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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第七章
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21話 1ヶ月とクラレッタさんの暴走?

豪華客船の残りの施設を今回の話で書き切る予定でしたが、全部書く事が出来ませんでした。次も施設の話になります。

 豪華客船を購入してから1ヶ月が経った。僕達は今、ダークエルフの村にストロングホールド号で向かっている。


「ご主人様、ダークエルフの島の探索も楽しみだけど、豪華客船もまだまだ楽しみ足りないわね」


「はは、1ヶ月あれば十分楽しめると思ってたけど、凄いよね豪華客船。同じ所でも何度も通いたくなっちゃうから1ヶ月じゃ足りなかったね」


「ふふ、そうね、私はカジノだけでも1ヶ月じゃ足りないわ。でもアレシアと2人だけなのは寂しかったわね」


 一通り施設を回った後は、自由行動を増やしたんだけど、前回1番負けたアレシアさんと、1番勝ったイネスが連れ立ってカジノに向かったらしい。


 華やかなカジノにアレシアさんとイネスとサポラビ。サポラビは、ほぼしゃべらないし2人だけだと寒々しかったらしい。それからはカジノに向かう時はメンバーを出来るだけ集めるようになった。


「まあ、広い船内だから、人が少ないと寂しいよね。だいぶサポラビも召喚したから少しはマシになったけど、サポラビは特殊な場合以外は静かだからね」


「そうね、でも音楽は流れているし、ご主人様が生演奏の所にサポラビを配置してくれたから、ずいぶん違うわ」


 驚いたのが演奏席にサポラビを配置すると、楽器と一緒に召喚された……何でもありだな。


「ご主人様、今日はどうするの?」


「うーん、今日は部屋でのんびりするよ。イネスとフェリシアは自由にしていていいよ。あっ、出かけるならリムを連れて行ってあげて」


「分かったわ。久しぶりのストロングホールド号を楽しんでくるわね」


「では、私も行ってきます。何かあればいつでもお呼びください」


「うん、よろしくね。いってらっしゃい」


 リムを抱っこして2人が部屋から出て行く。なんかストロングホールド号って落ち着くな。キャッスル号だと、部屋に居る事がもったいないと感じて、基本的にどこかに行ってたからな。楽しいから良いんだけど、偶にはダラケル時間も大切だよね。


 ベットにだらしなく寝ころびながらキャッスル号での生活を振り返る。


 プールではフローライダーに挑戦したな。水が勢いよく流れその上でサーフィンをする施設だ。サーフィンをやった事が無い僕はあっさり転び、後方に流された。リムも一緒に流されているが、楽しそうな思念が送られてくるので問題無いのだろう。


 ボディボードで再挑戦するも、僅かな時間で流される……レベルアップの効果はどうなっているんだ? 今の状態でこれなら、日本に居た時にサーフィンに手を出していたらどうなっていたんだろう。


 女性陣も挑戦した。何度か転んで流されるが、楽しそうに再挑戦して、数度でコツを掴む。この違いは何なんだろうな? 実戦経験の差かな? 命の危機で磨かれたバランス感覚は凄いのかもしれない。


 子供でも挑戦できる、フローライダーを乗りこなせない僕が運動音痴などではないと信じたい。


 フローライダーを気に入ったのはマリーナさんとフェリシアだ。特にマリーナさんはふうちゃんを頭に乗せ、様々な技を繰り出している。


 リムも対抗意識を燃やしたのか、フェリシアの頭の上で一緒にフローライダーを楽しんでいた。最初は僕の上で一緒に転がって流されていたが、上達しない僕に見切りをつけてフェリシアの上で遊んでいる。


 ……リム、清々しいほどに見切りが早いよ。僕の心に大ダメージだよ。フローライダーが終わると、僕の頭の上に戻って来てくれるけど、フェリシアの番になると離れていく。リムって小悪魔的な何かなのかな? 弄ばれている気がする。


 ちなみにフローライダーの光景はバッチリとビデオカメラに収めた。何度も貴重な光景を取り逃すのは駄目だよね。




 ジップライン


 これも楽しかったな。怖いのは怖いんだけど、人工物での遊具でなら楽しめた。都合のいい高所恐怖症だよね。龍の鱗を見つけた洞窟でのロープ登りは足がガクガクだったんだけどね。


 これは全員が気に入って、何度も楽しんでいた。僕は初めて乗る時に緊張して、頭の上にリムが居る事を忘れていた。頭の上でポヨンと跳ねて面白いと伝えられた思念に焦ってしまった。


 リムにはハーネスがついていないから、落ちたらボードウォークまで真っ逆さまだ。9階層分の高さから落ちたら、いくらリムでも危険だっただろう。ジップラインよりもゾッとした。注意しないとな。




 ロッククライミング (ボルダリング)


 これは何と言うか、楽しみと言うより訓練といった感じで利用されるようになった。オーバーハングって言うのかな? ちょっと反り返った場所が人気だ。僕も簡単なコースなら問題無く登れた。


 何と言うか僕には向かないスポーツだった。基本的にアクティブな性格ではないので、疲れて怖い感じで微妙に足が遠のく。女性陣は結構気に入ってるのかスルスルと壁を登りながら移動している。


 リムとふうちゃんは普通に壁をもっちもっちしながら登っていく。……壁を直接登って行くのはロッククライミングって言うのか? 


 本来のロッククライミングなら正しい気もするけど、ボルダリングだと違う気がする。




 ミニゴルフ


 所々に配置されている銅像が微妙に不気味だけど、パターでゴルフボールを打ちながら進む。これはドロテアさんが上手だ。


 落ち着いた雰囲気でプレイを進め、絶妙な力加減でパットを沈める。カップにボールが入ると嬉しいのか優しい微笑みを浮かべる。なんだろう褐色な肌の巨乳美女の優しい微笑み。美しいです。


 ミニゴルフが苦手なのはアレシアさんとカーラさんだ。両者共に細かい力加減が苦手なのかカップをオーバーしてしまう。


 アレシアさんは性格的に向いてないのか、ボールがハズレる度に熱くなっている。カジノでの負け方といい、リーダーとして大丈夫なのか心配になる。まあ、人望はあるから大丈夫か?


 対照的にカーラさんはボールがハズレても楽しそうに笑いながらコースを回っている。楽しめるのが一番だから問題無いよね?  


 リムとふうちゃんはボールに興味を示さず、様々な銅像に近寄り登ったり下りたりと遊んでいる。




 ティーン用ディスコ


 ティーンじゃないけど入ってみた。施設を稼働させると、様々な光が飛び交う空間が生まれた。音楽も流れていたが、バンド演奏をする場所があったので、サポラビを召喚してみる。


 サポラビ用にカスタマイズされたのか、小さめの楽器を持ったサポラビが召喚される。ギターを持ったサポラビ。ベースを持ったサポラビ。キーボードに座るサポラビ。ドラムに座るサポラビ。マイクを持つサポラビ。


 バックミュージックが消え、サポラビ達の演奏が始まった。爆音を響かせどこかで聞いた事のある洋楽がかき鳴らされる。……サポラビの手でどうしてあんなに速くギターが弾けるんだ?


 マイクを持ったサポラビが歌い出す……普通に上手いな。ディスコでの最低限の演奏や歌がこのレベルなのか? 驚きだな。


 女性陣は喜んでいるが、一つ重大な問題がある。……僕はディスコに行った事が無い。だから踊り方が分からない。女性陣はこの世界の人間だからディスコの事を知らない。どうしようもないな。


 結局、サポラビのライブを皆で聞いてディスコを後にした。ディスコか……一度ぐらい日本で行っておけば良かったな。でもディスコって周りに無いんだよな。クラブはあるみたいだけど行った事無い。ディスコとクラブは同じなのかな?




 ソラリウム&展望ジャグジー


 此処は最高でした。夜、ガラス張りの室内ジャグジーに浸かりながら、満天の星を眺める。昼間に太陽光を浴びながらビーチチェアに寝っ転がるのも良いけど、僕は夜の方が好きだな。


 少し不気味な雰囲気があるけど、淡く光るジャグジーとブラックライトが何となく神秘的な雰囲気だ。ジャグジーに浸かりながらバーで買って来たカクテルを飲む。


 僕がオーナーだから問題無いけど、普通なら怒られるんだろうな。でもお酒が入ると女性陣が喜んでくれるから止められない。


 お酒が入ると、スキンシップが増えるからな。酔いが回って、何故かクラレッタさんにナデナデされたりしたし。僕にとって良い事が沢山あるから、飲み過ぎは駄目だという約束も忘れたふりをしてしまうのも、しょうがないと思います。




 あー、そう言えばクラレッタさんが暴走三連発したな。


 クラレッタさんの暴走。一発目。図書室。


 文字がどうなっているのか分からないが、テレビのメニューも異世界仕様になっていたので、全員で図書室に来てみた。


 図書室の本は創造神様のサービスか、この世界の文字になっていた。本に興味を持ったのはドロテアさん、マリーナさん、イルマさん、クラレッタさん、フェリシアで、他のメンバーは軽く本を読んだ後に自由行動になった。


 本に興味を持ったメンバーもクラレッタさん以外は時間が経つと部屋に戻ったが、クラレッタさんは料理本を読み続けて顔を上げない。もう遅くなったので声を掛けてみると。


「ワタルさん、凄いです。こんなに料理があるんですね。まったく知らない調理方法も料理も沢山です。こっちはデザートが沢山ですよ」


 ランランとした目で言って来たクラレッタさん、怖かったです。図書館に籠らせるのは危険な気がしたので説得して、自由時間のみ図書室に入る様に約束した。


 昼間は僕達と行動を共にして睡眠時間を削りだしたので、23時以降は図書室を閉鎖する事にした。まあ暴走と言うには弱いかな?




 クラレッタさんの暴走。二発目。キッズアベニュー工作室。


 キッズアベニューにはゲームコーナーもあるけど、僕以外はあまり利用しないから、リムとふうちゃんが遊具で遊ぶぐらいだと思っていた。軽く見て回るつもりで進むと工作室で状況が変わった。


 創造神様のいたずらか、ただの偶然か、ぬいぐるみ作りの教室が開かれていた。開かれていたと言っても道具や材料、紙型、ぬいぐるみ作成の教本が並べられているだけなんだけど……教本をパラパラと見たクラレッタさんの中で劇的な反応が起こったようだ。


 この瞬間から、クラレッタさんの中で、ぬいぐるみはユー〇ォーキャッチャーで取る物から、作る物に変わった。図書室の件があったので早めに釘を刺したが、裁縫は部屋でも出来るので寝不足になり出した。


 しょうがないので24時以降は裁縫禁止にした。僕が管理する事ではないとも思うが、優しく笑っていたクラレッタさんの瞳がランランと光るとこちらの心に悪い。




 クラレッタさんの暴走。三発目。チャペル。


 船内の探索で、チャペルに立ち寄ると。中はパレルモの大聖堂にあった神様達の神像に変わっていた。……これは確実に創造神様の仕業だな。


 確か創造神様自らが下げ渡した神像は、その場所を聖域にするんだったよな。もしかしてこの場所を聖域にしちゃったのかな?


 どうなんだろう? ただ神様達の神像を持って来ただけかな? 聖域を作るとか下界に干渉しまくりだよね? 光の神様に怒られそうだから違うかもね。


「ワタルさん。凄いです。パレルモの大聖堂のような神聖な雰囲気を感じます。素晴らしい教会ですね」


 目の前には使命感に燃えるクラレッタさんが居る。


「ワタルさん、この教会の管理を私に任せて頂けませんか?」


「ええ、構いませんけど、最近クラレッタさんは忙しいですよね? 大丈夫ですか?」


「大丈夫です。問題ありません」


 力こぶをつくるポーズでアピールしてくるクラレッタさん。やる気が漲っているな。……結局この教会は聖域なのかな? お祈りしてみるか。聖域なら創造神様が説明してくれるだろう。


 お祈りしてみるが呼び出される事も無く終わった。聖域じゃないみたいだな。創造神様が忙しい可能性もあるから確定は出来ないけど。またお祈りに来よう。


 そこからクラレッタさんの熱心な行動が始まった。朝早く起きて教会内と教会周りを掃除して、僕にはよく分からない神官としての何かをしているようだ。


 僕が念じればすべてが綺麗になるので掃除の必要は無いと言ったのだが、修行の一環ですと言って掃除を続けるクラレッタさん。


 朝の内に全部を済ませてしまうので、問題無いように見えるが、熱心過ぎて心配になる。この教会がよっぽど気に入ったようだ。 


 冒険者だからなかなか教会に来る時間が取れないのかもな。暫くすれば落ち着くかな?


 この1ヶ月で一番充実した生活をしていたのはクラレッタさんだろうな。教会の管理、僕達との船の探索と自由時間には料理本とぬいぐるみの教本を読み。その後は実践で料理やぬいぐるみを作っている。


 見ているだけで過労とか大丈夫か心配になる。まあ高レベルで体力もあるし、教会の管理以外は趣味だから大丈夫だろう。睡眠時間は減っているはずなのに元気いっぱいだからな。


 


 考えてみると、豪華客船、特にこのキャッスル号は凄いよな。結構長く振り返った気がしてたけど、施設を半分も思い出せていない気がする。

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] クルーズ船が好きで、(日本人としては)たまに乗るので楽しく読ませてもらっています。 [気になる点] 題名になっているのでこれからメインストーリーかと思っていたのですが、豪華客船の各部を無理…
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