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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第十三章 ダークエルフの島の発展
310/602

23話 レアアイテム

 欲望全開で光の神様・美食神様・森の女神様をおもてなししていたら、美食神様にお酒で返り討ちにされて、森の女神様に優しく癒してもらい、光の神様がストレスを発散してキラキラになっていた。よく分からないが、僕も幸せだからなんの問題も無いだろう。


 そう、なんの問題もなく楽しい毎日が続いたから、明日の朝には光の神様達が帰る時間になってしまった。あっという間だったな。


 幸せな時間が一瞬で過ぎ去ってしまうのは、本当なんだなって改めて思う。


 でも、温泉の提供は喜んでもらえたし、改善点が知りたいという名目でエステのフルコースや様々な娯楽もじっくり体験してもらえた。


 特に、エステで磨き上げられた三女神様は神々しかったな。神様だけに……。


 ただ僕がエステティシャンとして直に磨き上げられなかったのは残念だった。サポラビよりもスタッフ任命された人間の方が効果は高いんだから、僕が直接施術したほうが良かったはずなのに、光の神様に駄目って言われてしまった。


 森の女神様と美食神様は押したらいけそうな感じだっただけに、泣きそうなくらい残念だった。


「あー、本当に明日の朝には光の神様達が帰っちゃうんだなー。もっと滞在してくれてもいいのに。いっそのこと、豪華客船に住んでくれたらなー。でも、他にお客さんを招待することもあるし、それは難しいかー」


 ん? なんか今の独り言にとても引っかかる部分があった気がする。


 ……そうだった! いつも真剣に神様を信仰しているクラレッタさんに、神様と会える機会を設けられないかって思っていたんだった。


 光の神様達の魅力に舞い上がって完璧に忘れていた。


 僕が美女からの好感度アップのチャンスを忘れるなんて、相当舞い上がっていたんだな。


 ……まだギリギリ間に合うかな?


 最後の夕食会を終えて、温泉と金色の缶ビールを提供して部屋を出た。


 それから少し時間が経っているから、光の神様達は温泉でリラックスして缶ビールを飲んでまったりしている頃合いだろう。


 湯上りの女神様達が見たいのは当然なんだけど、礼儀的には今からの訪問はアウトだと思う。


 明日の朝、帰る前にお伺いを立てることも可能ではあるけど、朝食の後には創造神様が降臨する予定だから、あんまり時間が無いのがネックだ。


 うーん、常識的には諦めるべきなんだろうけど、クラレッタさんの好感度アップをミスミス逃すのも辛い。


 ……ちょっとあがいてみるか。


 この時間に直接訪ねるのは駄目だから、サポラビに手紙を届けてもらおう。テーブルの上にあるメモとペンを取り……いや、女神様にメモを破った紙でのメッセージは違うだろう。


 ……そういえば、この船でもレターセットが売っていたな。急いで買ってこよう。




 よし、豪華客船だけあって、なんだか上品で高価そうなレターセットが手に入った。これなら女神様にも失礼にならないだろう。女神様へ手紙って時点で失礼な可能性は考えないぞ。


 えーっと、手紙の文面は……夜の訪問のお詫びと、相談したいことがある旨を書いておけばいいのかな? メールばかりで年賀状くらいしか手紙を送ったことがないから、知識が不足していて怖い。


 ドキドキしながら手紙をしたため、サポラビに渡して届けさせる。念のために返信用のレターセットも持たせたけど、余計なお世話ってことにならないかが心配だ。


 ***


「お休みのところ申し訳ありません」


 滅多にしない手紙を書くという行為を不安に思っていたが、無事にサポラビが訪問を許可する旨の返事を持ってきてくれた。


 冷静に考えたら、神様からの手紙ってとてつもない価値がありそうだから、大切に保存しておきたいと思う。


「ふふ、軽くお酒を楽しんでいただけですから構いませんよ」


 出迎えてくれた光の神様が部屋に優しく迎え入れてくれる。っていうか、キラキラが明らかに増しているよね。初めて見た時にこれが本来の私とか言っていたけど、エステの効果でパワーアップしたってことかな?


 光の神様に案内されてリビングのソファーに座る。テーブルにはカクテルと美食神様が作ったおつまみが並んでいる。三女神で女子会みたいなことをしていたみたいだ。会話の内容がちょっと気になる


「それで航さん、ご相談とは? 何か問題が発覚したのですか?」


「いえ、問題が発覚した訳ではないんです。えーっとですね、私的なお願いになってしまうのですが……」


 うーん、話す内容は考えているんだけど、どう話せば許可をもらえそうなのかがまとまらない。


「もしかして、Hなお願いですか? 航さんにはお世話になっていますが、さすがにそんなお願いは叶えられませんよ?」


 言い淀んでいると光の神様からとんでもない誤解をされた。しかも真顔で。


 光の神様の中で僕はどれだけスケベだと思われているんだろう?


 ふふ、女神様に膝枕を要求する時点で、ドスケベだと思われているよね。凄く納得した。でも、今回の目的は違うからちゃんと否定しよう。 


「いえ、さすがにそれは違います。えーっと、皆様は僕の仲間に神官の女性が居ることはご存じですか?」


「ああ、クラレッタという私の信者ですね。彼女の祈りは神界にちゃんと届いていますよ」


「あっ、そうなんですね」


 そうなんだ。クラレッタさんのお祈りはちゃんと届いているのか。このことを教えるだけで喜んでくれそうだな。


 それと新たな事実が判明した。クラレッタさんって光の神様の信者だったんだな。どの神様を信仰しているのかとか気にしていなかったから知らなかったよ。


「ええ、航さんの船は聖域ですし神々が注目している場所ですから、祈りも届きやすくなっているんです」


 そういえば聖域だったな。分かってはいるんだけど、プライベートな場所でもあるから直ぐに忘れてしまう。


「うふふ、そうね。私の信者ではないはずなんだけど、カーラという女の子から頻繁にお祈りが届くわね」


「えっ、カーラさんからですか? あれ? 美食神様の信者じゃないのにですか?」


 意味が分からない。


「様子を見るとクラレッタという子と一緒にお祈りしているわね。いつも、どんな料理を食べたとか、何が美味しかったとか、色々教えてくれて楽しませてもらっているわ」


 ……カーラさん、たぶんクラレッタさんに付き合ってお祈りして、深く考えずにグルメレポートをしちゃっているんだな。


 本当に神様に届いているって分かったら、どんな反応をするんだろう?


「フェリシアからのお祈りもちゃんと届いていますよ。内容は内緒ですけどね」


 いやん、僕の奴隷の祈りが森の女神様に届いていたらしい。フェリシアのことだからちゃんと感謝の祈りだろうけど、森の女神様の悪戯っぽい顔を見ると、他にも筒抜けなようでとても心配だ。


「それで航さん、その私的なお願いとはなんなのですか?」


 ズレた話題を光の神様が元に戻してくれた。でも、ズラしたのも光の神様だよね。


 ……衝撃的なことを連続で言われてしまったけど、とりあえず本題に戻るか。


「そのクラレッタさんのことなんですが、毎日熱心にお祈りしているのに僕だけが頻繁に神様にお会いできているというのもどうなのかな? と思っているんです。なので、創造神様をお迎えするにあたっての補助として、手伝ってもらっていいかとお願いに来ました」


 でも、クラレッタさんって光の神様の信者だったんだよね。創造神様よりも光の神様に会った方が喜ぶかな?


「……航さん」


「は、はい」


 光の神様が創造神様にお説教をするような顔をしている。何か地雷を踏んでしまったのか?


「思い付きで行動を起こしてはいけません」


「へ?」


 そこまで深く考えた訳じゃないけど、クラレッタさんを喜ばせるために結構真剣に考えたよ?


「頻繁に接触している航さんには分かり辛いかもしれませんが、この世界では神と会うということは奇跡に分類されます。分かりますね?」


「はい」


 それは地球でも同じだと思います。


「祈りからも分かるのですが、あの子は優しく真面目な子でしょう」


「そうですね。とても優しくて真面目な素晴らしい女性です」


 母性の象徴も凄いよね。


「そんな子が神と直接出会えば、おそらく神に一生を捧げると思います。今までのような信仰ではなく、俗世を断ちかねないほどに深い信仰を捧げかねません。航さんはそれでいいのですか?」



「……いえ、この話はなかったことでお願いします!」


 一瞬、そんなまさかとも思ったけど、毎日丁寧に教会を掃除するクラレッタさんを思うと、否定できないことに気がついた。


 あの母性の象徴が俗世を断つなんて人類の損失、いや、僕にとって耐えがたい損失だ。


 好感度上昇のつもりが信仰マックスとか洒落にならないよ。光の神様の言う通り、僕の考えが浅はかだったな。


「その方がいいでしょう」


「それなら、さっきの手紙なら良いんじゃない?」


 話がまとまったと思ったら、美食神様が不思議なことを言いだした。手紙?


「先ほど航さんから受け取ったような手紙を、クラレッタにということですか? 美食神、手紙とはいえ物質を授けるのは明確なルール違反です。神がルールを破るのは感心しませんね」


「ここは下界なのよ。下界の物を下界で下界の住人が受け取ることはルール違反ではないわ」


「それは屁理屈です」


「屁理屈でもルール違反じゃないんだからいいじゃない。それにもう航さんに授けちゃっているわよ?」


 そういえば僕も手紙を受け取ったな。


「……航さんはすでに神々と会っていますし、異世界人です」


「なら、その異世界人の協力者ってことで、手紙くらいなら良いんじゃない? 色々と創造神様の注意を引いてくれている航さんのお願いなのよ?」



「……そうですね、私も彼女の信仰は嬉しく思っています。……贔屓になってしまいますが、ここは下界ですし航さんの協力者でもあるので、少しだけ気持ちを伝えるのも良いかもしれませんね」


 光の神様が凄く悩んだ後に、渋々といった様子で納得した。創造神様の部分が決め手だった気がするのは気のせいだろうか?


「航さん。先程のレターセットはまだ余裕がありますか?」


「あっ、はい、いくつか買いそろえたので部屋に戻ればありますけど……」


「では、後で届けてもらえますか?」


「えーっと、お手紙を書いてくださるということでいいんですか?」


「ええ、簡単にですが」


「それって深い信仰の道に突き進んじゃいませんか?」


 会うよりかはマイルドかもしれないけど、神様からの手紙も相当な奇跡だよね?


「言葉を選ぶので、航さんが心配しているようなことにはならないでしょう」


 んー、言葉を選べば大丈夫なら会っても問題なさそうな気もするけど、そこら辺には微妙な匙加減があるようだ。


「面白そうだし、私もあのカーラって子に手紙を書くわ」


「それなら私もフェリシアに書きたいですね」


 ……航は好感度アップアイテム、神々の手紙を手に入れた! ってことで良いのだろうか? なんか嬉しいような不安なような……微妙な気持ちだ。


読んでくださってありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 聖遺物に成りそうな物だね。聖杯やキリストの聖骸布とか仏舎利(本来は仏様の骨)みたいに成りそう。
[一言] 確かに直接形有るモノで残されるってレアですね? 考えてみれば今遺された数々も、過去の人々が神託を書き留めたモノだった筈!考えると驚愕の事実!
[一言] うん、普通に聖遺物ですねわかります
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