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17.ボッチPK冒険者時代を振り返る15

前節と前々節で説明した理由から、なぜ免罪符が出てくるのか、そしてどうして問題ない行動をしたはずの自分が罪科職であるキラーになったのかが分からず質問を続ける。

「免罪符はこんなところで使えるものではないし、このような効果はないはずですが?」

 実際問題として免罪符でこんなことができたら大変なことになる。免罪符を持っている奴は横取りでもやりたい放題できるし、やられるほうは罪科職に落ちるのを気にして何も言えなくなる。

 そんな人間がどんどん力をつけてきたら、やがてどんどん世界中の人間が免罪符を持っている人間の言いなりになってしまいそうな気がする。

 それは憂慮すべき事態だろう。

「ライアン教には聖女シエラ=ヴォイスがいる。彼女が関係していると我々は見ている。」

 サイモンはそうやりきれない感じで答えた。

「いやいや聖女にそんな能力はないでしょう。っていうかアーリー=パラベラムではないんですか?」

 俺の質問に驚いた感じで確認するように聞いてくる。

「えっ?そうなのか?固有職である聖女も生まれることがなくなって久しいから、あまり情報がないんだ。あとアーリー=パラベラムという名前は聞いたことがないな。有名な人なのか?」

 <人魔大戦>では聖女はアーリー=パラベラムであった。聖女なのに前線の接近戦を好む変わり種の厄介なプレイヤーで接近戦も本職のプレイヤーに劣らないくらいできる。聖女になったのは手違いで、できれば前衛職になりたいとぼやいていた。

 しかし固有職は強力で一人しかなれないという破格の条件なので、その固有職になったものは職業が固定され、ほかの職になれないという縛りがある。ここがゲームと同じであれば聖女は彼女以外はいないはずだが、彼女がいないからなのか、この世界とゲームの世界と一人づつなれる仕様なのかわからないが何か引っかかるものがある。シエラ=ヴォイスもどこかで聞いたことがある名前なのでプレイヤーで間違いないだろう。

 だが今はそのあたりの詳しいことは調べようがないのでとりあえず保留にして、質問に答える。

「聖女の能力は範囲内の味方への防御系のバフ効果の付与と広範囲の状態異常の回復、体力の回復、解呪あたりの能力で、免罪符をどうこうといった能力はないはずです。」

「そうか。ところでやけに詳しいがどうしてだね?」

サイモンが探るような視線を向け訪ねてくる。

俺はしまったと思ったが、極めて冷静なふりをして

「知り合いに固有職全般を研究していたやつがいるんですよ。」

 うん、嘘はいってない実際そいつらの攻略情報に基づいて、いろいろなレアアイテムなどを集めたりしてたからな。

「そうか、、、。だがライアン教にはほかにも固有職の人間がいる可能性がある。その誰かという可能性は?」

「俺もすべてを知っているわけではないですがその可能性は低いと思います。」

 そもそも免罪符自体がプレイヤーとはあまりかかわりがないのだ。戦争イベントは魔族との戦いだけだし、決闘なんかもわざわざ免罪符をもらってきてをしなくても闘技場に行けばそのような心配もなく遠慮なく決着をつけられる。

 そんなほとんどのプレイヤーが必要としていないものをわざわざ固有職の能力に入れるとは思えない。

 サイモンもこれ以上はこのことに関してわかることはないらしく、これからのことに関してのことを提案してきた。

「私が紹介状を書くから、これから君には王都マイルズのギルドに行ってほしい。王都のギルドマスターは元Sランクの人間出来っと力になってくれるはずだ。」

こうして俺は紹介状をもって馬車で王都マイルズに向かうことになったのである。まあ、もともと拠点だから帰るつもりだったのだが、王都のギルドマスターは王都のギルドだけでなくライル王国全体を統括する立場でもあるらしくとても多忙で、俺も3人のサブギルドマスターに会ったことがあるだけでギルドマスターには一度も会えていなかった。なのでどんな人だろうかと考えながら馬車に揺られていた。

 俺はライアン教がどこまで勢力を伸ばしているのか知らなかった。そしてこの後ライアン教の影響力を思い知らされることになる、、、。

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