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142、橘 悠人の過去(ソロ活動開始2)

 俺がソロ活動を始めてから早三カ月がたった。

 その間も何回かクレアがパーティに誘ってくれて一緒にいったり、最初の依頼で一緒になったプレイヤーに声をかけてもらって一緒に依頼をこなしたりしたが、いずれもスポット参戦のような形で足りないところにヘルプで入ったような感じであって、継続的なパーティを組むことはなかった。

 俺に対するイメージはおそらく戦闘はできるけど、連携がとりにくいからメンバーが足りない時に頼むくらいの立ち位置にいるプレイヤーだ。

 要するに普通の依頼の時は別に組んでもいいけど、高難易度などあまり負けたくない場面ではあまり組みたくないということである。

 まあこの評価にはあまり憤りは感じない。実際問題として俺は他のプレイヤーが何を意図して行動しているのかあまり見ていない。これは俺が子供のころから治そうとしている課題であるが、なかなかというか全くうまくいっていないのはこの年になってもこの評価に落ち着いていることからもわかるだろう。

 俺自身はこの体たらくでも成長したほうだと思っている。最初のころは味方ごと敵を攻撃するのが日常茶飯事だったのだ。味方がこのころはNPCで本当に良かったと思う。こういった相手がいるゲームだと非難囂々だっただろう。

 こういった事態は俺自身予想していたので、初めからソロでの活動を主でやっていく予定だった。

 だが、このゲームでのソロ活動は思った以上に厳しかった。ボス的にやられ、変異種にやられ、ひどい時には集団で来たゴブリンや狼といった雑魚にもやられることになった。

 この会社は結構やっているからと完全に甘く見ていた。今までやってきたゲームと違いMMORPGとなったこととパーティプレイを前提にしていることもあって魔獣の一匹一匹がタフで結構攻撃力も高い。なのでソロだとのこりHPに常に意識しておかないとあっという間にやられてしまう。こまめな回復、四方から一方的に袋叩きにされない位置取り、袋小路になっている場所で字というときに逃げ場がない状況に陥らないようにするなど考えないといけないことがとても多い。

 しかもボス敵などは基本的に体力が減るほど強くなっていくので、こちらが相手を追い詰めれば追い詰めるほど逆転される可能性も高まるのだ。

 たくさんの全ロス負けの全滅をのりこえて少しづつ強くなり、そのころの中堅といえるレベル50台になっていた。

 そして俺はこのころ最初のソロ活動の壁になるボス敵、凶氷の射手クルーエル=ディーナと戦うことになった。

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