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110、死司天団本部へ

 俺たちは里に入ってそのまままっすぐに奥の突き当りにある建物まで案内されるまま進んでいった。

 その建物は他の建物と比べて3倍ほど大きく、周りのほとんどが一回か2階建ての中でこの建物だけが5階建てになっている。重要施設だということが一目でわかる。

 一回は入り口が三つあって向かって左側が馬などをつないでおく厩舎になっていて、そちらにこの獅子天団の面々と助け出した人たちをのせて牛車を引いていた牛型の使い魔を牛車から離して、既定位置に連れていく。これは獅子天団の子たちが「少し待ってください」といって、テキパキと手分けして10分くらいで終わらせていた。

 そして牛車の車部分は遺体を手分けして中に運び込み、向かって右側に運んでいく。こちらは物置になっているようだ。

 そして案内されるままに、上に上がっていく。

 1階は受付がたくさん並んであるような作りになっていて、そこで様々な依頼や手続きなどを処理指定るっぽかった。

 2階は食堂兼酒場になっていて、まだ昼には少し早いのに食事をとってたり、酒を飲んである人がいる。いいのか?

 なんとなく釈然としないまま3階に上がると、そこはホテルの宿泊施設のような部屋が並んでいた。なんとなく高級感が漂っていて、ここに泊まっている奴はやはりかなりのお金持ちなんだろうか?といった益体もないことを考えてしまった。

 4回はかなり広い部屋が一つあってそこに口状に机が並べられている。

 そして俺たちの向かいには5~6人くらいの人が座っていた。おそらくここを取り仕切っている人たちなのだろう。

 ちなみに助け出した人と、死司天団の面々の大半は1階で別れて、それぞれ帰還報告、受け入れ場所への案内、遺体の後処理など様々に動いてもらっている。

 なのでここにいるのは、俺とソルと死司天団の幹部らしきまとめ役をしてくれていた人と、こちらについてくれた転移者のケイコ=フリージアの4人である。

 「ようこそ、死司天団へ。歓迎しよう。私は一応統括管理者をしているロンメルというものだ。よろしく頼む」

 そういって真ん中にいた壮年の男性が丁寧なお辞儀をして、自己紹介をしてくれた。

 その挨拶は上に立つにふさわしいと思わせる人としての厚みを感じさせるものだったが、彼の左腕は肘から下はなくなっており左耳もなくなっていて、そのほかにも大小様々な傷がみてとれ、それは彼の人生が決して順風満帆ではなく、様々な修羅場をくぐってきた歴戦の戦士のような圧を感じさせた。(まあそういった歴戦の戦士のような人物にはあったこともないが、この人を見たらだいたいの人がそんな感想をいだくように思う。)

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