115,死司天団本部へ6
彼女が聖女になるためのクエストを受ける条件が整って、偶然な部分もあるが専用クエストが受けられたのだがこれですんなりと終わりとはいかなかった。
まあ、当たり前だがここからがスタートだったともいえる。こういった特殊な専用クエストは先に条件が整ったものに発注されていくので、失敗すれば次の資格を持つものに回される。
固有職の条件はどれも資格を得るための条件が厳しく、条件もはっきりとはわかってはいないため、どれも手探りでやっているのが現状である。
しかも固有職それぞれに課される専用クエストは、どれも参加資格、クエスト内容、クエスト失敗条件のすべてが全く違うので他の専用クエストの情報が役に立つことはなかなかない。
彼女に課された専用クエストは”反逆の聖女クオリアを討伐せよ”というものだった。
このクエストはパーティーで挑むことができて、失敗条件はクエストを受けて2か月経過というものだった。
彼女は兄二人と、仲のいい高レベルの友人にパーティーを組んでもらい手伝ってもらって、みんなで相談しあいながら攻略していったが、それでもひと月半以上かかってギリギリの攻略になってしまった。
というのもこのクエスト専用のダンジョンも癖の強いモンスターばかりで常に苦戦を強いられ、罠なども盛りだくさんだった。
苦労して最深部のボスまでたどり着いても、そこにはさらにプレイヤーを絶望のそこに叩き込むような凶悪な敵のクオリアが待っている。
彼女は包帯をぐるぐるにまいたスケルトンを使役していて、このスケルトンはミイラ男と呼んでもいいのかもしれないが、全身くまなく包帯で巻いているわけではなく包帯でできた服のような感じで手や顔、足などは包帯がなく素の部分がのぞいている。
このスケルトンはやたら装飾の凝っている剣と盾を使って様々な攻撃やスキルを使って前衛攻撃を担当して、クオリア自身は後方で魔法を使って攻撃を仕掛けてくるという戦い方だった。
こちらのパーティーも前衛三人後衛二人のバランスの取れた編成だったが、終始押されっぱなしの戦いだった。
むこうのスケルトンは一体だけなのに、こちらの前衛三人がかりでも有効打が全くと言っていいほど与えられず、クオリア自身もこちらの魔法を打ち消して、スケルトンにバフの魔法をかけてしかもこちらの後衛に向けて魔法を撃ってくるほどの手数を披露してくる。
何回も全滅させられ、そのたびに編成や連携の確認、位置取りしようアイテムなどを工夫して戦い方をブラッシュアップしていき、ついに23回目の挑戦で何とかクオリアを撃破してクエストを成功させたのだ。
ちなみにスケルトンは撃破していない。こいつは強すぎてまともに相手はしていられないので、うまく戦いながら二人を引き離していき、二人の前衛と後衛の一人がスケルトンを抑え込みその間に残りの二人でクオリアに特攻をかけて、体力も魔力もぎりぎりの状況で何とか撃破に成功したのだ。




