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25.ボッチPK逃亡生活の準備する。

 これからの方針を確認したところで、できるだけ早く行動を開始しようと思う。聖騎士団はこの森に逃げ込んだことを確認しているのでそのうち討伐体が結成される可能性があるし、場合によってはライル王国の騎士団と連携してくる可能性も考えられる。

 こちらに非がないとはいえそれを証明する手立てはないし、王都のギルドマスターへの紹介状があるといっても、あちらもそのことを予測して行動しているだろう。

 王都側もこちらが何もアクションを起こさない限りは聖騎士団の言い分をもとに行動方針を決めるだろう。最悪の事態としてはここを放棄しなければならないといけない事態になるかもしれない。この隠れ家は前に説明した通り隠ぺい力に優れている分、防御能力は低い。見つかって立てこもっても建物ごと焼き払われるのがオチだ。なのでいつでもこの森を離れられるように準備をしなければならない。

 素材を調達しながら逃げるという方法もあるかもしれないが、そういうその日暮らしのような逃亡旅はすぐにジリ貧になり、余裕がなくなって致命的なミスを犯す。

 なぜわかるかって?それはすでに経験済みだからである。その時はほんとに毎日が憂鬱でログインしたくなかった。もうやめてしまおうと何度も思ったが、それが自分の負けを認める行動だと思うとできなかった。あんな精神を毎日すり減らす生活はしたくない。ましては今はこれはゲームではなく現実だ。その精神の摩耗具合はゲームの比ではなく、間違いなくゲームオーバーを迎えてしまうだろう。

 そうならないためにも早めの行動が重要になってくるのだ。

 幸い今の季節はまだ春になったばかりといったところなので、食べ物を集めるのはまだやりやすい。加えてこのロッツの森は鬱そうとしているが、山の幸が豊富で魔獣も奥に行き過ぎてソウハ大森林に入り込まない限りは苦労するようなものはいない。

 なのでこれから魔獣を狩り食料として使えるように加工したり、野草などで食べられるものを集めたりしていく。<人魔大戦>でサバイバル生活をしてきた影響でサブスキルの解体技術や野草学、薬草学がそこそこ高くなっており、食べられないものを見分けたり、解体もいたずらに部位を傷つけることもなく進めることができて結構思ったより順調に事が運んであるように感じた。

 この森は先ほど説明した通り鬱そうとしていて、そこまで強い魔獣もいなくて潜伏するにはもってこいなのである。

 つまり何が言いたいのかというと、俺のような訳ありや、犯罪者、悪だくみをする組織などにとってもこの上ない環境なのだ。

 やはりというか、既定路線というかいきなり襲われることになった。森の中で食べられるものや魔獣を探して歩いていると、いきなり矢が飛んできた。

 いちおう気配察知でそちらに何かいることは分かっていたので、警戒していたおかげで何事もなくよけることができたが、森の中にいる訳ありにしては身なりが整っている。冒険者だろうか?

 しかし冒険者ならいきなり矢を射ってくるような物騒な真似はしてこないと思う。まあ今の感じからそれほど高レベルではないと判断できたのでいちおう確認のために聞いてみる。

「冒険者か?」

 そいつらは三人組で一見すると冒険者に見えるがそれにしては荷物が少ない。アイテムボックスはプレイヤーである人間しかもっていないようなので、この世界の人間が森に入って魔獣を狩るならそれなりの装備がいるはずである。

 彼らは特に何も答えることはなく、にやにや笑いながら問答無用で襲い掛かってくる。こうなってしまうともうやるしかない。

 前衛っぽい前にいた二人が襲い掛かってきて、一人は後ろで魔法を詠唱している。俺は(紫電一閃)で襲い掛かってきた二人の間をすり抜けて、魔法を詠唱していた一人の胸に剣を突き刺す。

 いきなり魔法職がやられて動揺している二人のうちの一人に(ライトニングアロー)を使い動きを阻害して、その間にもう一人に近づき剣を袈裟切りに振り下ろした。

 完全に虚を突かれて動けなかったので、何も抵抗できずに切り伏せることができたのでそのままもう一人に向かって剣をふるう。

 最後の一人を形勢不利を悟って青い顔をしてその場から逃げようとしていたが、その背中に剣を突き立てとどめを刺す。

、、、しまった。あまり強くなかったのでやってしまった。偶然か依頼かとかききだすべきだった。明らかに何かおかしい気がしたのに。

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