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40,エクスワイバーンロードのソルの事情2

(そこから先はあまり覚えていない、、、。ずっと半分寝ているような感覚で何も考えることができなかった。だが俺を操るときに体に流れた魔力はしっかり記憶に残っていた。)

「だから”隷属の首輪”を壊したときに真っ先にあいつに向かっていったのか、、、。」

だがソルはゆっくりと首を横に振った。

(それもあるがそれだけではない。”隷属の首輪”は呪物だ。破壊されればその呪いの力は術者本人に帰っていくはずであろう。)

 「つまり呪いが本人に行かないように、それまで操っていたやつに向かうようにされていたということか?」

(おそらくだがそのとおりだと思う。信じられないのかもしれないが、あの攻撃は俺の意思ではなく勝手に体が動いた感じだった。これは呪いのエネルギーの反動を無理やり消費させて術者に行かないようにするために、首輪が破壊されたときに自動で発動するように設定されていたんだろう。)

 「そういうことか、、、。」

 思ったよりも複雑な効果が付与されていた。ディオニスの信徒の幹部は全員判明していなかったがそこそこ強力な敵NPCで、判明している奴は2人が倒されて4人が健在でいろいろな事件で暗躍している状況だった。

 この状況だとあまり考えたくはないが、そいつらもこちらの世界でNPCではなく実在の人物として暗躍していると考えたほうがいいだろう。

 なんだろう、どんどん敵対勢力が増えて強力になっていっているような気がする、、、。

(そこで提案なのだが、共闘しないか?俺はまだ兄と妹がおそらく同じように操られているから助け出したいし、何より奴らをほうっておくわけにはいかない。だから強力な味方は多いほうがいい。)

 「俺としては願ってもない提案だが、であったばかりの俺を信用できるのか?」

(まあ、出会ったばかりではあるが状況はなんとなくわかる。おまえはここの地下に捕らわれている人たちを助けにここに乗り込んできたんだろ?

 それならば共闘するに値する人間だと判断できる。同じ敵と敵対しているのだからお互いに損ではないはずだ。違うか?)

 若干大きな誤解をされている気がするが、この提案は俺にとって渡りに船ともいえる自分も望んでいた提案だった。

 元々冒険者になって、冒険者のランクを上げていたのはアトラス山脈にあるパルティアの神殿に行くためである。

 元の世界に戻るには、運営として存在していた女神パルティアに会って話を聞くのが一番の近道といえる。そしてパルティアに会うためには先ほど出てきたアトラス山脈にあるパルティア神殿に行く必要があるのだが、このアトラス山脈に入るにはAランク以上の冒険者ライセンスが必要とされている。

 この入り口以外から入山してパルティア神殿に行くことはできないことはないが、この山脈は魔獣の平均ランクがAランクというハイアベレージを誇り、たくさんの難所や罠が待ち受けるこの世界屈指の難関エリアである。

 そこから目指すのは不可能ではないが、ゲームならいざ知らず死んだら終わりの現実の状況ではあまりにもリスクが高い。

 そのためおとなしく冒険者としてコツコツと依頼をこなしてランクを上げていたのであるが、今回のことでこの方法は使えなくなってしまった。罪科職であるキラーやアサシンなどは冒険者ライセンスをはく奪されて以来が受けれなくなってしまうのだ。

 しかもお尋ね者になってしまったのに加えて、敵に高レベルのディオニスの信徒がいるであろうことが判明してしまった。この状況ではさすがに自分一人で何とかするのは難しく、味方が一人でも欲しい状況である。

 こういう状況で彼のような高レベルの人物はとても助かる。しかもうまくいけばあと二人彼のレベルに近い人物が増える可能性があるのである。もちろん希望的観測であることは否めないが、今の時点で共闘を受けて自分に不都合が起こることはない。

 こういった理由から俺は彼の共闘の提案を受けることにした。

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