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2章 兄妹


2章 兄妹



 惑星ペペ、そのペペのエリーター地区にある軍事基地の隣に星立病院があった。

星立であるから、この星で一番大きくて設備の整った病院である。その特別病棟、重病人だけが入院している病棟に1人の少女が入院していた。

彼女の名はミル・クラスト。11歳。この病棟に入院している唯一の子供である。

彼女は目が見えない。いやそれだけではない。足も不自由だった。

彼女の病は生まれついてのものだが、決して治らないという病気では無かった。しかし、今の進んだ医学を持ってしても、この病気を治すにはそれ相応の時間と金を要する必要があった。

ゆえに、一般の病院では治す事が出来ない病であったが、彼女はある理由のため、特別に民間人でありながら、しかもノンエリーターという立場でありながら、この星立病院にてその治療を受ける事が許されている。


 

ある日の朝、ミルはいつもの通りベッドに座りながら本を読んでいた。もちろん彼女は目が見えないため、その本は点字で書かれている本である。その病室のドアを誰かが軽くノックする。

「ユリコさん。おはようございます。鍵は開いています」

 ミルはそのドアをノックした人物が誰だか直ぐに分かり、ドアが開く前に挨拶をした。

彼女は部屋をノックする音や、病室に近づいてくる足音を聞いただけで、知っている者ならばそれが誰だか分かる。

ミルの言った通り、そこにはユリコがいて、彼女はドアを開ける。

「良く分かるわね、ノックしたのが私だって。いつもながら感心するわ」

「もちろん分かります。ユリコさんとお兄様、そして生徒会の人達、あとエリカさんやお医者様も含めて他にも分かる方はいます。それにユリコさんは足音を聞いただけでユリコさんだって分かります。お兄様以外でお見舞いに来られる方の中では一番回数が多いですから」

「そう、覚えてもらえて光栄だわ。そうそう、今日はミルちゃんにプレゼントがあるの」

「プレゼント?」

「ええそう。何か分かるかな」

「……えーと、それは食べ物ですか」

「正解。食べ物には違いないけどそれは何でしょう」

「限定品のお菓子とか」

「おしいわ、まあほとんど正解ね、シャリオンのチーズケーキよ」

「わあ、あの有名なシャリオンのケーキですか、うれしいです。ありがとうございます」

 そう言うとミルは頭をペコリと下げた。それを見てユリコは軽く微笑む。何と素直な子だろう。

 ユリコはこの星のエリーター達の通っている学園に通う18歳の学生で、その学園で生徒会長を務めている女子生徒だ。

 本名はユリコ・アロー。

 知ってのお通り、前章で登場したキャシー・アローの妹である。

身長は170センチそこそこ、顔も姉同様美人だ。ただ髪だけは姉と違い、カールはかかっておらず、ストレートのロングである。

それでこのミルという少女は、ユリコの通う学校で、同じ生徒会の生徒であるカイトという男子生徒の妹である。

ユリコがミルと知り合ったのはちょっと訳があるが、彼女はこのミルのことをとても可愛がっていた。だからこうしてよく見舞いに来るのである。

「それじゃあこのケーキ、冷蔵庫にでも入れておくわね。後でエリカさんにでも食べさせてもらえばいいわ」

「ありがとうございます」

 ユリコは冷蔵庫にケーキの入った箱をしまうと近くの椅子に座った。

「ところで体の具合はどう?」

「元気です。今すぐ外に行って遊びたいぐらいです」

「そう、でもあまり無理はしないでね」

「はい。ところでお兄様はどうしたんですか、一緒に来たと思うのですが」

「さあ、どこかで油でも売っているんじゃない。心配すること無いわ、カイトだから」

「ひどいな会長。自分はただトイレに行っていただけですよ」

 部屋の入り口から声がかかった。いつのまに来たのかカイトがそこに立っていた。

「会長、自分はあなたの未来の亭主なのだから、大切にしてください」

「誰が未来の亭主よ」

「自分です」

「あんたねえ……」

 そう言うとカイトはゆっくりと部屋に入って来た。

「お兄様、おはようございます」

「ああ、おはよう、いい子にしていたか」

「はい。ミルはいい子にしていました」

「そうか」

 カイトはユリコの隣まで歩いて来ると、もう一つの椅子に座る。

 彼の名はカイト・クラフト。年は17歳。先も言った通り、ユリコと同じ学園で同じ生徒会に所属しているメンバーだ。

ただ彼は生徒会で決まった役職には就いていない。強いていえば雑用係で、その名の如く雑務をこなしている。

そして、ご存じの通り彼はミルの兄だ。彼は毎朝こうして学校に行く前にミルの見舞いをするのが日課になっている。

それを彼は一度も欠かした事は無い。こう見えて妹思いの兄なのだ。ユリコはそれに付き合う形で、彼女もミルの見舞いによく来るというわけである。

ただ彼にはある秘密があった……


 カイトは椅子に座るや否や、もう一度ミルの体調について尋ねる。

「本当に体は大丈夫なのか、具合が悪くなったらいつでもこの兄に言うんだぞ」

「大丈夫です。体調はすこぶる元気です。お兄様こそ大丈夫ですか、無理していませんか」

「ふっ、このいずれ宇宙の支配者となるべく生まれたカイトに体調などという心配は無用だ」

そう言って彼は軽くポーズをとる。カイトはこういう男なのだ。

彼は冗談でよく宇宙の支配者となるべき男だとか、あとユリコの事を将来自分の妻に迎える人だとか、冗談交じりに大言壮語なセリフを言う。

それにくらべ妹のミルは非常に素直な子だ。

ユリコは彼女の事が気にいっており、妹のように可愛がっている。

ミルもまた人見知りしない性格で、特にユリコには心を開いている。

カイトは先ほども言ったが妹と性格は少し違うが、ユリコは彼の事もまた嫌いではなかった。

事実、生徒会に雑務とはいえ、彼を迎え入れようとしたのはユリコの推薦があったからである。

まあそう言えば聞こえはいいが、彼女がカイトを生徒会に迎え入れたのには、当初ある別の理由があったわけだが……


「大丈夫よミルちゃん。カイトは殺しても死なないくらい図太いから」

「そうですか、でも兄がユリコさんをはじめとする生徒会の人達に迷惑をかけていないか心配です。こんな兄ですから」

「おいおい酷いな妹よ。この私が生徒会の足を引っ張るはずはない。だが逆はありえるかもしれない。この宇宙の支配者となるべき天才の足を生徒会の連中が引っ張る事はあり得る事かもな」

「あのね……」 

 ユリコは軽くため息をついた。全くカイトはいつもこうだ。まあ将来宇宙の支配者になるというセリフは彼の口癖だ。

「それより妹よ、もしも何か起きたらすぐに連絡するのだぞ。真っ先に駆けつけるからな」

「お兄様、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。エリカさんもいますし」

「そうか」

「ただ……」

 彼女はそう言うと何か怪訝な顔をする。

「どうかしたのか妹よ。何処か体の具合が悪いのか」

「いえ、私の事ではないのですが……」

 そう言うとミルは少し言いにくそうにしている。

「何でも話してミルちゃん」

 ユリコもそう言ってミルに話しかけた。ユリコにも促されミルは話し出す。

「ここ数日の間に、この病院で何かありませんでしたか」

「何かって?」

 ユリコが聞き返す。

「それがわからないんです。ただ何となくこの病院の空気がいつもと違うんです。何か重いというか、妙な緊張感が伝わってくるんです」

「緊張感ね……」

「はい」

「会長、何か気がつきましたか」

「いえ、私は何も気がつかなかったけど……」

 カイトとユリコは何も感じなかったがミルは目が見えない。だからそれ以外の感覚が非常に敏感だ。

周りの空気を肌で感じる事が出来る。そのミルが言うんだ。本当に何かあるのかもしれないとユリコは思った。

(そういえば……)

 ユリコは少し思い当たる節があった。

昨日も、そして今日もこの病院に来る際にちょうどこの星の基地の横の道を通って来たのであるが、何となく警備についているスターナイトの数が多いように感じた。

何か特殊で秘密な軍事訓練でもあるのだろうか、いや何かあるにしてもここは病院だ。いずれにしろそんな軍事的な理由でこの病院の空気が変わったりはしないはずだが……

「妹よ気にするな。私の見る限り特に変わった様子は無い。いつもと同じだ。この星は平和そのものだ。気のせいだ」

「そうですか、だったらいいのですが……」

「この病院の締め切った空気の中にいるからそんな風に感じるんだ。たまには窓でも開けて空気を入れ替えたらどうだ」

 カイトはそう言うと窓を開ける。いい風が入ってきた。

「今日もいい天気だ。風も心地いい」

 その窓からは外が一望できる。特にミルの病室はこの病棟の一番上にあるために、ここからの景色はそれなりに眺めが良い。

そしてここからは病院の隣にあるこの星の軍事基地も見渡せる位置にある。基地では多くのスターナイトが配備されていて、それがここからは良く見える。

もちろんこの星は戦争とは無縁の星であるから、配備されているスターナイトは全て旧式ではあるが……


 カイトは窓から外を眺めていると、ふとある少女が病院の駐車場に立っているのが見えた。

10歳かそこらだろうか、ミルと大体同じ年頃だと感じた。こちらを見上げていて周りに親がいるような気配も無い。たった1人だ。

 ここは病院だ。たしかにミルと同じくらいの子供が来院してきても何ら不思議はないし、もしかしたらカイトたちと同じように、誰かのお見舞いに来ただけかもしれない。

しかし、カイトがここ数年、ミルのお見舞いに病院に来た際に、見かけた事が一度も無い少女だ。それがカイトは少し気になった。

 そして何より気になるのがその少女の眼だ。上手く言えないが、瞳は深い青色で、まるでこちらの心の中を見通すような不思議な眼をしている。

それがカイトには印象に残った。

「この病院にはミル以外にも子供が入院しているのか」

「やぶからぼうに何?」

「いや、駐車場に女の子がいるからさ、あの子もここに入院しているのかなって」

「女の子?」

「ああ」

「どこにいるの?」

「ほら、あそこ」

 カイトは窓から駐車場を指差すが、そこに女の子の姿はもう無かった。辺りを見回してみるがやはり誰もいない。

「……あれ」

「何処にもいないじゃない」

「おかしいな……、あ!もしかしたら」

「なに?」

「今見た女の子はこの病院で昔亡くなった子の幽霊とか」

「ばか言ってんじゃないわよ!」

 ユリコはそう言うと席に座る。彼女はしっかり者だがやはり女の子だ。お化けとか幽霊といった話には弱い。

「見たのはウソでしょ、全く」

「いやいや、見たのは間違いないんだけど」

「じゃああんたの見間違いよ」

「そうかなあ……」

「そうよ、この病院には良く来るけどミルちゃん以外の女の子になんて会った事は無いわ、この特別病棟に入院している人達なんてこの星のお偉いさんか、せいぜい訓練でケガした兵士くらいじゃない。街の病院とは違うのよ」

「じゃあさっきのは……」

「見間違いよ、まあ見間違いじゃないとしたらせいぜい親がこの星で軍人をやっていてその見舞いに来た子供という線かしらね」

「そうか、幽霊じゃないのか……つまらないな」

「あたりまえでしょ!」

 ユリコは幽霊という言葉が出ると少し怒ったように大声を上げる。やはりこういった話には弱いようだ。

「あらあら、ここは病院よ、静かにしてください」

 突然私達に声がかかった。振り返ると部屋の戸口に1人の看護婦が立っていた。エリカさんだ。彼女はミル担当の看護婦である。

「あ、エリカさんおはようございます」

「おはよう、ミルちゃん」

 ミルはエリカと挨拶を交わす。その後エリカはカイト達の方に向き直すと少し怒った顔で注意してきた。

「あなたたちの声が廊下にも聞こえていたわ、ここは病院ですからね、もう少し静かにしてください」

「すいませんエリカさん。さきほどこの病院で幽霊を見たものですから」

「だからあなたの見間違いだって言っているでしょ!」

「会長、しー……」

「あ……ごめん」

「幽霊?」

 エリカが怪訝な顔で聞いてくる。

「幽霊かどうかはまだ分からないです。ねえエリカさん、この病院にちょうどミルと同じくらいの年頃の子は入院していますか」

「いえ、子供で入院しているのはミルちゃんだけですよ」

「ならさっき見たのはやはり幽霊……」

「だからそんなバカな事あるわけないでしょ。この病院に入院している別の誰かの子供が見舞いに来ただけかもしれないでしょ」

 そう言いながらもユリコの言葉には少し動揺が見られる。

「はいはい静かに、たしかにこの病院には親の見舞いにその子供が来る事もあるし、もしあなたたちが子供を見たとしたら、見たのはその子供でしょう。それよりそろそろ学校に行かなくていいの、もうこんな時間よ」

 そう言うとエリカは時計を指差す。ここに来てから、いつのまにかもう結構時間が過ぎている。そろそろ学校に行かなくてはならない。

「あ、もうこんな時間、それじゃあミルちゃん、また今日の放課後に来るからね」

「会長、今日の放課後は学園祭に向けての会議がありますよ」

「あ、そうだったわね」

「学園祭?」

 ミルが怪訝な顔で聞いてくる。

「1月後に私たちの通う学園で学園祭があるのよ。今日の放課後は生徒会でそれに向けての会議があるの」

「だからミル、今日はもう来れないかもしれないが、明日の朝にはまた来るよ」

「そうですか、わかりました。それにしても学園祭ですか。私も行きたいですね」

「じゃあ来る、ミルちゃん」

「え、」

「その日だけこの病院に外出許可をもらえばいいわ、ねえエリカさん、可能ですよね」

「ええ、事前に許可を願い出ればおそらく大丈夫だと思いますが……」

「じゃあ決まり、ミルちゃんを我が学園の学園祭に招待するわ」

「わあ、ありがとうございます」

「ふふ」

 ミルはとてもうれしそうだ。いつもこの病室にいるために、たまに外に出られる事があると彼女は非常に喜ぶ。

「ただ……」

 しかしエリカさんが少し表情を曇らせる。

「どうしましたかエリカさん。何か問題でも」

「いえ、ただ彼女の場合、まだ幼いということで誰かが付き添ってあげないと許可は得られないと思います。規則でそのように決まっているはずです」

「それなら心配いらない。妹の面倒は私が見ます」

 カイトが前に進み出る。

「それはそれでいいのですが、出来れば医学的知識のある方も彼女に付いていてあげた方が良いと思います。万が一のことが起きた時に対応できるように」

「それならエリカさんも学園祭に来ればいいじゃないですか」

「え、私が?」

 ユリコの提案にエリカさんはちょっと驚いている。彼女にとってこれは意外な申し出だったらしい。

「でも私は……」

エリカさんは何か言いたそうである。その理由をユリコは知っていた。彼女は実はエリーターではないからである。

原則的にエリーターではないノンエリーターはこのエリーター地区には入れない。

ノンエリーター達は今、我々がいるエリーター地区より少し離れた位置にある鉱山区の町に暮らしている。そこでの鉱山の発掘作業に従事しているのだ。

そして、そのノンエリーター地区に住んでいる人達が、このエリーター地区に来る事は原則として許されない。

逆もまたしかり。つまりこの星の高官でもない限りエリーター地区とノンエリーターの住む鉱山区を一般人が自由に行き来する事は許されないのだ。

エリカさん、彼女は実はノンエリーターであり、ノンエリーター達の住む鉱山区にある病院で働いていた女性なのだ。

その働きぶりを、たまたまその施設を視察したこの星の高官の目にとまり、給料の良いこのエリーター地区の病院で働かせてもらっているわけである。

しかし、彼女は自分がノンエリーターであるということにわだかまりがあるのだ。それに周りも彼女がノンエリーターという事で、白い目で見る者も少なくない。

だからエリーターの生徒達が通う学園の学園祭に、自分が行く事に躊躇しているのだ。そんな彼女にユリコは言う。

「エリカさん」

「はい……」

「あなたの気持ちも理解できますが、ミルちゃんを学園祭に招待するに当たり、医学的知識のある者が付いていた方がいいというのであれば、ミルちゃん専属の看護婦であるあなたに来てもらうのが一番いいと思います。この病院の医院長の方には父から話を通させてもらいます。ミルちゃんと一緒に学園祭に来ていただけませんか」

「わたしもエリカさんが一緒なら安心です。学園祭に一緒に行きましょう」

 ミルもユリコの言葉に同意した。

「妹がそう言うんだ。エリカさん、妹の世話をしてほしい、兄の俺からもお願いするよ。俺は一応生徒会に属している身だし、ずっと妹の面倒を見ている訳にもいかないかもしれないからね」

 ユリコやミル、そしてカイトにお願いされ、エリカも承諾した。

「わかりました。それではミルちゃんの付き添いとして私も学園祭に行きます」

「わあ、エリカさんも一緒だなんて学園祭が今から楽しみです」

 ミルはとてもうれしそうだ。

「と、いつまでもそんなことを話している場合じゃないわね、そろそろ学園に行かないと本当に遅刻しちゃう」

 ユリコは時計を見てそう言う。

「それじゃミルちゃん、エリカさん、学園祭を楽しみにしていてくださいね」

「ええ、ユリコさんも兄の事を宜しくお願いします」

「おいおい妹よ、この兄のことは何も心配いらないぞ。何しろ私は……」

「いずれこの宇宙を支配するんでしょ。分かっていますよ。お兄様の口癖ですから。ユリコさん、こんな兄で迷惑をおかけするかもしれないけど宜しくお願いします」

「ええ、分かったわ」

「お前達……」

 カイトはげんなりした。

「はいはい、あなた達。早く学校に行かないと遅刻するんでしょ。ミルちゃんの後の世話は私に任せて、あなた達は早く学校に行きなさいな」

「はい、それじゃあミルちゃん、また今度ね」

 エリカさんに促され、カイトとユリコは病室を出た。そして病院の廊下を歩く。

「ミルちゃんも変わらず元気でよかったわね」

「はい」

 しかし、エリカはさっきカイトの言っていた事が少し気になっていた。この病院の前でミルちゃんと同じ年頃の子どもを見たという。

この病院にはさっきも言った通り、ミルちゃんと同じ年頃の子どもは入院していない。そもそもこの特別病棟に入院しているミルが特別なのだ。カイトが見たのは誰か他の入院患者の見舞いのために、親に連れられてきた何処かの子供かもしれない。が、エリカはその事が妙に気にかかった。もちろん幽霊であるなんてことは信じていなかったが。

それとミルが言ったことで、ここ数日、普段と何か違う違和感を覚えていたこと。

実は彼女も数日前からその違和感を覚えていたのだ。妙に空気がいつもと違う。しかし、ユリコは無意識にそれらを感じていたのであり、意識して感じていたわけではなかった。 


ただ、何か不吉なことが起きる予感の様なものを感じていた。

 


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