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44,ボッチPK おかしな集団と接触する。

三人の真ん中にいた少女がためらいがちに話しかけてきた。

「私たちは死司天団のメンバーでP4のサティと申します。これからのことについて提案があるのですが、、、。」

 おそらくためらいがちなのは俺たちが自分たちにとって味方であるという確信がなく、戦闘になるかもしれないという緊張からきていると思う。提案というのもこちらの状況を把握したうえでの提案だろうが、それも絶対とは言えない。戦闘になった場合人数的にはこちらが圧倒的に不利だが、この世界では個人の能力がものをいうのでこちらがよっぽどのことがない限り勝つだろう。まあこちらもそんなに余裕がある状況ではないというか、できれば助けてもらいたい状況なので無下にする気もないが、、、。

 そして彼女たちの所属している死司天団という組織は絶対にプレイヤーが関与していて、この組織名はおそらくというか確実に俺に対してのメッセージだと確信している。

 俺は<人魔大戦>時代にある事件からほとんどのプレイヤーから狙われる羽目になったのだが、その状況を切り抜け続けて、2年が過ぎたころにやっと収束したのだ。その普通ならあり得ないであろう功績といっていいのかわからないがまあゲームを盛り上げるのには貢献したのでに、運営から特別に固有職とそれ専用の装備をもらったのだ。その職業は系統的には罪科職の最上級職という位置づけになるのでこの世界に来た時に外れてしまったが、その固有職の名前が死死天帝といういかにも中二な名前なのだ。(死神とかありきたりだって、運営に文句を言ったらこうなりましたorz。)

 このことからこの組織を作ったのはゲーム時代の俺を知っててなおかつライアン教と敵対している組織だといえる。そして彼女の役職はP4である。これはもう確定といってもいいくらいだと思う。

 こちらとしても地下の人たちを助け出すと、そこそこの集団になるので行動も大幅に制限されてしまうが、かといって追われている状況で、のんびりともしていられないという困った状態なのだ。

 この状況で協力者の存在はありがたい。罠の可能性もあるがその時はもうその時に考えるしかない。現状途方に暮れてるし。だがいちおうソルと相談しておいたほうがいいと思い、

「その前に、ちょっとこちらだけだ相談させてもらっていいか?」

提案を提示する前に言われたので若干面食らったような感じのサティが戸惑った様子で

「?、え~と、、??ど、どうぞ?」

といったのでソルを少し離れた場所に連れていき相談を始める。

 しかしソルは若干納得していない様子で

「おい!まだ提案も聞いてないのにどういうつもりだ?!」

と言ってきたが、俺はそれについては予想がついていたので

「提案の内容は予想がついている。彼女らのトップはライアン教と敵対しているプレイヤーだ。罠の可能性もあるが、この状況で俺たちだけで行動してもどうにもならない。ここは彼らのアジトに案内してもらって、そこでライアン教とかの状況について情報を集めるのがいいかと思うが。

ソルはどう思う?」

「その前にプレイヤーってなんだ?」

「それも彼女たちのアジトに行けばわかる。」

「そうか。まあ正直途方に暮れてたしな。そうするか。」

 やっぱり彼も今の状況に手詰まりを感じていたか。まあ大きな拠点を持たないお尋ね者の時点でお察しって感じだが、、。

 話がまとまったので、サティのほうに向かい話しかける。

「すまない、待たせたそれで提案というのは」

「すみませんがその前にお名前を確認させてもらってもいいですか?」

「シグマP9だ」

「ソルだ」

「やっぱり、、、。」

 おそらく予想していたのだろうが実際に的中するとやっぱり何か思うところがあるのだろう。明らかに戸惑っている。俺は<人魔大戦>時代に追われていたときはほとんどこの格好だったのであらかじめ見た目などの情報を聞いてこの装備をしていることを知っていたのだと思う。

「、、、失礼しました。提案というのは捕らわれている人たちと一緒に私たちのアジトに来ませんかというものです。私たちもライアン教に恨みがあるのでお互い情報の共有ができて、共闘ができると思うんです。」

 まあ予想通りの提案だよね。もう少し詳しく聞いたほうがいいかな?

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