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魂の果実  作者: 雪の幻影
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プロローグ5

5


他の人に教える行為は自分で思っているよりも予想外の発見があるもので、継続発動を惰性的にやれる様になっている自分に一種の閃きを与えてくれる事になった。


継続発動と通常の発動を同時に使ったらどうか?

考えてみて思ったのだが、ただでさえ弱い能力にさらに余計な事をすると能力の発動自体しないのではないかと。


要するにホースの先が水量に対して小さいといった感じでサイコキネシス自体がいつまでも経っても発動しないかもしれない。


今までの自分なら間違いなく出来なかっただろう。

やろうとも思わなかっただろう。

では何故?と言われても明確答えなんて分からない。

惰性的だったのが仲間に出会って感化されたのか、カッコいい所を見せたいと思っているのか・・・。

いや、これは本心じゃないなと自分で否定する。


なら何故?どうして?自分は本当に分からないのか?

これ程真面目に支離滅裂に考えなければならない位、この問題は大切な気がする。


この良く分からない能力の使い方が何となく分かる。分かってしまう様にこの気持ちは恐らく正しいのだろう。


能力者同士の精神の、それよりももっと深くて強いモノ。魂の繋がりを感じたから強くなった。


こう、考えた今では納得出来た。

仲間が欲しかったのは魂の欲求だったのだろう。


能力者同士は繋がりを得る事で魂が強くなる。


この日、自分は新たなステージに登るのを感じた。


*


能力と継続の同時発動は上手くいった。

上手く行き過ぎて新たな問題が発生したと言ってもいい。


結果、通常なら食パンが5分位で10センチ位浮く力が念じただけで待ち時間なく発動した。

さらに浮いたまま。

軽い物ならゆっくりとだが視覚の範囲なら自在に動かせる。

これぞまさにサイコキネシスって感じで。


実はこの現象が起こって時、少し驚いただけだった。

自分の事ながら不思議なのは、


ようやく成長した、この力は凄い。ではなく

本当に出来る様になったんだって思って感じてしまって自分で驚いた事だった。


九条さんには連絡しなかった。邪魔しても悪いしなによりもプレッシャーをかけたくなかったから。


九条さん明日までに継続発動が出来る様になっていればいいんだけど・・・。

なんかね、隠し事が出来なそうな感じでさ。

もう普通にね、九条さん限定でテレパシーを使える気がするのは気のせいではないだろう。


それだけね、繋がりってやつを感じたんだよ。


色々考えなければならない事あるけどさすがに限界です。

とても、眠い。おやすみ。


*


頭、痛い・・・。

昨日調子に乗って能力を使い過ぎたせいだな・・・。


痛み止めを飲んでテンションが下がった状態で学校へ行く。


教室に着いてすでに来ていた九条さんと目が合うと俺はコメカミを軽くトントンと叩くと顔をしかめた。


九条さんも能力の使い過ぎによる頭痛は経験あるのでそれだけで分かってくれた。

その九条さんも随分と眠そうだ。昨日無理したんだろうな。


当然こんな経験はいくらでもあるし授業中の過ごし方だってなれたもんだ。

結局復活したのは昼休みに寝て午後になってからだった。


放課後になって九条さんと話の方から話かけてきた。


「もう大丈夫なの?どうしたの?無理しちゃった?」


セリフは考えてあるから大丈夫。


「少しね。今頃九条さんも頑張ってるのかなーって思ったらついね。後、最近限界までやってないからパワーアップしてるといいなって思ってね」


「ダメだよ。無理しちゃ。それにこれ以上離されたら私の立場がなくなるし!」


「あはは、そんな事ないと思うけどね」


そう、俺は本当にそう思っている。実際に現代で一番約に立たない能力はサイコキネシスだと思う。最終的に空を飛んでサイコボールっぽい攻撃が出来てそれが何の役に立つのかと思ってる。


「そんな事あるよー。あ、でもね!何となく雰囲気が掴めた感じがするの!」


「へぇぇ、それは凄いね!あ、でも無理しないでね。今日凄く眠そうだったし、まあ、ゆっくりやっていこうよ」


「そうだね。神代君もね!」


「それじゃあ今日は帰ろうか?ちょっと行きたい所もあるしね」


「あれ?邪魔しちゃったかな?」

  

「ううん違うよ。本屋で雑誌見て情報収集。ゴシップ誌とか見てさ」


これは中学生位からやっていて日本や海外のニュースやバカっぽい話が載っている雑誌を見て情報を集めてる。ネットも見るけど怪しいリンクを踏みそうで遠慮がちになってしまうから違う所から攻めてみようって感じで雑誌も見ている。


例えば、天才少年現れる!とか超能力!?とかあまり現実味のないニュースとか調べてる。

実際現実味のない能力を使っているんだから逆に現実味のない話の方が正解に近いという理屈。


そんな説明を九条さんにしたら一緒に言ってもいい?って言ってくれたので、もちろん!と答えた。


それから九条さんと街の方まで出かけて軽く案内しながら本屋まで行った。

うん、これは下校デート?なのかな?

少なくとも自分としては楽しかった。

一緒に雑誌を見ながらはしゃいでしまった。


帰りは九条さんを家の前まで送ってあげた。


「こっちまで来てくれて大丈・・・ううん、ありがとう」


「いやいや九条さんなれてないだろうから、それにこっちからでも帰れるから大丈夫・・・あ、あとさ、今度の休みに街を案内したいけど・・・どうかな。予定なければだけど」


うん・・・このセリフも途中で用意いていたのだ。

凄く、ドキドキしたけどね!


「へぁ!う、うん!私も服とか本とか雑談とか食べ物とか色々分からないからありがとう、よろしくお願いします!」


こうして能力者の情報は全く集まらなかった放課後デートは終わり俺と九条さんは少しだけ新たな展開を迎えそうな感じになった。


青春という言葉が良く似合う出来事だった。








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