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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第九章
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12話 神界と船購入

 カミーユさんとの取引の後、外海に出て豪華客船に乗り換える。


「じゃあ僕は教会に行ってきますので、皆さんは自由行動でお願いします。リムをお願いね、イネス、フェリシア」


「ワタルさん、私も教会に行きますので、ご一緒します」


 リムをイネスとフェリシアに預け、クラレッタさんと一緒に教会に向かう。


「ワタルさん、どんな豪華客船を買うのか決まりましたか?」


「今のところ、小型の豪華客船を買おうかと思っています。僕の故郷の料理に力を入れている船なので、クラレッタさんに覚えて頂ければ嬉しいですね」


 キャッスル号の和食は、思ってたのと違ったからな。買おうと考えている船は、日本人の料理人が主体となったお店があるから大丈夫だろう。


「ふふ、頑張って覚えますね」


 日本の料理の特徴や神様についてを話しながら、教会に到着する。神様の事はありのままに話すのは難しいので、ウソが無いようにオブラートに包んで話すのがちょっと大変だ。


 教会に入り何時ものように神像の前に跪く。目を開けると創造神様が居る。……なんか神界に呼ばれるのも慣れちゃったよね。慣れても良い事が無さそうなのが辛い。女神様方がいなかったら教会から足が遠のきそうだ。


「航君、変な顔をしてどうしたの?」


 変な顔じゃなくて、悩んでいる顔です。


「いえ、何でもありません。お久しぶりです、創造神様、光の神様」


「うん、久しぶり。今度、豪華客船に遊びに行く打ち合わせで良いんだよね?」


「はい、余裕が出来ましたので、お伺いに参りました。いつになさいますか?」


「うん、僕は直ぐでも良いんだけど、光の神、いつ頃なら大丈夫なの?」


「……今回は前回に来れなかった神達も参加を希望していますから、500柱ほどを連れて行きたいです。ある程度の選別は済ませてありますが、少し時間を頂きたいですね。5日後はどうでしょう?」


「だって」


「えっ、はい。5日後でも問題ありません。チケットも500枚を用意します。期限は前回同様3日で構いませんよね」


「はい、それでお願いしますね」


「あっ、ちょっと待って。もう少し遊べる日数を増やして欲しいな。お願い航君」


 ……無理だ。3日間ですらトラブルが起こっているのに、日数を増やすと更に大変になる。


「創造神様、申し訳ないのですが、神様方とお会いするのは緊張しますので、3日でお願いします」


「えー、そんなに緊張してないでしょ? 航君だって、女神達を見て楽しそうにしてたじゃん」


 ……それは楽しかったよ。楽しかったけど神経を使ったのも間違いない。滞在が長引けば揉め事が起こる可能性が高まる。そればっかりは勘弁して欲しい。


「女神様方がいらっしゃったから3日を耐えられたんです。創造神様も僕が気が弱いのを知ってますよね? 心が持ちません」


「うーん、そう? ちょっとぐらいなら何とかなったりしない?」


「しません」


「創造神様、これ以上は駄目です。あんまりワガママ言っていると、遊びに行くこと自体断られるようになりますよ。そうなったら楽しみにしている神々の文句は、創造神様が受けてくださいね」


「えー、……分かったよ。航君ごめんね。3日で大丈夫だから、遊びに行くのを断ったりしないでね」


 直ぐに諦めたな。そんなに文句を言われるんだ。いや、もともと僕に活発に行動するように言ったのも、戦神様達から文句を言われたからだったな。


「3日なら大丈夫です。しっかり準備しておきますね」


 光の神様と予定を決めて、そろそろ戻りますと創造神様に話すと、別の話題を振られた。


「ねえ、航君、新しい豪華客船を買うんだよね。僕の神像を設置するからね」


「光の神様が問題無いのであれば僕は構いませんが、どうなんでしょう?」


 聖域があっても無くても僕にはあんまり関係ないんだよね。バレたら不味い時には封鎖すれば良いだけなんだし、あんまり関係が無いんだよね。


 聖域が無ければ神様達が来れないのか……気楽なんだけど、光の神様、美食神様、森の女神様に会えないというジレンマも生まれるな。


「あまり聖域を増やすのは好ましくないのですが、航さんの船の場合は神達の強い要望により聖域の設置が認められました。その事でこちらからお願いがあるのですが、構いませんか?」


 神様達の強い要望って、そんなに人気があるのか。光の神様もちょっと困った顔をしているから、強く言われたんだろうな。


「なんでしょうか? 難しい事なら困るんですが」


「難しくはないですよ。聖域がある事を隠してもらうだけです。さすがにポコポコと聖域が増えている事が広まるのは不味いですから」


「元々隠すつもりでしたから、その程度でしたら問題ありません」


「ありがとうございます。普段は気軽に下界に降りる事も出来ませんから、神達の間でも楽しみにされているんです。前回豪華客船に行った者達からの評判も良くて、行きたがる者達が増えてしまって……」


 光の神様が困った様に微笑む。神様達の間でも口コミってあるんだな。人気に火がついたみたいだ。


「そうなんですか。元々が創造神様から頂いた能力なので、創造神様方に少しでも恩返しが出来たなら幸いです」


「偉い! 航君は偉いよね。僕の恩恵を受けている神々は文句ばっかりなのに、航君はちゃんと誰が力を与えたのかを理解している。神々にも見習って欲しいよ。航君、今度神達の前で講演会をやらない? 僕に対する思いをただ話すだけで良いんだ」


 創造神様って僕が困ってるとか、微塵も気が付いてないんだろうな。僕が講演をしたら創造神様の困った所を並べる事になりそうなんだけど、完全に称えられると思ってそうだ。冗談だと思って承諾したら創造神様の場合、本当に実行する可能性があるからな。断っておこう。


「僕が神様方の前で講演なんてしたら、恐れ多すぎて心臓が止まってしまいますよ」


「大丈夫。魂なんだから心臓は止まらないよ」


 創造神様、そういう問題ではないんです。


「創造神様、たとえ航さんが講演をしたとしても、創造神様の悪行が航さんに伝わるだけだと思います」


「なんで? 悪行なんてないよ?」


「創造神様がそう思われているだけで、困っている神々は沢山居ます。その者達は、航さんが創造神様を褒める講演をしたら、目を覚まそうと、今までの出来事を話して反論するでしょう。場が荒れるだけなのでやるだけ無駄です」


 そんな事無いとかブツブツ言いながら創造神様が拗ねてしまった。僕が聞いただけでも魔王とか作ってるのに、悪行なんてないとハッキリ言えるメンタルは凄いな。


「光の神様、今度新しく買う豪華客船の方にいらっしゃるんですか?」


「いえ、開放される船の方が今後行く機会が少なそうですから、前回と同じ船でお願いします。キャッスル号を全部を楽しめていませんからね」


 まあ、3日しか無かったからな。まだまだキャッスル号を楽しめるだろう。僕だって結構遊んでるのに、全然楽しめるからな。


 さて、ここに居るだけで面倒な事に巻き込まれそうな雰囲気だ。拗ねている創造神様の気分を盛り上げて元に戻してもらう。褒め称えると簡単に復活する創造神様に少し不安を覚えるな。



 目を開けると、目の前に神像が見える。戻って来たな。立ち上がり掃除を始めようとしているクラレッタさんに声を掛ける。一瞬で戻って来るから違和感が半端無いよね。


「クラレッタさんお祈りが終わりましたので、夕食の時に話しますね」


「他のメンバーにも伝えておきますね。夕食は何処で食べますか?」


「あー、そうですね、僕はピザが食べたいです。他に食べたい物が無かったらピザ屋を推しておいてください」


「分かりました」


 クラレッタさんと別れて部屋に戻る。イネス、フェリシア、リムは戻ってないな。教会に行って直ぐに戻って来ただけだから、僕が早すぎるのか。


 時間もあるから、豪華客船を買っちゃうか。ク〇スタル・セレニティ号が第一候補だが……ほかの候補を見てみるか。



 ……………… 


  

 うーん、悩むとしたら飛〇2か……2隻とも買う事は出来るんだけど、どうせなら一隻をしっかりと楽しんで次を買いたいよね。


 今回はク〇スタル・セレニティ号を買う事にしよう。ラグジュアリークラスに興味がある。買うと決めたらさっそく買うか。時間をおくとまた悩みだすからな。


 貯金船を召喚して350白金貨を取り出す。一枚一枚、白金貨を投入口に入れる。創造神様に会えるようになったんだから、面倒なこのシステムの変更をお願いすれば良かったかな?


 ……いや、調子に乗ったら駄目だ。神様なんてちょっとした事で荒ぶるんだ。……そう考えると美食神様に膝枕をお願いするとか、命知らずにもほどがあるよね。


 あれは、創造神様が話を振ってくれていたから、上手く行ったけど一つ間違えれば悲惨な事になってたかもしれない。


 美食神様、森の女神様の膝枕で耳かきをゲット出来たのは創造神様のおかげだな。今度しっかりとお祈りをしておこう。直接伝えるのは騒ぎになるから駄目だな。


 350枚の白金貨を入れ終え、購入ボタンを押す。うん、購入画面に載ってる。あとは名前を決めるだけか。


 ………………良い名前が思いつかない。船の名前からクリス号、ラグジュアリークラスから捩ってラグ号が限界だ。もうクリス号で良いか。


「ご主人様、戻ってたの」


「ああ、イネス、フェリシア、リム、お帰り」


 ポヨンポヨンと飛び付いて来るリムを抱きしめる。可愛い。


『りむ、たべた』


「うん? 何を食べたの?」


『どーなつ』


「ドーナツを食べたんだ。美味しかった?」


『おいしい』


「そっかー、良かったね。イネスとフェリシアにお礼を言った?」


『いった』


 勢いで聞いたんだけどイネスとフェリシアはリムの意思は通じないよね。どうしたんだろう? ちょっと興味がある。


「どうやってお礼を言ったのか見せてくれる?」


『うん』


 そう言ってリムはポヨンポヨンとイネスの元に向かい肩まで登る。イネスのほっぺに引っ付いてプルプルしている。それが終わるとフェリシアの方に移動して同じ事を繰り返す。なるほど、あれがリムのお礼なのか。


 イネスとフェリシアも僕の話を聞いて、お礼だったのかと驚いている。うん、しょうがないよね。じゃれているようにしか見えないもの。


 でも僕的にも癒されるからお礼になると思う。イネスとフェリシアもニコニコしてリムを撫でているし、うーん、とても可愛い。暫くリムと戯れていると、フェリシアが声を掛けて来た。


「ご主人様、クラレッタさんが夕食はピザ屋に集合するとお伝えくださいと仰ってました」


「うん、分かったよ。ありがとう」 


「それで、ご主人様は何してたの?」


「うん、新しい豪華客船を買ってたんだ」


「あら、もう買ったの。どっちを買ったのかしら?」


「小型のサービスが良い方を買ったよ。夕食のピザ屋で話をして、お披露目は明日だね」


 先に夕食の場所を決めたのは失敗だったかな? いや、新しい豪華客船の事を話したら、神様の事を話すのに時間が掛かりそうだから良かったかもな。たぶん船内案内に夢中になってたよ。


 新しい豪華客船の機能を話したりしながら、夕食の時間までくつろぎ、ピザ屋に向かう。中に入ると皆が座っている。待たせちゃったみたいだ。


「お待たせしました。集まって貰ってすみません」


「良いのよ。それで教会に行った後に話って事は神様絡みの話なの?」


「ええ、アレシアさんの言う通りです。まあ、取り敢えず夕食を取ってから話をしましょうか」


 クラレッタさんを見ると大興奮一歩手前な雰囲気だ。後にしないと食事にならない可能性があるな。


 これだけ神様が大好きなんだし、降臨した時に神様にお願いしたら会わせる事も可能な気がするんだが……会わせたら一生神にお仕えしますとか言い出しそうで怖いんだよな。あの素晴らしいお胸様が、神様一筋になるとか耐えられないよ。


「そうね、話を聞く前に食べておきましょうか」


 アレシアさんも僕の視線から言いたい事を察したのか苦笑いだ。色々な種類のピザを注文して好きな物を取りながらピザを食べる。


 大量に頼んでも大食いカルテットがいるから、余ることは無いのが便利だよね。油断していると食べたい物も先に平らげられてしまうけど。


 あれだねカレーじゃないけど、大食いカルテットを見ているとピザも飲み物に見えるよ。


 資金 手持ち 32金貨 69銀貨 78銅貨


 ギルド口座  0白金貨 70金貨


 貯金船    739白金貨 胡椒船 0艘


 慈善事業費  95白金貨 70金貨

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
やっぱし豪華客船の最低値段変わった?
テイムを持っていない他の女性陣も、これだけ一緒にスライムたちといてもテイム覚えないのかな。
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