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8.装備カード

はい、続きをどうぞ。

 


 クエストをクリアしたトガは、洞窟から出る所だった。隣には、復活したノカゲが浮いている。

 トガはボスを道連れするために、わざとやられるようにと指示を出したが、ノカゲはあっさりと受け付けていた。自分の死に対する意識が弱いのか、復活した後はトガに対する意識は変わらないものだった。ジト目で訴えられる覚悟はしていたが、ノカゲの様子が前のと変わらなかったから、AIが入っていないのではと、ノカゲに質問をしてしまう。


「……なぁ、話はわかるよな?」

「……(こくり)」

「なら、さっきの戦闘は全てを覚えているか?」

「……(こくり)」

「その戦闘でHPを0にしてしまったが、嫌だったか?」

「……(ふるふる)」

「えっ?」


 トガは頷くと思っていたが、反対の反応に驚いてしまう。今までの会話から、ノカゲの反応はAIが入っていなかったら出来ないことだ。

 しかし、AIが入っているのを知っていて、死ぬのは嫌じゃないと答えられて動揺してしまう。

 普通なら、死んでと頼まれたら嫌と断るだろう。だが、ノカゲは嫌ではないと言っているのと同様なのだ。


「……どうして、やられるのが嫌じゃないと思うんだい?」

「……(しゅん)」


 ノカゲは話せないので、今までは動作で答えを出していたが、質問にどうやって答えればいいか困る雰囲気が出てしまう。そこでトガはどうやって答えればいいかわからないことに気付き、質問を変えた。


「すまない、質問が悪かったな。ノカゲは死ぬことに抵抗は無い……で間違ってない?」

「……(こくり)」

「つまり、自分のスキルを知っているから、活用して欲しいと考えているとか……?」

「……!!(こくりこくり)」


 強い頷きが来て、トガは理解した。自分のスキルが使えるなら、どんどんと使って欲しいと思っている。だから、HPを0にすることに抵抗は無く、嫌ではないらしい。


「わかった。遠慮なく使わせてもらうが、いいな?」

「……!(こくり)」


 ノカゲの了承を得られたし、トガは遠慮するのやめた。と言うわけで、この話は終わりにする。


(そういえば、レアカードを貰えるみたいだが、どんな装備カードなんだろ?)


 装備カードを貰えると聞いただけで、どんな武器か防具を貰えるまでは知らない。少しワクワクしながら、帽子を被った青年がいる場所に向かうのだった。











「あっ、どうでしたか!?」

「あぁ、終わったぞ」

「ありがとうございます!!」


 クエストクリアと表示が出て、青年から着いてきて欲しいと言われた。何処に向かうかと思えば、街の端っこに一軒家があり、中に入っていった。


「洞窟に住み着いたモンスターを片付けて頂きありがとうございました。私はここで武器を作っております」


 中に入ると鍛冶屋みたいな雰囲気があって、様々な武器が置いていた。


「あと、質問に答えて頂けますか? その後に、御礼を渡したいと思っていますので」

「あぁ、わかった」


 レンカがしたようなパターンを合わせる質問をするかと思ったが、普通に武器に関する質問だった。


「貴方は、近接距離と長方距離の武器でどちらを好みますか?」

「近接距離だな」

「では、打撃と斬撃と刺撃のどれが得意ですか?」

「ん~、打撃だな」

「身体に装着か、手に持つの武器のどちらが使い易いですか?」

「身体に装着だ」

「わかりました。ありがとうございます」


 青年は御礼を言い、棚に向かって何かを探し始めた。すぐ見つかったのか、こっちへ向かってカードを渡してきた。


「おっ」

「これが御礼になります」


 そのカードは装備カードで、レアランクのカードだ。



 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 装備カード

 NO.0204

 ★★★★

 グリークバルム(カスタム)

 コスト:6


 ATK+100

 DEF+50


 *売却、譲渡不可能


 ーーーーーーーーーーーーーーーー



 手甲とナックルが合わさったような打撃系の武器。トガは小さい頃から孝の道場で空手と徒手空拳を習っていたこともあり、剣や槍などの武器よりも戦い易いから、この武器を欲していた。


「ん、カスタム?」

「カスタムとは、強化が出来ると言う意味があります。強化したい場合は、強化に必要なカードがありますので、確認して下さい」

「強化出来る武器があったんだ……」


 カスタムのことはHPには載っていなかったから知らなかった。もしかしたらβ版をやっていた人の掲示板なら、その情報が載っていた可能性もある。

 他にどんな武器があるか気になるが、貰える装備カードは1枚だけのようで、他に欲しければ探し出すしかないだろう。


(150か、レベル5になっていなかったら、制限が付いていたかもな)


 今のトガはレベル6になっており、装備カードの数値を含めると、結構強くなっている。



 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 プレイヤー名:トガ

 レベル:6

 装備:グリークバルム

 コスト30/40


 HP:1100/1100

 MP:200/200


 ATK:60(160)

 DEF:60(110)

 SPD:60


 スキル:無し


 ーーーーーーーーーーーーーーーー



 これなら、この街の近隣にいるモンスターではトガを倒すのは難しくなるだろう。


「もし、そのカードを強化したいと思ったら、必要になるカードを手に入れて此処に来てください」

「此処に来ればいいんだな」


 グリークバルムの強化に必要なカードは3枚。たった3枚だが、どのカードも今まで出会った事がないモンスターカードだったので、すぐに強化は出来ないだろう。


(さて、次は何処に行くかーーーーん、チャット?)

『よっ、装備カードは手に入れたか?』

『あぁ、さっき手に入れたよ』

『そうか! 今は暇か?』


 チャット相手は孝で、暇かと聞かれてもこのゲームは殆どがソロゲームなのだから、トガの都合を聞く理由は、パーティを組めるボス戦しか思いつかなかった。


『次に何をやろうか考えていたとこだったが?』

『なら、予定はないわけだな。ちょっと、手伝ってくれねぇか?』

『手伝い? まさか、ボス戦に挑むのか? そういうなら、断るぞ』

『待て待て! 違う!』

『だったら、なんだよ?』


 ボス戦ではないなら、なんだと言うのかと思っていたらーーーー




『パーティ限定のクエストを見つけたんだよ』











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