10話 ダークエルフの島での1ヶ月と南方都市への帰還
感想は読ませて頂いていますが、返信するより、頂く感想の方が多く返信が遅れてしまっていて申し訳ありません。
感想で教えて頂いたのですがジェ〇ガも伏字にしておこうと思います。少し時間が掛かりますがコツコツ修正していきます。
朝か……朝? 窓から射してくる光に冷静になり、落ち着いて目の前を見るとフェリシアが微笑んでいる。
「ご、ごめん、大丈夫?」
「ええ、大丈夫ですよ」
いかん……欲望を全部ぶちまけてしまった。もう一回、あともう一回って……体力が尽きない物だから、調子に乗ってしまった。
僕が気を使わなきゃいけないはずなんだけど、完全にしょうがない子供を見る母親のような目で見られてる気がする。は、恥ずかしい。
「と、とりあえず、お風呂に入ろうか」
ハイダウェイ号が綺麗になるように念じて、お風呂にお湯を張る。
「はい」
「フェリシア、本当にごめんね。大丈夫?」
「ご主人様、本当に大丈夫ですので、気にしないでくださいね」
「う、うん」
なんかこう、ねえ、全力でさかっちゃった手前、どうにも気まずいよね。朝、目が覚めて、ああ、僕、フェリシアとしたんだ……とかなんかそういう、嬉し恥ずかしな的なイベントをぶっ飛ばして、朝までって……
「あっ、ご主人様、ルト号が戻って来ましたよ」
「えっ、ああ、本当だ。戻って来たね。出迎えに行くのは諦めて、此処まで来て貰おうか」
「はい」
「おはようございます、ご主人様。楽しかった?」
「う、うん」
「そう、私も入っていい?」
「うん、もちろん」
「ふふ、ありがとう」
飛び込んで来たリムを抱きしめながら、服を脱ぐイネスに目を奪われる。あれだけ出したのに、まだ興奮するんだな……レベルアップって性欲も強化されるの? それとも天然で性欲が強いの? 日本に居た時はここまででもなかったはずなんだけど。
「ねえ、ご主人様、目が真っ赤よ……もしかして徹夜なの?」
「……うん」
「うふふ、もう聞かないわね。ごめんなさい」
「うん、聞かない方向でお願いね。そろそろ、上がって、村に戻ろうか、島に着いたら少し仮眠を取ろう」
「「はい」」
ダークエルフの島に戻り、ルト号でお昼ごろまで仮眠を取る。
そのまま起きていたイネスと、一緒に仮眠を取っていたフェリシアと日課のキスをしっかりと済ませ、昼食にする。
「ふー、ご馳走様でした。少し休んだら村の様子を見に行こうか」
「「はい」」
リムをもっちもっちしながら休憩して村に向かう。村の人達も結構飲んでたから大丈夫かな? 見張り兼門番さんに挨拶をして村の中に入り村長さんの家を目指すが、人と出会わない……。
「あー、昨日に比べると人が少ない気がするんだけど、気のせいかな?」
「少ないと言うより、居ないわよね。まあ、原因はハッキリしてるわ」
「そうですね、飲み過ぎたんだと思います」
「やっぱりそうだよね。みんな二日酔いかその看病なんだろうね」
「ほぼ間違いないと思います」
村長の家に着き、ノックをすると、セシリアさんが出迎えてくれた。
「ごめんなさいね。夫はお酒の飲み過ぎで寝込んでいるの」
「あー、やっぱりですか。村の中も静かでしたし、何処もそうなのかもしれませんね」
村長さんも挨拶に行った時で既に酔っぱらってたからな。
「ええ、畑や家畜の世話をしている人達は、最低限の仕事を済ませて、また寝込んでるの。だから村の中がとっても静かね」
「あはははは、じゃあ、僕達が引き揚げてからも飲んでたんですね。どの位まで飲んでたんですか?」
「女性陣はワタルさんが帰ってから、2時間位で引き揚げました。その後、男性陣は途中で帰った者と潰れるまで飲んで、広場で転がっていた者に別れますね。ちなみに夫は転がってました」
「あー、まあ、偶のお祭りですからしょうがないのかもしれませんね」
村長さん、夜は完全に制限を取っ払う気でいたからな。有言実行なんだけど……この場合は褒められないだろうな。
「ふふ、昨日はとても楽しかったですから。お祭りの日位は大目に見る事になりました」
「良かったです。二日酔いでのお説教は堪えますからね」
軽く談笑して、村長さん宅を後にした。村を出ようと静かな村を歩いていると、突然子供達の声が響いて、村の端っこから爆走してくる子供達が見える。うーん、目が良いな。
「あーワタルにーちゃんたちだー、こんにちはー」
「こんにちはー」
「こんにちは」
「はい、こんにちは。今日も元気そうだね」
まあ、お酒も飲んでいないんだから当然と言えば当然か……でもひたすら食べてた子も元気そうだな。普通にスリムだし。そう言えばダークエルフのポッチャリさんは見た事が無いな。
「うん、げんきー」
「げんきー」
「ワタルにーちゃん、つぎのおまつりはいつやるの」
「いつやるのー?」
「いつやるの? いつやるの?」
「ごちそうー」
お祭りがよっぽど楽しかったのか、もう次のお祭りを待ちわびているようだ。まあ昨日はみんな大はしゃぎだったし、村の大人達も次のお祭りを考えるだろう。
「んー、次のお祭りかー、たぶんだけど、村長さんと村の大人達が相談して決めると思うよ?」
「そんちょー、ききにいくー」
「きくー」
「ききにいく、ききにいく」
「あっ、みんな村長は今日、寝ているから……いっちゃったね」
「ええ、行っちゃいましたね」
「うふふ、行っちゃったわね」
止める間もなく、子供達は全力で村長さんの家に向かって駆けて行く。走って追いかけたら捕まえられない事もないんだけど、それもどうなんだろう?
「あー、これは村長さんが苦しむね」
「そう? セシリアさんが止めるんじゃないかしら?」
「母は迎え入れると思います……」
「そうなんだ……」
村長さんの無事を祈っておこう。
………………
祭りの日から1ヶ月、ダークエルフの村とルト号を往復しながら、平和な時間が過ぎた。村の人達も二日酔いから復活した後、また祭りがしたいと偶に会議をしているそうだ。お酒も島で作れるものを、今まで以上に仕込むと張り切っていた。
女性陣も集まって歌の練習、踊りの練習も始めたり、新しく覚えた料理を作ったりと、祭りの後で新たに楽しみが増えたと喜んでいた。
リバーシとジェ〇ガも、一つずつしか無いが人気があり、皆も楽しんでいる。次に来る時は忘れずに買って来ないとね。
僕達も毎日村に行く訳でもなく。偶に外海に出てハイダウェイ号、フォートレス号、ストロングホールド号、それぞれを日替わりで楽しむ。
夜の営みは、ただイチャイチャするだけならともかく、本番をイネスの隣で始めるとか、ちょっとHな事の範疇を確実に超えそうなので止めておいた。
する時はイネスがリムを連れて別の部屋に泊まってくれている。いずれは3人でと密かな野望を胸に、お金を稼ぐ事を決意する。
フォートレス号で漫画を読む為にガレット号とガレット2号を召喚して、自由にしていて良いと言うと2人は満面の笑みで爆走していった。爆走しているイネスは危険な気がするので、フェリシアにリムを預かって貰う。
帰って来たイネスが言うには全速で走るのはガレット号の方が断然楽しいそうだが、逃走ゲームの場合はガレット号よりルト号の方が楽しめるそうだ。
でも帰りにフェリシアとガレット号でレースをしたのはとても楽しかったらしい。フォートレス号に早くタッチした方が勝ちという単純なルールだったが、燃えたらしい。
それ以外にも、村の子供達を内部まで偽装したルト号に乗せて、島を一周してみたり、村でリムにリバーシで勝てる者はいるのかを試してみたりとゆったりとした時間を過ごした。
ちなみにリバーシはリムの全勝で、初心者でもスライムに負ける訳がないと挑んで来た大人たちのプライドをポキポキとへし折った。
そんな風に気楽な毎日を過ごし今日、南方都市に戻る。
「村長さん、色々お世話になりました」
「お世話になったのは私達の方ですよ。村を作るのが楽しみだったのですが、祭りをきっかけに歌、踊り、リバーシにジェ〇ガ、新しい料理、沢山の楽しみが増えました。本当にありがとうございます」
「そういって頂けるのなら僕も嬉しいです。また来ますので、その時はよろしくお願いします」
「はい、お待ちしております」
島を出て南方都市に向かう。そう言えばお土産はどうしよう? 魔導士との関係はジラソーレが広めてくれているはずだから、パレルモは止めて、コッソリ南の大陸を往復していた事にして。
……男性陣には余っている蒸留酒を渡して、カミーユさんには……うーん胡椒の詰め合わせと珊瑚のペンダントでお茶をにごすか、怪しまれそうだけど、頑張って誤魔化そう。
ガレット号で南方都市に向かえば直ぐに到着するが、無理して急ぐ事も無いので、途中まではフォートレス号でのんびり行く事に決めた。
南方都市に近づきルト号に乗り換える。前の偽装に戻しておかないとな。
「ご主人様、明日には南方都市に着くわよね。着いてからはどうするの?」
「あー、おそらく、魔導士関連で騒がしくなりそうだから、食料の仕入れと、ドニーノさんの所でジェ〇ガとリバーシを買う位で、後はどうなるか予想が出来ないよね」
「そうですね。間違いなく商業ギルドのマスターには呼び出されると思います。南方伯様にも呼び出される可能性もありますね」
「……そうだよね。いざとなったら船召喚を使うとして、それまでは出来るだけ、旅の途中で仲良くなって船を売って貰ったで通すよ」
「分かりました」
「他国もご主人様を調べていると思うわ。何があるか分からないのだから、船から出る時はジラソーレにも護衛をお願いしたいわね」
「んー、そうだね。取り合えず落ち着くまではジラソーレにもお願いしておこうか」
「「はい」」
細々した事を話し合いながら、1日を過ごす。なんか微妙に緊張するよね。十中八九面倒事が待っている南方都市に何でわざわざ向かっているのか……よく考えたら疑問だな。
まあ、この大陸の何処に居ても面倒事に巻き込まれるのならジラソーレの皆とカミーユさんがいる南方都市が良いよね。
上手にウソがつければ何とかなるはずだ……まあ、拷問とかは僕が魔導士だったり、魔導士を怒らせる可能性を考えると、まともな所はしてこないって言われても、まともじゃない所は? って事になるし、気が抜けないな。
翌朝、イネス、フェリシアと朝の挨拶をしっかりと行い。朝食を取って南方都市に入港する。とっくの昔に港の契約は切れているので、普通に入港料を支払い停泊し、ルト号を降りて、商業ギルドに向かう。
「特にいきなり襲われるって事も無さそだね。イネス、フェリシア、妙な気配とか感じる?」
「んー、私には分からないわね。フェリシアはどう?」
「そうですね、私にも分かりません。ですが私達は索敵の専門家ではありませんので、油断は出来ません」
「ああ、そうだよね。じゃあ、怪しまれない位に慎重に商業ギルドに向かおうか」
「「はい」」
何事も無く商業ギルドに到着して中に入る。カミーユさんは居るかな?
「ワタルさん!」
いきなり呼びかけられ顔を向けるとカミーユさんが小走りで近づいて来た。
「ああ、カミーユさん、お久しぶりです」
「ええ、お久しぶりです……ではなくて、お話がありますので、奥の部屋においで頂けますか?」
「はい、大丈夫ですよ」
まあ、情報は出回ってるんだから当然だよね。願望としては何事も無く終わって欲しかったけど。カミーユさんに付いて奥に向かう。
「ワタルさん、あの場では奥の部屋と言いましたが、ギルドマスターの部屋に向かいます。よろしいですか?」
「あっ、はい」
やっぱりかー、そんな事になるんだろうと予想はしてたんだけど、実際に予想通りになると不安が湧いて来るな。そのままギルドマスターの部屋に案内され中に入る。帰りたい。
誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。
読んで頂いてありがとうございます。