2.レアカード
レアカードを手に入れる回になります。
チュートリアルが終わり、練習に使われたカードが魔術本から消えていった。
「これから、レアランクのカードを1枚授けますので、此方の質問に答え下さい」
「レアランクのカードを1枚ね。了解だ」
「では、質問をしますが、難しく考えずに思い浮かべたことを答えてください。では、好きな色は何ですか?」
「白かな」
「嫌いな色は?」
「灰色」
「キリンを見たらどう思いますか?」
「首が長いなと」
「映画を観るなら、ジャンルは?」
「洋画の泣ける奴だな」
「犬と猫をどちらか選ぶなら?」
「両方」
「カフェに行ったら、まず何を注文しますか?」
「ドリンク飲み放題」
「成る程……、最後です。最後に……私のことはどう思いますか?」
「は? そんな質問もあるのかよ。んー、ピンク色の髪が似合っていて、可愛いと思うよ」
「そうですか、ありがとうございます」
カレンはニッコリと笑顔を浮かべたことから、この答えは間違ってはないと信じたい。
質問は多分、パターンの組み合わせによってどのレアカードが選択されるかの流れだと思う。トガがそう考えている時、カレンは眼を瞑って手の中に光の粒を集めていた。
「貴方のパートナーになるモンスターカード、今こそ現れよッ!!」
光の粒が集まり、カードの形に変わっていく。そのカードはカレンの手から離れ、トガの元へ向かっていく。
「これは……」
「★ランクは6個ありますね。名称は『呪影の少女』……スキルが2つあるレアモンスターですね! おめでとうございます!!」
「そ、そうですね……」
不気味な少女が描かれたカード、確かにスキルが2つ書かれていたから凄いカードなのはわかるが……、やっぱり怖いと思っていた。
髪は貞◯みたいに長く伸ばしており、服装は真っ黒なワンピースを着ており、ボロボロだった。ちなみにステータスはこうなっていた。
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NO.0318
★★★★★★
呪影の少女
属性:闇
ライフ:3
コスト:16
HP:220/220
MP:640/640
ATK:140
DEF:30
SPD:180
スキル:『影縛り』(80)、『呪道連れ』
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他に比較するカードがないから、ステータスは強いか判断出来ないが、スキルは強そうだった。詳細を見てみたら…………
『影縛り』:罠カードと同じ効果を発揮出来る。同時に敵を縛る影を三ヶ所まで設置出来る。(消費MP20)
『呪道連れ』:呪影の少女がHPを0にした時だけ発動する。自分の★ランクより低い★ランクを1枚だけ道連れにする。こっちがどのカードを道連れするか、選択することが出来る。
つまり、『影縛り』は罠カードの役目を果たすことが出来、同時に仕掛けられるのは三ヶ所までといえ、引っかかってくれれば、補充も出来るからMPがある限りは仕掛け放題ってわけだ。
もう1つは……酷いと思った。このカードをリーダーカードにセットすれば、ライフの心配もなく、やられても1体は道連れ出来るから損はない。呪影の少女の★ランクは6個あるので、5個までのモンスターは必ず死ぬということ。
(罠を設置させるために、生き残らせるか、道連れ前提で攻めさせるのもいい。戦略が広がるのはいいが、見た目は何とかならないんか……)
呪影の少女は貞◯を連想してしまいそうで、慣れるまで時間が掛かりそうだなと溜息を吐くトガであった。
「次にコモンランクのモンスターカードを2枚、呪文カードを1枚、罠カードを1枚渡すね。どれもランダムだから、使えなくても文句は言わないでね~」
「使えないカードもあるのか?」
「そうね、自分の戦略に合わないカードが出たりするけど、全く使えないカードは無いと言ってもいいよ。あ、たまにレアランクのカードが混じって選ばれることもあるので、楽しみにするといいですよ」
モンスターカードはコモンランクのカードとハッキリ言っていたので、レアランクの可能性があるのは呪文カードと罠カードになる。使えるカードが出るようにと心の中で祈る。
「では…………、はっ!!」
周りから様々なカードが現れて、1枚ずつトガの前に浮いていく。それらは残念ながら、レアランクのカードはなかった。しかし、其れ程にハズレなカードはなかったので良しとする。
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NO.0274
★★
サイガーン
属性:土
ライフ:3
コスト:6
HP:520/520
MP:20/20
ATK:40
DEF:70
SPD:70
スキル:無し
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NO.0049
★
クラゲーア
属性:水
ライフ:3
コスト:3
HP:140/140
MP:70/70
ATK:70
DEF:20
SPD:30
スキル:無し
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呪文カード
NO.0146
★★
重鈍弾
ライフ:7
コスト:3
相手のSPDの数値を40減らす。
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罠カード
NO.0731
★
煙幕
ライフ:5
コスト:2
周りの視界を塞ぐ。
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(うわっ、コストギリギリじゃねぇか。レベルを上げないと他のカードをセット出来ないな)
ギリギリコスト内に入ったのはいいが、早めにレベルを上げて使えるコストを増やした方がいいと思った。
モンスターカードはサイとクラゲをモンスター化したようなモノで、呪影の少女程に怖くはない。
「いいかな? これから、街に送るけど、質問はありませんか?」
「大丈夫。わからなかったら、ヘルプで聞けばいいし」
「わかりました。では、送ります」
足元に魔法陣が現れて、光に包まれたと思えばーーーー
「んっ、ここは……」
周りを見ると、人が沢山いて同じ服装を着たプレイヤーも見かけた。背には大きな城が建っており、これから『カード・キングダム・オンライン』が始まるんだなと実感するのだった。
今日はここまでです。
何かわからないことがあれば、ルールが書かれている話を読むか、感想で聞きに来て下さいね。
次は明日の0時に載せます。