表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

4.初戦闘

はい、続きになります!

 


 これからフィールドに出ることになるが、その前に魔術本の確認を怠らない。今、持っているカードは7枚。

 リーダーは呪影の少女をセットし、サブは2枚のモンスターカードを表にしておいた。後は呪文カードを1枚、罠カードを1枚、控えにはアイテムカードの下級回復薬を2枚。


「確か、フィールドに出れば……」


 確認が終わり、フィールドに足を付けると、リーダーカードにセットされた呪影の少女がトガの横に顕現したのだった。

 身長はトガの腰までしかなく、手を前にダラりと垂らすように力を抜けていた。黒く長い髪が顔を隠していて、不気味な雰囲気を醸していた。


(やっぱり、不気味だな……でも、これでもレアカードなんだよな)


 怖いと思わせるような雰囲気があるといえ、トガは強いならモンスターがどんな醜い姿をしていようが、使うことに躊躇ちゅうちょはしない。

 隣にいる少女に話しかけてみる。


「おい、喋れるか? ついでに、服を握ってみろ」

「……(ふるふる)」


 首を振ってトガの服を握ったことから、話せないが言葉はわかると言っているようだ。命令は聞けるようで、良しとする。ちゃんと出来たと頭を撫でてやると、少女は嬉しそうな雰囲気も出たような気がした。


「行くぞ」

「……(こくり)」


 貞◯みたいにヨタヨタと歩くと思っていたトガだったが、浮遊でトガの後を付いて来たのは驚いた。


「浮けるのか」

「……(こくり)」


 罠カードは設置されているなら、踏まなければ避けれるのでは? と思い、ヘルプで調べてみたが…………結果は無理だった。

 踏むではなく、位置に立っただけで反応されてしまうから、浮いたり飛んだりしても罠カードを避けるのは無理ようだ。


(まぁ、2つのスキル持ちで罠カード無効だったら強すぎるもんな。だが、浮けるなら先手も取りやすいかな)


 フィールドにいる時、先にウロウロしていたモンスターへ攻撃を仕掛ければ、体力が4分の3に減った状態から始められる。もし、こっちが攻撃を受けてしまえば、相手は満タンの状態から始まることになる。

 しばらく歩くと、他のプレイヤーがファーストアタックを狙おうとする場面を見つけた。キノコのモンスターに後ろから走り出すネズミのモンスターがいて、そのネズミがキノコみたいなモンスターに攻撃を当てると、2体のモンスターとプレイヤーの姿が消えた。


(これが、戦闘フィールドに移された状態か)


 戦闘フィールドに移される時、攻撃したモンスターの半径25メートル内に、他のモンスターがいたらそれらも巻き込まれるように移されるのだ。

 だから、1体だけやりたい時は周りに気を付けなければならない。


「お、近くに2体のキノコのモンスターがいるじゃないか。呪影の…………名前が長いな。よし、お前はこれから『ノカゲ』と呼ぶが、いいか?」

「……(こくり)」


 了承を貰えたことで、キノコの後ろを取れたことで、ノカゲを向かわせた。SPDが高いせいか、スイーと滑るように移動する少女。足音もなく後ろから忍び寄せられる場面……、自分だったら嫌だなと思うトガであった。




「ぱよっ!?」


 後ろからノカゲの爪で斬り裂かれて、変な鳴き声が出た先に戦闘フィールドへ移された。

 戦闘フィールドになり、敵との距離はある程度に離された場所になった。隣には既にノカゲがいて、離れた場所には、体力が4分の3になったキノコのモンスターが2体立っていた。


「ふむ、魔術本は浮いているから持たなくてもいいのは楽だな……早速攻撃してくるか」


 のんびりと浮いている魔術本を見ている内にキノコのモンスターがこっちに向かっていた。

 ノカゲが前に出て、こっちの陣ではサイとクラゲも顕現しており、2体には自由に動けと命令しておいた。


「ノカゲ、『影縛り』を!」

「……(こくり)」


 ノカゲが手を前に差し出すと、魔術本の2ページ目から2つの赤い表示が出た。このタイミングで見れば、『影縛り』はこっちがどの場所に設置するか決められるようだ。

 丁度、キノコはただ真っ直ぐに向かっているので手の前に仕掛けるようにタッチした。




「「ぱぎゅ!?」」

「変な鳴き声だな……、いいや。一斉に攻撃だ!!」


 3体とも動きを止めたキノコへ攻撃を仕掛けていた。ノカゲは白い肌から青白いオーラみたいなのが湧き出て、爪で斬り裂いていた。サイは角、クラゲは触手を使って攻撃をしていた。


「ノカゲ、頭の中心を狙ってみてくれ!」


 キノコの弱点はわからないので、頭の中心を狙って貰った。狙いが一発で当たったようで、青色のエフェクトが散った。

 敵の体力はどれくらいあるか知らないが、ノカゲが攻撃した敵は倒れて消えた。


(ノカゲのATKは140で、急所に当たったから280ダメージ。DEFでいくらか減らされているか知らないが、キノコのHPは300もないのは間違いないな)


 しばらく観察するように、もう1体の方へ眼を向けていた。そこには、動けない敵を攻撃するサイとクラゲ。

 キノコの方は2体から攻撃されているため、攻撃を上手く当てられないでやられてばかりだった。

 その後、何回か攻撃をするとキノコは倒れて光の粒になって1枚のカードが浮かんでいた。そのカードにトガが触れると、魔術本の方に向かって控えの方に入っていった。


「む?」



 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 NO.0195

 ★

 キノビー

 属性:木

 ライフ:3

 コスト:2


 HP:210/210

 MP:60/60


 ATK:20

 DEF:30

 SPD:20


 スキル:無し


 ーーーーーーーーーーーーーーーー



 カードが控えに収まった後、周りの背景が元に戻った。こう感じに戦闘フィールドが解けるんだなーと思いつつ、初戦闘はトガの勝利で終わったのだった…………










次は明日の0時に投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ