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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第十二章 人魚の国
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10話 降臨

 人魚で幼女なアンネマリー王女が使者として現れて会談をした結果、アンネマリー王女の滞在先は先送りになり、僕の都合が良い日に人魚の国に訪問することになった。人魚の国……童話みたいな場所なのかな? ちょっと楽しみだ。


「じゃあ、いってきます」


 アンネマリー王女との会談の翌日。明日には創造神様達をお出迎えしないといけないので、ルト号で外海に向かう。


 アンネマリー王女達のことも気になるけど、さすがに神様優先だよね。船召喚を取り消されたりしたら、僕は死んでしまう。


「ご主人様。2泊3日の予定なのはお聞きしていますが、迎えが必要ですので戻ってくる時間を教えてください」


 フェリシアの言う通り、1人で行くんだから迎えに来てもらわないと港から1人で宿に戻ることになるな。


 僕のレベルと船召喚があれば大抵の危険は乗り切れるはずなんだけど、僕の精神はいまだに軟弱なままだ。怖そうな人に絡まれたら財布を差し出してしまいそうだから、お迎えは必須だな。


 ただ、帰る時間は難しい。予定通りにいけば最終日の17時に創造神様達が帰って、そこから船で3時間ってところなんだけど……創造神様がワガママを言いだしたり、魔神様が図書室から出るのを嫌がったりして時間が押しそうだ。


「うーん……戻ってくるのは最終日の翌日の朝に帰ってくるよ。だいたい朝の9時頃に戻るね」


 予定外のことでみんなを待たせるよりも、1人で1泊して朝に戻った方が良いだろう。


「分かりました。その時間に迎えに来ます」


「うん。よろしくね。あっ、アンネマリー王女達のこともお願いね」


「はい。ご主人様がいない間もお話ししに顔を出すつもりです」


 女王陛下からの使者の部屋に、フェリシア達がお話し相手に顔を出すのも変な気がするんだけど、美女人魚さん……レーアさんと言う名前だが、そのレーアさんが言うには、今回の訪問でアンネマリー王女に陸の人間の生活を知ってほしいのだそうだ。


 そして、そのお話し相手に選ばれたのが僕達……なんだか確実に裏がありそうだけど、子供に退屈をさせるのも可哀想なのでOKした。


「私も一緒に顔を出すつもりだから、ご主人様は心配しなくても大丈夫よ」


 イネスが自信満々に請け負ってくれるけど、昨晩は家族……主にカルロさんに引き留められて夜中に戻ってきたから、アンネマリー王女達にはまだ会っていないよね。なんで自信満々なんだろう?


「……えーっと、イネス。ギャンブルとか借金とか、陸のマイナスイメージになりそうなことはアンネマリー王女には話さないようにね」


 イネスが面白がって、アンネマリー王女に悪影響を与えそうで少し心配だ。


「失礼ね。子供にそんな話はしないわよ!」


 イネスが心外だとでも言いたげな様子で怒っているが、怒っている姿に戸惑いが見える。たぶん、自分でも変なことを言いそうな自覚があるんだろう。


 一緒に行動しだして結構経ったから、なんとなくイネスの気持ちが理解できるようになったな。


「アレシアさん達もお願いします」


「ええ。私達は変な話はしないから安心して大丈夫よ」


「……あはは、はい、お願いします」


 一瞬、アレシアさんとイルマさんは大丈夫じゃない気がしたけど、ドロテアさんやクラレッタさんが居るから大丈夫だろう。


 マリーナさんとカーラさんは……マリーナさんにはべにちゃんが居るし、カーラさんは純粋だから問題はなさそうだな。じゃあ、そろそろ出発するか。


 最後に、お留守番をするリムとしっかりコミュニケーションを取り、ペントのお世話もしっかりフェリシアにお願いしてルト号に乗り込む。


 さて、神様が沢山遊びに来るんだから、外海でクリス号を召喚したらサポラビの数を増やしておかないとな。


 ***


「創造神☆降臨☆」


 約束の時間になったのでクリス号の教会で創造神様達を待っていると、突然協会の中が魔法少女の変身シーンのようにカラフルな光に染まった。


 そして、そのカラフルな光の中から、満面の笑みを浮かべた創造神様が登場する。気のせいかもしれないが、言葉に星マークが付いていたような? 創造神様の降臨って、あっけないくらいにアッサリしていたよね?


「……航君。創造神様の降臨だよ。もっと熱烈に歓迎するべきだと僕は思うんだけど、どうなのかな?」


 創造神様が不満げな顔をして僕に質問をしてくる。不満げな顔をしたいのは僕の方なんだけど、だからといって創造神様相手に僕が不満げな表情を見せる訳にもいかない。


 光の神様はまだ降りてきてないの? お願いですから急いでください。


「航君?」


 光の神様はまだ来ない。どうやら僕がお相手をしないといけないようだ。前回みたいに即行で遊びに行ってくれれば楽だったのに……。


「えーっと、どうかなと言われましても、前回はこんな演出はありませんでしたし、どう反応すればいいのか分かりませんでした。でも、創造神様! って感じで凄かったです」


「あはははは! まあ、創造神だからね。航君が言葉を失うのもしょうがないかもね。うん。僕は寛大だから、出迎えがショボくても気にしないよ。じゃあ僕は遊びに行ってくるね」


 ショボいお世辞で気を取り直したのか、創造神様が笑いながら教会から出て行った。余計な演出とかしないで、最初から普通に降臨して普通に遊びに行ってほしかったな。


 まあ、ここでからまれ続けるよりもマシだと思っておこう。しかし、創造神様ってなんであんななのかな? この世界は大丈夫なんだろうか?


「航さん?」


「あっ、光の神様。えーっと、お久しぶりです?」


 この世界の行く末を不安に思っていると、いつの間にか光の神様が降臨していた。


「ふふ。この前天界でお会いしたばかりですよ。それで航さん。創造神様が先に下界に降りてしまったのですが……見当たりませんね?」


 この前、海神様の件でお会いしたばかりだったな。ちょっと突然だったのでうっかりしてしまった。


 しかし、光の神様の言葉から察するに、創造神様は少しフライング気味に降臨したようだな。


 ほんの少しの時間なんだから、ちゃんと集団行動をしてほしい。旅行で身勝手な行動をする人は、白い目で見られるんだぞ。


「えーっと、創造神様はもう遊びに行かれました」


「……まあ、大切な用事がある訳ではないので構わないでしょう。航さん、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんね」


 何も言っていないのに、創造神様が問題を起こした前提で謝る光の神様。創造神様が人に迷惑を掛けないはずがないという信頼を感じる。


「いえ、ちょっと驚いたくらいで迷惑なことはありませんでした。光の神様が謝る必要はありませんよ」


 実際に演出がちょっと過剰だったのと、ちょっと文句を言われたくらいだ。神様にお世辞を言うくらいなんてことないし、何も問題は無い。ただ、少し面倒だっただけだ。


「そうでしたか。なんだか張り切っていたので心配だったのですが、問題が無いのであれば良かったです」


「はい。全然問題はありませんでした。それで、今回の降臨も前回と同じような流れで構わないんですよね?」


「はい。もう少ししたら遊び目的の神達が降りてきます。そのあとに、航さんにスタッフとして任命してもらう神達が降りてくる予定ですね」


「承知いたしました」


 光の神様との話が終わると、タイミングよく神様達が降臨してきた。ほとんどの神様達が何の神様か分からないが、見覚えのある神様達も降りてきて、こちらに軽く手を振って教会から出ていく。


 魔神様、戦神様、娯楽神様、他にも女神達に喧嘩を売って、ボコボコにされていた神様なんかもいるな。あっ、海神様だ。


「航よ。無事に人魚達と会えたようだな。あの者達のこと、頼んだぞ!」


 それだけ言ってバンバンと僕の背中を叩いて教会から出ていく海神様。サッパリした様子だけど、実際は人魚達に甘々なのが面白い。


 クリス号に降りてきた神様達に会釈をしながら待機していると、お待ちかねの森の女神様や美食神様を含めた、女神の方々が降臨してきた。


 相変わらずとてつもなくお美しいが、僕ってそれほどお美しい森の女神様と美食神様に、膝枕耳かき&デートをしてもらっているんだよね。


 とてつもなく罰当たりなことをしている気分だけど、だからと言って止めるつもりはもうとうない。……今回は臨時の招待だから、ご褒美が貰えないのは悲しい。


 ……悲しい気分になりそうだったけど、沢山の女神様が居ると華やかで勝手に心が元気になっていく。僕って単純だな。森の女神様や美食神様、女神の方々に笑顔全開でご挨拶する。


「航さん。全員集まりましたので、そろそろ出発しましょう」


「分かりました。では、ご案内します」



 エステや化粧品店、アクセサリーショップ等に女神様達を案内して、スタッフに任命していく。


 キャッスル号とはまた違った雰囲気のクリス号に、女神様達も楽しそうにはしゃいでいる。眼福だ。


「えーっと、これでエステや服飾のお店のスタッフ任命は終わりましたね。次は料理ですが、リクエストはありますか?」


「私は和食のお店をお願いしたいわ。たまに見ていたのだけど、キャッスル号とはまた違った雰囲気で興味深かったの」


 おぉ。美食神様がクリス号の和食に興味を持ってくれた。キャッスル号の和食も悪くはないんだけど、キャッスル号の和食は海外から見た和食って感じでちょっと違うんだよね。


「美食神様。今回も沢山料理を作ってもらえますか?」


「ええもちろんよ。沢山料理を作る機会をもらえるんだから、こちらからお願いしたいくらいだもの」


 よし! 美食神様の手料理をゲットだ。


「では、夜にまた受け取りに行きますね」


「ええ。待っているわ」


 僕も美食神様もお互いに利益がある。これがWINWINの関係ってやつだな。


 デザートに興味がある女神様や、洋食に興味がある女神様をリクエスト通りにスタッフ任命していき、最後に美食神様を和食レストランにスタッフ任命する。これで、僕の仕事はだいたい終わった。


「光の神様はこれからどうされます?」


「そうですね……一度創造神様の様子を見に行ってきます。航さん、ありがとうございました」


 あわよくば一緒にクリス号を見て回ろうかと思ったんだけど、光の神様は創造神様の様子が気になるようだ。


 残念ではあるけど、創造神様の行動は下手をしたら僕まで巻き込まれる。光の神様の監視は必要だな。


「頑張ってください。あと、温泉とビールも用意してありますので、時間ができたらお声をおかけください」


 光の神様のお気に入りのビールと温泉はしっかり確保してある。僕の計画はパーフェクトだ。


「ふふ、ありがとうございます。夜にお願いすると思います。では、行ってきますね」


「いってらっしゃいませ」


 光の神様の笑顔、素晴らしかったです。さて、自由時間になったけど、どうするか……男の神達に絡まれる前に部屋に戻って少し休もう。


 女神様方が買い物やエステを終えて、アクティビティに興味が移った頃にビデオカメラを持って行動開始だな。


 水着姿は押さえておきたいからプールは外せない。撮影許可は得ているから、露骨になりすぎないように自然に行動すれば大丈夫だ。あっ、メモリーの予備も用意しておいた方がいいな。


読んでくださってありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
読み直しで気づいたけど、料理神が作る料理だと絶対にバフが付くと思う。 しかもかなりの。
[一言] 女神の方々の水着撮影は必須っと。 女神たちも文体を置いておけるといいね。
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