116、死司天団本部へ7
クオリアを倒して、専用クエストをクリアしても、まだ終わりにはならなかった。
というのもこのゲームはまだ手探りな部分がたくさんあって、そのためこのゲームの看板であり、他のプレイヤーの目標になりそうなこの職業には、いろいろな特典と制限が課されたのだ。
これはこの専用クエストをクリアした後に、運営から専用メールで連絡があり、メールでだがいくつかこの聖女職について話し合うことになった。
<人魔大戦>の固有職はさっきも言ったようにこのゲームでの看板職である。なので固有職になるにあたってしなければならないことについて説明された。
1.二週間に一度はログインすること。
2.その固有職が必要なイベントクエストには三回に一回は必ず参加すること。
3.会話ログなどプライバシーには配慮するが、行動は監視されることがある(チートや不正対策のため)ので、それに同意してもらうこと。
あといくつかあったがそれらは不正に対するものだったので割愛させてもらう。
ちなみに破っても不正でなければそんな大きな罰はない。聖女職から元の職に戻るだけである。(その時に専用の特典もなくなる。)
そして条件が整っているプレイヤーがいれば、その人に順番が回る。つまり挑戦の順番が最後から一からやり直しになるということだ。
そして固有職の特典とは
1.専用装備の進呈(搭載される能力はそのプレイヤーの意見を聞いてバランスを壊さない程度に反映された装備が与えられる。)
2.専用技の進呈(こちらもプレイヤーの意見を聞いてゲームバランスに配慮したものになる。)
3.専用拠点の進呈(宮殿ほどではないが豪邸)
4.専用エリアの進呈(これは3の拠点とセットになる。)
こんな感じである。
もともとハイスペックな性能の上に、こんな特典をつけてもらえたら無双できるといっても過言ではない。
いちおうその時のプレイ環境に配慮された性能にはなっているが、配慮されてなお凶悪な性能をしていた。
そしてもらった装備はもちろん拳武器で、もらった技は”鉄拳制裁”である。
このときこの<人魔大戦>の世界に”鉄拳聖女”という世にも奇妙な聖女が誕生することになったのである。
そして<人魔大戦>で二人目の固有職”聖女”を手にした”パラベラム団”はさらに規模を大きくし、団員数が8000人を超える大規模クランになったのだ。




