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46、ボッチPKアジトを離れる

、、、目が覚めたら昼過ぎでした、、、。

 何をやってるんだと思うかもしれないが聞いてほしい。追われている状況なのにずいぶんのんきだと思われるかもしれないが、このアジトに帰ってきたのは明け方近くである。そこから二人の付き添いに食事を用意して、準備して寝るころにはもう朝だったような気がする。ここまで寝てしまったのは予定外だが、ある程度は睡眠をとって疲れをとっていないといざというときに動けない可能性があるのだ。獅子天団の子供たちは仕方のないことではあるがとても弱く、付き添いの二人の子供たちも一般人より少しマシといったくらいの強さで普通の駆け出しの冒険者にも苦戦するくらい弱いので、戦闘では期待できないだろう。つまりいざというときは彼女たちを守りながらの先頭になるということだ。彼女たちの命を預かる以上体調は常に万全でいろいろなことに備えなければならない。それに俺は2年間も襲われながらもいろいろな襲撃から逃げ続けた男である(ゲームの中だけど)。この状況では急いで行動してもあまり変わらないことが多いし、ましてやここは元の世界より全然文明が発達していない世界である。情報の伝わりも全然遅いはずである。

 昨日全滅させた人さらい軍団の元締めがそのことに気が付くまでには、人を使いいくつもの通信手段を駆使して状況を確認してその情報を受け取ってである。

 現代世界のような通信手段がないこの世界では通信手段は主に人を使うことになる。空を飛ぶ魔獣を使役するテイマー職を使ったとしても片道二日、往復で4日はかかるとみていい。しかも手掛かりはあまりない。加えてここはロッツの森の奥深くで人を見かけることもほとんどない。

 そんな状況で追ってくるのはなかなか難しいだろう。

 ライアン教の聖騎士団はなかなかフットワークが軽く、執拗に追ってくるので何か仕掛けてくる可能性が大だが、万が一襲撃を受けたとしてもボッチの俺には味方が少ないほうが迎え撃つのはやりやすい。

 こういった理由からこの時間まで寝ていたのだ。断じて寝過ごしたわけではないのだ。

 そんな言い訳を心の中でしていると、ふとついてきてくれた二人の付き添いが気になって、周りを見まわす。

 彼女たちは、すぐ近くに置いてあったテーブルにおとなしく座って待っていた。俺が寝る前に彼女たちに出しておいた簡単な食事話きれいになくなっていたので、食事をした後はそのままテーブルに座って俺が起きるのを待っていたのだろう。

 初対面の年上の人間を起こすことはできなかくておとなしく待つしかなかったのだろう、とても申し訳ない気持ちになる。しかしいつまでもここにこうしているわけにはいかないので、ササっと準備をして彼女たちの前に行き

「お待たせ、じゃあ出発しようか。」

二人は顔を見合わせこちらに向き直り、ゆっくりとうなずいた。

 このアジトから離れるのは予定外だが、逃走の準備は少し前から進めていたので、そこまで慌てることなく準備できた。食料も十分あると思うし、襲撃を受けたとしてもある程度は対応できるはずだ。

 出発しようとしたが、今は昼過ぎで昼食をとっていなかったのを思い出しアジトに戻る。そして自分と二人の付き添いの子供たちに料理をふるまう。元の世界では一人暮らしで自炊していたし、この世界では料理スキルというサブスキルがあり、俺はずっと追われていたので、体力や魔力などを回復させるため料理をしていたので、そこそこ高い料理スキルを持っているのである。 

 だから簡単な料理ならすぐにおいしく作ることができる。腹が減っては戦はできぬというし、きちんと食事をとってから追いかけることにした。本音を言えばここから動きたくないが、相手が俺を知っているということは絶対にこの周辺に人を配置して、捜索するだろう。そうなると逃げ切るのはなかなか難しくなる。このアジトは俺がこの世界に来て借りていた部屋より全然いい家でとても快適だったので、名残惜しいが迅速にここから離れるしかない。

 あらためて二人に案内してもらいながら裏道を進み、先行している集団に追いつくため駆け出した。

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