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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第二章 モーターボートで荒稼ぎ!!
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11話 お風呂と唐揚げ

 昨日とは違いパッチリと目が覚める。落ち着いて眠れるってだけでずいぶん違うよね。それに、今日はお風呂に入れると考えるだけで、やる気が漲る。さっと朝食を済ませて、お風呂の設置に取りかかろう。


 浴槽を天幕の中まで運び入れて設置する。テントの方は水が入ってこない様に、防水シートのような魔物の革を筏全体に敷いているんだが、こっちの筏には体を洗う場所にだけ敷いておけばいいな。これで水は勝手に海に流れるはずだ。


 天幕の中心にランタンを吊るして着替え用の籠を置き、天幕の外に石を焼くための鍋と炭と薪を用意する。これでお風呂場の完成だ。


 自分で言うのもなんだけど、結構いいできだな。お風呂は夕方に入るとして、訓練をしてから焼き石用の石とスライムを探しにいくか。


 拳2つ分くらいの丸い石を沢山拾い集め、ブルースライムとグリーンスライムを連れてお風呂筏に戻る。拾ってきた石を水でよく洗い、汚れを落とす。ちゃくちゃくと準備が進むこの状況がなんだか楽しい。


 僕の今の状況って、たぶんキャンプと同じなんだろうな。……あれ? 船召喚で物資も大量にあるし、道具も沢山ある……もしかしてキャンプよりも温い環境だったりして。……うん、それなら楽しいわけだよな。うん、それならそれでいい。今の状況を楽しもう。


 灰の入った大きな鍋に炭を入れ火を熾し、十分に火がついたら薪を足して、激しい炎の上に鉄の籠網に入れた石を載せる。どんどん薪を投入して石を熱くする。


 ふー、次は浴槽に生活魔法で水を溜めるんだな。生活魔法で水を溜めるのは結構大変だ。何度も生活魔法で水を入れてようやく十分な水が溜まった。


 次はいよいよ焼き石の投入だな。鉄のトングで慎重に焼いた石を摘みお風呂に投入する。じゅわと激しい音と水蒸気が上がる。なかなか上手くいっている気がする。


 温度を確かめながら焼き石を投入する。このくらいでいいかな? そっとお風呂に手を入れてみる。おお、いい湯加減だ。お風呂を沸かすのも無事成功だな……でも、なんか効率が悪い気がする。


 これって焼き石は補助くらいにして、お鍋に水を入れて沸騰させた方が速い気がする。次は水を沸かしながら石を焼いて、お風呂を入れてみよう。これは今後の課題にして、今は久しぶりのお風呂を堪能しよう。


 掛かり湯をして「あ゛ーー」っとおっさんみたいな声を出しながら熱いお湯につかる。天幕は開いたままで、目の前には夕日に染まった海が見える。至福の時です。


 のぼせるくらいに長湯をしてから体を洗う。お湯で拭くのより断然スッキリする。もう一度お湯につかり、久々のお風呂を堪能してから上がる。


 うーん、お風呂は気持ちがいいけど、すぐに服を着ると水気で服が纏わりつくな。甚平とか浴衣がほしい。


 お湯を抜き火の始末をしてからテント筏に戻る。お風呂の成功に心地よい充実感がある。さて、ゆっくり晩御飯を食べてスライムと遊ぼう。


 広いテント筏でたっぷりスライムと遊ぶ。もっちもっちして追いかけっこして、プルプルして干し肉を与えてっと思う存分スライムとの時間を満喫する。


 ……うーん、たっぷりとスライムと遊んだのに、テイムスキルは取れてない。遊んでるだけじゃ駄目なのか? でも、他に方法が思いつかないんだよな。とりあえず、もっと仲良くなれるように頑張るか。


 そろそろスライムを森に帰して寝るか。たっぷり遊んだし、お風呂で体がスッキリしているから、いい夢がみれそうだ。


 ***


 スッキリとした目覚め。気のせいかもしれないけど、体が軽い感じがする。もしかしてお風呂に入った効果かな? 


 朝食を食べて訓練をしてから野菜スープを作る。今日はアレシアさん達が戻ってくる予定だし、早めに夕食とお風呂の準備をしておくか。


 浴槽を洗い、石を焼きながら鍋でお湯を沸かす。夕食の準備も済んだので、スライムを探しにい……砂浜に到着したら、速攻でグリーンスライムとブルースライムを発見したので、素早くテントに連れ帰る。


 なんかスライムの発見と確保に手慣れた気がするな。テイムスキルよりスライム探知みたいなスキルがあれば、そろそろ取れそうな気がする。


 干し肉をあげたり、もっちもっちしたりと楽しんでいると、僕を呼ぶ声が聞こえる。アレシアさん達が帰ってきたみたいだ。


「おかえりなさい。お怪我はありませんか?」


「ただいま、ワタルさん。みんなケガもなく元気よ。そうそう、これはお土産ね。美味しい鳥肉だから食べてみて」


 葉っぱに包まれた鶏肉を渡される。この感じだと、解体されたお肉っぽいな。よかった、鳥のまま渡されても僕には捌けないからな。


「ありがとうございます」


 お土産を受け取り、アレシアさん達を和船に乗せて、テント筏に戻りおしぼりと紅茶をだす。


「ふー、このおしぼりって気持ちがいいわよね」


 紅茶を飲んで皆が落ち着いたので、お風呂の話をしようとすると、アレシアさんが満足気に声を発した。なんか先を越されちゃったな。


「ワタルさん、体を拭きたいのだけど」


「あっ、アレシアさん、ちょっと待ってください。体を拭く前にお風呂を試してくれますか?」


「お風呂? それって貴族や大商人とかの屋敷にあるって言うお風呂の事?」


 アレシアさんクラスでもお風呂は縁遠いのか。それならアレシアさん達はお風呂初体験って事になるのか? なんだか面白いかも。


「そうなんです。お風呂を作っちゃいました」


 僕、ちょっとドヤ顔しているかも。いかんな、調子に乗ってもいい事はない。落ち着こう。


「本当に? お風呂ってこんなところで入れるものなの?」


「ええ、頑張りました。案内しますので確かめてみてください」


 みんなを和船に乗せてお風呂筏に向かい、浴室の中に案内する。おお、みんな驚いているみたいだ。作った甲斐があったな。


「では、説明しますね。今、浴槽には半分くらいの水が入っています。これに天幕の外で沸かしている熱湯を入れます。熱湯を入れたあとは次に入る人の為に、鍋に生活魔法で水を入れて沸かしておいてください」


「へー、面白いわね」


「それで、かきまぜて温度を確かめます。ぬるいので、焼いている石をこの囲いの中に入れます。いくつか投入して好みの温度になったら完成です。ここまでは大丈夫ですか?」


「ええ、大丈夫よ。でも、本当にお風呂なのね。冗談かと思ってたわ」


「はは、正真正銘のお風呂です。熱くしすぎたら生活魔法の水で冷ましてください。それと中に入る前に体をお湯で流して綺麗にしてつかります。あったまったら体を洗い、もう一度お湯につかります。あまり長くつかり過ぎるとのぼせるので注意してください。まあ、こんな感じですかね」


 一通り簡単に説明する。特に難しい事もないから大丈夫だろう。


「ええ、分かったわ。ふふ、面白そうね、誰から入る? 大きさ的にはギリギリ2人かしら?」


「私は怖いので後がいいです」


「私も」


 お風呂が怖いってパターンもあるのか。ちょっと予想外だ。


「じゃあ、カーラとクラレッタは最後ね。他に希望者がいないなら、私とドロテアが入って、次がイルマとマリーナでいいかしら?」


 みんな納得して頷いている。あっさり順番が決まったな。


「あっ、着替えを持ってお風呂に入らないと、汚れた服をもう一度着ないといけなくなるので、注意してくださいね」


 なんかプールでパンツを忘れてしまった虚しさを思い出す。そこまで大事ではないはずなんだけど、なんか切なくなるんだよな。


「一度テントに戻って着替えを取りに行くわよ」


 ウキウキした雰囲気でアレシアさんが指示を出す。アレシアさんって好奇心が強いタイプなのかもな。みんなでテント筏に戻り、アレシアさんとドロテアさんを再びお風呂筏に送り届ける。


「何かあったら呼んでください」


「ええ、じゃあお風呂に入ってくるわね」


 ウキウキとお風呂に向かうアレシアさん。そのあとをそっとついていくドロテアさん。なんだかいいコンビだな。和船に乗り込みテント筏に戻る。


 さて、晩御飯なんだけど、もらった鶏肉をどう料理しよう。やっぱり鶏肉っていったら唐揚げかな。ジャガイモもあるし、フライドポテトも作ろう。


 鶏肉に塩とニンニク、ショウガを揉みこむ。その横でジャガイモをスティック状に切って水にさらす。お風呂筏から楽しそうな声や、気持ちがいいって声が聞こえてくる。あの天幕の中はどんな光景が広がっているんだろう。


「ワタルさん、お風呂ってそんなに気持ちがいいの?」


 カーラさんがおずおずと聞いてくる。さっきも怖いって言ってたし、不安なんだろうな。


「そうですね、好き嫌いはあると思いますが、僕はお風呂に入らない事は人生で大きな損になると思います。カーラさんは、お風呂が怖いですか?」


「何となく不安……」


 クマミミがピコピコしてて、すごく可愛い。お風呂に不安がる冒険者……そういう問題じゃないのかな?


「そうですか……カーラさんの前に4人がお風呂に入ります。その感想を聞いてから、入るか入らないか決めてもいいと思いますよ。極論を言えば、お風呂に入らなくても死にはしませんから気を楽に一度試してみるかな?くらいの気持ちでいいと思います」


「うん、聞いてから考えてみる」


「ええ、そうしてください」


「ワタルさん、あがりましたー」


 お風呂筏からアレシアさんの呼ぶ声が聞こえた。


「それでは、迎えに行ってきますね。マリーナさん、イルマさん出発しますよ」


「「はーい」」


 マリーナさんとイルマさんを連れて、和船に乗ってアレシアさんとドロテアさんを迎えにいく。うわっ、今まで防具か厚着姿だったから、ハッキリと分からなかったけど、湯上りで薄着になったらよく分かる。


 ……アレシアさんはFカップ、ドロテアさんはEカップくらいかな? 湯上りで色っぽい巨乳美人の豊かな部分が船の振動で揺れています。プルンプルンしてます。これだけでお風呂を作った価値がある。神様ありがとうございます。


「ワタルさん、お風呂ってとっても気持ちがいいわ。ホカホカになるし、体の疲れも取れる気がするわ。ねえドロテア」


「ええ、とても気持ちがよかったし、体の芯から温まった気がするわ。ワタルさんありがとう」


「喜んでもらえて良かったです」


 笑顔がまぶしいし、2人には気に入ってもらえたみたいだな。何度もお風呂に入ってもらえるのなら、何度もこの光景が見られるって事だよね。とっても楽しみだ。


「うふふ、そんなに気持ちがいいのね。マリーナ楽しみね」


「うん、たのしみ」


「イルマさんマリーナさん、先にお湯の温度を確認してくださいね。では、何かあったら呼んでください」


「分かったわ」


 天幕の中に入るイルマさんとマリーナさんを見送り、アレシアさんとドロテアさんを連れてテント筏に戻る。再び料理の下拵えをしていると、テントの中から楽しそうな声が聞こえてきた。


 カーラさんとクラレッタさんの質問に、アレシアさんとドロテアさんが、楽しそうに気持ちがよかったと伝えている。声の調子を聞くと、相当気に入ってくれているみたいだし、カーラさんもクラレッタさんも安心するだろう。


 テント内で楽しそうにはしゃぐ声を聴きながら、料理の下ごしらえを続ける。なんか幸せだな。


「ワタルさん、あがりました」


 料理をしているとイルマさんの声が聞こえた。


「はい、今から迎えに行きますね。カーラさん、クラレッタさん行きましょうか」


「分かりました」


「はい」


 カーラさんが何だか戦場に向かう兵士みたいな雰囲気を出している。そんなに思いつめなくてもいいのに。クラレッタさんは話を聞いて落ち着いたのか、楽しみにしている雰囲気だ。2人を乗せてお風呂筏に向かう。


「お待たせしました。お風呂はいかがでしたか?」


 天幕から出て、僕達を待っていたイルマさんとマリーナさんに声をかける。


「うふふ、最高だったわ」


 こ、これは危険だ。普段から妖艶な巨乳美人なのに、今は湯上りで妖艶さが更にアップしている。色っぽさが限界突破しているな。マリーナさんは普段の冷静な雰囲気が、少し崩れてホカホカしている雰囲気が魅力的だ。


 イルマさんはFカップ、マリーナさんはDカップだな。動く拍子にタプンと揺れるお胸様がたまりません。特にイルマさんの人を引き込むような雰囲気は危険だ。何もかも忘れて飛びつきたくなる。


「き、気にいってもらえたなら僕も嬉しいです。それで、カーラさんとクラレッタさんはどうしますか?」


「……お風呂、入ってみる」


「私もお風呂に入りますね。話を聞いて楽しみになってきました」


 カーラさんとクラレッタさんもお風呂に入る事を決めたようだ。これで全員の湯上り姿、コンプリートだな。


「では、戻りますね。何かあったら呼んでください」


「はい」


 イルマさんとマリーナさんを連れてテント筏に戻る。2人ともお風呂を気にいってくれたみたいで、嬉しそうにお礼を言われた。


 そしてイルマさんは胸に集まる視線に気がついていて、その上で妖艶に微笑みながら腕を前で組んで、豊かな部分を持ち上げてくれた。ごちそうさまです。


 テント筏に戻ると4人で楽しそうにお風呂の話をしている。僕は水にさらしたジャガイモの水気を拭き取った。あとは、鶏肉に小麦粉をまぶして揚げるだけだな。今お風呂に入っている2人が上がったら、鳥とジャガイモを揚げよう。


 しかし、カーラさんとクラレッタさん、結構長い時間お風呂に入ってるけど大丈夫かな?


「ワタルさん、あがりました」


 少し不安に思っているとクラレッタさんの声が聞こえた。のぼせてなかったらしい。


「はい、今から迎えに行きますね」


 和船でお風呂筏に行くと、ホカホカの巨乳美人がいた。……このセリフ何度目だろう? ジラソーレって全員巨乳美人だって改めて確認できたな。


 雰囲気的には2人ともおっとりしたタイプだと思っていたんだけど、今は緩みきって、溶けてしまいそうな表情だ。


 そしてカーラさんはFカップで、クラレッタさんに至ってはGカップはありますな。ゆったり歩くたびにプルンプルン、いやブルンブルン?


「カーラさん、クラレッタさん、お風呂はどうでしたか?」


「「最高でした」」


 2人とも最高の笑顔で答えてくれた。なんか照れる。


「そ、そうですか。とりあえず火の後始末をして戻りますので、少し待っていてください」


 2人に断りを入れて、炭や薪を入れていた鍋に蓋をする。あとはランタンを消せば完璧だな。一瞬、アレシアさん達が入ったお風呂の残り湯、高値で売れる気がしたんだけど……それをやったら人間として終わる気がする。


 少し残念に思いながらも、2人を和船に乗せてテント筏に戻る。船に乗っている間も2人のテンションは高く、何度も最高でしたと言われた。


 テント筏に戻り、カーラさんとクラレッタさんはテント内の4人と合流して、キャッキャしている。僕も一緒にキャッキャしたい。


 ……料理をするか。油を鍋に入れて鶏肉とジャガイモを揚げていく。その横で野菜スープとパンを温めたら晩御飯の完成だ。


「みなさん、ご飯ができましたよ。今日はテラスのテーブルで食べましょう」


 日が落ちて景色が見えないのは残念だが、ランタンに火を灯して料理を並べれば、いい雰囲気になるだろう。唐揚げにフライドポテトに野菜スープにパン。おしゃれではないけど、結構贅沢な晩御飯になった。


「うわー、美味しそうですね。お手伝いもせずにすみません」


 出てきて料理を見たクラレッタさんが、褒めてくれる。


「はは、クラレッタさんが気にする事じゃないですよ。僕が好きでやってる事なんですから。では、冷める前に食べましょう」


 いただきますの声と共に、みんなで一斉に食べ始める。唐揚げとフライドポテトは大好評のようだ。


 僕も食べよう。……おお、この唐揚げ美味しい。アレシアさんが美味しい鳥だって言ってたけど、その言葉は確かだったみたいだ。鶏肉に弾力があり、噛み締めると肉汁が溢れてくる。しっかりと揉み込んだニンニクとショウガの風味が食欲を増進させるな。


「ワタルさん美味しいです。鶏肉もお芋もとっても美味しいです。これは何て言う料理なんですか?」


 スープの作り方を教えた時以上に、食いついている。よっぽど料理が気に入ったらしい。


「クラレッタさん落ち着いてください。カーラさん、鶏肉のおかわりはないですが、お芋とスープはおかわりできますからね」


 揚げ物の力はすさまじいな。みんな普段より食べるペースが速い。カーラさんはすでにフライドポテトと、野菜スープとパンをおかわりしている。そのおかわりだけで普通の人の1食分ですよ、カーラさん。


「ふう、美味しかったわ。美味しいご飯にお風呂。寝るところが少し狭いけど、街の暮らしより快適かもしれないわね」


「うふふ、そうね。特にこの鶏肉が私は好きよ。ワタルさんまた作ってもらえるかしら?」


「ドロテアさんも、イルマさんも気にいってくれたのなら嬉しいです。鶏肉の料理は唐揚げと言います。みなさんのお土産で作ったので、また材料を用意して頂ければ作りますよ」


「ええ、必ず狩ってくるわ。マリーナに頑張ってもらわないと」


 真剣な表情で話すドロテアさん。マリーナさんって事は弓で鳥を狩ったらしい。僕もマリーナさんを応援しよう。この鶏肉は相当美味しい。


 賑やかな食事も終わり、のんびりと紅茶を味わう。……スライム達がドロテアさんと今度はマリーナさんにも、もっちもっちされてる。スライム好きが増えるのかも。とってもいい事だ。 


 とはいえ、そろそろ寝る時間だ。スライム達を森に帰すためにもっちもっちしている2人から回収する。


 あとは寝るだけなんだけど……今日は刺激的なアレシアさん達を見ちゃったから、よい夢が見られるか、悶々としてエロい夢を見てしまいそうだな。


 *** 


 朝になり、炭火を熾してお湯を沸かしながら隣でスープも温めておく。アレシアさん達が起きてきたので、テーブルに朝食を並べて全員で食べる。


 食事中の会話は、唐揚げとお風呂が独占している。特にお風呂の話題は高評価で、よく眠れたとか疲れが取れて体が軽くなったとか、嬉しい感想が多い。


 よっぽどお風呂が気にいったのか、今日早めに大物が狩れたらすぐ戻ってくるので、お風呂の用意をしてほしいと頼まれた。湯上りの巨乳美人を見られるチャンスを逃すはずもなく、僕は快諾した。


 アレシアさん達を森に送り、リクエストに応えられるようにお風呂を洗う。次は訓練の時間だな。最近戦ってないし、商人がメインになりそうだから訓練の意味が薄れている気がするが、せっかく覚えたんだし、できるだけ訓練は継続しよう。


 気持ちを新たに訓練をしていると、グイドさんの魔導船が走ってきた。そういえば4日間も誰もこなかったな。普通は誰かしらがすぐに戻ってくるのに、珍しい事だ。


「ワタル、みんなで筏を運んできたんだ。手を貸してくれ」


 詳しく聞いてみると、グイドさんとカルロさんとダニエルさんの3人で、協力して筏を運んできたらしい。ここ数日島にきてなかった訳が分かった。筏を優先して仕事を断っていたらしい。そんな事をしてたら、商業ギルドも困ってるんじゃないか?


「手伝うのは問題ないんですが、ジラソーレの人達が戻ってくるかもしれないので、誰か1人はここに残ってないと駄目なんです。どうしましょう?」


「なら、俺がここに残っているから、ワタルは行ってくれ。ジラソーレが戻ってきたら、俺が呼びに行くから安心してくれ。それでカルロとダニエルが待っているのは、あの方向だから頼むぞ」


「分かりました」


 和船でグイドさんが指した方向に行くと、難所の向こう側にカルロさんとダニエルさんが待機していた。うん、遠目でも荷物が沢山なのが分かる。三人とも島での生活をよくするために気合が入っているな。とりあえず、僕も難所を越えて2人のところにいこう。


 ***


「ワタル、来てくれたか。悪いが筏の運搬を頼むぞ。うん? グイドはどうした?」


「森に入っている冒険者が戻ってきたら困るので、見てもらっています」


「そうか、そうだったな。仕事中にすまん」


「まあ、少しの時間ですし構いませんよ。難所部分を越えたら戻ってきますので、ダニエルさんは僕と一緒にきてください」


「おう」


 ダニエルさんから筏を受け取って難所を越える。越えたら筏をダニエルさんに渡して、カルロさんのところに戻る。その繰り返しで全ての筏を運ぶ。筏の素材が全部難所を越えると、グイドさんの筏を曳いて湾内に戻る。


「おうワタル、ありがとな。カルロ、ダニエル、日が暮れる前にさっさと筏を組んじまおうぜ」


「「おう」」


「手伝いましょうか?」


「いや、ここまで運んでもらっただけで十分だ。ありがとな」


 僕の手伝いは必要ないようだ。それにしても、グイドさん達の筏が完成すると、自分の2枚の筏と合わせて、5枚のテント筏が湾内に浮かぶ事になる。時間が経って小さな水上の村ができたら面白いな。


 グイドさん達が筏を組み立てているのを見ながら、スライムを探す。今日はブルースライムを2匹を見つけた。スライムをもっちもっちしてから、お風呂に水を半分だけ溜めておく。


 グイドさん達も頑張ってるな。冷たい紅茶でも差し入れするか。


 日が暮れる頃、アレシアさん達が大きな鹿を担いで戻ってきた。ジャイアントディアーと言って、強さはBランク程度だが、希少で角にも薬効があり高値がつくらしい。


 今回は丸ごとなので剥製になるか、薬になるか分からないそうだ。そして昨日の鳥もしっかりと、しかも2羽お土産に渡された。これって2羽分の唐揚げを作ってって事だよね。


 いつものように、紅茶とおしぼりを渡す。今日はお風呂に1人でゆっくり入るそうで、熾烈な順番決めが行われたそうだ。


 お風呂筏の横の天幕にジャイアントディアーを置いて。お風呂に熱湯と焼き石を入れてお湯を沸かす。準備ができたので迎えにいくか。


「お風呂の用意ができましたよ。一番の方はどなたですか?」


「私よ、さあ行きましょう」


 ドロテアさんが元気にアピールする。笑顔がまぶしいな。


「分かりました」


 ドロテアさんを送ってから晩御飯の準備をする。クラレッタさんがお手伝いを申し出てくれたので、だいぶ楽になる気がする。


「クラレッタさん、ジャガイモの皮を剥いてスティック状にきってもらえますか。あと、アレシアさんの機嫌が悪そうなんですが何かありました?」


「はい、まあ……ふふ。アレシアはお風呂の順番が最後になったので拗ねてるだけですよ。心配しないでください」


 お風呂の順番で拗ねるって……リーダーなのに大丈夫なのか?


「ワタルさん、グイドさん達のところにも筏ができてますけど、テントも張るんですよね?」


「ええ、今日はもう遅いので明日、テントを張ると思います」


「この島も段々と過ごしやすくなりますね」


「ええ、小さな村ぐらいならできるかもですね。楽しみです」


「そうですね」


「ワタルさんあがりましたよー」


「はい、今行きますね。次の方は誰ですか?」


「はい」


 カーラさんがニコニコ顔で手を挙げている。学校じゃないんだけど……まあ、可愛いから良いか。


「カーラさんですか、お風呂が気にいって頂けて嬉しいです。では行きましょうか」


 カーラさんをお風呂筏に送り届け、湯上りの褐色巨乳美人ドロテアさんとテント筏に戻る。湯上りの巨乳美人を間近で見れるなんて、異世界にこれてよかったな。


 カーラさんの次はマリーナさん。その次はイルマさん、クラレッタさん、アレシアさんの順番でお風呂に入った。全員、美人で巨乳で湯上りホカホカで最高でした、ありがとうございます。


 アレシアさんが上がったあとに晩御飯を作る。昨日と同じメニューだけど、みんな喜んでくれた。唐揚げの人気はすごいね。


 残高 0金貨 21銀貨 70銅貨 ギルド口座 12金貨 70銀貨

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

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面白いんですけど、宿屋の様な付加価値がついてるんだからもうちょっと値段あげてもいいのでは? いや、お風呂に入ってもらって、美人グループとなかよくなるという役得をゲットしているので何とも言い難いですが、…
[良い点] おもしろくなってきた! ゴムボートでいかだを移動。 そのボートを積み上げて保管しては? 召還ボート目立たない。 [気になる点] 話がうまく、アイデアが豊富。 見てるような、絵が書けて いる…
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