ある冬
実際目に見えるもの、聞こえるものは強い。それが最たる主体であるかのように感じさせる。
あんまり大きな声で言うものではないのかもしれないが、私はもう体感でつかみ取る自分の感覚を採用していくことにした。
その場しのぎなどではなく、継続する尊さに触れたからだと思う。
根源的なベースとなっているものは、その上にどんなものが乗っかろうとも、揺るぎなく存在しているのだ。
機嫌とか、態度とかがどれだけ一般的に穏やかではないようなものに見えたとしても、極端な話、たとえ罵倒したり悪態をついていたりしていたとしても、根底に流れている尊厳は変わらないのだ。
どう考えても世の中サイドの方がおかしいと思う。全然おかしくない方が苦汁を飲まされる、私の想像も及ばぬ苦労の上に、今年も雪が降る。