20話 閑話 神界での航の評価と創造神の扱い
「航君が偶にお祈りに来るんだけど呼び出したら駄目かな?」
「駄目です、創造神様自身が、あまり下界に干渉してはならないと決めたのですから。前回の呼び出しも特例なんですよ、あまり干渉していては他の神々に示しがつきません」
「でも、戦神達がまだ文句言ってくるんだよ。やっぱりスキルが悪いから見ていて面白くないって、光の神からもあいつらに言ってやってよ」
「そうですね、前回の会話から少しは行動的になったと思いますが、何が気に入らないんでしょうか? 戦神達に話を聞いてみましょう」
「つまらんのだ、あ奴は未だに角兎とゴブリンとしか戦っておらんのだぞ、今までの奴らなら最低でも冒険者ギルドでは大注目で、ランクも飛び級ぐらいはしておるぞ」
「戦神の言う通りだ、だいたい異世界から来た者に魔法系のスキルを与えぬ意味が解らん。生活魔法の訓練を毎日頑張っておるあ奴を見ると魔神として不憫でならんな」
「そうだよね、戦神と魔神の言う通りだと思うよ。なのに彼はちょっと良い船持ってる若造ぐらいの認識だよ、船に引き籠ってお金を稼いでるだけじゃんつまらないよ」
「言いたい事は分かりますが、この世界でどう生きて行くのかは航さんの自由です。私達が干渉する事ではありませんよ?」
「光の神よ、そんな事言われんでも分かっておるのだ。わし等が不満なのは、貴重な異世界人に思いつきでくだらんスキルを与えた者に怒っておるのだ」
「そうだね、異世界人は創造神と話してから頑張ってるね。娯楽神としては、選ぶ仕事が地味なのが不満だけど、戦えないんだししょうがないのかな? 透視のスキルを本気で神に願ってた時は面白かったし、だからきちんと考えてスキルを与えていればもっと面白くなったと思うのに残念だよね」
「魔神としては異世界人が、攻撃魔法の一つも使えん事に疑問しかないな」
「うむ、戦神としても元々素人でしかないひ弱な異世界人に武術、肉体強化関連のスキルを与えておらん事に疑問しかないな、なのに船召喚? 死ね!!」
「だそうですよ創造神様はどう思われます?」
「君たち仮にも創造神の前で好き勝手言ってくれるね。何度も言うけど船召喚は凄いスキルなんだよ。お金を稼いで大きな船を買えば、それだけで国が出来てもおかしくない凄いスキルなんだ。大器晩成型なんだよ、これからだよ、あと戦神、おまえが死ね!!」
「これからって言っても、結局お金稼いで豪華客船を買って引き籠るだけなんじゃ? 娯楽神としても豪華客船って楽しそうだし、国を作るとか考えないと思うよ」
「大丈夫だよ、奴隷も買ったし、彼女達には、願いや欲望があるからね。引っ張って行ってくれるよ。航君は女の子に弱いから引き籠ってられないよ」
「そうだ、あの都合の良い願いをもった奴隷は創造神の仕業か?」
「え? ち、違うよ」
「反応から間違いなく手出ししておるな、光の神よどういう事なんだ?」
「私も知りませんでした、創造神様、お答え願えますか?」
「え? 僕みとめてないよね? なんで手出しした事になってるの? やってないよ」
「面倒ですので言い訳は結構です、なぜそんな事をしたのですか?」
「決めつけないでよ、僕はそ「創造神様!!」はい、やりました」
「だって皆文句ばっかり言うし、このままだとまたつまらないとか言い出すと思ったから」
「そんな理由で人を奴隷に落としたのですか?」
「違うよ、イネスの方は何も手出ししてないし、フェリシアの方も王都の奴隷商館に移動されるのを阻止しただけだもん。元々奴隷になってた子達だよ、たいした手出しはしてないよ」
「わずかな手出しでも創造神様が手出しした事が問題なんです。反省してください」
「はい、すみませんでした」
「しかしこの異世界人は、この世界に良い刺激を与えてくれるのか?」
「うーん、どうなんだろう? あっ、でも美食神が昆布出汁と鳥ガラスープが、少しだけど南方都市に広まった事を喜んでたよ」
「なんとも地味だな」
「でも美食神は、異世界人くんが豪華客船を買って、その中のお店の食事やデザート、お酒が広まれば、この世界に食の革命が起きるって期待してるみたいだよ」
「僕も豪華客船にある遊びや映画、カジノ、この世界でも作れる娯楽が広まれば、娯楽神としては満足できるかも」
「そうかもな、今のままでは戦闘方面は期待出来んか、しかし美味い酒が広まるのであれば楽しみも出来るか。しょうがないこのままで少し様子を見るか」
「そうか? さっさと魔法系でも武術系でも良いから、スキルを与えておけば良いと思うがな」
「まあ魔神の言う事ももっともだが、よく考えたらあの異世界人は教会で祈って、神界に呼ばれんから皆満足していると思っておるからな。いきなりつまらんからスキルをやるってのも不憫だ」
「ふむ、わかった、まあ胡椒貿易で豪華客船を買えば少しはましになるだろう。しばらく様子を見るか」
「そうだな、創造神が大器晩成型だと言いおったんだ。そこまでは様子を見て駄目だったらなんぞ与えてやればいい」
「光の神よわし等は戻るから、創造神にはしっかり灸をすえておいてくれよ」
「分かっています、でもあなた達もあまり創造神様を挑発しないでくださいね」
「挑発も何も真実しか言っておらんのだがな」
「言いたい事は分かりますが、創造神様が何かすると私に負担が来るのです、くれぐれも行き過ぎた挑発行為はやめてくださいね」
「ああ、わかった、では、またな」
「ええ、では、また」
「さて創造神様には罰として今日から当分の間休み無しで働いてもらいます」
「えー、僕は創造「返事は、はいです。わかりますね?」……はい」
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