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女の髪の毛を集めるカルマ君と、親がブログにあげた写真のせいでネットのおもちゃにされたマイちゃん  作者: 津山 まこと
第1章 女の髪の毛を集めるカルマ君

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第13話 お前ら罪悪感抱かずにすんでんのかよ。獣だから?

 稲森の言葉にヒントをえた気がする。

 そうか、イヤかどうかは本人次第か。

 ならイヤじゃなければ加害にはならない可能性があるし、それプラス相手のことをよく知らないで好きになるんじゃなくて、熟知すればいいってことなんじゃないか。

 正解をみつけだせた気がする。

 嬉しさがこみ上げてきた。



だがその後、じわじわと母さんへの後ろめたさが出てきて感動を打ち消される。

この自分を内からコントロールしようとしてくる罪悪感から俺はいつか抜け出せるのだろうか――――。




 大丈夫。

母さんのルールを守り、稲森に確認をとればいいんだ。

そうすればきっと晴れるはず。

 稲森に性欲をむけられてもイヤじゃないかを聞こう。

 もしOKなら告る勇気はないが告られるのを待ってもいいと思った。

 調子のってんな俺。

 でも本当にOKがでたら……

 俺の頭の中に勝手に浮かんでくる妄想に罪悪感を抱かずに済むのは確実だ。




「ほい」




 ふいに声をかけられ現実に戻された。

 隣に座ってる男がデンモクを渡してきたんだ。

 俺は受け取るもすぐ隣のアイドルオタクの女に手渡した。

 歌う気がないから。

 受け取ったアイドルオタク女は友達と自分たちが推してるアイドルを検索してどうするどうすると騒ぎ出す。



 現在のマイクの持ち主が歌ってるどっかで聞いたことあるけどタイトル知らない曲を聴きながら、まさかクラスの連中とカラオケに来ることになろうとは思わなかったなとまた考えにふけった。





 つい数時間前、高校二年生最後のホームルームが終わった瞬間、スクールカーストトップの男が「このあとカラオケ集合な」のかけ声とともにぞろぞろとみんなでカラオケにやって来た。

 担任もあとで顔を出すらしい。

 明日から春休みに入る。

 休み明けにはクラス替えで、このメンツとは今日でお別れだ。

 だからお別れ会として開催されたらしい。

 カーストトップの陽キャっだけしか集まらないかと思ったが、これが最後の付き合いだから気楽なもんで、カラオケの部屋もグループでそれぞれ別れることが出来るという理由からカースト底辺の陰キャも来ていた。

 中間層の俺も来た。稲森が行くみたいだったから。





 店には前もって予約していたのか全員無事入れた。

 部屋割りはまず陽キャ連中と普段から群れをなしてる女子グループが勝手に部屋に入っていき、棒立ちを決め込んでいるそれ以外の奴らを幹事責務を放棄した陽キャの代わりに委員長が割り振っていった。

 不仲をくっつけないというシンプルな割り振りをされ、俺はいま闇鍋のような部屋にいた。




 アイドルオタクの女子達、電車が好きそうな奴ら、俺、全然喋らないくせにプライド固そうなチー牛、勉強も運動もキャラクターもコミュニケーションも全部平均点すぎて誰とも凸凹がマッチせず深い仲になれない奴。

 あとなぜか陽キャカップルが一組いる。誰にも邪魔されないためにこの部屋を選んだっぽい。俺らを家具ぐらいにしか認識してないんだろう。




 ちなみに俺の目的である稲森とは一緒の部屋になれなかった。

 というか稲森は早い段階でスクールカーストトップ達に連れていかれてしまった。







 ふと目の前の女が動いた。

 陽キャカップルの女だ。

 フライドポテトを一本つまみ、男の口に運ぶ。

 男が口をあーんと開けるも、女は焦らし、唇にポテトをつんつんするだけでいつまでたっても食べさせない。

 男もキレずに、もーなんだよと女にツッコミをいれるかわりに胸を触っている。


 お前ら罪悪感抱かずにすんでんのかよ。

 獣だから?

 それとも相手が了承してるから?

 どっちもか?





 急に男が顔をしかめた。

 俺がずっと見てることに気づかれてしまった。

 なに俺の女見てんだよってか?

 ビッチ女に手を出すかっつうの。

 俺は視線を変える動機にジュースを飲もうと手を伸ばす。

 空だった。

 ちょうどいい。



 俺はカップを手に持ち、ドリンクバーをおかわりしに部屋を出て行くことにした。

 フロアに出ると空気がすがすがしく解放された気分になった。

 このフロアは自分のクラスだけの貸し切り状態で、他の客の目を気にしなくて楽だった

 ――――いや全然楽じゃないぞ。





 またカップルがいた。

 壁ドンみたいに二人で壁にはりついて耳元で囁きあっている。

 ああ前を通るの気まずい。

 俺はまっすぐ前だけ見つめて、お前らの存在に気づいてませんって感じですばやく通り過ぎた。

 にしても、このクラスにこんな濃厚なフェーズにまで進んでるカップルがいたとはな。

 あいつらも罪悪感を覚えてないんだろうな。

 だからそんなとろけるような表情できんだよ。

 イラつく。

 死ね。





 ドリンクバーに到着するとコーラをそそぎ、近くにあったソファーに腰掛けた。

 またあのカップルの前を通り、俺を睨んできたカップルのいる部屋に帰るのが億劫で、俺 はスマホをいじって時間を潰すことにする。

 三杯目のウーロン茶を飲んでる時、ガチャっとどこかの部屋の扉が開き、大音量の音が漏れた。

 その音を引き連れ――――稲森が姿を現したんだ。



 まさかって感じだった。

 息が止まるかと思った。

 神様ありがとう。




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