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めざせ豪華客船!!  作者: たむたむ
第六章
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20話 閑話 創造神の罰と謝るギルドマスター

沢山の感想、アドバイスを頂き、ありがとうございます。時間が取れず、申し訳ないのですが活動報告で質問に答えさせて頂きました。返信ができず本当に申し訳ありません。

「うーん……航君、結局船を召喚しただけで終わったね……」


「何かご不満ですか? 王子の土下座、帝国海軍をほぼ全滅、兵士の輸送、動いたのは周りとは言え創造神様の望み通り船召喚の有効性は証明できたと思いますが」


「……そうだけど、航君、結局ルッカの中にすら入らなかったよ。船から降りたのはルッカに着いた時と、食料を仕入れた時だけ。帝国に兵士を運んだ時なんて、操舵室から出なくて食っちゃ寝してたよ……光の神はどう思う?」


「……それは、航さんの決める事です。前回、創造神様がお話した事で随分干渉しています。これ以上は駄目ですよ」


「うーん、まあそうだよね。でもなんだか物足りないんだよね」


「創造神様。航さんに送ったメッセージを忘れていませんか? 目立たないようにと釘を刺したのは創造神様ですよ」


「……分かってるよ。まあ暫くは様子を見るよ。戦神達も静かになったし問題無いよね」


「静かになったのではなく、創造神様がギリギリまで痛めつけた上に回復を阻害しているから動けないだけです。いい加減にしてほしいんですが」


「んー、でも創造神に対する反乱だよ。消滅させてないだけ優しいでしょ?」


「自分のミスを棚に上げて、土下座を強要したんです。反乱と言うより自己防衛だと思います」


「そう? なんか僕に向かって来る時、戦神は殺気全開だったし、魔神は笑顔だったよ?」


「気持ちは分かります」


「……えーっと、僕が怒る気持ちが分かるって事だよね?」


「どうでしょう?」


「光の神はどっちの味方なのさ!」


「心情的には戦神達の味方ですね。ですが義務的に創造神様に従っています」


「……結局は僕の味方って事だよね?」


「義務的に従っています」


「…………」


「義務的に従っています」


「そ、そう言えば、航君ってダークエルフの島でお祭りをしたのに、僕の事を祭るんじゃなくて森の女神を祭るなんておかしいよね。どう思う?」


「ダークエルフの島なんですから、信仰されている森の女神が祭られるのは当然だと思います」


「んー、そうかな? 航君が関わっているんだから、僕を祭るべきだと思うんだけど。……僕の神殿を建てるように神託を出していい?」


「駄目です。分かっていて聞いてますよね」


「分かってるけど、僕の神殿なら良い気がしない? 神像も僕が用意するからさ」


「気軽に聖域を作ろうとしないでください。絶対に駄目です」


「……なんかつまらないなー。戦神達のお見舞いに行こうか?」


「創造神様は戦神達の回復を阻害してるんですよ。何のために行くんですか?」


「ごめんなさいしたら許してあげようかと思って」


「そんな事を言っているから、戦神達からの信頼が無くなるんです。戦神達が謝る事もあり得ません」


「そうかな? じゃあ行くのを止めておこうか」


「行くのだけではなくて、回復の阻害も止めてください」


「まだこのままだね。お仕置きだもん、反省させないとね」


「いい加減にしないと、治癒の神にも怒られますよ。創造神様のせいで、余計な手間が掛かってるんですから」


「うーん、でもまだ駄目」


「……はぁ、もう何も言いませんが、限界は見極めてくださいね」


「うん、大丈夫だよ。なんたって創造神だからね」


「分かりました。では創造神様、お仕事を再開しますよ」


「……うん」


 ………………


「戦神、魔神、大丈夫ですか」


「おお、光の神か。相変わらず回復もしねえし、痛みも治まらねえな」


「私もだ。不愉快でしょうがないが、私達の力では創造神の嫌がらせに対抗出来ん」


「やはりそうですか。創造神様もお仕置きだからと言って、回復の阻害をまだ続けるそうです。ごめんなさいしたら許してくれるそうですが、どうします?」


「言わねえでも分かるだろう」


「愚問だな。創造神に謝るぐらいなら消滅を選ぶ」


「……分かってはいるんですが。私としては創造神様ともう少し友好的に付き合って欲しいのですが」


「無理だ」


「不可能だ」


「はぁ、どうしてここまで拗れたんでしょうね?」


「まあ、色々な出来事の積み重ねだろうな。私も戦神も無意味な事で何度も迷惑を被ったからな」


「おう、毎回殺してやると思うからな」


「……戦神と魔神の気持ちが分かるのが、困るんですよね。ん? 誰か来ましたね」


「あっ、光の神もお見舞いに来てたんだ。戦神も魔神も全然良くなってないでしょ。僕の言う事を無視した罰だよね」


「娯楽神でしたか。あなたの言う事を無視した罰ではなく、創造神様の罰なんですけどね」


「あはは、創造神様の罰だって、戦神、魔神、どう思うの?」


「腸が煮えくり返りそうだな」


「創造神からの罰など受けるいわれは無いな」


「戦神と魔神も意地っ張りだよね。治癒の神も困ってたよ。回復もしてないのに、お酒を飲みたがったり、本を読みたがったり、ワガママを言うって。光の神からも注意してよ」


「お酒に読書ですか。ボロボロなのに無理を言ってはいけませんよ」


「だがな、創造神にやられて気分が悪いんだ。酒ぐらい飲まねえとやってられねえよ」


「私も本ぐらい読まねば退屈だ」


「あなた達、ワガママを言ってると創造神様と変わりませんよ」


「そりゃあ言い過ぎだろう」


「光の神、それは酷い侮辱だ」


「そうでしょうか? ワガママなのは変わりませんよ?」


「……しょうがねえな。大人しく寝ておくか。なあ魔神」


「そうだな」


「戦神と魔神も創造神様と一緒は嫌だよね。戦神と魔神はお休みするから。光の神、僕とお話しようよ」


「ふふ、そうですね。ゆっくりお話ししましょうか」


「うん」



 ~バルレッタの冒険者ギルドのマスター視点~


 どうすっかなー、ブレシア王国の戦争に首を突っ込むのも不味いんだよな。でも故郷の防衛戦か……当分帰って来ないよな。


 なんかルッカの港が解放されたって噂もあるが、帝国陸軍はルッカを囲んでいるらしいから戦争は終わってないだろう。しかしブレシア王国、パレルモから一番遠い国だよな。ツイてないな。


 ……行くしかないか。しかし俺もある程度顔が売れてるからな、バレると面倒な事になる。戦争中のルッカに行っても、馬鹿正直にギルドマスターとか言えねえし……プライベートで押し通すか? 戦争中の町に他国のギルドマスターがプライベートで訪れる……無理がある気がする。


 取り敢えずブレシア王国の隣のテッサロニキ王国に行くか。情報も入りやすいだろうしな。南方都市から港町オーフスに帆船で向かう。魔導船で行きたかったが、オーフスに向かう魔導船が見つからなかった……最近ツイてないな。


 退屈な船旅に耐え、オーフスの港町に着くと、ブレシア王国の第2王子が民衆と敵軍が見守る中土下座をしたとか、王太子が反抗作戦の為に帝国に乗りこんだなどの噂が飛び交っていた。


 何がどうなれば第2王子が土下座する事になるんだ? 王太子が帝国に出撃する意味も分からん。質の悪い噂が流れているな……もしかしてルッカが落ちたのか? 不味いなジラソーレは無事なのか?


 情報を集めると、驚いた事に噂は事実らしい。しかも帝国軍の仕業ではなく、ジラソーレが連れて来た魔導士が第2王子を追い詰め土下座させたらしい。意味が解らんな。


 しかもその魔導士はルッカの港町をあっさり解放して、このオーフスにもジラソーレと一緒に巨大な船で食料を仕入れにやって来たらしい。もう一度やって来る可能性はあるのか?


 ……ここにまた食料を仕入れに来るのなら待つべきだろう。しかし港が解放されているのならわざわざ魔導士が再び食料の輸入に来るとも思えない。


 更に情報を集めると嫌な情報を手に入れた。数日前に帝国を攻める為の獣王国の援軍がオーフスの港から出航したそうだ。その獣王国の兵士を魔導士が巨大な船で帝国に運ぶらしい……


 ジラソーレが連れて来た魔導士が帝国に行く。ジラソーレは付いて行くのか? ……いや故郷を防衛するために故郷に戻ったんだ。ルッカからは離れないはずだ。


 ……でも早めにルッカに向かおう、プライベートで押し通すしかないな、もっとよさげな理由がありそうだが頭を使うのは苦手だ。


 ギルドでルッカに向かう船を紹介してもらう。今回も魔導船に乗る事が出来なかったので帆船で向かう。本当にツイてないな。


 祈る思いでルッカに到着すると、港に噂で聞いていた巨大な船の姿が無い。ジラソーレが残っている事を信じて、身分証を提示して都市の中に入る。


 門番が驚いていたが構ってられない。内密にと告げて冒険者ギルドに向かう。内密にと言ってもどうせこの街の領主には報告が行くだろうな……面倒だ。


 ルッカのギルドマスターに挨拶をしてジラソーレの情報を貰う。……巨大な船にのって魔導士について行ったそうだ……故郷を守りに戻って来たんだろうが、故郷にいろよ。


 いつ帰って来るのかを聞いたら、帝国までは帆船に合わせて進むそうで時間が掛かるだろうとの事だ。しかもそこから帝国との戦争に関わる可能性が高いらしい。……詰んだか?


 何処に居ようと追いかけて詫びを入れて来るって宣言したが、他国に戦争行った軍隊を追いかけるのはありなのか?


 ……確かに重要な利権だがこれだけ時間を掛けてしまって旨みは残っているのか? 貴重な薬草の群生地だ、慎重に保護するだろう。新たな稼ぎ場所が増えるんだ、諦める訳には行かんな。


 追いかける事に決めた。ルッカのギルドマスターに訳を話し、帝国に向かう船を紹介してもらう事にした。


 ……無理だった。当たり前だよな。戦場に商船は行かない、なら冒険者の護衛は無い。軍船は行くだろうが戦争に参加する訳でもない、他国の人間を連れて行ってくれるわけもない。


 あとは、諦めて戻るか、諦めずにここで待つか。諦める訳にはいかないんだ、返って来るまでひたすら待つか。


 バルレッタに手紙を送り、更に時間が掛かる事を伝える。ここまで時間が掛かるとは思わなかったな。


 1ヶ月程待ち続けた。その間に魔導士の情報を集めるが、殆ど分からず、男か女かすら確定していないそうだ。ジラソーレは、この都市で大人気になっている。つくづく面倒な相手に喧嘩を売ったものだ。


 帝国軍に囲まれているが、増援の軍が次々と到着し、防衛兵力も増え、都市が活気づいて行く。


 そんな中、ついに巨大な船が港に姿を現した。なんだあの船は? 想像以上だ、魔導士はどれ程の力を持っているんだ? さっそく船に乗り、巨大な船に近づく。ルッカからも船が出され、巨大な船から負傷者が運び出されている。


 ジラソーレのリーダー、アレシアを見つけ声を掛ける。俺だと分かったら目つきが一気に冷たくなった……許しを請わないといけないんだが、許されるのか? かなり不安になって来た。なんとか夜に冒険者ギルドで会う約束を取り付け港に戻る。


 冒険者ギルドで部屋を借り、やって来たジラソーレに思いつく限りの言葉で謝る……思った以上に簡単に許しを貰えた。


 まあ、俺の事を許したと言うより、俺のせいで冒険者に仕事が回らない事を気にしていたようだが……まあ許して貰えたことに変わりはない。


 図々しいが、俺を許した事を書面にして貰い別れる。これで枢機卿と商業ギルドのマスターにこの書面を見せれば、ある程度の仕事は回って来るだろう。


 最初にジラソーレが報告に来た時に、素直に話を聞いていれば、冒険者ギルドの利益は更に増えていたと思うと痛恨の極みだが、過ぎた事よりこれからの事を考えよう。バルレッタに戻ってからもやる事は沢山あるんだ。


 半年近くもギルドマスターが留守にしていたんだ仕事も溜まっているだろう……ムカついてたから、嫌な態度を取った事がこんな事になるとはな……


 戻ってからも、ギルドに迷惑を掛けた責任は取らねばならんし、喧嘩を売った相手が悪かったな。まあ、会えずに終わる事も、許しを貰えない事もなかったんだ、これから頑張って盛り返そう。

誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。

読んで頂いてありがとうございます。

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