステータスを確認し、段々と不安が湧き上がってくる。


「大丈夫、スキルがある! なんか(ユニーク)って書いてあるし、ユニークって凄いスキルのはずだよね?」 


 そう呟きながらスキルに視線を合わせる。


 言語理解 全ての言葉と文字が理解できる。


「言語理解はそのまんまだな。でも全てのって書いてあるのがユニークスキルっぽい。戦えないけど」


 全ての言葉と文字が理解できるのなら、解読されていない文字とかあれば、大儲けできるかも。まあ、安全な場所にたどり着けたらだけど。


「大丈夫、次が本命だよね船召喚。ここ草原だけど」


 戦えないスキルだと詰む、そんな不安を押し殺して船召喚に視線を合わせる。


 船召喚 レベル 1

 購入した船を召喚することができる。

 購入した船に限り最善の状態に保ち、自由に操船することができる。

 購入画面から新しく船を購入することができる。


 初期 手漕ぎボート(木製) 人数制限2


 特性 不沈・不壊 乗船拒否 


「だよねー船召喚だもんねー。草原に船召喚、期待薄だってわかってたよ! でも、これしかなかったんだもん! 信じたかったんだもん!」


 心の片隅で薄々そうなんだろうと思っていたスキルの説明に。わずかな期待を粉砕されて、地面に膝をつき、うなだれる。


 5分後……


 ふー、だいたい海に落ちたのに草原って意味が分かんないよね。せめて海だったら木製の手漕ぎボートも使えたかもしれないけど……そもそも、池に浮いているボートで船長って……はぁー、このまま此処にいてもしょうがない、納得できないけど、どうにかしないと本気で死にかねない。


 粉砕された気持ちをなんとかかき集めて、船召喚を試してみる。


「スキルがあるからか、なんとなく船召喚のやり方が理解できる。水の上じゃないけど船召喚ってできるんだろうか……試してみるしかないな。船召喚!」


 別に言葉に出す必要もないが、カッコつけて右腕を前に突き出し、船召喚と呪文のように唱えてみる。


 言葉と同時に、地面に魔法陣のような光が出現し、魔法陣の中から手漕ぎボートが召喚される……。


 ガタンっと地面に斜めに倒れた手漕ぎボートを見て、光の魔法陣のカッコよさと、出てきた手漕ぎボートのギャップに、どうしようもない虚しさを感じながらステータスを確認する。



「ん? 魔力は8のままだ。船召喚は魔力消費しないのか。ユニークだから? それとも魔力8じゃ船召喚を使えないから魔力消費をなしにしてくれたとか? ……どっちもありそうだな。まあいいか、今は手漕ぎボートを調べてみよう。地面の上でもスイスイ移動できたりしないかなー」


 願望を口にしながら手漕ぎボートを調べてみた結果、何の変哲もない普通の木製手漕ぎボートだった。


 僅かに、本当に僅かに期待していた。オールを漕いだら地面の上で進むとか、空中に浮かんで進むなんて事もなかった。


「ふー、だよねー手漕ぎボートだもんねー、でも、救いと言えばこのオール! 木製だけど、ごつくて長いし、これがあれば角が生えた兎ぐらいならなんとかなりそうだ。


 オールだけ残して本体だけ送還とかできるのかな? うーん、駄目だな。本体を送還するとオールも一緒に送還されてしまう」


 オールだけ残せれば安心して進めたんだけどな。


「しょうがない、日が暮れる前に安全な場所にたどり着きたいから、オールだけ持って先に進もう。そこから送還、再召喚も試してみれば良いよね」


 とりあえずオールを持って先に進む。どうにか道に出たいな、飲み水もないから川とかを発見できれば飲み水が手に入るし、手漕ぎボートも大活躍できるよね。道よりも川の方が良い気がするな。


 物音に怯えながら1時間ほど歩く。休憩がてらここらへんで送還と再召喚を試してみるか。


「うん、手漕ぎボート(木製)から離れてても、なんとなく船が何処にあるのか分かるし送還もできる。再召喚も問題なくできたのはありがたいな。そういえばまだ船召喚に続きがあった気がする。確認しておこう」


 特性? 不沈・不壊、乗船拒否……あれ? これって凄いよね?


「もしかしてチート? これもしかしてチートきた?」


 ステータスの船召喚の特性の不沈・不壊 乗船拒否に視線を合わせて確認する。


 不沈・不壊 沈まない、壊れない


 うん、沈まない、壊れないって船としたら最高の特性なんじゃ……購買画面で買える船にも同じ特性が付いていたら、かなりのチートな気がする。


 乗船拒否  船長の許可が無い限り船内に何も入れない。

       許可が取り消された場合、船外に弾き出される。

       船内で殺傷行為を行おうとした場合、船外に弾き出される。


 乗船拒否って特性は、人が入れないだけ? 何も入れないって所が人だけじゃなくて、魔物なんかも入れないならチートだよね。


 次からは物音がしても避けないで、乗船拒否の効果を試してみるべきだな。魔物が出たら船召喚をして、乗船拒否の効果と、後は船の上からオールで攻撃できるのかも確認したい。


 角が生えた兎、もう角兎で良いか。角兎ならオールだけでも勝てそうだし、駄目だったら逃げよう。


 暫く進むと、ガサガサと物音がする。すぐさま船召喚をして手漕ぎボートの上に陣取る。逃げ出したい気持ちを抑えて、オールを構えながら攻撃に備えていると、角兎が飛び掛かってきた。


「うひっ」


 怯えて変な声を出してしまったが、角兎は見えない壁のようなものに弾き返された。見えない壁……結界のようなものが張られてるみたいだ。


「魔物も乗船拒否できるみたいだし、チートきたかも! でも、船が狭くて結界と自分の距離が近くて怖い」


 角兎は何度も何度も結界に体当たりしては弾かれている。駄目そうなら諦めてくれたらいいのに。そもそも兎って草食だよな。なんで人を襲ってくるんだよ。


 何度か結界が角兎を弾くのを見ていると、だんだん気持ちが落ち着いてきた。オールでの攻撃を試してみるか。角兎は我武者羅に結界に体当たりしている。タイミングを合わせて3……2……1……。


「いまだ!」


 オールを角兎に叩きつけると、角兎は弾き飛び草の上に転がる。ゆっくり角兎に近づきオールで突いてみる。角兎はなんの反応もしない。


「倒した? ……倒したみたいだ。ふー、兎がこんなに凶暴なんだ。この世界って相当危険なんじゃ……」


 とりあえず倒す事はできたんだ。まだまだ確認しないと駄目な事は沢山あるが、なんとかなるかも。まずは角兎の処理をしよう。


 食べられるかどうかも分からないが、何も持ってない現在、捨てていくには惜し過ぎる。たしか動物って血抜きしないと駄目なはずだ。刃物は……持ってないな。どうしよう?


 悩んだすえに、角兎の角をオールで叩き折り、首元と両足首に角を突き刺してみた。勢いよくとはいかないが、血が流れ出ているので最低限の血抜きはできるはずだ。


「たしか血抜きって心臓が動いてる間にするといいって聞いた事があるが、生け捕りなんてできないよ。あー喉が渇いた、川でも見つけないと本気で死ぬ」


 水も無いこの状況、ひたすら進むしかないな。


誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

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