24.ボッチPKこれからを考える。
もう起きた時には、昼前くらいだったのでもう昼飯としてアイテムボックスから取り出したパンと干し肉とレタスをサンドしてマヨネーズをつけたものとコーヒーで食事をとる。
マヨネーズやコーヒーはゲームで出てきた影響かこの世界でも普通に売っててびっくりした。市場をよくよく調査した結果、どうやらゲームで出てきた調味料などは大体売っていることが分かった。
この後どうするかだが、まずは食料などの調達から始めようと考えた。ある程度のストックがあるとはいえ不測の事態などを考慮すると今の倍くらいは欲しいところだ。幸いこの施設は一通りの設備はそろっているので、水などは生活魔法があり生活のほうはしばらくは何とかなりそうだ。
今までの経験からしてこういう場合はすべてにおいて最悪の事態を想定して動くことが重要になる。<人魔大戦>での大丈夫だろうとか、まあ何とかなるだろうと楽観的に考えて、何度も絶体絶命ともいえるピンチを迎えることになってしまった経験だ。
今回の場合で言うとリグルの村でギルドマスターであるサイモンが王都マイルズのギルドマスターに紹介状を書いてくれているからすぐに向かうというものだ。
何も問題がなさそうに思えるが、問題は聖騎士団である。
彼らはリグルの村から追いついてきたのではなく、王都マイルズのほうから来たのである。しかもことが起きて4日ほどしかたっていないということを考えると、ライアン教のほうには知れ渡っていて、王都にも手を回されていると考えたほうがいい。そして昨日遭遇した聖騎士団はこういう事態にかなり手馴れている様子だった。つまりライアン教には俺のような人間を捕らえるか殺す専門の組織がいくつかあるということになる。それに加えて隊長であったケイオスは騎士の最上職のパラディンであった。
<人魔大戦>では最上職は上級者の証みたいなところがあったので、そこそこ到達している人を見かけることがあったが、この世界ではまず見かけることはない。ライル王国のSランク冒険者は当然最上職であるがそれ以外で噂に上がるのは王宮近衛兵長などのごく一部で、Sランク冒険者を入れても10人もいないとみられている。そんな希少な職業のものがこんなところまで出張ってくるというのは違和感がある。仮にこれがライアン教にとっての普通なら最上職の人間はまだたくさんいることになってしまう。そうなると王都で複数の最上職の人間に囲まれる事態になりかねないのだ。
ケイオスを簡単そうに倒せたように感じた人もいるかもしれないが、普通に戦えばあっという間にこちらがやられていただろう。それほど最上職の人間は厄介なのだ。
今回俺が簡単に倒せたのは、<人魔大戦>で何度もパラディンの人間と戦って戦いを熟知していたことと、彼があまり最上職の特性をうまく引き出せていなくて、ステータスだけでごり押ししようという意識でいたことが最大の理由である。
パラディンなどの騎士職業はパーティ戦やたくさんの部隊での多人数戦で本領を発揮し、互いが互いをかばい、連携して攻撃をつなげていく。そんな戦いで最も効果を発揮するスキルをそろえているのがこの職業である。
なので昨日の彼のように少人数で攻撃して、しかも役割分担してお互いがかばえない状況で戦うのは悪手でしかない。
それに加えてケイオス自身の剣術の練度の低さと、状況の対処の甘さ、要するに彼自身の練度が低かったのだ。なので普通につよいパラディンに出会っていればやられていたかもしれないのだ。
このような理由から今王都マイルズはいくととても大変なことになってしまう気がするので仕方なく別の方法を考えているのである。




