表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第九章
188/568

11話 カジュアルクラスとラグジュアリークラス

明日から少し旅に出ます。一応、4つのストックを予約投稿していますので、ギリギリ更新は続けられると思うのですが、予定が狂った場合、少しだけ更新に穴が開くかもしれません。誤字脱字報告を頂いた場合、旅から帰って来てか、修正したいと思います。申し訳ありませんがよろしくお願いします。

 カミーユさんとの話し合いを終えて、ルト号に戻る。明日は朝から残りの胡椒を卸すから今の内に外海に出て、シーカー号に乗り換えておくか。いや、まだ時間がある。


 ダークエルフの島でも食料を渡したし、普通の食料を買い集めておいた方が良さそうだ。女性陣に散歩がてら買いに行ってもらおう。


 1金貨を渡してジラソーレとイネス、フェリシア、リムに買い物をお願いする。孤児院とか作るなら、食料を買い溜めしておいた方が良いよね。そう言えば資材不足なのは聞いてたんだけど、食料の方は大丈夫なのかな? あしたカミーユさんに聞いておくか。


 女性陣を送り出して、僕はサロンのソファーに座り、豪華客船を選ぶ。迷いどころなんだよね。次は日本の豪華客船を買おうと思ってたんだけど、キャッスル号を開放するなら、次に買うのもアミューズメント要素が強い方が良い気もする。


 アミューズメント要素が強いのはノ〇ウェージャン・エピック 、フ〇ーダム・オブ・ザ・シーズ、カーニバル・ドリームなんかが気になるな。フ〇ーダム・オブ・ザ・シーズはキャッスル号と同じ会社の船だから、安心感はあるんだけど、目新しさという点では微妙だな。


 ウォータースライダーがあるのは惹かれるんだけど、どの豪華客船も内容的にはキャッスル号とあまり変わらない気がするんだよね。


 ひとつ、世界的に有名なキャラクターを持つ会社の豪華客船があるんだけど、異世界にも怒りに来そうだからやめておこう。


 料理も違うお店だから味も違うんだろうけど……クラス的にもカジュアルで同じだし、次はプレミアムクラスかラグジュアリークラスを選ぶべきかな。


 ……うーん、難しいな。ラグジュアリークラスは料理の質が高そうだし美味しそうだ。ク〇ーンメリー2号も沢山の料理があって気になるが、ク〇スタル・セレニティ号が料理が美味しいと説明に書いてある。特に和食に力を入れているらしい。


 キャッスル号のような気楽に楽しめる感じではないが、全てが上質な雰囲気でサービスの質が高そうだし、買うとしたら値段的にもク〇スタル・セレニティ号だな。ただ気になるのが、こういう船はスタッフが一流な事も売りなんだろう、サポラビで大丈夫なのか? 


 ラグジュアリークラスの最低限の仕事が出来るのなら、有りな気もするけど、そこまで器用に対応してくれるとも思えない。人を雇った方が最高のパフォーマンスを発揮できる船なんだろうな。


 さて、どうするか……自分が生活するのならカジュアル船が無難な気がするけど、テレビでしか見た事も無い超一流の世界も気になる。ちょっと気軽で、ちょっと高級なイメージのプレミアムクラスにするか?


 ………………訳が分からなくなった。女性陣の意見も聞いてみるか。



 ………………



 暫くして、女性陣が荷物を抱えて戻って来る。持ちきれない物は後で運んで来てくれるそうだ。次々と届けられる荷物をゴムボートに送還する。なんかせわしないから豪華客船の話は後だな。


 全部の荷物を送還し終えて港を出航して外海に出る。明日の取引があるのでシーカー号に乗り換えて、リビングでくつろぐ。そろそろ豪華客船の話をしよう。


「あー、皆さん、新しい豪華客船を買おうと思っているのですが、2種類あって決断出来ないんですよね。意見を聞かせて貰えませんか?」


「ああ、豪華客船をもう一隻買うって言ってたわね。なにで悩んでるの?」


 アレシアさん、良い質問です。いや、当然の質問か。女性陣も興味を持って聞いてくれている。


「キャッスル号を開放する予定なので、もう一隻同じような船を買うか。小型ですが豪華客船の中でも特にサービスにこだわったクラスを買うかで迷っています」


「うーん、どうせなら違うタイプの豪華客船を買った方が楽しそうだけど、小型の方は何か問題があるの?」


「小型の方は上品な感じなんです。料理やサービスに力を入れているので、人を雇わないと最高のパフォーマンスを発揮できなさそうなんですよね。そこに拘った豪華客船なので、中途半端だと良さが台無しになる可能性もあります」


「あー、ずっと召喚しておくなら問題無いんだろうけど、人を雇うと送還がし辛くなるわね」


「料理店は、私を任命してくれたら作りますよ。料理に力を入れているのなら、物凄く興味があります」


 クラレッタさんが手を上げてくれた。クラレッタさんなら元々の料理の腕と合わさって、瞬間で出て来る料理より上質な物を作ってくれるだろう。


 瞬間で出て来る料理もクオリティは高いんだけど、人が作った方が何でか美味しいんだよね。瞬間で出て来る料理は劣化するとか書いてなかったけど、料理の腕が良いとそれを超える事が出来るんだろうな。


「クラレッタさんが作ってくれるなら、料理が楽しみですね」


「頑張ります」


 クラレッタさん、燃えてるな。興味がある事に没頭するタイプだから、美味しいご飯を作ってくれるのは間違いなさそうだ。


「ねえ、ワタルさん、その船で他に人員が必要なサービスはあるの?」


 アレシアさんが聞いて来る。


「うーん、一般のスタッフ全体の質が高いと思うので、全体的に必要と言えば必要そうなんですが。特に言うならスパはかなり良さそうでしたから、人がいた方が良さそうです。他には今のところ思いつきません」


 プロゴルファーの個人レッスンとか、サポラビに出来るのか? ……そもそもゴルフ場が無いんだから必要無いか。しかもサポラビの時点でプロゴルファーじゃないよね。


「スパなら私がやるわよ。キャッスル号でも何度か任命してもらって慣れてるから」


 イルマさんがやってくれるのか。イルマさんに施術してもらうと、違う所が固くなって恥ずかしいんだよな。笑って流してくれるけど、ほぼ毎回だから……まあ、今更か。


 でも、せっかくの豪華客船を仲間内で回すのもどうなんだろう? 


「ワタルさん、ずっとキャッスル号だけを開放するの? 偶に交換する事が出来るなら違う種類の方が良いんじゃないかしら?」


 ドロテアさんの言いたい事も分かるんだけど、面倒なんだよな。


「船の交換は僕も考えたんですが、交換しに行くのが面倒になりそうなんですよね。それにお客さんがいる場合は途中で船を替えづらいですから、手間が増えそうです」


 僕の中ではキャッスル号が大人気で、お客さんの切れ間が無い状況を予想している。大人気になれば、美食神様が喜んでくれるだろう。娯楽神様は……関わらない事が正解な気がするから、忘れよう。


「孤児院に様子を見に行ったりするのなら、タイミングが合えば交換できると思ったんだけど。お客さんを考えてなかったわね」


「うーん、わざわざ船の交換の為にカリャリまで行くのは面倒ですが、孤児院に様子を見に行ったついでなら、お客さんが少ない時なら可能ですね……いっその事、休日を作って船にお客さんがいない日を作っておけば、交換も簡単な気がします」


 まばらに休みがあると、泊まっている人も辛そうだから、月の最後の3日間は休日って事にすれば問題無いかも。従業員は個別でカミーユさんが休みを取らせるだろうし、3日間の休業の後に船が交換になる事があるって明記しておけば大丈夫だろう。


「でもワタルさん、キャッスル号から小型の豪華客船に替わるなら、泊まれる人数に差が出ない?」


 あっ、アレシアさんの言う通りだな。船に泊まる事が出来る人数が違うのも明記しておかないと駄目だ。これは問題になるか? キャッスル号は乗船人数が5千人、小型の豪華客船は千人。皆が宿泊を希望しても全員が泊まる事が出来ない。


「そうですね、キャッスル号が満室で、全員が次の豪華客船に泊まりたいと希望した場合、4千人が泊まれない事になりますね」


 大き目のラグジュアリークラスの豪華客船を買うか? でも、小型で1人当たりの使える面積が広いのがラグジュアリークラスの良いところだって書いてある。


 突然4千人もの人が泊まれなくなるのはやっぱり駄目だな。豪華客船に泊まりに来るような人はお金持ちだろう。カミーユさんの胃に穴が開きそうだ。


「4千人……継続して泊まる人が出ると、溢れる人が必ず出るわね。問題にならない?」


 3日間の休みの後だけど、別の船に泊まれるとなったら、泊まる人も多そうだよね。……豪華客船を過大評価し過ぎてるかな?

  

「問題になりますよね。止めておいた方が無難ですか」


「両方買ったら駄目なの?」


 カーラさんがおやつをモグモグしながら聞いて来る。カジュアルクラスとラグジュアリークラスの両方を買うのは駄目なのかって意味なんだろうな。


「カーラさんの言う通り、両方買ったら良いんですが、2隻買うのはもったいない気がして躊躇うんですよね。特に大きい船は高いですから」


 女性陣も納得してくれたみたいで頷いている。あれだけの白金貨を投入したの見ていたからな。稼ぎ的にはもう少し頑張れば買う事が出来るんだけど、豪華客船を買ったお金が慈善事業の費用に回って来る。あんまり大きな買い物はしたくないのが本音なんだよね。


 大型船は値段が跳ね上がる。カジュアル船は大型が多いから、楽しそうな豪華客船は1000白金貨を超える事も普通だ。ク〇スタル・セレニティ号は350白金貨だから、まだ気が楽なんだよね。


 トータルで考えたら日本円にして2000億以上の慈善事業を考えないといけないとか。目眩がする。もしかして商売の神様、僕に足枷を付けるために慈善事業って縛りを付けたのか?


 ……考え過ぎとも言えない。慈善事業の縛りが無ければ、稼げるだけ稼いで、買えるだけ船を買っていた気もする。そうなったら商売の神様も大変だよね。


 機会があったら問い詰めてみたいけど、神様に逆らうのは碌な事にならなそうだからな。特にこの世界の神様は感情で物事を考える傾向にある。創造神様とか気分で動きそうだから、機嫌を損ねると本気で何が起こるか予想できない。


「一気に2隻買うのが厳しいのなら、ワタルさんが本当に欲しい方を買うべきね。時間は有るんだから急がないでよく考えた方が良いわよ」


「そうですね。どちらを買っても高い買い物には違いないですから、アレシアさんの言う通り、じっくり考えてみます」


 暫く雑談をして夕食を取ってから部屋に戻る。


「ご主人様、まだ考えてるの? 考え過ぎても良くないと思うけど」


「そうなんだけど、どっちにも利点と欠点があるから決断がつかないんだよ。イネスはどっちが良い?」


 僕はク〇スタル・セレニティ号に心が傾いているんだよね。料理が自慢で和食も本格的な物が食べられるらしい。料理が美味しいのはかなりのプラス要素だ。


「私は、体験した事がない、小型の豪華客船の方が気になるわね」


「そっか、フェリシアはどっち?」


「私ですか? 私は気楽な方が嬉しいですね」


「あらフェリシア、小型の豪華客船の方も私達しか乗らないんだから、窮屈な事は無いわよ」


「……でも、サポラビちゃんとかも堅苦しそうな雰囲気だったら、ちょっと嫌じゃないですか?」


 フェリシア、どんな想像をしているんだろう?


「フェリシア、豪華客船のスタッフなら、礼儀正しいかもしれないけど、堅苦しくはないと思うよ。お客様をもてなすのが仕事だもん」


 それに、キリッとして堅苦しそうな雰囲気のデフォルメされた角兎……おそらく緊張感も何もない雰囲気になると思う。


「……じゃあ、私も小型の豪華客船の方が良いですね」


 簡単に意見が変わったな。そんなに堅苦しそうなサポラビが嫌だったのか? 僕は成仏するから恨んでないよって教えて貰っても、虐殺した相手だから気まずい。


「分かった、イネスとフェリシアの意見も参考にさせてもらうね。今日は悩み疲れたからもう寝ようか」


『わたる、れんしゅう』


「あっ、そうだったね。練習しようね」


 いかんな、最近の日課を忘れていた。リムの練習をしっかりと見学する。ここ最近は練習が必要なのか疑問に思うほど、自由自在に飛び回っている。まあ、可愛いから問題は無い。思う存分リムと戯れイネス、フェリシアと眠りにつく。



 ………………



 翌朝、何時もの場所でカミーユさんにゴムボート45艘分の胡椒を卸して別れる。本当なら雑談ぐらいはしたいんだけど、一応秘密の取引だから、素早く別れないと。


 取引を終わらせて、再び外海に戻り、今度は豪華客船を召喚する。2ヶ月も過ぎたし教会に行って創造神様と予定を決めておかないとね。


 ドキドキして来た。森の女神様とのデートと耳かきは、移住を成功させたから大丈夫だと思う。美食神様からのご褒美は豪華客船を開放してからかな? そこら辺も確認出来たらしておこう。


 外海に入ってからも用心の為に更に奥に進み、キャッスル号を召喚する。取り敢えず神様に会いに行くか。

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
神様が創造した世界なのに成仏するとか(笑) 昇天の方が、まだふさわしい表現かと… 成仏>言わずもがな仏教用語 冥福>儒教用語
[気になる点] 両方買うとかなんか前にも見た気がする、 デジャブ… そんな気がするだけなのかな?
[一言] クリスタルセレニティ号350白金貨? 別の方もおっしゃってますが、豪華客船は500白金貨〜では? クリスタルセレニティ号はクルーズ船なのでフェリーとは違います。 最低値段設定を変える(…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ