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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第七章
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19話 水着の誘導とショー

沢山の感想、誤字脱字報告、アドバイス、ありがとうございます。返信出来ず申し訳ありません。


キャッスル号にス〇バがあると勘違いしていましたので、修正しました。アリュールの方だけでした。


それと、船内で水着を売っているお店が調べられなかったので、水着のお店は想像です。

「ワタルさん、今日はどうするの?」


 メインダイニングで朝食を済ませて、ゆっくりお茶を飲んでいるとアレシアさんが聞いてきた。


 うーん、昨日は楽しみにしていた日本食が予想と違って、何気にショックが大きかったからな。今日は体を動かして気分を変えよう。


 ビデオカメラも買ったし、プールかな? ブラの可能性に気付かれそうだけど、女性陣とのプールを諦めるのも悲しい。……水に入るための専用の服って事で押し通そう。


「そうですね。今日は体を動かしたいのでプールで水遊びしませんか?」


「プール? 水遊びって何をするの?」


 ……水遊びをしないのか? ああ、そう言えば魔物がいるよね。川や海で泳いで遊ぶ事が無いんだ。もしかして泳げないのか?


「あの、皆さんって泳げますか?」


 きょとんとした顔でこちらを見る女性陣。


「私達は泳いだこと自体無いわ。泳ぎは漁師や船乗り、海軍がもしもの時のために覚えるぐらいね」


 ……操船大好き組は、泳げもしないのに船で爆走してたのか? 


「冒険の時に川とか海で泳ぐ機会は無かったんですか?」


「冒険中に水にぬれると大変だから。水場を専門にしている人達が探索しているわ」


 あー、確かにぬれたら大変だよね。魔物が居る場所で服も脱げないし……そう言えば龍の鱗を手に入れた洞窟も、殆ど手付かずだったよな。


 向かい風に逆らえば辿り着ける場所だったのに。価値がある薬草の群生地も、何百億の龍の鱗も水に阻まれていたのか。船があればまだまだお宝が発見できそうだな。……胡椒が売れなくなったら考えよう。


「そうなんですか。……まあ、なんて言えば良いのか、キャッスル号にはお風呂を何倍も大きくしたような場所があって、そこで遊ぶ事ができるんです。泳げないなら、まずは子供用のプールで遊んでみますか?」


 子供用なら溺れないだろうし、水の掛け合いっこみたいな遊びでも楽しめるだろう。


「子供用の場所で遊ぶの? 少し恥ずかしいわね」


「アレシアさん、僕達しかいない場所ですから、恥ずかしくはないですよ」


 子供達がワ―キャー言ってる場所に混じるわけじゃないんだし問題無いだろう。


「……ここって、ワタルさんの船の中だったわね。分かってはいたんだけど、異国の町に居る気になっちゃうわ」


 異国と言うより異世界の町なんだけどね。僕もキャッスル号に居ると、外国に居る気分になる。取り敢えずプールで遊んでみる事になったので、水着を買いに行く。


「ワタルさん、布がほとんどないわよ?」


「これは水で遊ぶ時の専用の服なんです。布地が多いと水の中で大変なんですよ」


 できればTで後ろな感じの水着を選んでほしいけど、この感じなら難しそうだな。イネス、フェリシアに命令するか? ……うーん、でもなー、尻尾もあるし、ビキニがギリギリだな。


 マイクロビキニとまでは言わないから、せめて普通のビキニに誘導したい。ワンピースタイプも嫌いじゃないんだけど、僕は布面積が少ない方が好きだ。


 あっ、……尻尾の所に穴を開けないと駄目なんだ。僕は裁縫できない。あれ? 今日はプールは無理っぽいな。


「そうなの? こっちの布が多いのはどうなの?」 


「布地が多いのはお勧めできませんね。こっちのタイプの方が泳ぎやすいです」


 僕の好みの問題で勧められないだけなんだけど。異世界人って僕しかいないよね? このぐらいのウソならバレないはずだ。


「そうなの?」


「ええ、それで今気がついたんですけど、ここに後ろに尻尾用の穴が開いている水着が無いんですよね。穴を開けて、裁縫しないと使えないんです。今日はプールは無理でした」


「そう言えば、穴の開いている水着が無いわね……クラレッタなら裁縫はできるわよね?」


「ええ、尻尾の穴は加工し慣れていますから、今日中にできますよ。イネスさんの水着も任せてください」


 アレシアさんの言葉にクラレッタさんが自信をもって引き受けてくれた。イネスの分まで引き受けてくれたので、助かるな。なんとかワンピース、タンキニ等を阻止してビキニの誘導に成功した。


 プールは明日にして……今日はどうしようか……アイススケートに変更しよう。ジップラインやロッククライミングはプールの時にまとめて遊ぼう。


「じゃあ、水着はクラレッタさんにお願いします。プールは明日に延期しましょう。今日はアイススケートにしましょう」


「スケート? なんなの?」


「氷の上を特殊な靴で滑って遊ぶ事ですね」


「氷? 寒くなる所では水が凍るって聞いた事があるけど、この船にもそんな場所があるの?」


 そう言えば冬になった事が無い……ずーっと暖かいままだ。変化があまりにも無いから全然気にしてなかったけど。寒くなる所があるそうだから季節はあるんだよな? それともその場所はずーっと冬だったりして。創造神様に聞いたら答えてもらえるかな?


 とりあえず、水着を購入して、あとは靴下を買ってスケートリンクに向かおう。


 意外と小さいリンクだな……まあ、船の中にスケートリンクがあるだけで凄いよね。


「凄いわ、ワタルさん。あんなに大きく氷が張ってあるのね。あそこで遊ぶの?」


 僕の印象では小さなスケートリンクだけど、女性陣から見ると違うみたいだ。


「ええ、アレシアさん、そうですよ」


 ここで靴が借りれるのかな? 取り敢えずカウンターで言ってみるか。


「27cmのスケート靴をお願いします」


 シュンとスケート靴が現れる。


「ワタルさん。この靴、武器なの? なんだか不便そうだけど」


 アレシアさんの言いたい事もよく分かる。知らなかったら、靴の底に刃物を付けてるようにしか見えないからな。


「武器じゃないですよ。歩きにくいですが、氷の上だと滑りやすいんです。靴を履いて説明しますね」


「分かったわ。それでどうやって靴を借りるの?」


「アレシアさんの靴のサイズはいくつですか?」


「……サイズ?」


「足の大きさです」


「うーん、履いてみて合う靴を買ってたから、サイズとか分からないわ」


 ……そう言えばそうだよね。僕もそうだった。キャッスル号に乗ってから、細かい感覚が日本に居た時に戻っているな。


 僕の靴と比べて、大体の大きさを確認して靴をレンタルする。


 スケートリンクの出入り口付近で靴を履き替える。立ち上がると女性陣は動き辛そうにプルプルしている。


 レベルが高くても、始めはそうなるよね。コツを掴んだら早そうだけどね。


「まずは氷の上に立つ練習からですね」


「……結構怖いわね」


 プルプルして微妙に腰が引けている女性陣。歩き方を教えてゆっくり氷の上に立つ。手すりに掴まりながら足をハの字に開いて歩く練習をする。


 微かに漏れる小さな悲鳴が色っぽい。でも女性陣は、なんだかんだと言いながら、運動神経が良いので転ばない。僕がスケートを始めた時は転びまくったからちょっとだけ悔しい。


 手すりから手を放しても安定した立ち姿、歩くのも問題無い。上達が早いな。


「歩くのも大体覚えたので、次は滑りますね。お手本を見せますから、見ていてください」


 スケートは何度か遊びに行っていたから密かに自信がある。女性陣の前で軽やかにとまではいかないが、スムーズな滑りを見せる。ジャンプはできないが、カッコよく見えてるかな?


「あら、そんな風に滑れるのね。やっとこの靴の意味が解ったわ」


 アレシアさんがそう言って後ろ足を蹴るとスッっと前に進む。……なんとなくこうなる気がしていた。大丈夫、女性陣の運動神経は織り込み済みだ。


「ふふ、滑れたわ」


 楽しそうに笑うアレシアさん。ぎこちなさは残るが、問題無く氷上を滑っていく。アレシアさんの後に続いて他の女性陣も滑り出す。


「不思議な感覚ね」


 少し不思議そうに、安定した滑りを見せるドロテアさん。 


「面白いわ」


 素早く滑るマリーナさん。


「うふふ、ワタルさん、スケートって楽しいわね」


 滑る姿が色っぽいイルマさん。


「たのしい」


 なめらかに滑るカーラさん。眩しい笑顔だ。


「ちょっと怖いですね」


 少し腰が引けているが、堅実に滑るクラレッタさん。


「面白いわ。見ていてご主人様。私が勝つわ」


 何故かアレシアさんと競争しだしているイネス。


「ご主人様、面白いです」


 ニコニコとマイペースで滑るフェリシア。


 滑り方にも性格が出ている気がするな。この上達速度、予想通りだな。ここからバック走を教えて、ジャンプに挑戦してもらおう。ジャンプのやり方は全く分からないけど彼女達なら、なんとかできる気がする。後は余すことなく録画するだけだ。


 情けない予定をたてていると、予想外の出来事が起こった。僕の頭の上に居たリムがポヨンっと氷上に飛びおりた。


「リム! 大丈夫? 冷たいよ」


 スライムって凍ったりしないよね? 大丈夫なの?


『つめたい、へいき』


 冷たいのは平気らしい。僕の目の前でリムはポヨンっと体を動かすが、殆ど進まない。もしかして前に進もうとして失敗しているのかな? 今度はモッチモッチと体を動かす……ほんの少しだけ進んでいるな。


『わたる、すーって……だめ……』


 動けない事にショックを受けて、悲しそうな思念が飛んでくる。慰めようと近づくと何故かふうちゃんが突撃してきて、リムを弾き飛ばす。


『すー』


 よく分からない思念と共に楽しそうに弾き飛ばされるリム。


「ふうちゃん、どうしたの?」


 ふうちゃんに話しかけると。


『……かぜ……』っと言って強風に飛ばされながらリムを追いかけていった。まるでピンボールみたいだな。……ビリヤードの方がしっくりくるかな?


「マリーナさん、ふうちゃんが凄い勢いで滑ってきたんですけど……」


 近くに滑ってきたマリーナさんに話しかけると、どうやらふうちゃんは自力で風魔法を使い氷上を移動できるようになったようだ。素晴らしいセンスだな。


 リムが覚えている魔法では推進力になりそうな魔法は無いな。でもふうちゃんに弾き飛ばしてもらった反動を利用して、壁にぶつかる時に強く跳ね返りながらスケートリンク内を縦横無尽に移動している。


 ピンボールでもビリヤードでもなくエアホッケーだな。……スライムって霜焼けしたりしないよね?


 暫く滑って満足したのか、僕に向かって滑ってきて、体を登り、定位置の頭の上に陣取った。リムの体は冷たく、微妙に固くなっている気がする。


「リム、寒くないの? 冷たくなってるよ?」


 頭の上からリムを下ろし、抱きしめながら温める。


『へいき』


 ……大丈夫か? スライムを診察してくれるお医者さんなんて知らないからな、少し不安だ。マリーナさんを見ると、戻ってきたふうちゃんを抱きしめながら温めている。考える事は同じだな。


 バックを教えると女性陣は直ぐにマスターする。ジャンプは僕がやり方を知らないから、苦戦している。うーん、スケートの本とか図書室にあるかな? あっ、良い方法を思いついちゃった。撮影した後に試してみよう。


 楽しそうに滑っている、女性陣を購入したビデオカメラで録画する。ジャンプに挑戦すると、結構転んだりする。


 僕が録画しているのは理解しているので、カメラの前でジャンプに挑戦してくれたり、満面の笑みでカメラ目線をくれたりサービスが良い。そして美女だ。……ちょっとしたハプニングっぽい動画も撮れたし満足だな。


 そろそろ思いついた事を試してみよう。


「皆さん、ちょっと良いですか?」


 僕の声に女性陣が集まってくる。


「どうしたの?」


 アレシアさんが代表して声を聞いてきた。


「さっき思いついたんですがスタッフ任命で、アイススケートのショーができると思うのですが、試してもらって構いませんか?」


「ふふ、スタッフ任命ね。面白そう、ぜひお願いするわ」


 みんな乗り気だ。良い物が見れそうだな。全員をアイスショーのスタッフに任命する。


「あら、こんな事もできるのね。ワタルさんお願いしても良い?」


「ええ、なんでしょうか?」


 アイスショーの知識を得た女性陣によると、音楽と照明が必要らしい。サポラビを召喚して、配置する。女性陣は体を慣らすように滑っている……格段に上手になってるな。


 任命された仕事が熟せるようになるって、どんな感覚なんだろう? 今度試してみるか。慣らしも終わったようで、合図と共に女性陣のショーが始まった。


 ……様々な技を駆使して滑る巨乳美女。……素晴らしい。素晴らしいんだけど、服装の違和感が凄い。照明も音楽も、滑りも、本番だったのに、服装がラフな格好なので、練習風景に見える。……恰好って大事なんだな。


「ふー、ワタルさん、どうだった?」


「アレシアさん、素晴らしかったですよ。ただ服装がショーに合っていなかったのが残念でした。次の機会は衣装も考えてみましょう」


「そう言えばそうね。そこまで気が回らなかったわね。でも楽しかったわ。劇団の人の気持ちも少し分かった気がするわ」


 劇団? 見た事無いけど、王都にでも行けば見られるのかな? 見に行ってるのは貴族とかお金持ちが多そうだな。


「後で、録画したビデオを見ましょうか。結構楽しいと思いますよ」


「ワタルさん、お腹空いた」


 カーラさんの言葉で時間を確認すると15時を過ぎていた。スケートに夢中になり過ぎたらしい。遅い昼食を食べに行こう。

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

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