16話 プールと耳かき
遅くなって申し訳ありません。なんとか体調も戻り、今日から更新を再開しますのでよろしくお願いします。
森の女神様が部屋で水着に着替えている。ゆったりとした服装でも分かる森の女神様の膨らみが水着になって見られる。
……ジリジリとした気持ちで森の女神様の登場を待つ。わずか数分の事なのに待ち遠しい。とても待ち遠しい。
ガチャっと扉が開き森の女神様が出て来た。……いいな。これはとてもいいものだ。
真っ白な肌に黒のビキニ。そのビキニの上下の間を繋いでいるレース部分から見える白い肌が艶めかしい。そして何よりも、僕の愛して止まないお胸様が素晴らしい存在感を示している。
「とてもお似合いです森の女神様」
「ふふ、ありがとうございます。でもやっぱり恥ずかしいですね」
「そうですか?」
僕には最高の眺めなんだけど、普段はゆったりとした服を着ているから、慣れない格好は女神様と言えど恥ずかしいのかもしれない。
「ええ、普段はこんな格好はしませんから。あと航さんお顔が崩れてますよ?」
森の女神様にいきなりディスられた……顔が崩れてる? 森の女神様が悪口を言う訳ないからな……うん、森の女神様を見ると顔がにやけているのが自分でも分かる。
他から見たら僕の顔が崩れているんだろうな。せっかくのデートだ少しは頑張ってキリッとしよう。
「あはは、すみません。では、プールに行きましょうか」
「はい」
プールで使う荷物を持って、森の女神様と一緒にプールに向かう。隣に並んで歩くと森の女神様の姿が見えないのが残念だ。
エレベーターに乗る時に森の女神様に先に乗って貰う。うん、後ろ姿も良いよね。スラリと伸びた長い脚にくびれたウエスト。真っ白で透き通ったように見える背中……プリプリのお尻……眼福です。
この世界は豊かなお胸様を持つ女性が多い。僕にとって最高のファンタジー世界だ。創造神様も巨乳が好きなんだろうな。素晴らしい趣味だと思う。
「航さん、降りますよ」
「ん? あぁ、そうですね」
お胸様について考えているとエレベーターが到着していた。不思議そうに見て来る森の女神様に謝ってエレベーターから降りる。
「森の女神様、最初はどんなプールで遊びますか? 前回は泳ぎになられてないんですよね?」
「はい、色々楽しい物が沢山あったので、プールに入っていませんね」
そうだよね。プールはしっかり僕の巡回ルートに入ってたもん。僕が見逃すはずないよね。
「じゃあ、一つ一つ楽しみましょうか」
頷いた森の女神様と一緒に一つ一つプールを楽しむ。泳げないのかもって思っていたけど、普通に泳げる森の女神様……教えながらもっと仲良くなりたかったから、ちょっと残念だ。
森の女神様はあまりアクティブではないようで、フローライダーよりもビーチプールや普通のプールでのんびり一緒に遊んだ。水面からザパッって出て来る時にプルンってなるお胸様とか、とっても印象に残ります。
森の女神様もプールを気に入ってくれたみたいで、笑顔で水を掛け合ったり水中の鬼ごっこをしたりと、傍から見るとウザそうな遊びを精一杯楽しんだ。
鬼ごっこの際に偶然を装って森の女神様の豊かなお胸様にタッチしようとしたが、全て躱されてしまった。レベル300オーバーぐらいではパイタッチは不可能らしい。
体術の基礎をしっかりとマスターするか、更にレベルを上げないと無理そうだ。魔法の訓練は頑張ってるけど、体術は面倒に感じる。やるとしたら、魔物退治に積極的に参加する方が無難だな。
偶に森の女神様と楽しそうに遊んでいる僕を、物凄い目で見て来る男性神がいる。森の女神様って男性神様方に人気があるんだな。
……僕は神様すらも嫉妬させる男になったのか……神様に睨まれて足がガクブルだけど誇りに思おう。創造神様と女神様方の不興を買わなければ身の安全は確保されるはずだ。特に光の神様にはちゃんとご機嫌伺いをしておかないとな。
「航さん、水の中で遊ぶのも意外と楽しいですね」
キラキラの笑顔で話しかけて来る森の女神様。明らかに水滴が光を反射して煌めいている以上の輝きを感じる。神力か何かが出ていそうだな。
「喜んで頂けて良かったです。少し疲れましたから、あっちの展望ジャ〇ジーに入りませんか? 飲み物も買っていきましょう。何が良いですか?」
「飲み物ですか……そうですね、光の神が用意してくれたシャンパンが美味しかったので、それを貰えますか?」
お風呂に合うシャンパンとか知らない。そもそも日本で飲んだ事があるのって、スパークリングワインぐらいだ、あれはシャンパンとは違うんだよね? あれ? シャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインがシャンパン? ……混乱して来た。
「うーん、シャンパン自体は大丈夫ですが、銘柄が分かりません。銘柄を覚えていますか?」
「……いえ、そこまでは聞いてませんでした」
「まあ、同じとはいかないですが、バーでシャンパンを注文して来ます。それで構いませんか?」
「ええ、大丈夫です。ありがとうございます」
森の女神様には先にジャ〇ジーに行って貰い、僕はバーでシャンパンを2杯注文して合流する。他愛無い事を話しながらシャンパンを飲む。なんか優雅だよね。
シャンパンってだけでカッコいい気がする。僕は西洋信仰でも持ってるんだろうか? 外国産がカッコいいとか思っているのも否定できない気がするな。外車って聞くとなんか憧れるし……
ジャ〇ジーから上がり、着替えて150セ〇トラルパークでちょっと豪華な昼食を取る。
……今更だけど水着のまま昼食を取って、耳かきになだれ込めば、水着のまま膝枕をしてくれたんではなかろうか……駄目か映画を観るって言っておいたからな。さすがに水着で映画は観ないよね。
船内でやる事を決めてたから、簡単にコースを決めちゃってたけど、順番って大事だよな。映画を観て昼食を取ってプールなら、水着のままで耳かきの可能性も残ってた。
部屋に入ったら着替えるだろうけど、プールサイドのベンチで耳かきを要求すればそのまま耳かきをして貰えたかもしれない。考えるって大事な事だな。
今回限りではないのが救いだな。森の女神様と美食神様にはまだまだデートしてもらえるんだ。しっかり考えて、しっかり元を取ろう。
昼食を終えてシアターに向かう。タイミングよく映画が始まったので、そのまま席に着く。
「航さん、これから始まるのはどんな映画なんですか?」
神様でも周りに気を使うのか、森の女神様が耳元に口を寄せて小声で話しかけて来る。いい匂いだと思います。
えーっと、今日の映画はゴー〇トか……これはまたロマンティックな映画に当たったな。個人的にはゴー〇トバスターズの方が好きなんだけど、森の女神様と観るのならゴー〇トの方が良いよね。
「今回の映画は恋愛物と言って良いのか分かりませんが、とても感動できる映画だと思います」
ただこの世界では普通に浄化される存在だから、理解出来るのかが不安になる。
……いま、僕の目の前には涙を流しながら微笑む森の女神様がいる。神様も泣くんだね。有り得ないとは言わないけど驚きだ。
「うう、ゴーストがあんなに素晴らしい存在だったなんて。なぜこの世界のゴーストは違うんでしょうか?」
知りません。強いて言うなら創造神様のせいなのかな?
「森の女神様、地球では幽霊の存在は立証されていません。想像で作られた物語なので、勘違いしないでくださいね」
まさかここまで神様方を感動させるとは。特に映画を観ていた女神様方の中には、声を出して泣いている方も居る。
僕もジーンと来たけど、号泣とまでは行かない。まだまだ映画を観慣れていない所に名作に当たったらこうなるのかな?
「そうですね。あれは劇のような物でしたね。でも、感動しました。とても良い涙です」
「はは、僕が誇る事ではないかもしれませんが、嬉しいです。ありがとうございます」
森の女神様の映画の感想を聞きながらカフェに入る。僕としてはそのまま耳かきになだれ込みたかったが、言い出す雰囲気にはない。ちょっとコーヒーでも飲んで落ち着こう。
「航さんはどの場面が好きですか?」
うーん、何と答えるべきなんだ? 出来れば同じシーンを好きだと言って共感を得たい。……たしかあのシーンかあのシーンが一番フィーチャーされていたと思うんだがどっちだ?
「そうですね。コインのシーンも好きですが、やっぱり陶芸のシーンですね」
……どうだ?
「ああ、そうですよね! 私もあのシーンが大好きです」
正解した。しかし正解したが故にテンションの上がった森の女神様の映画評論が始まった。一生懸命でとても可愛いのだが、落ち着いた雰囲気の森の女神様が、女子高生のように見える。
でも、そう思います。良いですよねっと言った、中身のない返答でも喜んでくれるので凄く仲良くなれた気がする。
「ふー、映画って面白いですね。同じ物を観たので感想を言い合えますし、大好きです。航さんまた付き合って貰えますか?」
「ええ、共感できると嬉しいですよね。映画もまだまだ沢山あります。喜んでお付き合いしますよ」
「ありがとうございますワタルさん」
笑顔で約束を交わす。これって約束のデート以外でも映画に誘えば行けるんじゃないのか? 大進歩だな。機嫌が良い間に耳かきしてもらおう。
「森の女神様、そろそろ耳かきをお願いしても良いですか?」
「ああ、そうでしたね。もちろんです何処でしましょうか?」
「僕が使う予定の部屋で構いませんか?」
「はい、では行きましょうか」
ワクワクしながらスカイロフトスイートに向かう。いい大人の僕がスキップするのは恥ずかしいが、1人だったら飛び跳ねていたな。
部屋の中に入りソファーに座る。森の女神様と僕だけの空間か、ドキドキするな。後ろにボンボンがついた耳かきとティッシュを渡す。
「じゃあ航さん、ここに頭を乗せてください」
ポンポンと自分の太ももを叩きながら森の女神様が言う。
「は、はい」
ちょっと緊張しながらも出来るだけ森の女神様のお腹に近い部分に頭を下ろす。
布地が邪魔だが森の女神様の太ももの柔らかさは確認出来る。いい匂いもする。チロリと上を見ると胸の膨らみで森の女神様の顔が見えない。
うーん、下から見るとただ布が膨らんでいるようにしか見えないが、物凄くドキドキする。中に入っている物体が分かっているからだろうな。神秘的だ。
「航さん、そこだと見えないので、頭をもう少し前にお願いします」
そっと頭を膝近くまで移動させられる。残念だけどしょうがないか。
「じゃあ、始めますから動かないでくださいね」
「は、はい」
「ふふ、航さん、体の力を抜いてください。ピンっと伸びていて辛そうです。約束通りじっくりと耳かきをしますから疲れてしまいますよ」
「あっ、そうですね。力を抜きます。よろしくお願いします」
いつの間にか全身に力が入り寝ころんだまま気を付けの体勢を取っていた。リラックスして全力で楽しまないとな。
森の女神様の手がそっと僕の耳に触れる。「じゃあ、行きますね」っとの言葉と共に耳かきが始まる。
「航さん、けっこう溜まってますね。こまめに耳掃除をしないと駄目ですよ」
そうだよね。創造神様に言われるまで、耳かきなんて忘れてたし、気が付いてからイネスやフェリシアにやって貰おうかとも考えたけど、せっかくなので我慢しておいた。よく考えたらわざわざ耳垢を溜め込む男ってバカだよね。
「はは、これからは森の女神様と美食神様に耳掃除をして貰えるはずなので大丈夫です」
「ふふ、2ヶ月も我慢できますか? 綺麗な耳でも約束通りじっくり耳かきはしますから、こまめに耳掃除はしましょうね」
「分かりました」
イネスやフェリシアに耳掃除をして貰うのも楽しそうだし、じっくりやって貰えるのなら問題無いよね。
森の女神様は約束通りじっくり丁寧に僕の耳を掃除してくれる。穏やか雰囲気の森の女神様だが、耳掃除はアクティブでギリギリまで攻め込んで来る。
奥を攻められる度にビクッとする体を押さえつけ、動いちゃ駄目ですよっと優しくささやかれる。別の何かに目覚めそうだ。
動かないようにしていても偶にフッっと耳に息を吹きかけられると、甘い匂いと共に体がビクッっと反応してしまう。
森の女神様は真面目な性格なのか、言葉通りじっくりと丹念に僕の両耳を掃除してくれた。
「ふー、これで綺麗になりました。航さんどうでしたか?」
「はい、とてもスッキリしました。本当に気持ち良かったです、ありがとうございます」
「それなら良かったですが、航さん疲れてませんか?」
「はは、体を動かさないようにするのに少し疲れました。でも心地良い疲れなので問題ありません。至福な時間でした」
「うふふ、次も頑張りますね」
「はい、僕も頑張りますのでよろしくお願いします」
ふー、しかし今までは直接的な繋がりを求めていたが、こういうのも良いな。イネスとフェリシアともじっくりと楽しもう。
誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。
読んで頂いてありがとうございます。