9話 お祭りの開催とフェリシアとの……
えーっとどうすれば良いんだ? いきなり開催の挨拶を振られちゃったよ。村の皆も早く始めたくてうずうずしてるし、一発勝負で行くしか無いな。
「えー、村の移住という大仕事が今日ついに一区切りとなりました。大いに飲んで騒いで楽しみましょう。ただし、今日の祭りは夜まで続きます。ペース配分を間違えないように。では益々の村の発展を願って、乾杯!」
僕の乾杯の合図と共に村人達からも乾杯の声があがる。……まあ、バラバラだったけど、どう言ったらタイミングが合わせやすいとか分からないよ。
まあみんな楽しそうに料理に集まっているから良いか。
「ふふ、お疲れ様。良かったわよ」
「ご主人様、ありがとうございます。父が突然申し訳ありません」
「あはは……まあ、焦ったけど何とか無事に済んだし、問題無いよ。お祭りを楽しもう」
「「はい」」
周りの様子を見ると、思い思いの料理を手に取り、食べながら談笑している。僕達が出した料理も人気で食べた事のない味に喜んでくれているようだ。
一部の村人は既にワインを手に取り、美味しそうに飲み始めている。ちゃんとキャンプファイヤーまで持つのかが心配になるな。
「イネス、フェリシア、リバーシとジェ〇ガに人が集まりだしたから、ルールを説明しに行こうか。何人かに教えれば後は問題無いと思うから」
「「はい」」
リバーシとジェ〇ガを設置したテーブルには人が集まって騒いでいる。子供達が楽しそうに遊んでくれたから、大人も興味を持ってくれたのかな? その子供達は料理のテーブルから離れてないけど。
一通りルールを説明して、リバーシの方は対局をして見せる。ルールを理解した人達は、対戦をしたり、お酒を飲みながら対戦に口を挟んだりと結構盛り上がっている。
ジェ〇ガの方はシンプルなルールで敗北も分かりやすいので、既に何度も勝負が行われ、倒れる度に悲鳴と歓声が入り混じっている。
持ってきて良かったな。お祭りを盛り上げるのに役立ったみたいだ。食事を優先していた村人も周りに集まりルールを聞いている。
暫くすると、料理を食べながら村の完成を祝ったり、自分の家の自慢をしながらワインを飲んだりと思い思いに談笑している。
うーん、僕が思い描いているお祭りとはちょっと違うけど、まあいいか。沢山の屋台がある訳でもないし、穏やかに談笑するのも楽しそうだし。
リムが食べたがる料理を取りながら、僕達も料理を食べて談笑する。
「リム、楽しいかい?」
『たくさん、たのしい』
「そっかー、沢山楽しいのなら良かった。沢山食べようね」
『うん』
夕方になるまで何だか大規模なお食事会のような、のんびりとした穏やかな時間が続いた。僕達の周りにはお祭りの料理の作り方を聞きにダークエルフの美女が集まり、女子会みたいな雰囲気になっている。……女子会に出た事が無いから想像だけどね。
口を挟むのは怖いので、ダークエルフの美女に囲まれて、ちょっと困っちゃうな的な妄想をしてその場を楽しむ事にした。
実際にはお年を召した方も居るんだろうが、みんな美人で巨乳だ。ある意味僕にとって理想的なシチュエーションで一言も話さなくても結構幸せな時間を過ごせた……創造神様ありがとうございます。
ダークエルフの移住を成功させればさせる程、この島は僕の好みの人達が増えていくのか……夢の島になるな。ロマーノさんの主張も当然な気がして来たな。
「ワタルにーちゃん、ごちそうたくさん、すごくおいしー」
「たのしー」
「おなかいっぱい、でもたべるー」
子供達が美味しいと褒めに来てくれた。なんか地味に嬉しいな、ロリ、ショタの属性は持っていないから、素直な嬉しさかもしれない。そして最後の子は限界を突破するつもりみたいだ。体を壊すよ。
人手を借りて、残りの料理を運んで来る。さすがにお腹がいっぱいの人も多く、集まる事は無かったが、少しずつ料理をつまみながら祭りを続ける。
暗くなったので、いよいよお待ちかねのキャンプファイヤーだ。まあ僕以外はキャンプファイヤーの事知らないんだけどね。
「皆さん集まってください。キャンプファイヤーをしますよ」
僕の声に村人達が集まってくる。なんか儀式みたいなので、村長さんに火をつけて貰う事にした。
「あー、皆さんどうせなら、生活魔法の明かりを消して貰えませんか? この火が燃え上がって、光が届かない場所は後でもう一度明かりを点けてください」
僕のお願いに村の人達が次々と明かりを消してくれる。最後の明かりが消えると、深い暗闇と満点の星空が浮かび上がった。これはこれで綺麗だよね。
「じゃあ、村長さん、生活魔法の火で中の麦藁に火を付けてください」
「分かりました」
深い暗闇の中、村長さんが熾した小さな火が浮かび上がり、麦藁に火をつける。その火が徐々に大きくなり、薪に火がつき大きな炎になっていく。
広場が炎に照らされ、キャンプファイヤーの周りが明るくなる。魔法の光も綺麗だけど、こんな風に炎で明かりを作るのも雰囲気が良いよね。
普段と違う光景に村の人達も見入っている。
「これはこれで綺麗ね。冒険者の時は焚火をする事もあったけど、こんなに大きくは作らないから、ちょっと感動したわ」
「ええ、なぜ大きな火を熾すのか疑問でしたけど、ご主人様が作りたかった理由が分かりました」
え? 疑問だったの? まあ、大した理由も無く何となくで作ったんだけどね。
「あはは、喜んで貰えたのなら良かったよ」
「ワタルさん、これは素晴らしいですな。何とも幻想的な感じがします」
「あっ、村長さん、思った以上に良い雰囲気になって僕も驚いているんですよ」
「そうですか、私達も森に住む者でしたから、大きな火を使う事も無く、皆も驚いていますよ」
あーそうか森林火災とか怖いもんな。大きな火を熾すなんて考えた事も無かったのかもしれない。
「さて、村長さん、そろそろ蒸留酒も解禁しましょうか。今の雰囲気も良いですが、どうせなら楽しく騒ぐ事にしましょう」
「ははは、そうですな、伝えて来ます」
蒸留酒が解禁され、自分好みの濃さに果汁で調整する者や、そのまま飲む者、思い思いに楽しみだす。雰囲気は宴会に近くなり、笑い声と、話し声が大きくなる。
「そうだ、フェリシア、ダークエルフって歌が好きなんだよね。何人かで歌ってみない? あの炎で照らされている所で歌うと、楽しそうなんだけど」
「みんなで歌う事等ありませんでしたから、上手く出来るか分かりませんが、お祭りが盛り上がるのなら挑戦してみます」
「うん、上手くいかなくても皆で歌えば楽しいよ。何人かで挑戦してみて」
「はい、少しお側を離れますね」
「うん」
「うふふ、フェリシアの歌声ってどんななのかしら? 楽しみね」
「そうだね。イネスは歌が得意なの?」
「ふふ、私は全然だめね。ご主人様は?」
「僕も苦手。フェリシアに期待しよう」
暫く雑談しているとフェリシアとセシリアさんを含めて4人の女性が焚火の側に並んだ。綺麗な銀髪が炎に煌めきドキドキする。身内びいきかもしれないけど、フェリシアが一番綺麗だね。
見ていると、4人が息を揃えて歌いだした。お祭りに向いているのかは疑問だけど、綺麗で優しい歌が村に響き渡る。
祭りのざわめきも次第に収まり、皆が4人の歌声に耳を傾ける。
4人の歌が終わると一斉に拍手が起こる。僕も嬉しくなって一緒に拍手をする。
「ご主人様、どうでしたか?」
「うん、とっても良かったよ。綺麗で、優しくて、なんて言ったら良いのか分からないけど凄かった」
「ふふ、ありがとうございます。私も楽しかったです」
「ワタルさん、私も楽しかったわ。フェリシアに言われるまで思いもしなかったのだけど、私達はもう、大声で歌う事も出来るのね。ありがとうワタルさん」
うーん、大声で歌う事も出来るか、隠れているとそういう事も忘れちゃうんだな。移住頑張ろう。
「楽しかったのなら良かったです。セシリアさんの歌声も素晴らしくて、僕も楽しませてもらいました。これからもドンドン歌ってくださいね」
「ふふ、そうね、次の機会の為にも練習しておきましょう」
「いいですね。ぜひ聞かせてください」
僕達が会話をしている間に、村の人達も話し合ってグループを決めたのか、次の人達が歌いだした。素晴らしい歌声なのだけど、焚火の明かりが美男を照らすと、不愉快な気分になるのは僕だけなんだろうか?
お酒も入り、歌を歌い気分が高揚したのか、お祭りのざわめきが大きくなった。歌に合わせて焚火の周りで踊りだす人達も現れ、盛り上がりが加速していく。
いつの間にかリムも踊りに混じっていて、歌に合わせてポヨンポヨンと跳ねている。踏まれてしまいそうでハラハラする。まあ、レベルを考えれば踏まれても跳ね返しそうだけどね。楽しそうだから良いか。
今回のお祭りは大成功と言っても良いんじゃなかろうか? 軽くお酒を飲みながら楽しい雰囲気を満喫する。……ウソです、もう直ぐフェリシアとする事を考えたら、お祭りとかどうでも良くなって楽しめません。
リムが楽しそうなのに申し訳ないが、そろそろ抜け出す事を考えよう。こそっと抜け出せば良さそうな気もするが、一応ゲストの立場だし、村長さんに断りを言わないと駄目だろう。
「イネス、フェリシア、そろそろ戻ろうと思うんだけど良い?」
「うふふ、そうなの、しょうがないわよね。うふふふふふ」
イネス、何処かのおばさんみたいになってるよ。気持ちは分かるんだけどやめて欲しい。
「は、はい、大丈夫です」
「じゃあ、村長さんに、戻る事を伝えに行きましょう」
「「はい」」
リムを回収して、村長さんに話を通す。夜には制限を取っ払うような事を言っていたが、本気だったみたいだ、既に酔っぱらっている。村長さんと一応セシリアさんにも戻る事を伝えた。
正直、今からフェリシアとするのに、ご両親に挨拶してから帰るのは微妙だった。
ルト号に戻り、予定を告げる。
「この後、ルト号で出航して、ハイダウェイ号で泊まろうと思ってるけどいい?」
「はい」
「分かったわ」
微妙に言葉少なく外海に出て、ハイダウェイ号を召喚する。
「リムちゃん、こっちにおいで。ご主人様、どうせなら二人っきりの方が良いわよね。私はリムちゃんと、ルト号に泊まるわね」
「え? ああ、うん、ありがとう」
プルンと飛び付いたリムを抱きしめ、イネスがハイダウェイ号から離れていく。気を使ってくれたんだよね? なんか面白がっていた気もするけど。
「じゃあ、フェリシア、まずはお風呂に入ろうか」
「はい」
ジラソーレも居ないので、お互い全裸でお風呂に浸かる。
「ご主人様、2人でお風呂に入るのは初めてですね」
「うん、そういえばそうだよね。なんか照れるよ」
「ふふ、そうですね」
ゆっくりお風呂に浸かり、フェリシアを抱きしめる。
「ねえ、フェリシア、色々と思う所はあるんだろうけど、ごめんね、我慢できないよ」
「ふふ、大丈夫ですよご主人様。奴隷になった時から覚悟はしていましたし、私はご主人様の奴隷になってから毎日がとても楽しいんです。ですからとても幸せだと思っています」
「ありがとう」
いつもよりもはるかに長いキスをして、フェリシアと一緒にベッドルームに向かう。
そこからはフェリシアに対しての気遣いを忘れ、ひたすら朝まで彼女の体を貪った。
しょうがないんです。さんざん我慢してたし、レベルが上がって体力が尽きないんです。止まれなかったんです。ごめんなさい。
申し訳ありません、性的な描写が上手く書けず、カットしました。バランスのとれた性描写が書ければ修正するかもしれません。
誤字脱字、文面におかしな所があればアドバイスを頂ければ大変助かります。
読んで頂いてありがとうございます。