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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第八章
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17話 美食神とワタル

 創造神様達が遊びに来ると言い出した。プチパニックです。どうしたら良いのか分からなくなって光の神様に視線で助けを求める。


「航さん、急な事で申し訳ありませんが、お話を聞いていただけますか?」


「あっ、はい。光の神様、なんでもお申し付けください」


「ふふ、ありがとうございます」


 光の神様、相変わらずお美しいです。なんとなく苦労がにじみ出ている気もするけど、それはそれで良いものだ。


「おい、魔神。あの異世界人、俺達と話す時と露骨に態度が違うぞ」


「ふむ、まあ、あの異世界人は女に弱いからな。戦神も知ってただろう?」


「いや、知ってはいたんだが、あいつ、女神もありなのか? それはそれでどうなんだ?」


「うむ……私には判断できんな。異世界人特有の何かがあるのだろう。興味深い事だ。まさか人間に男女で区別されるなど思わなかったな」


「いや、魔神、なんで嬉しそうなんだよ」


 となりで、戦神様と魔神様が煩い。まあいい今は光の神様とのお話の時間だ。


「航さん、私達も異世界の文化に興味があるんです。聖域ができたのは問題なのですが、この機会に異世界の文化を体験させていただきたいんです」


 聖域ができたのは問題なんだな。でもできちゃったなら利用しようって事みたいだ。


「あの、創造神様から頂いた能力ですので、わざわざ下界に降臨なされずに、創造神様がなんとでもできると思うのですが……」


「それは、神々の取り決めがありますので色々と制約があるんですよ。ですから創造神様以外は異世界の文化に触れる機会が本当に少ないのです」


 神様にもいろいろな柵があるんだな。だから創造神様は僕の能力を船召喚にしたのかな? 意外と考えているのかも? ウザいけど。そういう事なら僕も一肌脱がないと男が廃る。協力しよう。女神様には特別サービスとかつけるか?


「分かりました。この世界で生きていけるのは創造神様のおかげですので、僕にできる事なら精一杯頑張ります」


「ありがとうございます、航さん」


 二コリと微笑む光の神様。お美しい。


「それで、僕は何をすれば良いのでしょう?」


「そうですね、さすがにワタルさん以外に姿を見せるわけにもいかないので、その日はお人払いをしていただけると助かります。あとはチケットを、そうですね……200枚ほど頂けますか?」


「チケットが必要なんですか?」


「ええ、船召喚の乗船拒否は創造神様のお力です。私達でも突破できる者は少数です。それに突破できる者も大変な苦労をするでしょう。気軽に入れるのは創造神様ぐらいです」


 ……乗船拒否、想像以上のチートだった。ドラゴンどころか大半の神様でも駄目なのか。そっかー、それだけの能力を貰ってゴブリンから逃げてたら怒るよね。


「分かりました。……ここでチケットは作れますか? それと期限はどうしましょう?」


「ええ、大丈夫ですよ。スキルは肉体でなく魂に宿るものですから。期限は航さんの都合の良い時間で大丈夫です」


 ……魂に宿るって、今の僕は魂なの? ……深く考えたらちびりそうだ。えーっと期限か、明日は女性陣が二日酔いだろうから、明後日からかな? 期限は1日だけなら楽しめないだろうから……とりあえず3日ぐらいにしておこう。


「えーっと、明後日から3日間はどうでしょう? 日数が短ければ区切ってもらえれば助かります。明後日からは急すぎますか?」


「いえ、大丈夫です。日数を区切ってという事は、今回以外にも機会を下さるんですか?」


 ん? 3日では短いだろうと思ったんだけど……遊びに来るのは1回だけのつもりだったのかな? 失敗したか? ……今更だな、女神様を見れる機会が増えるのなら、積極的に行くべきだろう。ビデオ撮影を許可してもらえれば最高だ。


「え、ええ、広い船ですので3日では足りないと思います。こちらの都合に合わせていただけるのであれば、大丈夫です」


 大丈夫だよね……サポラビを沢山召喚しておこう。少しは便利になるはずだ。……そうだサポラビと角兎の事を創造神様に聞いておくか。


「皆も喜びます。ありがとうございます、航さん」


 僕はいま光の神様を喜ばせたんだよね。よく考えたら凄いな、船召喚、神様達をも惹き付けるとは。明後日からの3日間で期限を区切ったチケットを200枚用意する。


「では、これがチケットです。サポラビを増やしておくつもりですが、最低限のおもてなししかできません。構いませんか?」


「ええ、勿論大丈夫ですよ。よろしくお願いしますね。では、明後日の8時に教会にお伺いします」


「はい、あの僕はどうしたら良いですか? 必要が無いのなら別の船で待機してますけど」


 よく考えたら、僕も居ない方が良いかもしれないよね。勝手に女神様をビデオ撮影する気満々だったんだけど……


「……航さんにはお手数ですが、お手伝いをお願いしたいです。構いませんか?」


「お手伝いですか? 何ができるのかは分かりませんが、お手伝いぐらいなら頑張ります。ですが何をすればよいのでしょう?」


 女神様のためなら僕は頑張れる。200枚のチケットを使うのなら女神様は沢山来るだろう。ビデオ撮影の許可も頂いておこう。


「それはですね、スタッフ任命を使ってほしいのです。女神の間ではスパに興味が集中していますので、サポラビではなく女神をスタッフに任命して、できるだけ良い体験をしたいそうです。後は、美食神、こっちに来て、あなたからお願いすると良いわ」


 女神をスタッフ任命? なんだか途轍もない事になってるんだけど。女神様のマッサージ……僕も並べば受けれるかな? そして美食神様が来たー! ずっとお話がしたかったです。


「航さん、お願いがあるんだけど良いかしら?」


 美食神様の声って色っぽいな。3世で大泥棒なアニメに出てくる美人のお姉さんみたいだ。性的に食べられたい。


「はい! なんでも言ってください!」


「あら? 良いのそんな事を言って?」


「はい! 美食神様と光の神様のためなら、全力でお仕えします!」


 なんかよく分からなくなってるけど、幸せだから大丈夫だ。





「あいつ、すげえ。本気で女神に懸想してるよな? 魔神、人間と女神ってありなのか?」


「そんなことを私が知るか」


「異世界人君って偶に良い働きをするよね。始めは退屈だったけど、女性が絡むとちょっと面白い。それに普段なら絶対にあんな事言う度胸は無いのに……美食神の色気に脳がやられちゃったかな?」


「娯楽神は面白ければなんでも良いんだろう?」


「僕は娯楽神だからね。魔神だって自分の管轄なら興味津々でしょ?」


「そんな事はどうでも良いんだよ。航君って僕の事を忘れてない? 今のは創造神様のためならって言うところだよね?」 


「どうでも良いよ」


 外野が騒がしいな。僕と美食神様の邪魔はさせない。

 

「航さん、私は異世界の料理に興味があるの。料理店にスタッフ任命をしてほしいんだけど、大丈夫?」


「スタッフ任命だと知識は入りますが、店から出たり、任命を解くと知識は薄れますよ? それなら地球のメニューを創造神様から手に入れた方がよさそうなんですが」


「ええ、分かっているわ。でも創造神様からメニューを貰っても作る事は許されないのよ。だから任命してもらったお店の料理を一通り作りたいの。作業をすると知識が残りやすいのでしょ?」


 僕自身はやった事無いけど、女性陣はそんな事を言っていたな。まてよ、そうなると美食神様の手料理が食べられるって事か? それは良いな、ゴムボートに送還して保存したい。でも作るのが許されないってどういう事だ?


「……地球の情報をダイレクトに反映するのは許されていないけど、僕でワンクッションおけば大丈夫って事なんですね……分かりました。お店を回りましょう。確かにスタッフ任命にはそういう効果はあるみたいです。ですがそうなると回るのに時間がかかりますね」


「うふふ、どうしようか悩んでたんだけど、航さんは今回だけではなくて、何回か機会をくれるんでしょ? じっくり一つのお店で勉強する事にするわ」


「はい! 全部のお店を回るまで何度でもいらしてください!」


「ありがとう、航さん」


 頭を撫でてもらえた、いい匂いがする。ヤバい最高だ。





「完全に転がしてるな。なあ娯楽神、あまり会う機会はないが美食神ってあんなことするタイプじゃないだろ?」


「うん、戦神が言う通り、美食神は真面目で普段ならあんな事はしないね。でも今回は異世界の料理に喜んでいたんだよね。それに異世界人君が全力で好きですアピールしてるから、可愛くなっちゃったのかも」


「美食神、簡単すぎるだろ。神がそれで良いのか? おい、創造神、美食神と異世界人が恋したらどうするんだ? しかも異世界人はハーレムを狙ってるんだぞ」


「うーん、なるようになるんじゃない? 別に神が人間と恋をしてはいけないなんて決まってないよ? 戦神は何が心配なの? もしかして美食神が好きだった?」


「はー、もういい、取り敢えずお前は黙ってろ。おい、光の神はどう思うんだ?」


「そうですね、恋と言うより、懐いてくる小動物を撫でているだけですね。問題ありませんから戦神も落ち着いてください」


「お、おう、そうか、分かった」 





「では、美食神様はどの料理店から行きたいのですか?」


「そうね、最初に行きたいのはメインダイニングかしら? 150セ〇トラルパークも捨てがたいわね」


「150セ〇トラルパークがあの船で一番格上のレストランですね」


「それなら、最初に150セ〇トラルパークに行きましょうか」


「はい! 分かりました!」


 なんだか凄く幸せだな。異世界に落ちてきて良かった。イネスにフェリシア、ジラソーレ、光の神様、美食神様、最高です。創造神様、ありがとうございます。


「航君、祈らなくても僕ならここに居るよ。直接お礼を言ってくれて良いんだよ?」


「美食神様、デザートやお酒のお店はどうしますか?」


「うふふ、そうね、もちろん興味があるわ。デザートもカクテルも素晴らしいもの。お願いできる?」


「はい! 任せてください!」


 よし、訪問するお店が増えた。これで沢山美食神様にあえるぞ。


 





「……光の神、航君に無視されたんだけど」


「あれは無視ではなくて、完全に聞こえていませんね」


「それはそれでどうなのかな?」


「どうしようも無いと思いますよ」


「うーん、光の神、もうそろそろ航君を戻すから、声を掛けてみて」


「私がですか?」


「うん」


「分かりました。……航さん、ちょっと良いですか?」


「はい! なんでしょうか? 光の神様!」


「え、ええ、そろそろ戻る時間です。明後日はよろしくお願いしますね」


 えっ? もうなの? ……残念だけどワガママを言うわけにはいかないな。


「あ、そうなんですか……分かりました。光の神様、美食神様、キャッスル号でお待ちしています」


「すげえな、完全に光の神と美食神以外はあいつの世界に存在してねえぞ」


「うん、もう戻しちゃおう、向こうに戻ったら落ち着くよ」





 気が付いたら神像の前だった。女神様って良いよね。うん、面倒かなって思ったけど、沢山の女神様が来るのなら僕は頑張れる。さっそく動かないとな。まずはサポラビを各店舗、案内カウンターに配置しないと。


 あっ、創造神様にサポラビの事を聞き忘れた。ビデオ撮影の許可も忘れていたな……明後日に聞くか、今のところサポラビは良い子達だから大丈夫だろう。さて頑張ろう。急がないと女性陣がプールから上がってしまう。


 教会にサポラビを召喚するのはどうしよう? クラレッタさんが頑張っているんだけど……聞くだけ聞いておくか。


「クラレッタさん、お祈りが終わりました。それでですね、この教会にも2体ほどサポラビを召喚しようかと思うのですが、どうですか?」


「サポラビちゃんをですか?」


「ええ、いつも誰かが待機していた方が良いかと思いまして」


「……そうですね、私がいつも教会に居るわけでもないですから、居た方が良いのかもしれません。お願いします」 


 おお、私が管理するので大丈夫ですって言われるかと思ったよ。2体のサポラビを召喚すると神官服を着たサポラビが現れた。


「君達は教会付きだからね、クラレッタさんの言う事をよく聞いてね」


 コクンと頷く2体のサポラビ。クラレッタさんもよろしくねと頭を撫でている。


「クラレッタさんはこれからどうするんですか?」


「私は掃除の続きと、お祈りをします。その後はプールに行く予定です」


「そうですか。僕は船内を回ってからプールに行くつもりです。また後でですね」


「はい、また後で」


 クラレッタさんと別れて、サポラビを召喚しながら船内を巡る。急がないと良い場面を撮り逃しかねない。頑張らないと。


 小走りで船内を回り、スタッフが必要な場所すべてにサポラビを召喚する。最大200の神様が降臨するんだからきっちり配置しておかないとね。


 ……休憩を挟む事も無く小走りを続け、1時間半ほどでプール階層以外はすべて巡り終わった。レベルアップの体力に感謝だな。しかし、サポラビでもこれだけ増えると賑やかになったな。


 後は水着に着替えてビデオカメラを持って、プールに行くぞ。

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 急につまんなくなった
[気になる点] 主人公が病気レベルで気持ち悪い(´・ω・) でも話だけ見れば面白い(´・ω・)
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